

あ、聞いたことある!
たしかアメリカでコーヒーをこぼした人が
「コーヒーが熱くなかったらやけどしなかった」
って裁判を起こした話でしょ?
たしかアメリカでコーヒーをこぼした人が
「コーヒーが熱くなかったらやけどしなかった」
って裁判を起こした話でしょ?

そうそう。
しかも裁判の結果、なんと270万ドル(当時の日本円で約3億円)の賠償金の支払いを命じられたという耳を疑うような事件だよ。
しかも裁判の結果、なんと270万ドル(当時の日本円で約3億円)の賠償金の支払いを命じられたという耳を疑うような事件だよ。

え?
あれって裁判大国のアメリカを皮肉ったジョークじゃないの?
あれって裁判大国のアメリカを皮肉ったジョークじゃないの?

いや、実際に起きた事件だよ。
日本ではあり得ないような裁判だから都市伝説のように語られてるけどね。
日本ではあり得ないような裁判だから都市伝説のように語られてるけどね。

え、まさか本当にコーヒーが熱かっただけで3億円ももらえたの……?

気になってきたところで、早速紹介していきまっす!
コーヒーでヤケドしてしまったステラ

この事件の正式名称は「マクドナルド・コーヒー事件」と言うんだけど、事件が起こったのは1992年の2月。
ニューメキシコ州のアルバカーキにあるマクドナルドのドライブスルーでコーヒーを購入したおばあさんとその孫がいたんだ。
ニューメキシコ州のアルバカーキにあるマクドナルドのドライブスルーでコーヒーを購入したおばあさんとその孫がいたんだ。

この事件のコーヒーってマクドナルドのコーヒーだったんだ。

ちなみにこのコーヒーを買った人物が「ステラ・リーベック」というおばあさん。
ステラは駐車場に車を止めて、砂糖やミルクを入れるために両太ももでコーヒーを挟んで蓋を開けようとしたの。
ステラは駐車場に車を止めて、砂糖やミルクを入れるために両太ももでコーヒーを挟んで蓋を開けようとしたの。

あー。私もやったことある。
運転席だとハンドルが邪魔になるのよねー。
運転席だとハンドルが邪魔になるのよねー。

あ、ちなみによく誤解されてるけど運転してたのはステラじゃなくて、一緒にのってた孫ね。
「運転中にコーヒーを飲もうとしてこぼした」っていう話はデマだよ。
「運転中にコーヒーを飲もうとしてこぼした」っていう話はデマだよ。

あ、そうなんだ。

そしてコーヒーの蓋を開けた時にカップが傾いてコーヒーがステラの太ももにかかってしまう。
その結果、ステラは大やけどを負ってしまい、マクドナルド相手に裁判を起こしたって訳。
その結果、ステラは大やけどを負ってしまい、マクドナルド相手に裁判を起こしたって訳。

これだけ聞くとステラっていうおばあさんの不注意に思えるんだけど……。
むしろゴネて大金をせしめ様としてる風にも取れるわね。
むしろゴネて大金をせしめ様としてる風にも取れるわね。

確かに報道ではステラがゴネて大金をせしめたみたいになってるけど、真実はちょっと違うんだ。

ん?
どういうこと?
どういうこと?
実はステラのヤケドは大怪我だった?

この話だとコーヒーをこぼしてしまってヤケドしたステラがお金ほしさにマクドナルドを訴えたように思えるけど、実際はかなりの大ヤケドだったんだ。

といっても、所詮はコーヒーでしょ?

所詮はコーヒー、されどコーヒー。
実際のところ、ヤケドの面積は体の16%、そのうち6%がヤケドの分類のなかでも最上級のIII度熱傷だったんだ。
その結果、ステラは7日間の入院と皮膚移植手術、そしてそのケアに2年間近くの通院が必要になっていたんだよ。
実際のところ、ヤケドの面積は体の16%、そのうち6%がヤケドの分類のなかでも最上級のIII度熱傷だったんだ。
その結果、ステラは7日間の入院と皮膚移植手術、そしてそのケアに2年間近くの通院が必要になっていたんだよ。

えぇ……。
かなり大怪我じゃないの。
かなり大怪我じゃないの。

しかも治療費はなんと100万円越え。
その上、介護が必要が必要になっちゃって娘は仕事退職せざる負えなくなるという負のスパイラル。
その上、介護が必要が必要になっちゃって娘は仕事退職せざる負えなくなるという負のスパイラル。

え、ヤケドの治療ってそんなにかかるの?

アメリカは日本とちがって健康保険がないからね……。

なるほど……。

そしてステラがまるで悪者みたいに報道されてるけど、最初にマクドナルドに求めた事は「治療費の支払い」と「コーヒーの温度を下げる事」だけだったんだ。

じゃぁなんで賠償金が3億円にまで膨れ上がったの?

それはマクドナルドが対応をしくじったからさ
示談交渉に失敗したマクドナルド

賠償金額が3億円にまで膨れ上がった理由はマクドナルドの対応の不備。

ステラはさっきも言った通り、治療費の支払いとコーヒーの温度について要望を出しただけだったんだ。
そしてマクドナルドはその要求を認めたんだけど、実際にマクドナルドが支払うと言ってきた金額はなんと800ドル(約8万円)。
そしてマクドナルドはその要求を認めたんだけど、実際にマクドナルドが支払うと言ってきた金額はなんと800ドル(約8万円)。

少なっ!

その回答に納得できなかったステラはマクドナルドの示談を拒否。
そして弁護士を雇って裁判まで話をもっていった結果、今回の裁判に発展したんだ。
そして弁護士を雇って裁判まで話をもっていった結果、今回の裁判に発展したんだ。

ふーん。

ちなみに結果はもうわかってると思うけど、マクドナルド側が敗訴。
16万ドルの賠償金と270万ドルの懲罰的損害賠償額を支払うように命じられたんだ。
16万ドルの賠償金と270万ドルの懲罰的損害賠償額を支払うように命じられたんだ。

なにその懲罰的損害賠償額って。

日本にはない制度なんだけど、まぁ簡単にいうなら「過失がひどいから同じことを繰り返さないように余分に賠償金を払いなさい」ってことだね。

へー。そんな制度があるんだ。

でも余分に支払うっていう金額が本来の賠償金の約15倍ってとんでもない制度ね……。

あと、この270万ドルの根拠はマクドナルドのコーヒーの売り上げ2日分なんだって。

え!?
マクドナルドってコーヒーだけで二日間で3億円も稼いでるの!?
マクドナルドってコーヒーだけで二日間で3億円も稼いでるの!?

すごいよね……。

ちなみにマクドナルド側の過失として認められたのは全部で三つ。
一つ目は同様の苦情が過去10年間の間で700件近く寄せられていた事。
二つ目は一般的なコーヒーより15℃ほど熱かった事。
三つ目は店員が危険性を説明せず、コップの注意書きが見づらかった事。
一つ目は同様の苦情が過去10年間の間で700件近く寄せられていた事。
二つ目は一般的なコーヒーより15℃ほど熱かった事。
三つ目は店員が危険性を説明せず、コップの注意書きが見づらかった事。

一つ目と三つ目はともかく、二つ目の「一般的なコーヒーより熱い」ってどういうこと?

一般的な家庭用のコーヒーメーカーで作るコーヒーは大体70℃ぐらいなんだけど、マクドナルドは85℃だったんだよ

細かいわね……。

でも85℃のコーヒーに触れると15秒以内にはIII度熱傷を負ってしまうという実験結果もあるんだよ。

本当に熱かったのね……。

あと、最後にネタ晴らしするとステラは3億円の賠償金を受け取ってないんだよ。

え!?
マクドナルド・コーヒー事件の真相とは

最後にこの事件の真相についてたんだけど、ステラは270万ドルの賠償金は受け取ってません!

え、でも正式に裁判所が下した判決なんでしょ?

そう。
ただ、これはあくまで裁判所が下した判決なだけであって、最終的にはステラとマクドナルドの間で和解が成立して約50万ドル(約5000万円)を受け取っただけなんだ。
ただ、これはあくまで裁判所が下した判決なだけであって、最終的にはステラとマクドナルドの間で和解が成立して約50万ドル(約5000万円)を受け取っただけなんだ。

あ、そうなんだ。

でも、ニュースは大怪我さな方が注目をあびるから「コーヒーが熱かったと裁判したら3億円を手に入れた」みたいな報道のされ方をしちゃったみたいだね。

ふーん。
でも、結果的にはコーヒーをこぼしただけで5000万円を受け取ってるのよね……。
でも、結果的にはコーヒーをこぼしただけで5000万円を受け取ってるのよね……。

そこだけ注目するとアメリカンドリームのようにも思えるけど、この事件が有名になっちゃったせいでステラは詐欺師とか卑怯者のレッテルを張られてしまって肩身の狭い人生を送る羽目になっちゃったそうだよ。

あー……。
それを聞くとちょっと考え物ね……。
それを聞くとちょっと考え物ね……。

以上が、コーヒーをこぼして裁判になった事件の真相。
結構意外な事がいっぱいあったでしょ?
結構意外な事がいっぱいあったでしょ?

そうね。
というか、最初はアメリカの裁判の多さを皮肉ったジョークだと思ってたし……。
というか、最初はアメリカの裁判の多さを皮肉ったジョークだと思ってたし……。

でも流石アメリカねー。
賠償金の額がすごいわね。
賠償金の額がすごいわね。

実際にアメリカじゃゴネ得をねらった「訴訟ビジネス」もあるみたいだしね。

私も何か一発当てれないかしら。

「カップ焼きそばを湯切りする時に蓋が外れてしまって訴訟」とかはどう?

食べ物を粗末にしちゃだめよ?

あ、はい……。
それも「コーヒーが熱かったから」という理由で裁判になったといわれる事件についてでっす!