実在した本物の零円札?千円札裁判が生んだ名作とは!

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ぐっさん
今回のテーマはずばり「お金」!
それも実在した「本物の零円札」についてでっす!
マキエ
零円札?
大昔は1円より安いお金が使われてたのは知ってるけど零円ってどういうこと?
ぐっさん
いや、そのままの意味だよ。
本当に零円。
何枚あっても零円。
マキエ
いやいやいや……。
そんな零円札なんて聞いたことないし、そもそも零円札なんて何の意味があるの?
ぐっさん
ところがどっこい。
実は本物の零円札が存在するんだよ……。
マキエ
えぇ~……?
ぐっさん
それじゃさっそく紹介していきまっす!

実在した本物の零円札

ぐっさん
それじゃまずは口で色々説明するよりも、まずは実物を見てもらったほうが早いと思うので先に零円札をご覧いただきたいとおもいまっす。
ぐっさん
その零円札はこちら!

マキエ
……。
やっぱ偽札じゃん……。
ぐっさん
いやいやいや!
偽札じゃないよ、ちゃんと真ん中に「本物」って書いてるでしょ!
マキエ
でもお店とかで使えないお金なんて意味がないじゃない……。
ぐっさん
まぁ仮に使えたとしても零円だから何も買えないけどね。
あと、そもそもお金じゃないから偽札じゃないよ。
マキエ
またそんな屁理屈を……。
なんか今回のアンタはシャクに触るっていうかイライラする返しが多いわね。
ぐっさん
実はそれには訳があって、今僕が言った屁理屈のような事は後半への“フリ”だと思ってよ。
マキエ
はぁ……。
マキエ
で、ちなみにこれは何なの?
ぐっさん
実はこれ「赤瀬川原平」っていう人の作品なんだよ。
マキエ
作品?
ぐっさん
そう。
ボクはあんまりアートには詳しくないけど、いわゆる現代アートっていうやつなのかな。
マキエ
さすが現代アート。
訳わかんないわね。
ぐっさん
でもこの作品には深い想いが込められていて、実は赤瀬川さんは過去に一度「千円札裁判」と呼ばれる事件で有罪判決を受けたことがあるんだよ。
マキエ
千円札裁判?
ぐっさん
うん。
赤瀬川さんは過去に超精密な千円札を模写した作品を作っていてね。
それが偽札か否かという裁判が開かれたんだよ。
マキエ
え、何。
じゃぁこの零円札も偽札犯が作ったってわけ?
そっちの方が気になるんだけど
ぐっさん
いや、別に赤瀬川さんは偽札犯じゃないよ……。

美術史に名を残した「千円札裁判」。模写した千円は偽札なのか?

ぐっさん
例えばマキエがデッサンの練習をしてたとして、千円札を完璧に模写したとしよう。
マキエ
うん。
ぐっさん
果たしてそれは偽札になるのかな?
マキエ
ん……?
いや、ただの模写でしょ?
模写しただけで犯罪者呼ばわりされたらたまったもんじゃないわ。
ぐっさん
でもそれが情熱がこもりすぎるあまり本物とうり二つになったら……?
マキエ
ええぇ~……。
それは本人の気持ち次第じゃないの……?
偽札を作りたかったのか、ただのデッサンだったのかによって決まるんじゃないの……?
ぐっさん
そうだね。
でもその気持ちは本人しかわからないわけだよ。
マキエ
まぁ何とでも言えるもんね。
ぐっさん
そしてこの千円札裁判が起きた理由は赤瀬川さんが作った「千円札の模型」という作品がきっかけなんだ。

マキエ
千円札の模型?
ぐっさん
うん。
別名「模型千円札」とも呼ばれてるんだけど超精巧な片面刷りの千円札のような作品だったんだ。
マキエ
片面刷りってことは偽札じゃないって事よね?
ぐっさん
そう。赤瀬川さんは当然偽札なんて作る気はなかった。
でも、当時「チ-37号事件」って呼ばれる偽札事件が起きていてね。
その犯人と間違われそうになったことがあるんだよ。
マキエ
ああ、タイミングが悪かったって事ね……。
ぐっさん
とはいっても、あくまで作品としての千円札だったから警察もすぐに偽札ではないとは分かったんだけど赤瀬川さんは結果的に懲役三か月の有罪判決になっちゃうんだ。
マキエ
え、なんで!?
ぐっさん
実は通貨及証券模造取締法っていう法律があって、その第一条に
「貨幣、政府発行紙幣、銀行紙幣、兌換銀行券、国債証券及地方債証券ニ紛ハシキ外観ヲ有スルモノヲ製造シ又ハ販売スルコトヲ得ス」
と定められている。
マキエ
簡単にいうと?
ぐっさん
簡単にいうと
「紙幣や証券と勘違いするような紛らわしい物を製造したら駄目」
っていう法律だね。
マキエ
あー、つまり悪意がなくてもお金と勘違いしそうなものはダメって事?
ぐっさん
そうそう。
そして警察は「偽札ではなくても通貨及証券模造取締法違反にあたる」として逮捕したってわけ。
マキエ
ほう……。
でも、お金の模写ってどこまでがセーフでどこまでがアウトなのかしら……。
ぐっさん
それが明確には定められてないみたいだね……。
ぐっさん
でも、結果的には裁判で「千円札の模型が公の信用を揺るがせる」と指摘されて有罪判決となったってわけ。
マキエ
なんとなくわかってきたわ。
その有罪が納得いかなくて、またお金の作品を作ったって事ね?
ぐっさん
おお、その通り。
実は超精密に千円札を模写した「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」っていう作品も作ってるんだけど……

マキエ
え、これも偽札認定されるんじゃないの……?
ぐっさん
実は偽札と疑われないぐらいかなりデカい。

マキエ
すごい……。
というか、今気づいたけどタイトルもすごいわね……。
マキエ
でも、模写して逮捕されたのに今度は本物を作ろうとするなんて何か不思議ね。
ぐっさん
その件についても深い意味があったらしいよ。

紙幣はコピーだけど作品は本物。

ぐっさん
マキエって紙幣ってどうやってできてるか知ってる?
マキエ
あー、なんか原版があってそれを刷るんでしょ?
ぐっさん
そう。
ということはお金はそもそも複製品なわけだよ。
マキエ
うん。
マキエ
んん……?
言われて見ればそうなるのかしら……?
ぐっさん
つまり原版から複製されたお金が本物として扱われているわけだけど、赤瀬川さんは
「複製されたお金が本物で私の作品が偽物というのがおかしい」
と思い本物の零円札を作ったらしいんだ。
マキエ
え、でも零円札なんて存在しないから偽物なんじゃないの……?
ぐっさん
いやいや、零円札が存在しないからこそ本物になるわけだよ。
つまり芸術作品としても本物で、日本銀行券の複製ではないから偽物では無い。
ぐっさん
つまり本物の零円札という訳。
マキエ
あーー!こんがらがってきた!
アンタが最初に言ってた屁理屈が前振りって言ってたのはコレか!
ぐっさん
そう。
まぁとにかく赤瀬川さんは本物にこだわり続けたってことだね。
マキエ
本物ってなに……。
ぐっさん

なんか禅問答みたいなことを言い出したな……。

まとめ

ぐっさん
以上が本物の零円札と千円札裁判について。
意外と面白かったでしょ?
マキエ
んー……。
なんか釈然としないわね……。
なんとなく言いくるめられた気もするし……。
マキエ
でもさー。
本物が存在しないと偽物になれないのと同じように偽物が存在しないのに本物になれないんじゃないの?
ぐっさん
ん!?
マキエ
お金の原版は複製して印刷したお金があるからこそ本物の原版になるわけで、印刷したお金が無ければ原版はただの原版なんじゃないかってこと。
つまり零円札の偽物が登場しない限り、対比する零円札は本物にはなれないんじゃないの?
ぐっさん
いや、でも芸術作品としては本物だから……
あれ……?
マキエ
まぁ物は言い様って事ね。
ぐっさん
……(あっ、議論が面倒になって無理やりおわらしたな……)
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2 件のコメント

  • 紙幣はコピーだけど作品は本物でマキエが言われ見ればではなく言われて見ればではないですか?

    • ンダホシルクモトキマサイさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。
      >>言われ見ればではなく言われて見ればではないですか?
      おっしゃる通りです。脱字してましたね……。さっそく修正させていただきました。
      ご指摘ありがとうございました!

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