体を求めて動き回る頭蓋骨。名作曲家「ハイドン」は150年も首を盗まれていた!?

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ぐっさん
今回の都市伝説のテーマはずばり「動く頭蓋骨」
夜な夜な体を求めて動き回るという恐るべき頭蓋骨についてでっす!
マキエ
おおー。
なかなか怖そうなテーマね。
マキエ
でも、頭蓋骨なんてそうそう見ないからあんまりピンとこないわねぇ。
頭蓋骨がカタカタ動くなんて結構ありきたりだし。
ぐっさん
普通はそうだよね。
でも、この都市伝説は頭蓋骨の盗難という事件が元になって結構リアリティのある話なんだよ
マキエ
頭蓋骨の盗難……。
何のために……。
ぐっさん
ちょっと興味出てきたでしょ?
それじゃさっそく紹介していくね。

約150年の間、首を盗まれたハイドン


ぐっさん
時は1820年。
ある人物の頭蓋骨を所有していたローゼンバウムっていう人がいたんだけど、その人の……
マキエ
いやいやいや、ちょっとまって。
話が唐突過ぎるんだけど。
ぐっさん
ん?
マキエ
なんで普通の人が頭蓋骨なんて持ってるのよ。
ぐっさん
ああ、墓を暴いて首を引きちぎって持って帰ってきたからだよ。
で、その頭蓋骨ってのが……
マキエ
いやいやいや!
何よ!墓を暴いて首を持って帰ってきたって!
そっから説明しなさいよ!
ぐっさん
んー。
じゃぁちょっと長くなるけどイチから詳しく説明していくね。
マキエ
初めからそうしなさいよ……。
ぐっさん
まず、頭蓋骨を盗まれた人っていうのが“交響曲の父”とも呼ばれている
「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
という超有名な作曲家。
マキエ
まじで!
超有名人物じゃん!
マキエ
たしかドイツの国歌を作った人じゃなかったっけ。
ぐっさん
あ、そうなの?
ボクはその辺はよくわかんない。
マキエ
……。
ぐっさん
で、ハイドンは1809年5月31日に77歳で死を迎え、フントシュトゥルム墓地に埋葬されるんだ。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
ただ、実はハイドンはエステルハージ家の本拠地に埋葬してくれって遺言を残してて、それを発見したニコラウス2世って人は遺言を叶えるべく1820年に墓を掘り返したのよ。
マキエ
大体11年後か。
11年前の死体を掘り返すって結構怖いわね……。
ぐっさん
ところがどっこい、ハイドンの遺体を掘り出してみると、なんと首から上がきれいさっぱり無くなっていたんだ。
マキエ
おーう……。

盗まれた首の行方


ぐっさん
ニコラウス2世は慌ててウィーンにある警察にこのことを報告。
するとあっさり犯人が見つかるんだよ。
マキエ
あら、そうなんだ。
以外ね。
ぐっさん
ちなみにその犯人というのが刑務所の管理人である
「ヨハン・ネポムーク・ペーター」
という人物。
マキエ
あれ?
さっき言ってた人と違うわね。
ぐっさん
それも後から説明するよ。
ぐっさん
このペーターって男は何と頭蓋骨収集を生きがいにしていて、ありとあらゆる頭蓋骨を測定しているという変わった人物なんだ
マキエ
変わったどころか変態じゃない……。
なんでそんなことを……。
ぐっさん
ペーターは頭蓋骨の形と知性は何かしらの関係があると考えて自分で色々調べてたみたい。
マキエ
学者ならまだしも本業は刑務所の管理人なんでしょ……。
ぐっさん
ここで犯人が逮捕されて無事、頭蓋骨が戻るかと思いきや事件はあらぬ方向へ展開していきます。
ぐっさん
なんとペーターは
「カール・ローゼンバウム」
という人物に頭蓋骨をプレゼントしていたんだよ。
マキエ
あ、最初に出てきた人だ。
マキエ
しかもプレゼントって……

ハイドンの異常崇拝者・ローゼンバウム

ぐっさん
実はペーターが墓を掘り起こした時には共犯者がいて、その共犯者っていうのがこのローゼンバウムという男。
ぐっさん
彼は元々はエステルハージ家に勤めていた男なんだけど、ハイドンの異常な崇拝者として知られていたんだ。
マキエ
頭蓋骨を引っ張り出すなんてストーカーを遥に凌駕しちゃってるもんね……。
ぐっさん
そして共犯を認めたローゼンバウムは当然、警察の厄介になるんだけど警察には

「ハイドン様の聖なる頭部が、うじ虫に喰われたり悪人やいんちき哲学者や悪ガキどものおもちゃにされたりしないように、祭壇に祭っていた」

と証言していたらしい。

マキエ
かなり危ない人物ね。
ぐっさん
そして警察はローゼンバウムの家を家宅捜索するんだけど、頭蓋骨は一向に見当たらなかったんだ。
マキエ
なんで?
ぐっさん
ローゼンバウムが返したくなくて隠してたから
マキエ
往生際悪すぎでしょ!
ぐっさん
で、なかなか解決しない事件に痺れを切らしたニコラウス2世はローゼンバウムと直接取引して頭蓋骨を買い取るという手段に出たんだ。
マキエ
ええぇぇぇ……。
なんでお金を払わなきゃならないの……。
ぐっさん
まぁハイドンの事を思って早くケリを付けたかったんじゃない?
ぐっさん
しかし、事件はこれで解決とはいかなかったんだ。
マキエ
まだなんかあんの。

送られてきた偽物の頭蓋骨

ぐっさん
ニコラウス2世はかなりの金額をローゼンバウムに払うと後日、ニコラウス2世の所に頭蓋骨が送られてきたんだ。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
ただ、あまりにもローゼンバウムの狂信っぷりを見ていたローゼンバウムは念のために鑑定を実施。
すると鑑定の結果、この頭蓋骨は若い女性の頭だということが判明したんだ。
マキエ
まじか……。
ぐっさん
このことに怒ったニコラウス2世はローゼンバウムに猛抗議。
その結果、後日ちゃんと老人の頭蓋骨が届けられてエステルハージ侯爵家ゆかりのアゼンシュタットのベルク教会に埋葬されんだ。
マキエ
これで一件落着ってわけね。
ぐっさん
いや、実はその老人の頭蓋骨も偽物だったんだよ……
マキエ
はぁ!?

体を求めて動き回る頭蓋骨

ぐっさん
そして今回の都市伝説となる動き回る頭蓋骨がここで出てきます。
マキエ
ええ……今までのが前置きだったの……。
ぐっさん
若い女の頭蓋骨と老人の頭蓋骨を送り付けたローゼンバウムだけど、実はハイドンの頭蓋骨はちゃんと大事に持ってたんだ。
ぐっさん
ある奇妙な現象がローゼンバウム夫妻を襲い始めるまではね。
マキエ
奇妙な現象?
ぐっさん
最初に目撃したのはローゼンバウムの妻なんだけど、ハイドンの首から唸り声が聞こえてくるのを耳にしたんだ。
ぐっさん
ローゼンバウムの妻は風が頭蓋骨を通り抜ける時に何か音を出しているのだと思ってたんだけど、後日にローゼンバウム自身もその声を聴くことになる。
マキエ
ほう……。
ぐっさん
しかもその唸り声は日に日に大きくなり、あごの関節ががくがく揺れたり徐々に奇妙な現象は悪化していった。
最初のうちは耐えてたんだけど、遂に耐えれなくなったローゼンバウムはハイドンの頭蓋骨を手放すことを決意。
マキエ
そこでニコラウス2世の手元にかえっていくってわけね。
ぐっさん
いや、ハイドンの頭蓋骨はまた別の人に譲られたんだよ……
マキエ
なんでやねん!

145年ぶりに胴体と再開した頭蓋骨


ぐっさん
実は頭蓋骨はその後もいろいんな人々に渡され、その都度、怪異現象が起きていたといわれてるんだ。
で、最終的にロシアまで行っちゃう。
マキエ
オーストリアからロシアってかなり遠いわよ……。
ぐっさん
その後、1895年に最終的にウィーンの楽友協会の所有となるの。
で、1954年にようやく頭蓋骨はアイゼンシュタットに運ばれて胴体と再開することになったんだ。
マキエ
いやいや、楽友協会の所有になった時点ですぐに戻しなさいよ!
60年ちかく何をしてたのよ!
ぐっさん
何してたんだろうね……。
ぐっさん
これが胴体を求めてさまよう頭蓋骨の都市伝説。
なかなかスケールがデカかったでしょ
マキエ
んー。都市伝説の部分より頭蓋骨収集家とか狂った崇拝者とかの話のほうが面白かったわね。
ぐっさん
あ、やっぱり?
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