なんかまるで推理小説のタイトルみたいな事件名ね。
何?悪魔の詩を読んじゃったばっかりに呪われてしまったとかそんな話?
何?悪魔の詩を読んじゃったばっかりに呪われてしまったとかそんな話?
確かにそんなオカルト的な雰囲気が漂う事件名だけど、今回の話は現実に起きたれっきとした殺人事件だよ。
ただ普通の事件と違うのは本当に悪魔の詩が原因で起きた殺人事件ってところかな。
ただ普通の事件と違うのは本当に悪魔の詩が原因で起きた殺人事件ってところかな。
普通の殺人事件なのに悪魔の詩が原因……?
アンタの言ってる意味がよく分かんないんだけど……。
アンタの言ってる意味がよく分かんないんだけど……。
それは聞いてからのお楽しみ。
それじゃ早速紹介していきまっす!
それじゃ早速紹介していきまっす!
小説が生んだ悲劇「悪魔の詩訳者殺人事件」
それじゃ改めて今回紹介する話は悪魔の詩訳者殺人事件(あくまのうたやくしゃさつじんじけん)。
この事件は「悪魔の詩」というタイトルの小説が原因で起きたといわれている未解決殺人事件でっす。
この事件は「悪魔の詩」というタイトルの小説が原因で起きたといわれている未解決殺人事件でっす。
ああ、悪魔の詩って小説のタイトルだったんだ。
ということは、翻訳者が殺された事件って事?
ということは、翻訳者が殺された事件って事?
その通り。
悪魔の詩という小説がどういった物かは後で紹介するとして、まずは事件の全貌を紹介していくね。
悪魔の詩という小説がどういった物かは後で紹介するとして、まずは事件の全貌を紹介していくね。
今回の事件が起こったのは1991年の7月11日。
筑波大学で五十嵐一(いがらし ひとし)という助教授が大学内のエレベータホールで首をナイフで切られて殺害されるという事件が起こったんだ。
筑波大学で五十嵐一(いがらし ひとし)という助教授が大学内のエレベータホールで首をナイフで切られて殺害されるという事件が起こったんだ。
え……。大学内で起こった事件なの……?
そうだよ。そのせいもあって当時は割と話題になったんだけどね。
ちなみに五十嵐助教授の首は切断寸前ぐらいまで深くかき切られていたらしい……。
ちなみに五十嵐助教授の首は切断寸前ぐらいまで深くかき切られていたらしい……。
う……。
そして大学構内で起こった事件にもかかわらず、犯人は特定できず2006年7月11日に公訴時効が成立して迷宮入りの未解決事件となってしまうんだ。
ただ、五十嵐助教授が殺された原因だけははっきりしていて、その理由は「悪魔の詩を翻訳したから」なんだ……。
ただ、五十嵐助教授が殺された原因だけははっきりしていて、その理由は「悪魔の詩を翻訳したから」なんだ……。
悪魔の詩を翻訳したから……?
諸悪の根源となった小説「悪魔の詩」
それじゃ次に小説である悪魔の詩が一体何なのかを紹介していくね。
今回、話のメインになりつつある悪魔の詩は1988年にイギリスの作家「サルマン・ラシュディ」が発表した小説で、原題は「The Satanic Verses」という、ムハンマドをテーマにした小説なんだ。
ムハンマドって、あのイスラム教の開祖の?
そうそう。
そのムハンマドの生涯を描いた作品って感じかな。
そのムハンマドの生涯を描いた作品って感じかな。
ふーん。
ただ、この悪魔の詩はムハンマドをテーマにしつつもイスラム教を批判するような内容もいくつか含まれていたんだよ。
というと?
まぁ簡単にいうと小説内でイスラム教の聖典であるコーランを遠回しに否定したって感じかな。
あー……。コーランを侮辱したらそりゃイスラム教徒の人たちは怒るでしょうね……。
あともっと酷いのが、ムハンマドには12人の奥さんがいたんだけど、小説内には奥さん達とまったく同じ名前の12人の売春婦が登場したりもしてる。
げ……。それは酷いわね……。
イスラム教の人たちが聞いたらブチキレそうな内容ね……。
イスラム教の人たちが聞いたらブチキレそうな内容ね……。
その通り……。
実は実際にイスラム教の人達がブチ切れたんだよ……。
実は実際にイスラム教の人達がブチ切れたんだよ……。
え……。
イラン・イスラム共和国がラシュディの処刑を宣言
出版当初から色んな意味で話題となった悪魔の詩なんだけど、出版された1988年の10月にはインドが悪魔の詩を禁書として認定し発売禁止となったんだ。
あー……。
まぁ仕方ないとえいば仕方ないのかしら……。
まぁ仕方ないとえいば仕方ないのかしら……。
そして発売禁止になる程度で済めばよかったんだけど、翌年の1989年の2月には当時イラン・イスラム共和国の最高指導者だったルーホッラー・ホメイニーが作者のラシュディと出版に関わった人物全員に対し死刑宣告を行ったんだ……。
え……?
どういう事……?
どういう事……?
そのままの意味だよ……。
まぁ簡単にいうと作者のラシュディ及び出版に関わった人物がテロのターゲットに認定されて、さらに日本円にして約3億6千万円の懸賞金が掛けられたんだ……。
まぁ簡単にいうと作者のラシュディ及び出版に関わった人物がテロのターゲットに認定されて、さらに日本円にして約3億6千万円の懸賞金が掛けられたんだ……。
滅茶苦茶大事になってんじゃん……。
というかそんな事できるの……?
というかそんな事できるの……?
それができちゃうんだよ……。
イスラム法では「ファトワー」と呼ばれる勧告があって、法的拘束力は無いんだけど殆ど法律と同じぐらいに取り扱われるという仕組みがあるんだ。
イスラム法では「ファトワー」と呼ばれる勧告があって、法的拘束力は無いんだけど殆ど法律と同じぐらいに取り扱われるという仕組みがあるんだ。
へー。
ちなみにファトワーはムフティーと呼ばれる一部の人物しか発令できなくなっているんだけど、撤回についても発令した本人しかできない仕組みになっていて、今回のラシュディ暗殺を勧告したルーホッラー・ホメイニーはファトワー発令後に心臓発作で死亡。
なんとラシュディ暗殺は撤回できないまま未来永劫有効な勧告として残る事となってしまったんだ。
げ……。
そして今回の事件が原因でイランとイギリスは国交を断絶。
そして作者のラシュディは警察の保護化での生活を余儀なくされてしまったんだ。
そして作者のラシュディは警察の保護化での生活を余儀なくされてしまったんだ。
ふーん。
でも狙われているのは著者のラシュディだけなんでしょ?
日本で起きた事件と何か関係があるの?
でも狙われているのは著者のラシュディだけなんでしょ?
日本で起きた事件と何か関係があるの?
ありまくるよ……。
さっきも言った通りターゲットはラシュディと出版に関わった人物全員なんだ……。
さっきも言った通りターゲットはラシュディと出版に関わった人物全員なんだ……。
あ、じゃぁもしかして五十嵐助教授も出版に関わった人物とみなされたって事……?
その可能性が高いね……。
実際、イタリアのミラノでは翻訳者が全身ナイフで刺されたり、トルコでは翻訳者が開いた集会を襲撃されて37人が死亡したり、日本だけでなく世界各国で翻訳者が殺されるという事態が発生しているんだ……。
実際、イタリアのミラノでは翻訳者が全身ナイフで刺されたり、トルコでは翻訳者が開いた集会を襲撃されて37人が死亡したり、日本だけでなく世界各国で翻訳者が殺されるという事態が発生しているんだ……。
一部では悪魔の詩に関わった人物を殺害する専門の暗殺団まで結成されたっていう噂だしね……。
たかが小説一つでそこまで大事になるなんて……。
悪魔の詩訳者殺人事件に残された謎
そして最後は悪魔の詩訳者殺人事件で残された謎についてなんだけど、実は警察は犯人を特定できていたと言われているんだ。
へ?
そうなの?
そうなの?
うん。
ちなみに容疑者として挙がっていたのは筑波大学に短期留学していたバングラデシュ人の学生。
その学生は事件があった日の午後、逃げるかのように日本からバングラデシュに帰国しているという所まで掴んでいたんだ。
ちなみに容疑者として挙がっていたのは筑波大学に短期留学していたバングラデシュ人の学生。
その学生は事件があった日の午後、逃げるかのように日本からバングラデシュに帰国しているという所まで掴んでいたんだ。
あれ?
でもたしか殺人犯が海外に逃げた場合って時効が成立しないんじゃなかったっけ。
でもたしか殺人犯が海外に逃げた場合って時効が成立しないんじゃなかったっけ。
お、よく知ってるね。
名探偵コナンで読んだ。
意外なところで意外な名前が出てきたな……。
まぁ実際その通りなんだけど、日本は何故か時効を成立させちゃってるんだよ。
なんで?
一応建前としてはバングラデシュ人の学生が犯人だという証拠がないって事になってる。
だけど、本当のところは日本とイスラム国との関係悪化を避けるための処置だとも言われているね。
だけど、本当のところは日本とイスラム国との関係悪化を避けるための処置だとも言われているね。
あー……。
もし今回の事件がイスラム教徒による殺害なら、これはれっきとした国際テロだからね。
かなり大事になってしまうんだよ。
かなり大事になってしまうんだよ。
更に被害者の五十嵐助教授も命が狙われている事をなんとなく感じ取っていたみたいで、五十嵐助教授の机の中からフランス語で「階段の裏で殺される」というメモも発見されていたりもする。
そして五十嵐助教授が殺されたのは7階のエレベーターホール前だったりもする……。
そして五十嵐助教授が殺されたのは7階のエレベーターホール前だったりもする……。
なんか実際に殺害予告でも受けたようなメモね……。
まとめ
以上が未解決で迷宮入りとなった「悪魔の詩 訳者殺人事件」でした。
どうだった?
どうだった?
うーん……。
宗教って怖い……。
宗教って怖い……。
結論をそこに持っていくのはどうかとおもうけど、確かに今回の事件はそう感じるところが多い話ではあるね。
でも偏見かもしれないけどイスラム教の人たちって特に怖いイメージがあるんだけど……。
まぁイスラム教自体が他の宗教に対して排他的な一面が多いからね。
実際、教祖のムハンマド本人が軍事指導者だったこともあって当初から暗殺とか異教徒狩りの命令を出していたりするたみたいだし、イスラム教は元々そういう宗教なのかもしれないね。
実際、教祖のムハンマド本人が軍事指導者だったこともあって当初から暗殺とか異教徒狩りの命令を出していたりするたみたいだし、イスラム教は元々そういう宗教なのかもしれないね。
やっぱり宗教って怖い……。
それも数々の謎が残る「悪魔の詩 訳者殺人事件」についてご紹介したいと思いまっす!