誰それ。
あれ?知らない?
日本三大幽霊っていうと「皿屋敷のお菊」と「四谷怪談のお岩」と「牡丹灯籠のお露」って言われてるんだけど。
日本三大幽霊っていうと「皿屋敷のお菊」と「四谷怪談のお岩」と「牡丹灯籠のお露」って言われてるんだけど。
お菊さんとお岩さんは昔からしってるけどお露さんは聞いたことないかも。
なんか特徴とかある?
なんか特徴とかある?
特徴?
ほら、お菊さんは「1枚……2枚……」とかお皿を数えてるし、お岩さんは顔が崩れちゃってるっていう特徴があるじゃん。
あー。確かに。
でも、そういわれるとお露さんは目立った特徴がないかも……。
でも、そういわれるとお露さんは目立った特徴がないかも……。
あえて言うなら下駄の音と牡丹模様の灯籠かなぁ……。
んー……?
この時点でわからなかったら知らないって事だね。
それじゃ牡丹灯籠のストーリーから紹介していくね。
それじゃ牡丹灯籠のストーリーから紹介していくね。
牡丹灯籠のあらすじと「お露」
時代は江戸時代。
旗本である飯島平左衛門には「お露」という娘がいたんだけど、その娘は浪人である「萩原新三郎」に恋に落ちたんだ。
しかし、お露は新三郎を想うあまり最終的には恋い焦がれて死んでしまうんだ。
旗本である飯島平左衛門には「お露」という娘がいたんだけど、その娘は浪人である「萩原新三郎」に恋に落ちたんだ。
しかし、お露は新三郎を想うあまり最終的には恋い焦がれて死んでしまうんだ。
ええ……。
男に惚れただけで死ぬなんてあり得るの……?
男に惚れただけで死ぬなんてあり得るの……?
まぁマキエからしたら未知の世界ですよね。
どういう意味よ……。
そしてお露の死後、お露の事をすごい可愛がっていた乳母であり下女である「お米」は後を追って自殺してしまう。
一方で新三郎もお露が死んだ事だと聞かされてからは喪に服して毎晩念仏を唱えていたんだ。
一方で新三郎もお露が死んだ事だと聞かされてからは喪に服して毎晩念仏を唱えていたんだ。
お露さんて人気者なのね。
そして事件は盆の十三夜に起こります。
この日の夜も新三郎はいつものように念仏を唱えていたんだけど、「カランコロン……カランコロン……」という下駄の音と共に真夜中に誰かが家に訪ねてきたの。
おっ……。
来たわね……。
来たわね……。
新三郎は不審に思いながらも表にでてみたんだけど、そこにはなんと乳母であるお米に連れられたお露の姿があったんだ。
おーぅ……。
真夜中にもかかわらずぼんやりと光るお米とお露……。
そして、お米の手元には見慣れない牡丹灯籠が下げられていたんだ。
そして、お米の手元には見慣れない牡丹灯籠が下げられていたんだ。
ああ、牡丹灯籠ってここで出てくるんだ。
うん。
しかももう出てこないよ。
しかももう出てこないよ。
ちょい役すぎる!
そして新三郎は死んだと聞かされていたお露が現れて最初はびっくりするんだけど、怖さより嬉しさのほうが上回ってお露を家に上げるんだ。
そしてまぁ……。
久々に会うことができた二人は盛り上がるわけですよ。
いろんな意味で。
久々に会うことができた二人は盛り上がるわけですよ。
いろんな意味で。
ふんふん。
そしてその盛り上がってる所を覗いている人物がいた。
その人物は新三郎の元で働く下男の「伴蔵」。
その人物は新三郎の元で働く下男の「伴蔵」。
ヤラシーわね……。
ただ、伴蔵が見た物は骸骨と絡み合う新三郎の姿だったんだ……。
あー……。
完璧に取り憑かれてるぅ……。
完璧に取り憑かれてるぅ……。
その姿をみて恐ろしくなった伴蔵は翌朝、白翁堂勇斉という人相見に昨晩の事を相談しにいくんだ。
人相見って?
今で言う占い師だね。
手相を見る代わり人相をみて占いする人。
手相を見る代わり人相をみて占いする人。
で、伴蔵の話を聞いてただ事ではないと思った勇斉は伴蔵とともに新三郎の家に訪れて新三郎の占うんだ。
ふんふん。
そうすると新三郎の顔には死相がでていて、このままでは20日以内に死んでしまうと予言されてしまう。
パニックになった新三郎は勇斉に助けを求めるんだけど、勇斉も所詮は人相見。
そこで勇斉と面識のある新幡随院の良石和尚を紹介するんだ。
そこで勇斉と面識のある新幡随院の良石和尚を紹介するんだ。
新三郎はその日のうちに新幡随院の良石和尚を訪ねて事の顛末を説明。
そうすると良石和尚は金で作られたの魔除けの仏像である「海音如来(かんおんにょらい)」と雨宝陀羅尼経のありがたいお札を貸し、「仏像を必ず身のそばに置き、家にはお札を貼りなさい」と助言するの。
そうすると良石和尚は金で作られたの魔除けの仏像である「海音如来(かんおんにょらい)」と雨宝陀羅尼経のありがたいお札を貸し、「仏像を必ず身のそばに置き、家にはお札を貼りなさい」と助言するの。
金の仏像を貸すってすごいわね。
新三郎は家に帰るなり家の四方八方にお札を張り巡らし、そして仏像を枕元において眠りにつく。
すると、その日の夜もお露はお米に連れられて新三郎の家に現れたんだけど、お札のせいでお露は家の中に入ることができず、泣きながら去って行ったんだ。
すると、その日の夜もお露はお米に連れられて新三郎の家に現れたんだけど、お札のせいでお露は家の中に入ることができず、泣きながら去って行ったんだ。
おー。
効果覿面。
効果覿面。
ただ、物語はこれで終わらない。
お米とお露が次に向かったのはなんと下男の伴蔵の家。
お米とお露が次に向かったのはなんと下男の伴蔵の家。
へ……。なんで?
実はお露は伴蔵に
「新三郎様から仏像を引き離し、お札をはがしてください」
と嘆願しにいったんだよ。
「新三郎様から仏像を引き離し、お札をはがしてください」
と嘆願しにいったんだよ。
嘆願する幽霊って珍しいわね。
伴蔵からすれば幽霊が怖いのでいう事を聞きたいけど、いう事を聞いて新三郎が死んでしまうと職を失ってしまう。
どうしようもできず慌てていると、事の一部始終をみていた妻であるお峰が助言してくるんだ。
どうしようもできず慌てていると、事の一部始終をみていた妻であるお峰が助言してくるんだ。
助言?
うん。お峰は伴蔵に
「『百両持ってきてくれたらお札をはがす』って言え!」
ってね。
「『百両持ってきてくれたらお札をはがす』って言え!」
ってね。
わりと現金な奥さんね……。
パニックになってた伴蔵は言われたままお露に伝えると
「明日の夜に百両を持ってきます。」
「それまでに仏像とお札の件はよろしくお頼み申しあげる」
と消えていったんだ。
「明日の夜に百両を持ってきます。」
「それまでに仏像とお札の件はよろしくお頼み申しあげる」
と消えていったんだ。
ふーん。
でもなんで百両が条件なの?
でもなんで百両が条件なの?
奥さんとしたら
「幽霊が百両なんて用意できるわけないから持ってこなかったらいう事を聞かなくてもいい」
「仮に百両もってきたら新三郎が取り殺されても暮らしていける」
って考えたみたい。
「幽霊が百両なんて用意できるわけないから持ってこなかったらいう事を聞かなくてもいい」
「仮に百両もってきたら新三郎が取り殺されても暮らしていける」
って考えたみたい。
か……賢い!
関心していいのかな……。
で、伴蔵はお峰と共に新三郎と仏像を引き離す作戦にでます。
ほほう。
伴蔵は肌身離さずもっている仏像を取り上げるために
「体を清めなければ悪い悪霊が寄ってきます」
とかなんとかいって新三郎を無理やり風呂に入れて、その隙にお峰が仏像を偽物とすり替えたんだ。
「体を清めなければ悪い悪霊が寄ってきます」
とかなんとかいって新三郎を無理やり風呂に入れて、その隙にお峰が仏像を偽物とすり替えたんだ。
そして、その日の夜。
伴蔵が家で寝ていると約束通りお露が現れて、なんと伴蔵の頭上から100両もの小判が降り注いだんだ
伴蔵が家で寝ていると約束通りお露が現れて、なんと伴蔵の頭上から100両もの小判が降り注いだんだ
幽霊ってすげぇ!
大金をみて舞い上がった伴蔵とお峰はお露とお米と共に新三郎の家に行き、お露の目の前で新三郎の家に貼られているお札をはがす。
するとお露は満面の笑みを浮かべて家の中に消えていったの……。
するとお露は満面の笑みを浮かべて家の中に消えていったの……。
あー……
やっちゃった感じがするわね……。
やっちゃった感じがするわね……。
その日、伴蔵とお峰は犯人が自分たちだとバレてはいけないのでそそくさと帰宅。
そして何食わぬ顔で新三郎の家にいつも通り出勤すると……。
そして何食わぬ顔で新三郎の家にいつも通り出勤すると……。
そこには人骨に首を絞められて事切れている新三郎の姿があったんだ……。
これが「牡丹灯篭」のお話。
ふーん。
今風に言うとストーカーのメンヘラ女の話って感じがするわね……。
今風に言うとストーカーのメンヘラ女の話って感じがするわね……。
いやいや、純愛でしょ?
行き過ぎた純愛は犯罪なのよ。
そういえば伴蔵はお峰はどうなったの?
ああ、伴蔵やお峰たち結末には何パターンかあって、引っ越して無事逃げおおせてたり、結局伴蔵もお露に祟られて狂って死んだり。
まぁ色々かな。
まぁ色々かな。
逃げおおせるっていう結末はちょっと納得できないわね……。
「牡丹灯篭」は完全なるフィクションだった?
そして最後にこの牡丹灯篭についてなんだけど、実はこの話は完璧な創作です。
あ、元になった事件とかは無いんだ。
うん。
元になった事件はないけど元ネタは中国の明の時代の小説集かな。
『剪灯新話』っていう本があるんだけど、そこに収録された『牡丹燈記』が元ネタだって言われてる。
元になった事件はないけど元ネタは中国の明の時代の小説集かな。
『剪灯新話』っていう本があるんだけど、そこに収録された『牡丹燈記』が元ネタだって言われてる。
へー。
その証拠に、話の途中でお露が
「カランコロンカランコロン」って下駄の音と共に現れたっていってたと思うんだけど、当時の幽霊は足がないのが一般的だったのよ。
「カランコロンカランコロン」って下駄の音と共に現れたっていってたと思うんだけど、当時の幽霊は足がないのが一般的だったのよ。
そういえば昔の浮世絵とかに出てくるオバケは足が無いわね。
一方で中国のオバケは普通に足があったからね。
へー。
でもさー……。
いくらなんでも愛してる人を憑り殺さなくてもいいじゃんねー……。
いくらなんでも愛してる人を憑り殺さなくてもいいじゃんねー……。
「愛ゆえに……」ってやつ?
愛ゆえに勝手に死なれて、その上、無理やり憑り殺されたら殺されたらたまんないわよ……。
その名も「牡丹灯籠」のお露さんについてでっす!