“狂女王”ってすごい二つ名ね……。
ここで紹介されるって事は大虐殺とかそんな話なのかしら……?
ここで紹介されるって事は大虐殺とかそんな話なのかしら……?
いや、今回はそんな血なまぐさい話じゃないよ。
むしろフアナはどちらかというと被害者側って感じかな?
むしろフアナはどちらかというと被害者側って感じかな?
にしては禍々しい二つ名に思うけど……。
んー。
まぁあえて言うなら夫の死体といっしょに数年間スペイン中を彷徨ったぐらい?
まぁあえて言うなら夫の死体といっしょに数年間スペイン中を彷徨ったぐらい?
いやいや、それだけで十分狂ってるように聞こえるんだけど……。
まぁそうなってしまうのも色々経緯があるんだよ。
それじゃさっそく紹介していきまっす!
それじゃさっそく紹介していきまっす!
カスティーリャ・アラゴン連合王国の王女「フアナ」
それじゃ改めて今回紹介するのは狂女王「フアナ」について。
フアナは1479年にフェルナンド2世とイサベル1世との間に生まれた女の子で、カスティーリャ・アラゴン連合王国の王女様です。
フアナは1479年にフェルナンド2世とイサベル1世との間に生まれた女の子で、カスティーリャ・アラゴン連合王国の王女様です。
……。
もうちょっと分かりやすく。
もうちょっと分かりやすく。
まぁ簡単にいうと15世紀から16世紀の間の、今でいうスペイン王国の女王様だよ。
え、めっちゃ偉い人じゃん。
そだよ。
ちなみに当時はスペイン王国という名前じゃなく“カスティーリャ・アラゴン連合王国”だから、「カスティーリャ女王」とも呼ばれていたんだけどね。
ちなみに当時はスペイン王国という名前じゃなく“カスティーリャ・アラゴン連合王国”だから、「カスティーリャ女王」とも呼ばれていたんだけどね。
で、このフアナは才女としても有名で、小さいころから英才教育を施されて音楽や舞踏、歴史や語学など、王族として必要な事は殆どマスターしていたらしい。
ちなみに信心深いカトリック教徒でもある。
ちなみに信心深いカトリック教徒でもある。
ふんふん。
そして15世紀から16世紀といえば大航海時代の真っただ中で、戦略結婚が日常的に行われていたんだけど、フアナも16歳の時に父であるフェルナンド王の命令でブルゴーニュ公国に嫁ぐ事になるんだ。
それが嫌で狂ったとか?
いや、むしろ大恋愛に発展する。
え……。
大恋愛に陥る2人。しかし相手は浮気を繰り返す……?
フアナの結婚相手であるブルゴーニュ公国のフェリペ公は「美公フェリペ」と呼ばれるぐらいの美男子でフアナはフェリペを一目見ただけで深い恋に落ちてしまうんだ。
一方でフェリペもフアナの気品あふれる姿をみて一目惚れになり、組まれていた予定を全て無視して出会ったその日に結婚式を挙げるぐらいに二人の恋は燃え上ったらしい。
……。
なんかまるで安っぽい少女漫画みたいね……。
なんかまるで安っぽい少女漫画みたいね……。
“安っぽい”は余計だよ……。
で、まぁその時は情熱的に燃え上った恋仲だけど、実はフェリペのせいで大変な事が起こるんだ。
で、まぁその時は情熱的に燃え上った恋仲だけど、実はフェリペのせいで大変な事が起こるんだ。
大変な事?
実はこの頃からフアナは精神的に超不安定になってしまうのさ。
え、なんで?
原因はフェリペの浮気性。
結婚した後、最終的には2人の男の子と4人の女の子を授かるんだけど、フェリペは“美公”と言われるだけあって女性たちにモテモテで、しかもその事を自覚してたから、とにかく女遊びが派手だったんだよ。
結婚した後、最終的には2人の男の子と4人の女の子を授かるんだけど、フェリペは“美公”と言われるだけあって女性たちにモテモテで、しかもその事を自覚してたから、とにかく女遊びが派手だったんだよ。
最低―……。
一方でフアナはフェリペ一筋だった上に信心深いカトリックだったからフェリペの浮気が許せない。
そして嫉妬にもだえ苦しむ日々を送る事になるんだけど、ある日を境に病み初めてしまうんだ。
そして嫉妬にもだえ苦しむ日々を送る事になるんだけど、ある日を境に病み初めてしまうんだ。
病むって……具体的にはどんな風に……?
一晩中泣き続けたり、延々と何も言わずフェリペの後ろを付け回したり……?
あー、病んじゃってるわね……。
ほんと可哀そう……。
ほんと可哀そう……。
ちなみにフェリペのお気に入りの女の子を餓死寸前まで衣装ケースに閉じ込めたり、頭を丸坊主にしたりもしていたそうだけど……。
むしろフェリペを閉じ込めなさいよ……。
そして、とどめを刺すかのようにフアナに更なるストレスが押しかかってくるんだよ……。
次々に兄妹が急死。突如、王位継承権が回ってくる
実はフアナは5人兄妹の次女で、他にも長女「イサベル」、長男「フアン」、三女「マリア」、末女「カタリーナ」がいるんだ。
うん。
ところが王位を継承する予定だった長男のフアン王子が病気により急死。
そして妻のマルガレーテのお腹の中にはフアン王子の子供がいたんだけど、ショックのあまり流産してしまう。
そして妻のマルガレーテのお腹の中にはフアン王子の子供がいたんだけど、ショックのあまり流産してしまう。
あら……。
そしてフアン王子が死亡したことによって王位継承権は長女のイサベルに移るわけだけど、イサベルもミゲル王子の出産の時に命を落としてしまい、そしてそのミゲル王子も2歳の時に病死してしまうんだ。
めちゃくちゃ不幸が続くわね……。
そして、何が言いたいかというと夫の浮気に心も体も病んでいる時にいきなりスペイン王国の王位継承者という大役が回ってきたんだよ。
きっつい……。
王族の仕事がどんなものかは知らないけど、滅茶苦茶キツそうってのだけはなんとなく分かる……。
王族の仕事がどんなものかは知らないけど、滅茶苦茶キツそうってのだけはなんとなく分かる……。
そしてフアナはフェリペを連れてスペインに戻り王位継承権について話し合う事になるんだけど、当時のスペインはイスラム教やユダヤ教の反乱が多発していているし、あちこちで戦争は勃発しているしで本当に大変な状態だったんだ。
しかも一緒についてきたフェリペはそんなフアナを支えようともせず、スペインでも浮気三昧の日々。
その結果、フアナの症状はますます悪化して、ある日を境に幻覚を見始めるようになる。
幻覚?
誰もいないのに一人で会話していたり、いきなり発狂したかのように声を上げたり、見えない鳥が見えると言ったりって感じ。
侍女たちもこのあたりで徐々にフアナの狂気を感じ始めていたらしい。
侍女たちもこのあたりで徐々にフアナの狂気を感じ始めていたらしい。
前の時より確実に症状が進行しているわね……。
でしょ。
さらに一緒についてきたフェリペは翌年には臨月だったフアナを残して一人でさっさとネーデルラントに帰っていってしまったんだ。
さらに一緒についてきたフェリペは翌年には臨月だったフアナを残して一人でさっさとネーデルラントに帰っていってしまったんだ。
え、なんで……?
単純に儀式や歴史を重んじるスペインという国に嫌気が差しただけらしいよ。
フェリペ……。ほんとクズね……。
ただ、フアナもフアナで無事に出産が終わり、王位継承権の話が済んだ後はフェリペを追いかけてネーデルラントに戻ったみたいだけどね……。
フアナのフェリペ好きも、ある意味病気の域ね……。
狂女王フアナの誕生。夫の死体と共に国中を徘徊……?
そして次に大事件が起きたのは母親である女王イサベル1世の崩御。
女王として即位していなかったフアナはスペインに戻る事を余儀なくされ、1506年には正式に女王として君臨する事になるんだ。
女王として即位していなかったフアナはスペインに戻る事を余儀なくされ、1506年には正式に女王として君臨する事になるんだ。
ふんふん。
しかし、フアナが即位した2カ月後に最愛の夫であるフェリペはこの世を去ってしまう。
え、何があったの?
暗殺?
暗殺?
マキエは「ロペタ」っていうスポーツを知ってる?
知んない。
ロペタはスカッシュに似た壁打ちのテニスみたいなものなんだけど、ロペタでして遊んでいたフェリペはその後に冷たい水を大量に飲み、風邪を引いて、そのまま命を落としたんだ。
……は!?
え、ギャグ……?
ギャグにしては体を張り過ぎでしょ……。
ちなみにフアナは高熱を出したフェリペを一心不乱に看病したらしいけどね。
ちなみにその時の絵画がコチラ。
ちなみにその時の絵画がコチラ。
フアナの目つきがヤバすぎる……。
なにこの目……。
なにこの目……。
まぁ完全に壊れたって感じなんだろうね……。
そしてフアナはフェリペを棺に入れて埋葬する事を禁止し、その棺と共に数年間もの間スペイン中、正確にはカスティーリャ中を放浪し始めたんだ。
そしてフアナはフェリペを棺に入れて埋葬する事を禁止し、その棺と共に数年間もの間スペイン中、正確にはカスティーリャ中を放浪し始めたんだ。
ああ、最初の絵画ってお葬式の時じゃなくて棺を連れまわしているシーンだったのか……。
そう。
そして、王女としての責務を果たせないと判断した父フェルナンド2世はサンタ・クララ修道院に隣接する城館に幽閉。
この頃のフアナは食べない、眠らない、風呂に入らないといった典型的な精神病患者の様な状態で一生幽閉生活を送る羽目になってしまったんだ。
そして、王女としての責務を果たせないと判断した父フェルナンド2世はサンタ・クララ修道院に隣接する城館に幽閉。
この頃のフアナは食べない、眠らない、風呂に入らないといった典型的な精神病患者の様な状態で一生幽閉生活を送る羽目になってしまったんだ。
一生ってどれぐらい……?
えーっと、幽閉されたのが1508年で死亡したのが1555年だから……。
約47年間だね……。
年齢になおすと28歳から75歳までの間、ずっと幽閉生活……。
約47年間だね……。
年齢になおすと28歳から75歳までの間、ずっと幽閉生活……。
一人の浮気者のせいでスペインの女王の人生が滅茶苦茶に……。
だね。
まぁ母親であるイサベル1世も晩年は精神病患者のような状態になっていたらしくて、家系の問題という仮説もあるみたいだけど。
ただ、そんな末期症状のようになっていたフアナなんだけど、幽閉されていても退任だけは絶対に認めず、命を落とす日まで女王として君臨し続けたそうだよ。
まぁ母親であるイサベル1世も晩年は精神病患者のような状態になっていたらしくて、家系の問題という仮説もあるみたいだけど。
ただ、そんな末期症状のようになっていたフアナなんだけど、幽閉されていても退任だけは絶対に認めず、命を落とす日まで女王として君臨し続けたそうだよ。
夫が浮気者じゃなければ名君になったかもしれないわね……。
まとめ
以上が狂女王と呼ばれたスペイン王国の王女「フアナ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
なんていうか……。切ない……。
最初はもっとこう、権力を使って好き勝手に暴れる女王の話かと思ってたけど、ただ単純に浮気男に振り回された可哀そうな女性じゃない……。
最初はもっとこう、権力を使って好き勝手に暴れる女王の話かと思ってたけど、ただ単純に浮気男に振り回された可哀そうな女性じゃない……。
だね……。
実を言うとボクも最初はマキエと同じイメージだったんだけどね。
実を言うとボクも最初はマキエと同じイメージだったんだけどね。
そういえばフアナには子供達がいたわよね。
子供達はどうなったの?
子供達はどうなったの?
え、そこを聞く……?
まさかもっと悲惨な目になってるとか……?
いや、普通に王族として結婚したり政治に参加してるよ。
説明するとただのスペインの歴史の授業になるけど……?
説明するとただのスペインの歴史の授業になるけど……?
じゃぁイラナイ。
あ、ちなみに末っ子のカタリナはフアナと一緒に幽閉生活を送っていたから、ちょっとアレですけど……。
やっぱなんかあるんじゃん!
それも“狂女王”の異名をもつ「フアナ」についてご紹介したいと思いまっす!