

え、思い込みってどういうこと?
洗脳とかなんかそんな感じ?
洗脳とかなんかそんな感じ?

んー。洗脳っていうより思い込みの威力の凄さって感じかなぁ。
心と体は綿密な関係があるって言われてるんだけど、思い込みだけで命を落とす場合もあるって事。
心と体は綿密な関係があるって言われてるんだけど、思い込みだけで命を落とす場合もあるって事。

正確には「ノーシーボ効果」っていうんだけどね。

ノーシーボ効果?
まるでプラシーボ効果みたいな名前ね。
まるでプラシーボ効果みたいな名前ね。

あ、そうそれ!
そのプラシーボ効果の逆のことをノーシーボ効果っていうんだ!
そのプラシーボ効果の逆のことをノーシーボ効果っていうんだ!

へぇ、そんなのあるんだ。

プラシーボってのはよく知られてるけど、思い込みだけでいい効果が出ること。
一方でノーシーボ効果は思い込みだけで悪い効果が出ることを言うんだよ。
一方でノーシーボ効果は思い込みだけで悪い効果が出ることを言うんだよ。

悪い効果?

たとえば病気の患者にビタミン剤を「これは病気の特効薬です」って言って渡す。
それを信じた患者がビタミン剤を飲んで思い込みの力で症状が改善されればプラシーボ効果。
それを信じた患者がビタミン剤を飲んで思い込みの力で症状が改善されればプラシーボ効果。

そうね。

一方でノーシーボ効果は病気の患者に本当の特効薬を渡しても患者が「この薬は偽物に違い無い」とか「重大な副作用があるに違いない」と信じてしまった結果、本当に薬が効かなくなったり副作用が現れたりすることがあるんだ。

へー!

まぁ簡単にいうと病は気からってやつだね。

そして、このノーシーボ効果は戦時中に死刑囚を使った実験をしてて、実際に思い込みだけで人が死んでしまったっていう話があるんだよ。

え、まじで。

今回はそんなノーシーボ実験について紹介していきまっす!
思い込みで命を落とした死刑囚「ブアメード」

この実験が行われたのは第二次世界大戦中のオランダ。
そこに政治犯として捉えられ死刑宣告を受けていた「ブアメード」という人物がいたんだ。
そこに政治犯として捉えられ死刑宣告を受けていた「ブアメード」という人物がいたんだ。

ふんふん。

そして死刑囚で死刑を待つ身だったブアメードにある転機が訪れる。
ブアメードは「医学の進歩のため、実験に協力してくれ」と言われ、生還できたら釈放してもらえるという条件が提示されるんだ。
ブアメードは「医学の進歩のため、実験に協力してくれ」と言われ、生還できたら釈放してもらえるという条件が提示されるんだ。

生還できたら釈放ってことは死亡率が高いってことよね……。

うん。
でも、どうせこのまま死刑になるぐらいならってことでブアメードはその実験を承諾。
でも、どうせこのまま死刑になるぐらいならってことでブアメードはその実験を承諾。

ちなみにその実験というのが
「人間は体重の約10%の出血によって死亡するというのが本当かどうかを試す」
という実験。
「人間は体重の約10%の出血によって死亡するというのが本当かどうかを試す」
という実験。

おおう……。
本当に人体実験っぽいわね……。
本当に人体実験っぽいわね……。

その実験方法はいたって簡単。
ブアメードを目隠しをされた状態で台の上で両手両足を固定。
そして足首を切って体重の10%の血が流れ出ても生きてるかどうかを見るという方法。
ブアメードを目隠しをされた状態で台の上で両手両足を固定。
そして足首を切って体重の10%の血が流れ出ても生きてるかどうかを見るという方法。

なんかアナログね……。

そして実験開始。
まずは目隠しされたブアメードの頭元で医師たちがブアメードが死亡すると言われている限界点について入念に打合せを行なったんだ。
まずは目隠しされたブアメードの頭元で医師たちがブアメードが死亡すると言われている限界点について入念に打合せを行なったんだ。

打合せ?

そう。
例えば
「体重の8%でブアメードは命を落とす計算になる」
「成人男性の血液量は4000ccなので致死量は2000ccだ」
とかね。
例えば
「体重の8%でブアメードは命を落とす計算になる」
「成人男性の血液量は4000ccなので致死量は2000ccだ」
とかね。

本人が聞いてるところで打合せを行うなんて悪趣味ね。

この打ち合わせには意味があるんだけどね。
そして助手の一人がブアメードの足首にメスをいれて少しずつ出血させるようにしたんだ。
そして助手の一人がブアメードの足首にメスをいれて少しずつ出血させるようにしたんだ。

ちなみに急激な血圧低下によるショック死にならないようポタリポタリと垂れるぐらい少しずつ出血するぐらいに調整。
そして垂れた血液は下においたバケツに溜まるようになっていて、どれぐらい出血したかすぐにわかるようになってたらしい。
そして垂れた血液は下においたバケツに溜まるようになっていて、どれぐらい出血したかすぐにわかるようになってたらしい。

うう……。
なんか痛々しいわね……。
なんか痛々しいわね……。

そして静かな部屋の中で「ピチョン……ピチョン……」とブアメードの血が滴り落ちる音だけが響きわたる。
時間が経つにつれてどんどんブアメードの顔色は悪くなっていくんだ。
時間が経つにつれてどんどんブアメードの顔色は悪くなっていくんだ。

そりゃそうでしょうね。

部屋に響き渡るのは時々、報告される助手の
「○○分経過、出血量○○cc。致死量の約〇%です」
という声のみ。
「○○分経過、出血量○○cc。致死量の約〇%です」
という声のみ。

一方、ブアメードは報告される出血量が増えていくにつれてどんどんと顔が真っ青になっていくんだ。

そして遂に出血量が致死量に到達。
助手が「出血量2000ccを超えました致死量です!」と報告したとたん、ブアメードは命を落としてしまうんだ。
助手が「出血量2000ccを超えました致死量です!」と報告したとたん、ブアメードは命を落としてしまうんだ。

なんかえげつない実験ね……。
でも、この話とノーシーボにどんな関係が有るの?
でも、この話とノーシーボにどんな関係が有るの?

実はこの実験全体がノーシーボ効果だったんだよ。
足首を少しだけ切られただけで命を落としたブアメード

実はブアメードは実際に足首を切られていたんだけど、それは本当にちょっとだけで直ぐに勝手に出血は止まってたんだ。

え?
でも血が滴り落ちる音がしてたんでしょ?

それは実はブアメードの足元に設置された水の出るホース。
実は助手の出血量の報告もすべてデタラメで、この実験はブアメードの足首から血がどんどん流れ出ているように勘違いさせるために作られたセットのなかで行われた実験だったんだ。
実は助手の出血量の報告もすべてデタラメで、この実験はブアメードの足首から血がどんどん流れ出ているように勘違いさせるために作られたセットのなかで行われた実験だったんだ。

あー!
だから頭元で「2000ccの出血で死ぬ」なんて打ち合わせを行ったのね!
だから頭元で「2000ccの出血で死ぬ」なんて打ち合わせを行ったのね!

そのとおり!

えっ……。
じゃぁなんでブアメードは死んだの……?
出血が原因じゃないんでしょ……。
じゃぁなんでブアメードは死んだの……?
出血が原因じゃないんでしょ……。

だから「思い込みで人は死ぬ」って事なんだよ。

えぇ……!?
はたして本当に思い込みで人は死ぬのか。

ちなみにこの実験では実際に足首をちょっと切られただけで命を落としたといわれているけど、実は否定的な意見も出ています。

というと?

人間って心臓とかは意思や暗示とは無関係に動いてるでしょ?
心臓とか意識せずに動いている臓器や筋肉の事を不随意筋っていうんだけど、いくらなんでも人間の思い込みで停止させることはできないっていう意見があるんだ。
心臓とか意識せずに動いている臓器や筋肉の事を不随意筋っていうんだけど、いくらなんでも人間の思い込みで停止させることはできないっていう意見があるんだ。

あー。そういえばそうね。

でも実際に死んだわけでしょ……?

その事については「通常時では考えられない特殊な環境下での尋常ではないストレスによるショック死ではないか」って言われてる

ふーん。
でも、思い込みで死んでなかったとしてもさぁ
でも、思い込みで死んでなかったとしてもさぁ

うん

過度なストレスは心臓を止めるって事よね……

そうともいうね……。
実際に日本で起きてる過労死はこれが原因かもね……
実際に日本で起きてる過労死はこれが原因かもね……

人間って意外と脆いのかもね……。
それも思い込みで人を殺す方法について紹介したいと思いまっす!