かなり発音しにくい事件名ね……。
何語なの?英語?
何語なの?英語?
ヒンターカイフェックっていうのはドイツ語で、事件が起きた牧場の名前だよ。
ああ、そうなんだ。
で、どんな事件なの?
で、どんな事件なの?
この事件はドイツで起きた未解決事件の中でも特に有名な事件なんだけど、メイドを含む一家全員が殺害されているのにもかかわらず、犯人は男性なのか女性なのか、単独犯なのか複数犯なのかすら判明していないドイツ最大級の未解決事件なんだ。
一家全員って……。
なにか大きな恨みでも買ってたの……?
なにか大きな恨みでも買ってたの……?
その点についても後で紹介するけれど、特に恨みって訳でもないし多額の現金もそのまま放置されていたから強盗という訳でもないみたい。
それじゃさっそく紹介していきまっす!
ドイツの田舎町で起こった未解決事件「ヒンターカイフェック事件」
それじゃ改めて今回紹介するのは「ヒンターカイフェック事件」。
農場で5人の家族と1人のメイド、合わせて6人が何者かによって殺害された事件についてです。
農場で5人の家族と1人のメイド、合わせて6人が何者かによって殺害された事件についてです。
この事件が発覚したのは今から約100年前の1922年の4月4日。
ドイツのミュンヘンから北に70㎞ほど行った所にあったヒンターカイフェック牧場内で近隣の住民によって6人の遺体が発見されるんだ。
ドイツのミュンヘンから北に70㎞ほど行った所にあったヒンターカイフェック牧場内で近隣の住民によって6人の遺体が発見されるんだ。
ふんふん。
そして被害に合ったのは
夫:アンドレアス・グルーバー(64)
妻:ツェツィリア・グルーバー(73)
娘:ヴィクトリア・ガブリエル(35)
孫:ツェツィリア・ガブリエル(7)
孫:ヨーゼフ・ガブリエル(2)
メイド:マリア・バウンガルトナー(45)
の合計6人で、3月31日の夜から4月1日の明け方にかけて殺害されたと言われているんだ。
夫:アンドレアス・グルーバー(64)
妻:ツェツィリア・グルーバー(73)
娘:ヴィクトリア・ガブリエル(35)
孫:ツェツィリア・ガブリエル(7)
孫:ヨーゼフ・ガブリエル(2)
メイド:マリア・バウンガルトナー(45)
の合計6人で、3月31日の夜から4月1日の明け方にかけて殺害されたと言われているんだ。
ん?発覚したのが4月4日でしょ?
4日間は誰も気が付かなかったの?
4日間は誰も気が付かなかったの?
実はグルーバー一家は地元であまり評判のいい家族じゃなくてね……。
農場が集落の端にある事と、普段から人付き合いがあまりなかったせいで発見されるのが大分遅れたみたい。
農場が集落の端にある事と、普段から人付き合いがあまりなかったせいで発見されるのが大分遅れたみたい。
近所付き合いって大切ね。
そだね……。
ちなみに犯行が発覚したきっかけは小学生のツェツィリアが学校に来なかったり、毎週日曜日に行われるミサで聖歌隊のリードシンガーを任されていたヴィクトリアが無断で来なかったりした事で発覚。
不審に思った近隣の住民が様子を見に行ったところ、メイドを含む家族全員が惨殺死体となって転がっていたんだ……。
殺害状況と後から発見された凶器
それじゃ次は事件発生当時の状況について紹介していくけれど、殺害現場となったのは牧場の中でも納屋と寝室の2か所。
アンドレアス、ツェツィリア、ヴィクトリア、ツェツィリア(孫)の4人は納屋で殺害され、更に残りのヨーゼフとマリアについては寝室で殺害されていたんだ。
アンドレアス、ツェツィリア、ヴィクトリア、ツェツィリア(孫)の4人は納屋で殺害され、更に残りのヨーゼフとマリアについては寝室で殺害されていたんだ。
納屋で4人?
何か作業している時に襲われたとか?
何か作業している時に襲われたとか?
いや、どうやら一人ずつ納屋に呼び出されて殺されていったみたいだね……。
なるほど……。
ちなみに死因は顔や頭を固い物で激しく殴られた事による脳挫傷や脳裂傷で、後になって凶器は鉄製のツルハシと判明。
家族全員がツルハシで頭を割られて即死していたんだってさ……
家族全員がツルハシで頭を割られて即死していたんだってさ……
う……。
そして当初は強盗による犯行と考えられていたんだけど、冒頭でも言った通り現金や宝石類は手つかずのまま放置されていて、どうやらそうじゃないらしい。
じゃぁ怨恨による犯行か?という事にもなったんだけど、近隣の住民から見てグルーバー一家は「滅多に顔を見せないドケチで変わり者の一家」というだけで、一家全員を殺したいと思うほど接触する事すらなかったみたい。
え、じゃぁ殺害された理由はなんなの?
実はこの事件は殺害された理由すら判明していないんだ……。
ただ、近隣の住民の証言によると事件が起こる数日前からグルーバー一家の周りでは奇妙な事が起こっていたんだってさ。
奇妙な出来事?
事件前に続いた不可解な出来事
それじゃ次に事件が起こる数日前から起きていた不可解な出来事についてなんだけど、なんでも事件が起こる数日前から
・玄関の鍵が無くなる
・誰も購入していない新聞が敷地内で見つかる
・家畜の牛の紐が解かれている
・外部から納屋の中に無理やり入ろうとした形跡が見つかる
といった事が起こっていたらしい。
・玄関の鍵が無くなる
・誰も購入していない新聞が敷地内で見つかる
・家畜の牛の紐が解かれている
・外部から納屋の中に無理やり入ろうとした形跡が見つかる
といった事が起こっていたらしい。
いや……。
なんか完璧に不審者が出てるじゃん……。
なんか完璧に不審者が出てるじゃん……。
まぁ普通に考えるとそうだね。
そして決定的なのが事件前日に発見された足跡。
そして決定的なのが事件前日に発見された足跡。
事件前日は牧場周辺には雪が積もっていたらしいんだけど、家族の誰の物でもない足跡が牧場に向かって伸びていたんだってさ。
しかも、足跡は牧場に向かっている分だけで、牧場から離れていく足跡は無かったんだって……。
牧場から離れていく足跡が無いって事は牧場内に誰かが隠れているって事よね……。
その通り。
ちなみにアンドレアスも同じように考えて、近隣の農夫仲間にこの出来事を話していたんだってさ。
ちなみにアンドレアスも同じように考えて、近隣の農夫仲間にこの出来事を話していたんだってさ。
いや、農夫仲間じゃなくて警察とかに言いなさいよ……。
だね。
実際、農夫仲間も警察に通報する事を勧めたみたいなんだけど、警察や他人を家に入れたくないって事で通報はしなかったみたいだよ。
実際、農夫仲間も警察に通報する事を勧めたみたいなんだけど、警察や他人を家に入れたくないって事で通報はしなかったみたいだよ。
警察どころか不審者にがっつり侵入されてるじゃん……。
ちなみにアンドレアスが農夫仲間に相談していたのは事件が起こる日の丁度昼間……。
もしかしたらこの時に警察に通報しておけば誰も殺されずに済んだかもしれないね……。
もしかしたらこの時に警察に通報しておけば誰も殺されずに済んだかもしれないね……。
捜査は難航。心霊調査を始めるために頭部は霊媒師の元へ
そして、近隣の住民達から通報を受けた警察は調査を開始。
ただ牧場は集落のはずれにあったせいで目撃者もおらず、殺害現場は野次馬で集まった近隣の住民達によって荒らされていて犯人に繋がる手掛かりは何も見つける事ができなかったんだ。
ただ牧場は集落のはずれにあったせいで目撃者もおらず、殺害現場は野次馬で集まった近隣の住民達によって荒らされていて犯人に繋がる手掛かりは何も見つける事ができなかったんだ。
あらら……。
ただ、唯一分かった事といえばグルーバー一家全員を殺害した犯人は数日間、牧場内で暮らしていたという点。
……はい?
なんでもグルーバー一家が殺害された日以降に牧場の母屋の煙突から煙がでているのを目撃されていたり、直近まで家畜たちに餌をやっていた痕跡が発見されたんだ。
え……。
犯人は惨殺された死体と一緒に寝泊まりしていたって事……?
犯人は惨殺された死体と一緒に寝泊まりしていたって事……?
そういう事になるね……。
ちなみに家族の大半が納屋に呼び出されて殺害されているという点から警察は顔見知りによる犯行と考えていたみたいだけど、それ以降は何も目ぼしい情報は出てこなかったんだ。
容疑者は限られてそうだからスグに犯人なんて見つかりそうなのにね。
で、捜査に行き詰った警察が次に何をしたかというと、なんと霊媒師による心霊調査を開始したんだ。
心霊調査!?
うん。
今では考えられない事なんだけど、当時のミュンヘンでは割とポピュラーな捜査方法だったんだって。
今では考えられない事なんだけど、当時のミュンヘンでは割とポピュラーな捜査方法だったんだって。
えぇ~……。
まぁ100年も前ならそういう時代なのかしら……?
まぁ100年も前ならそういう時代なのかしら……?
まぁそれはいいとして、それじゃ牧場に霊媒師が来て占いや降霊術で犯人を割り出そうとしたって事?
いや、霊媒師に来てもらうんじゃなくて、霊媒師の所へ被害者の遺体を送ったんだって。
しかも全身じゃなくて頭部だけ。
しかも全身じゃなくて頭部だけ。
……。
どういう事……?
どういう事……?
そのままの意味だよ……。
簡単な検死が行われた後、被害者たちの遺体から頭部を切断して、箱に詰めて霊媒師の所へ送ったんだよ……。
簡単な検死が行われた後、被害者たちの遺体から頭部を切断して、箱に詰めて霊媒師の所へ送ったんだよ……。
え……えええぇ……?
当時はそれが普通だったの……?
かなり衝撃的な事実なんだけど……。
当時はそれが普通だったの……?
かなり衝撃的な事実なんだけど……。
びっくりだよね。
しかも残念ながら何の成果も挙がらなかったそうだよ。
しかも残念ながら何の成果も挙がらなかったそうだよ。
そりゃそうでしょうね……。
ちなみに余談なんだけど、霊媒師の元へ送られた頭部は第二次世界大戦が発生した時のごたごたに巻き込まれて紛失しちゃったんだって。
は!?
そんな事ってあり得る!?
そんな事ってあり得る!?
まぁ実際に起きてるからしょうがないよね……。
何の進展も無いまま捜査は打ち切られ事件は迷宮入りに。
事件が起きてから何も進展がなく、霊媒師の力を借りても捜査が進まなかった警察は次に犯人や有力な情報に50万マルクもの懸賞金を懸けたんだって。
50万マルクっていくらぐらいなの?
うーん……。
今はもうない貨幣だから換算するのは難しいんだけど、1マルクは50円ぐらいっていう話もあるから、単純計算で2,500万円ぐらいかなぁ。
今はもうない貨幣だから換算するのは難しいんだけど、1マルクは50円ぐらいっていう話もあるから、単純計算で2,500万円ぐらいかなぁ。
2,500万!?
ただ、それでも犯人逮捕につながる情報が出てこなかった上、その後に発生した第二次世界大戦中に空爆の被害を受けたせいで捜査に関する書類が紛失。
ますます捜査は暗礁に乗り上げてしまうんだ。
ますます捜査は暗礁に乗り上げてしまうんだ。
ああ、なるほど。
当時は紙媒体だから焼けちゃったらそれっきり分からなくなっちゃうのか。
当時は紙媒体だから焼けちゃったらそれっきり分からなくなっちゃうのか。
ちなみに頭の紛失も空爆が原因だといわれているみたいだね。
それなら仕方ない……のかしら……?
ただ一応、第二次世界大戦後も細々と捜査は続けられていたみたいなんだけど、1986年に孫のツェツィリアと同級生だった女性に事情聴取が行われた事を最後に捜査は打ち切られて迷宮入りとなったみたいだね。
事件が起きたのが1922年だから……。
いやいや……。
64年も前の、しかも小学生だった時の事なんて覚えているわけないじゃない……。
64年も前の、しかも小学生だった時の事なんて覚えているわけないじゃない……。
ちなみにこの時も新しい情報はでなかったそうだよ。
そりゃそうでしょうよ……。
まとめ
以上がドイツのミュンヘンで起きたヒンターカイフェック事件でした。
どうだった?
どうだった?
うーん。
なんかサイコパスな通り魔の犯行ってイメージかも。
なんかサイコパスな通り魔の犯行ってイメージかも。
あ、そう?
どうして?
どうして?
だって一家全員を殺しているのに金銭的な物には興味もなく、しかも一家を殺害した後、数日間は牧場内で過ごしていたんでしょ?
普通の精神の持ち主ならそんな事できないでしょ。
普通の精神の持ち主ならそんな事できないでしょ。
あー、そうだね。
ただ、実際に過去にも
「屋根裏に見知らぬ人が入り込んで生活していた」
とか
「冷蔵庫の食べ物が勝手に減ると思っていたらクローゼットの中に住んでいた」
なんて事件も起きているから、家の中に知らない人が住み着いていたっていう事件自体は珍しくないのかも。
ただ、実際に過去にも
「屋根裏に見知らぬ人が入り込んで生活していた」
とか
「冷蔵庫の食べ物が勝手に減ると思っていたらクローゼットの中に住んでいた」
なんて事件も起きているから、家の中に知らない人が住み着いていたっていう事件自体は珍しくないのかも。
え、マジで……。
もしかしたらマキエの家の屋根裏にも誰かが入り込んでいるかも……ね……?
そういえば朝起きると冷蔵庫にあるはずのビールが空き缶になって転がっているって事がよく起きるんだけど……。
飲んだ本数ぐらいは覚えとこうね……。
それも読者のとほりすがりさんのリクエストにお応えして「ヒンターカイフェック事件」についてご紹介したいと思いまっす!