

引きこもりの話なんて興味ないんだけど……。

まぁ確かに普通の引きこもりの話ならそうかもしれない。
でも、コリアー兄弟の話は誰もが「嘘やん……」っていうぐらい奇妙で信じられないような話なんだよ。
でも、コリアー兄弟の話は誰もが「嘘やん……」っていうぐらい奇妙で信じられないような話なんだよ。

奇妙な話?

どちらかというと都市伝説というよりかは奇想天外な事件って感じの話だね。

ふーん。
例えばどんな?
例えばどんな?

んー、一言で言うなら
「超金持ちなのに兄弟揃って引きこもって最後は自分の罠と餓死で死亡」
みたいな?
「超金持ちなのに兄弟揃って引きこもって最後は自分の罠と餓死で死亡」
みたいな?

何それ……。

ほら、興味沸いてきたでしょ?

いや、興味は沸いてないけどどんな話か気になっただけ。

それを興味が沸いたって言うんだよ……。

それじゃさっそく紹介していきまっす!
エリート一家に生まれた「ホーマー・コリヤー」と「ラングレー・コリヤー」

それじゃ改めて今回紹介するコリヤー兄弟のフルネームは「ホーマー・コリヤー」と「ラングレー・コリヤー」。
1900年代にマンハッタンのハーレム地区に住んでいたアメリカ人兄弟のお話でっす。
1900年代にマンハッタンのハーレム地区に住んでいたアメリカ人兄弟のお話でっす。

あ、ハーレムって聞いた事ある。
黒人系の人たちが住んでいる地区なんでしょ?
黒人系の人たちが住んでいる地区なんでしょ?

今はそういうイメージがあるけど、ハーレムは元々お金持ちの白人達の保養地的な高級住宅街だったんだよ?

あ、そうなんだ。

まぁ、この事もコリアー兄弟が引きこもった原因と関係してくるんだけどね。

?

まぁそれはひとまず置いといて、コリヤー家の内情から紹介していくよ。

当時、ハーレムの中でも特に一等地に住んでいたコリヤー一家は父親は産婦人科の医者、母親はギリシャ語を話すとても気品にあふれた女性で、名家といっても過言ではない裕福な家庭だったんだ。

あ、わかった。
家が金持ちすぎて子供が残念な感じに育っちゃったとか?
家が金持ちすぎて子供が残念な感じに育っちゃったとか?

いや、兄のホーマーは14歳でニューヨーク大学に入学して博士号をとった天才の法律家だし、弟はカーネギーホールで演奏したこともあるピアニスト。
つまり両親だけでなく息子二人もエリートだったんだよ。
つまり両親だけでなく息子二人もエリートだったんだよ。

なんかボンボンな感じね……。

しかし、ある事件がきっかけで二人の人生はゴロッと変わっていくんだよ。

ある事件?
両親の離婚と母親の死別により社会を拒絶した二人

エリートだった二人が社会を拒絶しはじめたきっかけは両親の離婚。
コリヤー兄弟が20代後半にさしかかった頃に父親が患者の女性に手を出している事が発覚して、両親はその事が原因で離婚してしまうんだ。
コリヤー兄弟が20代後半にさしかかった頃に父親が患者の女性に手を出している事が発覚して、両親はその事が原因で離婚してしまうんだ。

医者が患者に手を出すのも最低だけど、それが産婦人科医って最低じゃん……。

そうだよね。
で、その事が原因で父親は家にいられなくなって出ていく訳だけど、この頃から二人は仕事を辞めて家に引きこもりがちになるんだ。
で、その事が原因で父親は家にいられなくなって出ていく訳だけど、この頃から二人は仕事を辞めて家に引きこもりがちになるんだ。

ふんふん。

ただ、この時点では“仕事をやめてふさぎ込んだ”ぐらいで、まだ社会との交流は残っていた。
しかし、数年後に母親が死亡してしまうんだけど、その日を境にコリヤー兄弟は一切の外部との接触を断ったんだ。
しかし、数年後に母親が死亡してしまうんだけど、その日を境にコリヤー兄弟は一切の外部との接触を断ったんだ。

え、でも外部との接触を断つっていっても、生きていく上で必ずだれかとは合わないといけないでしょ?

それが1910年頃から誰一人としてコリヤー兄弟の顔を見た人はいないんだよ……。
誰の前にも姿を見せなくなったコリヤー兄弟

さっき“誰一人としてコリヤー兄弟の顔を見た人はいない”って言っていたけど、どういう意味?
社会の表舞台に出なくなったって意味?
社会の表舞台に出なくなったって意味?

いや、本当にそのままの意味。
完全に引きこもってしまって誰とも会わなくなってしまうんだよ。
完全に引きこもってしまって誰とも会わなくなってしまうんだよ。

え、そんなんで生活していけんの……?

お金は持ってるからね。
でも、法律を守って無かったせいで水道や電気は止められていたから、生活に使う水は朝早くに公園に行って水を汲んだり、ご飯はレストランからでた残飯をゴミ箱から漁って食べていたらしい。
でも、法律を守って無かったせいで水道や電気は止められていたから、生活に使う水は朝早くに公園に行って水を汲んだり、ご飯はレストランからでた残飯をゴミ箱から漁って食べていたらしい。

えぇ……。金持ちのする事とは思えないんだけど……。

“人と会うぐらいならゴミ箱から残飯を漁って食べたほうがマシ”と考えたみたいだね。

ちなみに電気の代わりに石油ストーブを使ってたみたいだよ。

その燃料の石油はどうやって買ってたのよ

どうしても人を介して購入しなければならない場合は家に呼びつけて、玄関から手だけを出して商品と現金の受け渡しをしていたんだって。

スケールの大きい引きこもりね……。

そして最初にも少し触れたけど、この頃からハーレムにはアフリカ系の黒人たちが移民してきて、たった数年の間に治安がかなり悪くなっていったんだ。

するとコリヤー兄弟は自衛のために家の門をコンクリートで塗り固めて完全に遮断し、窓という窓に鉄格子を付けて、さらに全ての出入りできそうな場所には有刺鉄線などを使った罠を張り巡らせたんだ。

えぇぇ……。
一本の匿名の電話で発見された兄弟の死


そしてこの事件が明るみに出たのは1947年3月21日。
警察に「チャールズ・スミス」という偽名で
「コリヤー家から悪臭がする。人が死んでいるんじゃないか」
という通報があったんだ。
警察に「チャールズ・スミス」という偽名で
「コリヤー家から悪臭がする。人が死んでいるんじゃないか」
という通報があったんだ。

ふんふん。

そして通報を受けた警察は確認のためにコリヤー家に向かったんだけど、門はコンクリートで塗り固められているわ、そこら中に罠が仕掛けられているわで中に入れなかったんだ。

まぁそのための罠だしね……。

そして警察は現場に到着してから10時間後に二階のベットで死亡していた兄のホーマー・コリヤーを発見するんだ。

10時間って時間かかりすぎじゃない?

いや、大量の物と罠のせいで全然進むことができなかったんだよ……。

ん?
玄関にバリゲートが組まれていたってこと?
玄関にバリゲートが組まれていたってこと?

いや、玄関だけじゃないんだ。
家の中は様々な物で溢れかえっていたんだよ……。
家の中は様々な物で溢れかえっていたんだよ……。

ちなみにが当時のコリヤー兄弟の家の写真。


なにこれ……。

なんと家の中かからは車が3台、グランドピアノが14台、オルガンが2台、大量のタンスと衣類、数千冊の本、大量のマネキン人形、あとは罠の作成に使われた鉄や有刺鉄線が発掘されたんだ……。

他にも玩具やレコードや挙げだしたらキリがないほどあるけどね。

え……。車……?
家の中よね……?
家の中よね……?

そう。ガレージじゃなくて家の中から車が3台。
重量に変換すると全部で120トンものゴミが出てきたらしいよ。
重量に変換すると全部で120トンものゴミが出てきたらしいよ。

うへぇ……。

そういえば、お兄さんの死亡の原因は何なの?

兄のホーマー・コリヤーの死因は餓死。
実は兄のホーマーは目の病気を患っていて失明状態だったんだけど、その兄のために弟のラングレーが毎日食事の用意をしていたらしい。
実は兄のホーマーは目の病気を患っていて失明状態だったんだけど、その兄のために弟のラングレーが毎日食事の用意をしていたらしい。

へー……。

……ん?
それじゃ弟はどこ行ったの?
兄を見捨てて逃げたって事?
それじゃ弟はどこ行ったの?
兄を見捨てて逃げたって事?

ホーマー・コリヤーが発見された当初は
「匿名の電話主がラングレー・コリヤーで、警察にホーマー・コリヤーの死体を片づけさせようとした」
っていう噂が流れていたんだけど、実はこの時点で弟のラングレー・コリヤーも死亡していたんだ。
「匿名の電話主がラングレー・コリヤーで、警察にホーマー・コリヤーの死体を片づけさせようとした」
っていう噂が流れていたんだけど、実はこの時点で弟のラングレー・コリヤーも死亡していたんだ。

あ、そうなの?
どして?
どして?

ラングレーの死亡の原因は実は転落による事故死。
実は泥棒撃退用に作った罠に自分で引っかかってしまって、そのまま死亡してしまったんだよ。
実は泥棒撃退用に作った罠に自分で引っかかってしまって、そのまま死亡してしまったんだよ。

そしてお兄さんに食事を運ぶ人がいなくなってお兄さんも餓死したと。

そういう訳だね。
ちなみにラングレー・コリヤーの死体が発見されたのは1947年4月8日でホーマー・コリヤーの死亡が確認された3週間後の話になるんだ。
ちなみにラングレー・コリヤーの死体が発見されたのは1947年4月8日でホーマー・コリヤーの死亡が確認された3週間後の話になるんだ。

え、なんで?

ラングレー・コリヤーは兄のホーマー・コリヤーから3メートルぐらい離れたところで死亡していたんだけど、物が大量にあるせいで誰もラングレー・コリヤーを見つけることが出来なかったんだよ……。

えぇぇ……。

後日、清掃業者がゴミの処分に来た時にゴミの中から出てきたんだってさ……。


そりゃなんというか……。
清掃業者の人はかなりびっくりしたでしょうね……。
清掃業者の人はかなりびっくりしたでしょうね……。
まとめ

以上が元祖引きこもり兄弟の「コリヤー兄弟」の話でした。
どうだった?
どうだった?

なんか日本の孤独死問題を連想させるわね……。
やっぱり人間って一人じゃ生きていけないって事なのかしら……。
やっぱり人間って一人じゃ生きていけないって事なのかしら……。

なんか意外な所に話が着地してない……?

ちなみに物を集めて捨てれなくなる事を「強迫的ホーディング」っていうんだけど、これは現代では精神病の一種といわれているんだ。

あ、そうなんだ。

もしかしたら両親の離婚や母親が死亡して精神が弱っている時に、自分の住んでいる地域が黒人が来たせいで精神病が発症しちゃってたのかもしれないね。

あー。
なるほどねぇ。
なるほどねぇ。

まぁこれはあくまでボクの勝手な推測だけどね。

でも“極めれば一芸”とよく言うけれど、引きこもりもここまで極めれば大したものよね。

いや、たぶんそれは違うんじゃないかな……。
それも海外では有名な「コリヤー兄弟」について紹介したいと思いまっす!