伝説の飲み薬「キングスドロップ」!材料は人の頭蓋骨……!

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ぐっさん
今回紹介するのは「キングスドロップ(King’s Drop)」!
17世紀に生み出された飲み薬についてでっす!
マキエ
キングスドロップ?
なんか貴族向けのお菓子っぽい名前なのに薬なの?
ぐっさん
この場合のドロップはお菓子の”飴”って意味じゃなくて、どちらかというと“雫”って意味合いかな。
だから日本語に直すと「王の雫」が正解かも。
マキエ
ふーん。
で、それが何なの?
ぐっさん
さっきも軽く触れたけど、これは17世紀に実際にあった飲み薬なんだけど……
マキエ
けど?
ぐっさん
材料は人間の頭蓋骨だったりします……。
マキエ
えっ……。
ぐっさん
それじゃ早速紹介していきまっす!
マキエ
あんまり気乗りしない……。

人間の頭蓋骨で作られた飲み薬「キングスドロップ」


ぐっさん
それじゃ改めて今回紹介するのは「キングスドロップ(King’s Drop)」について。
この薬が登場したのは17世紀のイングランド。そして当時のイングランドはチャールズ2世という人物が国を治めていたんだ。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
そしてこのチャールズ2世は化学者としても有名で、自分自身でも化学実験を行うぐらい化学分野に注力していた王様なんだって。
マキエ
へー。
ぐっさん
そして、そんな化学好きのチャールズ2世の目に留まったのが「キングスドロップ」という飲み薬。
当時、この薬は医者であり化学者でもあった「ジョナサン・ゴダード」という人物が開発した薬で心臓発作や脳卒中の治療薬として注目されていたんだ。
ぐっさん
ただ、このキングスドロップは最初にも言った通り素材はなんと人間の頭蓋骨……。
なんでも、アルコールと何種類かのハーブ、あとは人間の頭蓋骨を粉末にして作られたものだったんだ……。
マキエ
うへぇ……。
ぐっさん
ちなみにこの瓶がに入ってたっていわれるよ

マキエ
っていうか、頭蓋骨に心臓発作や脳卒中を直す効果なんてあるの……?
ぐっさん
骨の成分なんてカルシウムとリンぐらいしか含まれてないのに治るわけないじゃん。
まぁアルコールが含まれているから刺激効果ぐらいはあったかもしれないけどね。
ぐっさん
でもチャールズ2世はわざわざ大金をはたいてゴダードからキングスドロップのレシピを購入するぐらい入れ込んでいたみたいだよ。
マキエ
え、じゃぁチャールズ2世は人の頭蓋骨が使われているって知らないでレシピを買っちゃったって事……?
ぐっさん
いや、レシピ購入後は特許とってキングドロップの製造・販売を続けていたみたいだから想定の範囲内だったんじゃないかな……。
マキエ
ええぇ……。
ぐっさん
ちなみにチャールズ2世本人も滋養強壮のために服用していたらしいし……。
マキエ
マジで……。
普通は人の頭蓋骨が使われているってわかったら使わないでしょ……。
ぐっさん
今の時代はそうだよね……。
でも実は当時は割と人の死体を材料とした薬は結構あったんだよ……。
マキエ
えっ……。

人間の死体から薬を作る「メディカル・カニバリズム」


ぐっさん
少し話はそれるけど、マキエは“同物同治”って言葉を知ってる?
マキエ
同物同治?
聞いたことないわね。
ぐっさん
これは中国の薬膳の考え方なんだけど、具合の悪い箇所と同じ箇所を食べれば病気が治ったり調子が良くなるっていう考え方なんだ。
マキエ
あー。そういう話は昔、何かの漫画で読んだことあるかも。
ぐっさん
一応説明しておくと肝臓が悪い人は肝臓(レバー)を、心臓が悪い人は心臓(ハツ)を食べれば良いって考え方だね。
マキエ
でも、それって食べるのはあくまで牛とか豚の話でしょ?
ぐっさん
今では当然その通りなんだけど、昔は食べる対象が人間だったんだよ……。
ちなみに専門用語ではメディカル・カニバリズムと言ったりもするみたい……
マキエ
医療……食人……?
ぐっさん
この場合は共食い医療とかになるのかな……?
ぐっさん
そしてこのメディカル・カニバリズムは実はローマ時代からあった考え方で、当時はグラディエーターの血を飲むと病気が治るとか考えられていたんだ。
マキエ
血を……?
なんで……?
ぐっさん
強いグラディエーターとかは英雄的な扱いを受けていたからね。
その英雄の力を体に取り込むっていう考え方みたいだよ。
マキエ
こう言っちゃあれだけど、蛮族っぽい考え方ね……。
ぐっさん
そして時代が進むにつれ、血液だけじゃなくて人間の脂肪や内臓、そして脳や骨まで薬の材料として使われていくようになっていったんだ。
ぐっさん
ちなみに変わった材料だと“頭蓋骨に生えた苔”とかもあったみたい。
マキエ
なんでそうなるのよ……。
せめて頭蓋骨だけにしときなさいよ……。
ぐっさん
しかも実は日本にも死体を使った薬が販売されていたりします。
マキエ
え、マジで!?
ぐっさん
日本で死体を使った薬で一番有名なのは“人胆丸”っていう薬なんだけど、これは江戸時代の処刑人である山田浅右衛門が結核の治療のために作った薬なんだ。
マキエ
処刑人が作った薬……。
しかも名前からして人間の胆のうが入ってそう……。
ぐっさん
ずばりその通り。
材料は処刑された罪人で、あと胆のうだけじゃなくて肝臓や脳も入っていたみたい。
マキエ
ちなみに薬の効果はあったのかしら……。
ぐっさん
あるわけないよね……。
ぐっさん
まぁそんなこんなで中世は割とどこの国でも人間の死体を使った薬が日常的につくられてたんだよ……。

まとめ

ぐっさん
以上が頭蓋骨を使った飲み薬「キングドロップ」についてでした。
どうだった?
マキエ
なんか最後のほうの話は殆どキングドロップの話じゃなかった気がするけど。
ぐっさん
まぁそれは言わないお約束で……。
マキエ
でも、国は違っても大体みんな同じようなことを考えるのね。
人間の本能みたいなものなのかしら。
ぐっさん
うーん。どうなんだろ。
今は「人の死体から薬を作るなんてあり得ない」って言えるけど、それは科学が発展した今だからこそ言える事なのかもね。
マキエ
科学の発展に感謝って感じね……。
ぐっさん
まぁこういった歴史があってこそ発展したとも言えるけどね……。
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