え……。
剣で刺されても死なないってどういう事……?
剣で刺されても死なないってどういう事……?
そのままの意味だよ。
剣、というかレイピアなんだけど、そのレイピアを体に突き刺しても死なない上に、血もあんまり出ないという不思議な肉体を持った人がいたんだよ。
剣、というかレイピアなんだけど、そのレイピアを体に突き刺しても死なない上に、血もあんまり出ないという不思議な肉体を持った人がいたんだよ。
え、何で?
いや、なんでか分からないからこそ、ミステリーなんじゃないか……。
あー。
手品とかそんな感じの話?
手品とかそんな感じの話?
そんな結論を焦らないで。
それじゃ順を追って紹介していきまっす!
それじゃ順を追って紹介していきまっす!
あ、わかったわ。
特殊体質とかそんな話でしょ。
特殊体質とかそんな話でしょ。
ボクの話、聞いてる……?
不死身の男「ミリン・ダヨ」
それじゃ改めて、今回紹介する不死身の男性の名前は「ミリン・ダヨ」。
本名は「アーノルド・ヘンスケンズ」といって、1940年代にスイスやオランダで有名になったオランダ人です。
本名は「アーノルド・ヘンスケンズ」といって、1940年代にスイスやオランダで有名になったオランダ人です。
え?
ミリン・ダヨって本名じゃなかったんだ。
ミリン・ダヨって本名じゃなかったんだ。
うん。
ミリン・ダヨっていう名前はパフォーマンスを始めた頃に自分で付けたニックネームみたいなものだよ。
ミリン・ダヨっていう名前はパフォーマンスを始めた頃に自分で付けたニックネームみたいなものだよ。
ちなみに“ミリン・ダヨ”っていうのは1887年頃に世界の共通語を作ろうって事で始められた「エスペラント」という言語の言葉で「素晴らしい」とか「最高」っていう意味だったりする。
ふーん。
そして、ミリン・ダヨはもともとはオランダのデザイン会社で働いていた普通の男性だったんだけど、20代の後半に差し掛かった時ぐらいから幽霊が見えるようになるんだ。
それからはミリン・ダヨは暇を見つけては幽霊をスケッチしたりしてたんだって。
んー。
幻覚が見えているとかじゃなくて?
幻覚が見えているとかじゃなくて?
どうだろう。
でも“スケッチの中の一枚はアフリカで暮らしていた一度も会ったことが無い叔母さんにそっくりだった”なんて話もあるよ。
でも“スケッチの中の一枚はアフリカで暮らしていた一度も会ったことが無い叔母さんにそっくりだった”なんて話もあるよ。
へー。
驚異の体を手に入れ、アムステルダムに移住したミリン・ダヨ
そしてミリン・ダヨが33歳になった時、こんどは肉体に変化が訪れます!
それが不死身の体ってやつ?
そそ。突然自分の体が不死身になったように感じたんだって。
それってどんな感じなのかしら……。
なんでも“肉体が傷つくイメージが沸かない”って感じらしよ……。
うーん……。
わかるような……、わからんような……。
わかるような……、わからんような……。
そしてミリン・ダヨは突如、家族を捨ててアムステルダムに移住します。
え、なんで……?
それはわかんない……。
まぁ移住した理由はおいといて、移住した後のミリン・ダヨは毎晩のように酒場に訪れては、酒を飲みに来ていた客にレイピアを渡して自分の体を貫通させるという狂気地味た事をしてお金を稼いでたんだって。
刺させる方も刺させる方だけど、刺す方も刺す方よね……。
そして徐々にその話が有名になりミリン・ダヨは劇場とか少し大きな場所でパフォーマンスを繰り返すようになるんだ。
ちなみにこれが実際にレイピアを指してる時の写真。
痛い!痛い!痛い!
なんか見てるこっちが痛い!!!
なんか見てるこっちが痛い!!!
……。
でも何これ。手品?
でも何これ。手品?
テンション冷めるの早くない……?
ちなみにマジックではニードルスルーアームっていうよく似たマジックがあるけど、ミリン・ダヨの場合は本当に刺してるよ。
あと、こっちがレントゲン写真。
え……。
そこまでしてトリックじゃない事を証明したかったの……?
そこまでしてトリックじゃない事を証明したかったの……?
いや、どっちかって言うと業務上仕方なくって感じかな。
業務上?
実は舞台に立ってパフォーマンスを行う上で医者の診断書や許可が必要だったんだってさ。
へー。そんな法律があるんだ。
でも、お医者さんが体を直接診察したんならミリン・ダヨの体の仕組みも判明するんじゃないの?
いや、死なない理由や血が出ない理由については判らなかったんだって。
でも、医者はとりあえず許可を出したらしいよ。
でも、医者はとりあえず許可を出したらしいよ。
パフォーマンスでお金を稼ぐって、やっぱり大変な事なのね……。
あ、ちなみにミリン・ダヨがパフォーマンスを続けたのはお金が目的じゃないよ。
え、そうなの?
もちろん自分が食べていくためのお金は必要だったけれど、むしろ色んな人に自分の説法を聞かせるために不死身の肉体を見せていたんだって。
自分の説法?
実はミリン・ダヨは不死身の肉体を手に入れてからというもの、神様の存在を感じるようになったらしいんだ。
そこで、他の人たちに神様の存在を信じてもらうために、自分の体をアピールしたんだって。
ん?どういう事?
まぁ簡単にいうと
「自分の肉体は神の力のであり、この世には神様がいる」
って感じだね。
「自分の肉体は神の力のであり、この世には神様がいる」
って感じだね。
宗教的な詐欺とかじゃないでしょうね。
まぁそれで荒稼ぎしてたのならそうなのかもしれないけど、ミリン・ダヨは別にお金を集めたりしてないし、説法自体も“世界平和”とか“戦争は悪”みたいな事しか言ってなかったみたいだよ。
なんだ。
めっちゃいい人ジャン。
めっちゃいい人ジャン。
いつも思うけど、マキエって切り替え早いよね……。
ミリン・ダヨは科学的には実現可能……?
まぁ神の力とかその辺は置いといて、実際はどうなの?
実際って?
科学的な根拠から見たミリン・ダヨの体の仕組みの話よ。
実際、人間は皮膚はともかく内蔵を貫いたら普通は死ぬでしょ。
実際、人間は皮膚はともかく内蔵を貫いたら普通は死ぬでしょ。
残念ながら詳しい資料はほとんど残ってはいないみたい。
でも、“非現実的な事は起こっていない”という結論は出ているよ。
でも、“非現実的な事は起こっていない”という結論は出ているよ。
ん?
というと、なにかタネがあるって事?
というと、なにかタネがあるって事?
タネというか、仕組みかな?
判りやすく言うとピアスと同じ原理なんじゃないかって言われている。
判りやすく言うとピアスと同じ原理なんじゃないかって言われている。
ピアス?
ほら、ピアスって一度開けたらピアスを付けている限りはふさがらないでしょ?
それと同じでミリン・ダヨは動脈とか太い血管を避けて、体内にレイピアを通す穴を作っていたんじゃないかって話。
それと同じでミリン・ダヨは動脈とか太い血管を避けて、体内にレイピアを通す穴を作っていたんじゃないかって話。
皮膚とかならともかく内蔵はどうするのよ……。
それについても諸説あるんだけど、さすがに生死に関わる肺や心臓とかは貫いてなかったみたいだよ。
肺や心臓“は”……?
肝臓は普通に貫いていたみたいだけど……。
それだけでも大概なんだけど……。
あと、ミリン・ダヨのパフォーマンスは長くは続かず、アムステルダムに移住して2年後にはあっさりと命を落としてしまうんだ。
え、死ぬの!?
そりゃぁ人間だからね。死ぬときゃ死ぬさ。
不死身の男の死因は「大動脈の破裂」
不死身の男として世間を騒がせていたミリン・ダヨが死亡したのは1948年5月26日。
ちなみに死因は大動脈の破裂。
ちなみに死因は大動脈の破裂。
あー。レイピアが刺さったらダメなところに刺さったとか?
いや、大量の釘を食べたんだ。
えぇぇぇ……?
実はこの時にミリン・ダヨには守護天使(ガーディアン・エンジェル)が見える様になっていて、その守護天使が頻繁にミリン・ダヨに修行を与えていたんだって。
修行?
うん。
例えば“熱湯で体を洗え”とか“氷の上で寝ろ”とか……。
例えば“熱湯で体を洗え”とか“氷の上で寝ろ”とか……。
……。
そして、ある日ミリン・ダヨは守護天使から
「大量の釘を食べ、そして麻酔を使うことなく医師に取り出させろ。」
というお告げを聞いたんだって。
「大量の釘を食べ、そして麻酔を使うことなく医師に取り出させろ。」
というお告げを聞いたんだって。
え……。
まさかそれを実行したの……?
まさかそれを実行したの……?
そう。
ミリン・ダヨは守護天使の指示を疑うことなく実行し、大量の釘を飲み込んだんだ。
ミリン・ダヨは守護天使の指示を疑うことなく実行し、大量の釘を飲み込んだんだ。
うへぇ……。
そしてミリン・ダヨは釘を取り出してもらうために医者の所に行ったんだけど、医者は麻酔無しではそんなことは出来ないと突っぱねて、麻酔をかけた状態で手術を行って釘を取り出したんだ。
その結果、手術を受けた10日後に大動脈の破裂が原因で命を落としてしまったんだよ。
え、これはミリン・ダヨのいう事を聞かなかった医者が悪いの……?
いや、現実的に考えると医者は正しい事をしてると思うけどね。
でも、死んじゃうときはあっさり死んじゃうのね。
そうだね。
ただ、ミリン・ダヨは釘を飲む前に意味深な言葉を残しているんだ。
ただ、ミリン・ダヨは釘を飲む前に意味深な言葉を残しているんだ。
意味深な言葉?
実はミリン・ダヨは「ジャン・ダーク・ドゥ・グルート」という助手がいたんだけど、その助手に
「私はもうオランダには帰る事は無いだろう。」
「私は釘を飲むが、これは絶対に手助けしてはならない。」
とかね。
「私はもうオランダには帰る事は無いだろう。」
「私は釘を飲むが、これは絶対に手助けしてはならない。」
とかね。
自分の死を予言してたって事?
そういう風に解釈できるって話だけどね。
でも、仮にグルートが釘を飲むのを手伝っていた場合、自殺幇助や過失致死に問われていた可能性があったみたい。
でも、仮にグルートが釘を飲むのを手伝っていた場合、自殺幇助や過失致死に問われていた可能性があったみたい。
それはそれで理不尽な話ねぇ……
まとめ
以上が不死身の男「ミリン・ダヨ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
んー。
なんか途中までは体を張ったパフォーマーって感じだったけど、途中から訳が分からなくなった感じね。
結局ミリン・ダヨは何者だったのかしらね……
なんか途中までは体を張ったパフォーマーって感じだったけど、途中から訳が分からなくなった感じね。
結局ミリン・ダヨは何者だったのかしらね……
超常現象的に考えるなら神の力で、科学的に考えるなら特異体質ってところかなぁ。
でも、お告げの通り麻酔無しで手術していたらミリン・ダヨは死なずに済んだのかしら。
まぁ仮に今回生き延びてたとしても、こんなことを続けていたら、どっちにしろ割と早く命を落としてたんじゃないかな……。
それも剣で刺されても死なない不死身の男「ミリン・ダヨ」について紹介したいと思いまっす!