キングスドロップ?
なんか貴族向けのお菓子っぽい名前なのに薬なの?
なんか貴族向けのお菓子っぽい名前なのに薬なの?
この場合のドロップはお菓子の”飴”って意味じゃなくて、どちらかというと“雫”って意味合いかな。
だから日本語に直すと「王の雫」が正解かも。
だから日本語に直すと「王の雫」が正解かも。
ふーん。
で、それが何なの?
で、それが何なの?
さっきも軽く触れたけど、これは17世紀に実際にあった飲み薬なんだけど……
けど?
材料は人間の頭蓋骨だったりします……。
えっ……。
それじゃ早速紹介していきまっす!
あんまり気乗りしない……。
人間の頭蓋骨で作られた飲み薬「キングスドロップ」
それじゃ改めて今回紹介するのは「キングスドロップ(King’s Drop)」について。
この薬が登場したのは17世紀のイングランド。そして当時のイングランドはチャールズ2世という人物が国を治めていたんだ。
この薬が登場したのは17世紀のイングランド。そして当時のイングランドはチャールズ2世という人物が国を治めていたんだ。
ふんふん。
そしてこのチャールズ2世は化学者としても有名で、自分自身でも化学実験を行うぐらい化学分野に注力していた王様なんだって。
へー。
そして、そんな化学好きのチャールズ2世の目に留まったのが「キングスドロップ」という飲み薬。
当時、この薬は医者であり化学者でもあった「ジョナサン・ゴダード」という人物が開発した薬で心臓発作や脳卒中の治療薬として注目されていたんだ。
当時、この薬は医者であり化学者でもあった「ジョナサン・ゴダード」という人物が開発した薬で心臓発作や脳卒中の治療薬として注目されていたんだ。
ただ、このキングスドロップは最初にも言った通り素材はなんと人間の頭蓋骨……。
なんでも、アルコールと何種類かのハーブ、あとは人間の頭蓋骨を粉末にして作られたものだったんだ……。
なんでも、アルコールと何種類かのハーブ、あとは人間の頭蓋骨を粉末にして作られたものだったんだ……。
うへぇ……。
ちなみにこの瓶がに入ってたっていわれるよ
っていうか、頭蓋骨に心臓発作や脳卒中を直す効果なんてあるの……?
骨の成分なんてカルシウムとリンぐらいしか含まれてないのに治るわけないじゃん。
まぁアルコールが含まれているから刺激効果ぐらいはあったかもしれないけどね。
まぁアルコールが含まれているから刺激効果ぐらいはあったかもしれないけどね。
でもチャールズ2世はわざわざ大金をはたいてゴダードからキングスドロップのレシピを購入するぐらい入れ込んでいたみたいだよ。
え、じゃぁチャールズ2世は人の頭蓋骨が使われているって知らないでレシピを買っちゃったって事……?
いや、レシピ購入後は特許とってキングドロップの製造・販売を続けていたみたいだから想定の範囲内だったんじゃないかな……。
ええぇ……。
ちなみにチャールズ2世本人も滋養強壮のために服用していたらしいし……。
マジで……。
普通は人の頭蓋骨が使われているってわかったら使わないでしょ……。
普通は人の頭蓋骨が使われているってわかったら使わないでしょ……。
今の時代はそうだよね……。
でも実は当時は割と人の死体を材料とした薬は結構あったんだよ……。
でも実は当時は割と人の死体を材料とした薬は結構あったんだよ……。
えっ……。
人間の死体から薬を作る「メディカル・カニバリズム」
少し話はそれるけど、マキエは“同物同治”って言葉を知ってる?
同物同治?
聞いたことないわね。
聞いたことないわね。
これは中国の薬膳の考え方なんだけど、具合の悪い箇所と同じ箇所を食べれば病気が治ったり調子が良くなるっていう考え方なんだ。
あー。そういう話は昔、何かの漫画で読んだことあるかも。
一応説明しておくと肝臓が悪い人は肝臓(レバー)を、心臓が悪い人は心臓(ハツ)を食べれば良いって考え方だね。
でも、それって食べるのはあくまで牛とか豚の話でしょ?
今では当然その通りなんだけど、昔は食べる対象が人間だったんだよ……。
ちなみに専門用語ではメディカル・カニバリズムと言ったりもするみたい……
ちなみに専門用語ではメディカル・カニバリズムと言ったりもするみたい……
医療……食人……?
この場合は共食い医療とかになるのかな……?
そしてこのメディカル・カニバリズムは実はローマ時代からあった考え方で、当時はグラディエーターの血を飲むと病気が治るとか考えられていたんだ。
血を……?
なんで……?
なんで……?
強いグラディエーターとかは英雄的な扱いを受けていたからね。
その英雄の力を体に取り込むっていう考え方みたいだよ。
その英雄の力を体に取り込むっていう考え方みたいだよ。
こう言っちゃあれだけど、蛮族っぽい考え方ね……。
そして時代が進むにつれ、血液だけじゃなくて人間の脂肪や内臓、そして脳や骨まで薬の材料として使われていくようになっていったんだ。
ちなみに変わった材料だと“頭蓋骨に生えた苔”とかもあったみたい。
なんでそうなるのよ……。
せめて頭蓋骨だけにしときなさいよ……。
せめて頭蓋骨だけにしときなさいよ……。
しかも実は日本にも死体を使った薬が販売されていたりします。
え、マジで!?
日本で死体を使った薬で一番有名なのは“人胆丸”っていう薬なんだけど、これは江戸時代の処刑人である山田浅右衛門が結核の治療のために作った薬なんだ。
処刑人が作った薬……。
しかも名前からして人間の胆のうが入ってそう……。
しかも名前からして人間の胆のうが入ってそう……。
ずばりその通り。
材料は処刑された罪人で、あと胆のうだけじゃなくて肝臓や脳も入っていたみたい。
材料は処刑された罪人で、あと胆のうだけじゃなくて肝臓や脳も入っていたみたい。
ちなみに薬の効果はあったのかしら……。
あるわけないよね……。
まぁそんなこんなで中世は割とどこの国でも人間の死体を使った薬が日常的につくられてたんだよ……。
まとめ
以上が頭蓋骨を使った飲み薬「キングドロップ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
なんか最後のほうの話は殆どキングドロップの話じゃなかった気がするけど。
まぁそれは言わないお約束で……。
でも、国は違っても大体みんな同じようなことを考えるのね。
人間の本能みたいなものなのかしら。
人間の本能みたいなものなのかしら。
うーん。どうなんだろ。
今は「人の死体から薬を作るなんてあり得ない」って言えるけど、それは科学が発展した今だからこそ言える事なのかもね。
今は「人の死体から薬を作るなんてあり得ない」って言えるけど、それは科学が発展した今だからこそ言える事なのかもね。
科学の発展に感謝って感じね……。
まぁこういった歴史があってこそ発展したとも言えるけどね……。
17世紀に生み出された飲み薬についてでっす!