なになに、黒魔術的な何か?
えっ、なんでそんな発想に……?
いや、だって「呪いのアイテム」とか「猿の手のミイラ」っていうから。
ああ、そっかそっか。
今回は残念ながら黒魔術とかは関係ないよ。
どっちかっていうと後味の悪い怖い話って感じかな?
今回は残念ながら黒魔術とかは関係ないよ。
どっちかっていうと後味の悪い怖い話って感じかな?
3つの願いを叶えてくれるのよね?
それなのに呪いのアイテムで怖い話なの?
それなのに呪いのアイテムで怖い話なの?
願いを叶えてくれるのは確かに叶えてくれるんだけど、意図しない方法で叶えてくれるんだよ……。
意図しない方法……?
それじゃ早速紹介していきまっす!
猿の手のミイラを手に入れたホワイト一家。
この話は1900年代のイギリスのとある田舎に住んでいたホワイト一家に起きた出来事の話。
ホワイト一家は年老いた父親と母親、あと働き盛りのハーバートという息子の3人家族で暮らしていたんだ。
ホワイト一家は年老いた父親と母親、あと働き盛りのハーバートという息子の3人家族で暮らしていたんだ。
ふんふん。
その父親はある日、軍人だった頃の戦友から「猿の手のミイラ」について相談を受ける。
せっかくだから久しぶりに酒でも飲み交わそうということで、その友人自宅に招待したんだ。
せっかくだから久しぶりに酒でも飲み交わそうということで、その友人自宅に招待したんだ。
そして、訪れた友人と酒を飲みかわしながら猿の手のミイラについて話を聞くことになるの。
ほう。
なんでも、その猿の手のミイラはインドで旅行中にとある行者から受け取った物らしくて3つの願い事が叶う魔法がかけられているらしいんだ。
ラッキーアイテムじゃん。
もちろん父親もそう思った。
そして当然
「ならば、なぜ君は願い事をしないのかね?」
とも聞いたんだ。
そして当然
「ならば、なぜ君は願い事をしないのかね?」
とも聞いたんだ。
そりゃそうよね。
そうすると訪ねてきた友人は
「願い事はしましたし、確かに叶いました……。しかし、二度と願い事をしたいとは思いません。」
「私はこの猿の手のミイラをどう処分するか相談に来たのです」
と深刻な顔で答えたんだ。
「願い事はしましたし、確かに叶いました……。しかし、二度と願い事をしたいとは思いません。」
「私はこの猿の手のミイラをどう処分するか相談に来たのです」
と深刻な顔で答えたんだ。
んん?
一方でいまいち状況が呑み込めない父親は願い事が叶うという話に魅せられて
「いらないなら俺がもらうよ。それで万事解決だろ?」
といって少し強引に友人から猿の手を奪い取るんだ。
「いらないなら俺がもらうよ。それで万事解決だろ?」
といって少し強引に友人から猿の手を奪い取るんだ。
一方で、猿の手を奪い取られた友人は別に取り返そうとするわけでも無く
「欲しいなら差し上げます。しかし絶対に願い事をしてはいけません。」
と父親の目をみて釘を刺したらしい。
「欲しいなら差し上げます。しかし絶対に願い事をしてはいけません。」
と父親の目をみて釘を刺したらしい。
ふーん。
そうしているうちに帰りの汽車の時間になり二人は解散。
父親が友人を玄関で見送り、リビングに戻ると一部始終を見ていた息子のハーバートが話しかけてきて
「その猿の手で願い事が叶うんだって?早速やって見せてよ」
と興味津々で現れたんだ。
父親が友人を玄関で見送り、リビングに戻ると一部始終を見ていた息子のハーバートが話しかけてきて
「その猿の手で願い事が叶うんだって?早速やって見せてよ」
と興味津々で現れたんだ。
ちゃっかりものね。
かといって、冷静になって考えてみると年老いた父親はこれといって願い事や欲しい物もなく考え込んでしまったんだ。
すると、そんな父親をみた息子は
「じゃぁ猿の手に200ポンドを頼めばいい。」
と言い出したんだ。
すると、そんな父親をみた息子は
「じゃぁ猿の手に200ポンドを頼めばいい。」
と言い出したんだ。
なんで200ポンドなの?
その家のローンの残高が200ポンドだったんだって。
あっそう……。
意外としょうも無い理由だった……。
意外としょうも無い理由だった……。
ちなみに、200ポンドは今の金額だと約3万円程度だけど、1900年代頃は7ポンドでイギリスからアメリカ間を船で旅行できるぐらいの金額だったから1年ぐらいは遊んで暮らせる金額だったらしいよ。
日本円で何千万円ってとこかしらね。
そして父親は息子と母親が見守る中で、ただの迷信に本気になってる自分に少し照れながら
「我に200ポンドを与えたまえ」
と願ったんだ。
「我に200ポンドを与えたまえ」
と願ったんだ。
……で?
特に何も起こらない。
その風景をみていた家族全員がやっぱりただのデマだと思ってその日は何事も無く終わるんだよ。
その日“は”?
そう。
その日“は”ね。
その日“は”ね。
願いが叶い、父親の手に舞い込んだ200ポンドと高すぎる代償
そして翌日。
これといって普段と変わらない朝を迎えたホワイト一家。
いつも通り息子は勤めている会社に出勤し、父親は庭の手入れにいそしむ事にしたんだ。
これといって普段と変わらない朝を迎えたホワイト一家。
いつも通り息子は勤めている会社に出勤し、父親は庭の手入れにいそしむ事にしたんだ。
ふんふん。
そしてお昼ごろになって父親がお昼ご飯を食べるために家に入ろうとしたところ、一台の高級車が止まるのを見かけたんだ。
お……?
そして中から正装した一人の男性が出てきたんだけど、男は家の門の前を行ったり来たりするだけで一向に家に入って来ようとはしない。
行動は不審者そのものだったんだけど高級車に乗って来ていたり、正装している点から考えるに不審者ではない。
行動は不審者そのものだったんだけど高級車に乗って来ていたり、正装している点から考えるに不審者ではない。
少し不審に思いながらも父親は昨日の猿の手ミイラの件の事もあって
「こいつが200ポンドを運んでくる何かかもしれない」
と思って自分から声をかけることにしたんだ。
「こいつが200ポンドを運んでくる何かかもしれない」
と思って自分から声をかけることにしたんだ。
ふんふん。
すると、声をかけられた正装の男はたいそうびっくりしながら
「私は、モー・アンド・メギンズ社のから来た使いの者です」
と名乗ったんだ。
「私は、モー・アンド・メギンズ社のから来た使いの者です」
と名乗ったんだ。
モー・アンド・メギンズ社?
ちなみにモー・アンド・メギンズ社は息子が勤めている会社ね
ああ。なるほど。
そして正装した男性は
「お気の毒ですが……、あなた方のご子息が事故に遭われたことをお伝えしに参りました」
と申し訳なさそうに話し始めたんだ。
「お気の毒ですが……、あなた方のご子息が事故に遭われたことをお伝えしに参りました」
と申し訳なさそうに話し始めたんだ。
父親は慌てて母親を呼び、男から話を聞くことにしたんだけど、その時に息子はもうこの世にいないという事を知らされるんだ。
え、何。
息子は事故か何かで死んじゃったの?
息子は事故か何かで死んじゃったの?
そう。
そして正装の男は心苦しそうに
「当社としては事故対策は万全で責任は無いと主張しております。」
「しかし、長年おつとめいただいたご子息のためにお見舞い金をお持ちしました。」
と車から鞄を取り出す。
そして正装の男は心苦しそうに
「当社としては事故対策は万全で責任は無いと主張しております。」
「しかし、長年おつとめいただいたご子息のためにお見舞い金をお持ちしました。」
と車から鞄を取り出す。
まさか……。
そして装の男は鞄を差し出してこう言ったんだ。
「中に200ポンド入っております。どうかお納めください」
ってね……。
「中に200ポンド入っております。どうかお納めください」
ってね……。
200ポンドの代償は息子の命だったって事……?
そういうことになるね。
願いは叶うけど意図しない叶え方ってそういう意味か……。
しかも話はまだ終わりません!
えっ……。
息子を生き返らせてくれるように祈った母親。
正装した男から事故の話を聞かされたあと、父親は搬送された病院に遺体の確認と引き取りにいくわけだけど、事故というのが機械への巻き込まれ事故で遺体は実の父親ですら息子だと判別が不可能なぐらい損傷していたんだって。
うわぁ……。
ちなみに息子だと分かった理由は着ていた服が一緒だったからだったらしいよ。
そういう生々しい情報はいらない……。
その後は遺体の状態の事もあって、すぐに葬儀が行われ遺体は自宅から3㎞ほど離れた墓地に埋葬されることになる。
葬儀が終わった日の夜、両親は思いもよらぬ大金が手に入ったものの、たった一人の息子をうしなって嘆き悲しんでいたんだけど母親は虚ろな目で
「そういえば猿の手は3つの願いをかなえてくれるのよね」
といって猿の手のミイラを探し始める。
「そういえば猿の手は3つの願いをかなえてくれるのよね」
といって猿の手のミイラを探し始める。
え、まだ懲りてないの……?
父親も驚いて
「いったい何を考えているんだ。」
といって落ち着かせようとしたんだけど、無造作に置かれていた猿の手のミイラを見つけた母親はすぐさま猿の手に祈ったんだ。
「いったい何を考えているんだ。」
といって落ち着かせようとしたんだけど、無造作に置かれていた猿の手のミイラを見つけた母親はすぐさま猿の手に祈ったんだ。
「私の息子を生き返らせて」
ってね……。
ってね……。
あっ、なんか嫌な予感がする……。
そして願った時点では1回目の願い事の時の様にその時は何も起きない。
でも母親は虚ろの目のまま
「これで明日の朝にはハーバートは帰ってきてくれるわ……」
と力ない声でつぶやいてたそうだよ。
でも母親は虚ろの目のまま
「これで明日の朝にはハーバートは帰ってきてくれるわ……」
と力ない声でつぶやいてたそうだよ。
もう完全に病んじゃってるじゃん……
そして父親は母親をなだめて寝ることにしたんだけど、深夜に両親はドアをたたく音に起こされることになるんだ。
え……。
そのドアをたたく音を聞いた母親は
「息子が!ハーバートが帰ってきたんだわ!」
「墓地からここまで3キロもあるからきっと帰ってくるのに時間がかかったのよ!」
と大喜びで玄関のカギを開けに走り出したんだ。
「息子が!ハーバートが帰ってきたんだわ!」
「墓地からここまで3キロもあるからきっと帰ってくるのに時間がかかったのよ!」
と大喜びで玄関のカギを開けに走り出したんだ。
え、でも息子の死体はズタズタだったんでしょ……?
うん……。
父親も慌てて母親を静止しようと一緒に玄関まで走って行ったんだけど、玄関のドアの外からはズルズルと濡れたごみ袋を引きずるような音と水が滴るような音が聞こえてきたんだ。
父親も慌てて母親を静止しようと一緒に玄関まで走って行ったんだけど、玄関のドアの外からはズルズルと濡れたごみ袋を引きずるような音と水が滴るような音が聞こえてきたんだ。
あー……。
やばいやつだ、これ……。
やばいやつだ、これ……。
でも母親はそんな事を気にせずに玄関の一心不乱に開けようとカギを開けようとしている。
そんな母親をみて説得は無理だと判断した父親はベッドのサイドテーブルに無造作に置かれていた猿の手を手に取り
「息子を墓に戻してくれ!」
と願ったんだ。
そんな母親をみて説得は無理だと判断した父親はベッドのサイドテーブルに無造作に置かれていた猿の手を手に取り
「息子を墓に戻してくれ!」
と願ったんだ。
よくそんな暇あったわね。
カギが今みたいなドアロックじゃなくてかんぬき式だったからカギを開けるまでに結構時間かかるみたい。
ああ、なるほど。
そして、願い事が言い終わるかいい終わらないかぐらいに玄関は開かれる。
しかし、そこには何もなかった。
しかし、そこには何もなかった。
……と、いう話。
おお、ギリセーフ……?
まとめ
以上が猿の手のミイラの都市伝説。
どうだった?
どうだった?
んー。
まぁまぁ面白かったわね。
最後のオチは何となく読めちゃったけど。
まぁまぁ面白かったわね。
最後のオチは何となく読めちゃったけど。
でも、都市伝説っていうより怪異小説を聞いてる気分だったわ。
お、鋭いね。
実はこの都市伝説は小説が元になっているんだよ。
実はこの都市伝説は小説が元になっているんだよ。
あ、そうなんだ。
じゃぁ作り話ってこと?
じゃぁ作り話ってこと?
んー。どうだろ。
都市伝説を題材にして小説を書いたのか、小説が独り歩きして都市伝説になったのか、そこまではちょっとわからないかな。
都市伝説を題材にして小説を書いたのか、小説が独り歩きして都市伝説になったのか、そこまではちょっとわからないかな。
ちなみに一つ目の願いの200ポンドの代償は息子の命でしょ?
二つ目の代償はなかったの?
二つ目の代償はなかったの?
んー。
代償というか、望まない形で願いが叶うという点で考えればゾンビ状態で生き返ってる事じゃないかな。
代償というか、望まない形で願いが叶うという点で考えればゾンビ状態で生き返ってる事じゃないかな。
ああ、ある意味“生き返っている”ってことか……。
じゃぁ最後の息子を墓に戻してくれっていうのは?
そこはわかんないけど、もしかしたら本来の墓じゃなくて他の人の墓に入れられちゃったとかじゃない?
あくまでボクの勝手な憶測だけどね。
あくまでボクの勝手な憶測だけどね。
ちなみにこの怪異小説の作者は「W・W・ジェイコブズ(William Wymark Jacobs)」っていうイギリスの作家で小説は「The Monkey’s Paw」っていうタイトルだから興味があったら読んでみたら?
Pawって何?
Pawは直訳すると足かな。
ふーん。
ちなみに小説だともっと別の展開があったりするの?
ちなみに小説だともっと別の展開があったりするの?
いや、基本一緒です……。
ここまでネタバレされたら、もう読む意味ないじゃん!
それも3つの願いを叶える「猿の手のミイラ」について紹介したいと思いまっす!