25万人の遺体が沈むバイカル湖！史上最大の凍死者を出したシベリア大雪中行軍！

今回の都市伝説はロシアにあるバイカル湖という湖にちなんだ話について紹介したいとおもいまっす！

あー。なんか聞いたことがあるかも。
なんか北の方の国にある綺麗な湖じゃなかったっけ。

お、よく知ってるね。
ちなみにこれが冬のバイカル湖。

なにこれ。

この写真はバイカル湖が凍って、さらに雪が積もった状態だね。

へー。
初めて見たけど、想像していたよりめちゃくちゃ幻想的ね。

でしょ。
ちなみに今では世界自然遺産にも登録されていたりするんだ。

この風景は生で見てみたいわねー。

で、この湖がどうかしたの？

実はこのバイカル湖はちょっと怖い一面もあってね。
湖の底には25万人もの遺体が沈んでいると言われているし、さらに定期的に失踪事件が起こったりもしているんだよ。

……え？

それじゃ早速紹介していきまっす！

シベリアの真珠と呼ばれる世界遺産「バイカル湖」

まず本題に入る前に簡単にバイカル湖について紹介していくね。
このバイカル湖はロシアのシベリアにあるアジア最大の湖で、全世界に存在する淡水のうち2割がこのバイカル湖にあると言われているほど超巨大な湖なんだ。

え、ロシアってアジアだったの……？

え、そっち……？
まぁアジアって中国とかインドってイメージがあるけど、ロシアもアジア圏だよ。正確には北アジアかな。

へー。

話を戻すけど、このバイカル湖の広さはなんと31,720ｋ㎡。
ちなみに日本の九州の大きさが36,750ｋ㎡だから、ほとんど九州一個分だね。

でっけぇ……。

しかも水深が1,643ｍと言われていて、深さでは世界一の湖なんだ。

もう湖というよりほとんど海ね。

そうだね。
そしてこのバイカル湖は春から秋にかけての間は普通の湖なんだけど、冬の間は厚い氷に覆われて完全に凍ってしまうという別の顔をもっていたりもします。

それがさっきの写真ってわけか。

そうそう。
しかも氷の厚さは数メートルにもなるから、氷の上を車やバイクで走る事もできるんだって。

へー。

って、そんな事はいいのよ。
さっき言ってた25万人の遺体の話をしなさいよ。

そうだね。
前置きはこれぐらいにして、そろそろ本題に入ろうかな。

ロシア革命で敗れた白軍。帝国再建を夢見て8000㎞の軍行を開始

今回の事の発端は1917年の第一次世界大戦。
当時のロシアではロシア革命が勃発して、今までロシアを統治していたロマノフ朝が崩壊し、新たに登場したソビエト政府が国の実権を握ったんだ。

え、何……。
歴史の小難しい話とか要らないんだけど……。

その辺はすぐ終わるからちょっと我慢して。

で、ソビエト政府は交戦中だったドイツと休戦を結んだんだけど、ロシア国内ではソビエト政府を支持する「赤軍」と反ソビエト政府の「白軍」による内戦が勃発するんだ。

うん。

で、細かい所は今回の話とは関係ないから省くけど最終的には白軍が内戦に敗れて、革命から2年後の1919年11月15日に本拠地であるオムスクを赤軍に奪われてしまう。

決着したって事？

いや、白軍はこの時点では諦めていない。
オムスクを追われた白軍は体制を整えるためにできる限りの軍資金をかき集め、赤軍の勢力が及ばないシベリアの奥地である太平洋海岸へ向けて撤退を開始したんだ。

ふんふん。

この撤退の事を「シベリア大雪中行軍」というんだけど、目的地である太平洋海岸までの距離はなんと約8,000㎞。

8,000㎞ってどれぐらい？

んー。
北海道から沖縄まで約3,000㎞だから日本を一往復半できる距離だね。

えげつない距離ね……。
もちろん歩きなわけでしょ？

そう。
さらにオムスクを追われた白軍の人数は兵士や農民、亡命者を全て合わせると約125万人もいて、「極寒の地を125万人が8,000㎞先の目的地に向かって歩く」という前代未聞の行軍になるんだ。

スケールが大きすぎてイメージすらできないわね……。

世界史上最大の凍死者を出した「シベリア大雪中行軍」

オムスクを追われた白軍は大行列を成して太平洋海岸に向かっていたんだけど、さっきも言った通り当時の季節は冬。
気温は連日マイナス20度を下回り、体力が無い人や動けなくなった人たちは見捨てられ、次々に凍死者が出てしまうんだ。

う……。

そしてオムスクを追われてから3か月目。
過酷な環境の中、2000㎞を歩いてきた白軍は今度は巨大なバイカル湖に進路を阻まれてしまう。

あー。
ここでバイカル湖が出てくるのか。

さらに出発当時では125万人いた人たちも、3か月の間に25万人まで減ってしまい生き残っている人たちも疲労困憊の上、かなり限界に近い状態だったんだ。

まぁそりゃそうよね……。
それにしても減りすぎな気がするけど……。

かといって戻る事はできないし、バイカル湖を迂回するにも距離がありすぎる。
そこで白軍は決死の覚悟で凍ったバイカル湖を横断する事を選択したんだ。

ほう。

ただ、この選択が思いもよらぬ結末を生むこととなるんだけどね……。

あ、大勢が渡ったせいで氷が割れたとか？

いや、そんな単純な物じゃない。
実は白軍に更なる大寒波が襲い掛かったんだよ。

現時点でマイナス20℃なんでしょ……？
今以上に寒くなんの……？

うん……。
バイカル湖の対岸までの距離は約80㎞の道のりだったんだけど、白軍を襲った大寒波の影響で気温は最大マイナス70℃まで低下して、寒さのあまり気絶したり、歩きながら身体が凍るという、バイカル湖の上はまさに地獄絵図と化すんだ……。

歩きながら凍るって想像すらできないんだけど……。

恐ろしいよね……。

で、どうなったの。

残念ながら、バイカル湖を渡っていた25万人の人たち全員が凍った湖の上で凍死。
125万人いた白軍は誰一人、太平洋海岸に到達することなく全滅してしまうんだ……。

まるで死の軍行ね……。

そうだね。
ちなみにこの行軍は人類史上最大の凍死事件だったりもする。

で、この白軍の人たちの遺体が湖の底にあるって訳？

そう。
冬の間のバイカル湖は氷に覆われているけど、春になったら普通の湖になるからね。
25万人の凍死者達は春の訪れと共にバイカル湖の底に沈んでいったというわけさ……。

なるほど……。
どういう事だったのね。

ちなみにこのバイカル湖はバミューダトライアングルのような失踪事件や、怪奇現象の目撃例が多くてね。
「湖の上を歩く行列を見た」とか「霧の中に巨大なお城を見た」とか色んな話もあったりする。

湖の上を歩く行列はわかるけど、お城って何なのかしら……。

それはわかんない……。

ただ実際、最近だと2011年にプレジャーボートで出かけた四人組が行方不明になっている上、捜索にでたレスキューチームもそのまま行方不明になっていたりもする。
しかもレスキューチームについては長年バイカル湖を熟知している人たちだった上、何故か携帯電話もつながらなくなるという怪奇現象も起こったんだってさ。

うーん……。
やっぱりこういう場所って悪い事を引き寄せる何かがあるのかしら……。