アンネリーゼ・ミシェル?
なんか聞いたことが有るような無いような……。
なんか聞いたことが有るような無いような……。
もし聞いたことがあるならたぶん映画の時じゃないかな?
映画?
実は今回の話はホラー映画で有名な「エミリー・ローズ」の題材となった話なんだ。
ああ、エミリー・ローズは聞いたこと有るわね!
女性の首が180度まわるホラー映画でしょ?
女性の首が180度まわるホラー映画でしょ?
まぁ見たことは無いんだけどね……。
ああ、そう……。
ということは、今回は悪魔に取り憑かれた女性の話って感じなのかしら?
そのとおり。
しかもミシェルはカトリック教会が正式に悪魔憑きであると認めた数少ない女性だったりしもします。
しかもミシェルはカトリック教会が正式に悪魔憑きであると認めた数少ない女性だったりしもします。
へー。
それじゃ早速紹介していきまっす!
悪魔に取り憑かれた女性「アンネリーゼ・ミシェル」
それじゃ改めて今回紹介するのは悪魔に取り憑かれた女性「アンネリーゼ・ミシェル」について!
まずはミシェルの生い立ちから紹介していくね。
まずはミシェルの生い立ちから紹介していくね。
まずミシェルの本名なんだけど、彼女の本名は「アンネ・エリザベート・ミハエル」。
1952年生まれのドイツ人女性です。
1952年生まれのドイツ人女性です。
え、アンネリーゼ・ミシェルって本名じゃないの?
アンネリーゼ・ミシェルというのはカトリック教会が付けた偽名だね。
カトリック教会は悪魔憑きだと認めた場合、その人のプライバシーを守るために偽名を付ける事があるんだよ。
カトリック教会は悪魔憑きだと認めた場合、その人のプライバシーを守るために偽名を付ける事があるんだよ。
ああ、なるほどね。
え、でも本名ばれちゃってるじゃん……。
映画を見たことある人は知っていると思うけど、実は今回の話は刑事事件や裁判にまで発展する大きな話でね……。
偽名で済ませられるような内容じゃないんだよ……。
偽名で済ませられるような内容じゃないんだよ……。
ほう……。
で、話を戻すけれどミシェルが生まれたのはドイツのバイエルン州にあるライプルフィングという町。
ここで3姉妹の1人として生まれます。
ここで3姉妹の1人として生まれます。
バイエルンって聞くとウインナーを連想するわね……。
気持ちは分かるけど話を脱線させないように……。
そしてミシェルの家族は敬虔なクリスチャンの家系で、ミシェル自身も子供の頃から信心深く、毎週欠かさずミサに通っていたそうなんだ。
ふーん。
ところが1968年、ミシェルが16歳になった頃から体に異変が生じます……。
異変?
うん。
ミシェルはこの頃から自分では制御できないほどの強い震えが出始めるんだ。
ミシェルはこの頃から自分では制御できないほどの強い震えが出始めるんだ。
で、まぁ当然病院を受診するわけだけど、精神科医が下した診断は「てんかん」。
てんかん?
てんかん発作とかの、あのてんかん?
てんかん発作とかの、あのてんかん?
そう。
そして、てんかん用の薬を処方されて一定期間は落ち着いていたんだけど、次第にてんかんでは説明できないような症状が併発しはじめるんだよ……。
そして、てんかん用の薬を処方されて一定期間は落ち着いていたんだけど、次第にてんかんでは説明できないような症状が併発しはじめるんだよ……。
ミシェルの震えは“悪魔憑き”だった……?
16歳ごろからてんかん症状に悩まされていたミシェルは日が経つにつれて症状がどんどんと悪化。
時には入院治療が必要な程のひどい発作に襲われる事もあったんだ。
時には入院治療が必要な程のひどい発作に襲われる事もあったんだ。
あらら……。
そして1970年頃に入院先の病院でミシェルは「悪魔が見える」と話すようになり、奇行が目立つようになっていったんだ。
奇行ってどんな?
なんでも体をベッドに激しく打ち付けたり、服を引き裂いたり、虫を食べたり、自分の尿を飲んだりしていたらしいよ……。
えぇ……。
さらには敬遠なクリスチャンだったはずなのに汚い言葉や神を冒涜するような言葉を吐くようになり、十字架やキリスト教に関する事を毛嫌いするようになっていったんだって。
なんか、まるで人が変わったみたいね……。
だね。
ちなみにミシェル本人もそう感じていたらしく、敬遠なクリスチャンだった事もあって、この頃から本人や家族は悪魔が憑りついたと考える様になっていったらしい。
ちなみにミシェル本人もそう感じていたらしく、敬遠なクリスチャンだった事もあって、この頃から本人や家族は悪魔が憑りついたと考える様になっていったらしい。
そして1973年にミシェルとミシェルの家族はカトリック教会に悪魔祓いを依頼。
しかし、カトリック教会は拒否したため、効果があまり現れていなかった投薬療法を続けざるをえなかったんだ。
しかし、カトリック教会は拒否したため、効果があまり現れていなかった投薬療法を続けざるをえなかったんだ。
え、なんでカトリック教会は拒否したの?
悪魔祓いって結構条件があるみたいなんだよ。
司教の許可が必要だったり特定の条件を満たす必要があったり。
司教の許可が必要だったり特定の条件を満たす必要があったり。
なんかお役人的ねぇ……。
ただ、何度もお願いした甲斐があって2年後に遂に悪魔祓いの正式な許可が下りる事になります。
悪魔祓いと6体の悪魔
ミシェルの悪魔祓いの許可が出たのは1975年の9月。
この時ミシェルは22歳になっていたんだけど、症状は悪化の一途でさらに幻覚や幻聴にも悩まされるようになっていたんだ。
この時ミシェルは22歳になっていたんだけど、症状は悪化の一途でさらに幻覚や幻聴にも悩まされるようになっていたんだ。
ほんと辛そうね……。
そしてミシェルの悪魔祓いを担当する事となったのがカトリックのエルンスト・アルト司祭とアーノルト・レンツの2人。
この2人の司祭は医学治療をいったん止めて、カトリック教会の「パウル5世の儀式書」を元に悪魔祓いの儀式を行っていく事となったんだ。
この2人の司祭は医学治療をいったん止めて、カトリック教会の「パウル5世の儀式書」を元に悪魔祓いの儀式を行っていく事となったんだ。
ん?“行っていく事となった”?
“行った”じゃなくて?
“行った”じゃなくて?
実は悪魔祓いの儀式は全部で67行程あってね。
数日で終わるような物じゃないんだよ。
数日で終わるような物じゃないんだよ。
あ、そうなんだ……。
てっきり十字架とか聖書とか押し付けて終わりかと思ってた……。
てっきり十字架とか聖書とか押し付けて終わりかと思ってた……。
ちなみに今回の場合、週にだいたい2回のペースで行われて、結果的に10カ月間近くかかったそうだよ。
そして悪魔祓いを行っていく上で、ミシェルには6体もの悪魔が憑りついていると判明したんだ。
6体!?
そう。
ちなみにその6体の正体も判明していて、その6体の悪魔は
「ルシファー」「カイン」「ユダ」「ネロ」「フライシュマン」「アドルフ・ヒトラー」
の6体
ちなみにその6体の正体も判明していて、その6体の悪魔は
「ルシファー」「カイン」「ユダ」「ネロ」「フライシュマン」「アドルフ・ヒトラー」
の6体
アドルフ・ヒトラー……?
ヒトラーっいつから悪魔に転生してたの……?
ヒトラーっいつから悪魔に転生してたの……?
さぁ……。
なんでも「ハイル・ヒトラー」と繰り返し叫んでいたからヒトラーだって判ったらしいよ……。
なんでも「ハイル・ヒトラー」と繰り返し叫んでいたからヒトラーだって判ったらしいよ……。
まぁいいわ……。
えーっと、ルシファーはサタンの別名でしょ?
ん?カインって誰?
えーっと、ルシファーはサタンの別名でしょ?
ん?カインって誰?
カインはアダムとイブの息子だよ。
聖書ではアダムとイブにアベルとカインという兄弟がいたんだけど、カインは弟のアベルを殺した人類初の殺人者って事になってるんだ。
聖書ではアダムとイブにアベルとカインという兄弟がいたんだけど、カインは弟のアベルを殺した人類初の殺人者って事になってるんだ。
え、なんで?
その話をすると旧約聖書の話になって滅茶苦茶長くなるから自分で調べて……。
ふーん。
あとユダはキリストを裏切った奴でしょ。
ネロは誰?
あとユダはキリストを裏切った奴でしょ。
ネロは誰?
ネロはローマの第五代目皇帝。
キリスト教を迫害したと言われている人物で、悪魔の数字である666の数字を持つ人物だね。
キリスト教を迫害したと言われている人物で、悪魔の数字である666の数字を持つ人物だね。
へー。あとフライシュマンか……。
この人も知らないわね……。
この人も知らないわね……。
フライシュマンは17世紀のドイツにいた僧侶。
ただ僧侶といっても酒癖や女癖が悪く、殺人事件を犯して“ブッチャー”と呼ばれていた破戒僧だね。
ただ僧侶といっても酒癖や女癖が悪く、殺人事件を犯して“ブッチャー”と呼ばれていた破戒僧だね。
なんかオールスターの中に一人だけ無名が混ざっている感じね……。
言い方はともかく、まぁ言いたいことはなんとなく判るよ……。
で、神父たちはこの6体の悪魔を祓おうとするんだけど、その時のミシェルと神父の肉声が残っていたりします。
変なホラー映画よりよっぽど怖いんだけど……。
だよね……。
そしてこの悪魔祓いは10カ月間にも及んだんだけど、悪魔祓いの甲斐なくミシェルは帰らぬ人となってしまいます……。
えっ……!
衰弱死したミシェル。ついに刑事事件に発展。
事件が起こったのは悪魔祓いが始まってから10カ月が経った1976年の7月1日。
なんとミシェルは自宅で死亡してしまいます……。
なんとミシェルは自宅で死亡してしまいます……。
え、なんで……?
直接の死因は肺炎だと言われているんだけど、その肺炎を引き起こしたのが極度の栄養失調と脱水。
この頃のミシェルは食事を一切取らず、体重は30㎏程度しかなくて人の介助無しでは動けない程に衰弱しきっていたんだ。
この頃のミシェルは食事を一切取らず、体重は30㎏程度しかなくて人の介助無しでは動けない程に衰弱しきっていたんだ。
何でそんな事になってんの!?
なんでも悪魔がミシェルに食事を取る事を許可しなかったらしい。
神父が食事を与えなかったって事……?
いや、頑なにミシェルが食べる事を拒否したんだよ。
しかもこんな状態でも悪魔祓いは続けられていたんだけど、長時間ひざまずいてお祈りを行っていたせいで足のスネの骨は骨折していたらしい……。
なにそれ……。
聞いていると拷問にしか聞こえないんだけど……。
聞いていると拷問にしか聞こえないんだけど……。
酷いよね……。
実際、悪魔祓いを行っていた2人の神父と両親は過失致死罪で起訴はされて懲役6カ月の判決が下されているしね。
実際、悪魔祓いを行っていた2人の神父と両親は過失致死罪で起訴はされて懲役6カ月の判決が下されているしね。
え、6カ月って短くない……?
これでも重くなったほうなんだよ。
最初は2人の神父は罰金刑、両親は無罪になる予定だったんだよ。
最初は2人の神父は罰金刑、両親は無罪になる予定だったんだよ。
人を一人死なせておいて軽すぎるでしょ……。
いや、かなり難しい問題ではあるんだよ。
今回の事件では結果的にはミシェルを死なせてしまってはいるけれど、神父も両親も望んだ結果ではないし、宗教も絡んでいるしね。
今回の事件では結果的にはミシェルを死なせてしまってはいるけれど、神父も両親も望んだ結果ではないし、宗教も絡んでいるしね。
さらに悪魔祓いを希望して続けたのはミシェル本人の意思だし、食事を取らなかったのも彼女の意思だったわけだからね。
別の視点から見た場合、神父も両親も懸命な処置を施していたともいえるでしょ。
別の視点から見た場合、神父も両親も懸命な処置を施していたともいえるでしょ。
そうなのかしら……?
実際、かなり難しい裁判だったみたいだよ。
その証拠に裁判が開かれたのは1978年で、裁判を行うまでに約2年もの時間がかかっているしね。
その証拠に裁判が開かれたのは1978年で、裁判を行うまでに約2年もの時間がかかっているしね。
うーん……。
なんか納得いかないわね……。
なんか納得いかないわね……。
で、結局はどうだったの?
どうって?
いや、悪魔は居たの?居なかったの?
それについては分からない。
ただ今回の事件があって以降、悪魔祓いの行い方やあり方が見直されて、ドイツでは公式の悪魔祓いの件数は激減したそうだよ。
ただ今回の事件があって以降、悪魔祓いの行い方やあり方が見直されて、ドイツでは公式の悪魔祓いの件数は激減したそうだよ。
まとめ
以上が悪魔に憑りつかれた女性「アンネリーゼ・ミシェル」についてでした。
どうだった?
どうだった?
ホラー映画の題材になった話っていうから、ただ怖いだけの話かと思っていたのに、実際は怖いというよりむしろ悲しい話だったわね……。
そうだね。
今ではミシェルは悪魔憑きではなく精神疾患だったと言われているけれど、専門家曰く
“本人が悪魔に憑りつかれていると信じている以上、本人の意思も無視できない”
と言われていて、いまだに正しい答えは出ていないみたいだね。
今ではミシェルは悪魔憑きではなく精神疾患だったと言われているけれど、専門家曰く
“本人が悪魔に憑りつかれていると信じている以上、本人の意思も無視できない”
と言われていて、いまだに正しい答えは出ていないみたいだね。
ちなみにマキエはどうすればよかったと思う?
うーん……。
栄養の点滴と精神薬を飲ませながら悪魔祓い……?
栄養の点滴と精神薬を飲ませながら悪魔祓い……?
想像するとちょっとシュールだけどその方法が一番だったかもしれないね。
あ、ちなみに余談だけどミシェルが住んでいた家は2013年に火事で焼け落ちるという事件も起きています。
……。
やっぱり何か本当に居たんじゃないでしょうね……。
やっぱり何か本当に居たんじゃないでしょうね……。
それも読者のクリンコフさんのリクエストにお応えして「アンネリーゼ・ミシェル」についてご紹介したいと思いまっす!