

ハンギング・ロック?

「首つり岩」っていう意味だって。

すごい名前の岩ね……。

この岩場は名前の通り変な形をした岩場なんだだけど、実際は自然豊かでとてもきれいな場所なんだよ。

あ、そうなんだ。
名前からしててっきり自殺とか処刑台かなんかかと思ったわ……。
名前からしててっきり自殺とか処刑台かなんかかと思ったわ……。

そして今回はそのハンギング・ロックへピクニックに出かけたある学校の生徒と先生が失踪してしまった話。
じゃあ、早速紹介していくよ!
じゃあ、早速紹介していくよ!
楽しいピクニックのはずが……

この事件が起こったのは1900年の2月14日。
なんとバレンタインの日に起こった事件でっす
なんとバレンタインの日に起こった事件でっす

バレンタイン!
女子にとっては大事な日じゃない!
女子にとっては大事な日じゃない!

そういえば余談だけど女の子から男の子にチョコレートをプレゼントするのは日本だけなんだって。
海外は男性から贈り物をすることが多いんだよ。
海外は男性から贈り物をすることが多いんだよ。

あっ、聞いたことあるかも。
じゃぁ来年からそれでいきましょ。
私、新しい鞄か靴かコートがほしいんだけど。
じゃぁ来年からそれでいきましょ。
私、新しい鞄か靴かコートがほしいんだけど。

……。
えー……話がそれちゃったので戻すよ。
えー……話がそれちゃったので戻すよ。

このハンギング・ロックがあるのはオーストラリア。
そして地元のアップルヤード学院の女学生たちがハンギング・ロックにハイキング出かけたんだ。
そして地元のアップルヤード学院の女学生たちがハンギング・ロックにハイキング出かけたんだ。

女の子だけで物騒ね。

いや、ハイキングといっても野外学習の一環だったらしいから女子生徒19人と教師2人っていうそれなりの人数で行ったみたいだよ。
そして、この事件に巻き込まれたのは女生徒4人と教師1人。
そして、この事件に巻き込まれたのは女生徒4人と教師1人。

途中ではぐれちゃったの?

いや、昼食をとった後に「マリオン」という生徒の女の子が「岩場の散策に行きたい」と言い始めたんだ。
マリオンは教師から許可をもらえたので、他に「アーマ」「イーディス」「ミランダ」の3人を誘って4人でハンギング・ロックの山頂に向けて歩いていった。
マリオンは教師から許可をもらえたので、他に「アーマ」「イーディス」「ミランダ」の3人を誘って4人でハンギング・ロックの山頂に向けて歩いていった。

女の子だけで歩いたりできる場所なの?

できなくはないけど、彼女たちは純白のドレス姿で来ていたから探索というよりも「ちょっとそこまでのお散歩」って雰囲気だったみたい。

ドレス!?

それも西洋のお人形さんがきているようなヴィクトリア調のドレスを着ていたらしいよ。

ピクニックの格好じゃないわね……。

ちなみに一緒に散策に出かけたミランダは「ボッティチェリのビーナスのよう」って言われるぐらい美人だったらしいよ

ボッチ……何?

「ボッティチェリ」。
「ヴィーナスの誕生」とかを書いた人だよ。
「ヴィーナスの誕生」とかを書いた人だよ。

ああ、貝殻の上に綺麗な女の人が立っている絵ね?

そうそう。
ちなみにこの事件は「ピクニック・アット・ハンギングロック」っていうタイトルで映画にもなっているんだけど、ドレス姿のミランダといい、風景といい、とても美しい映画になってるからオススメ。
ちなみにこの事件は「ピクニック・アット・ハンギングロック」っていうタイトルで映画にもなっているんだけど、ドレス姿のミランダといい、風景といい、とても美しい映画になってるからオススメ。

へー。
今度見てみようかしら。
今度見てみようかしら。

で、話を戻すけど、時間が経っても散策に出た生徒達が帰ってこなくて、教師が心配し始めた頃、探索に出かけた4人のうちイーディスだけが帰ってきたんだ。

でも、帰ってきたイーディスは半狂乱状態になっていて、何を聞いてもヒステリックに叫ぶだけで何も情報を聞き出せなかったんだ。

何か怖いことでもあったの?

しかも半狂乱になってるイーディスに気をとられている間に教師の一人である「マクロウ先生」まで消えてしまったんだ。

いつのまに!!
一人だけ帰ってきたイーディスが見たもの

探索にでかけた3人といつの間にかいなくなった先生は夜になっても帰らなかったので、先生たちは地元の警察に通報。
翌日の朝には捜索隊が結成され、簡単に見つかると思いきや彼女たちの足取りは一切つかめなかったんだ。
翌日の朝には捜索隊が結成され、簡単に見つかると思いきや彼女たちの足取りは一切つかめなかったんだ。

そんなに広い岩場じゃなさそうなのにね。

翌日には半狂乱になってたイーディスも回復していて話を聞く事ができたんだけど、イーディスから聞けた話は、他の三人の女生徒が靴とストッキングを脱いで岩陰に消えたという話のみ。
ちなみにイーディスはそこで怖くなって引き返したらしい。
ちなみにイーディスはそこで怖くなって引き返したらしい。

靴とストッキングを脱ぐって……自殺する前みたいじゃない。

でも、靴やストッキングは見つかっていないから自殺の線は薄いんじゃないかな。
そもそも三人が同時に自殺するとは考えにくいし。
そもそも三人が同時に自殺するとは考えにくいし。

それもそうか。

あ、あとイーディスは引き返してくる途中に失踪したマクロウ先生の姿も見ていたらしい。

あ、そうなの?
でも、なんで先生のところへは行かなかったの?
でも、なんで先生のところへは行かなかったの?

実はイーディスがその時に見たマクロウ先生はスカートを履いていなくて下着姿だったらしいよ。

な、なんですと……。
それはちょっと近づいてはいけない雰囲気があるわね。
それはちょっと近づいてはいけない雰囲気があるわね。

イーディスが記憶に残ってるのはこの2点だけで他の詳細に関してははまったく覚えていなかったらしい。

怖すぎて、忘れてしまったのかしら。
それとも、記憶の隠ぺい?
それとも、記憶の隠ぺい?

宇宙人関係の伝説では記憶を消されるってよくあるよね。
消えた女生徒と教師の行方

その後も捜索は続いたんだけど、彼女たちは一切見つからず、事件から1週間が経ってそろそろ捜索を打ち切ろうと言うときに生徒が一人見つかります!

え……、一週間もかかったの?

このときに見つかったのは生徒はアーマ。
アーマはハンギングロックの岩陰で気を失っているところを保護されたんだって。
アーマはハンギングロックの岩陰で気を失っているところを保護されたんだって。

えええ……。
でもここってそんなに広い岩場じゃないでしょ?
でもここってそんなに広い岩場じゃないでしょ?

うん。
しかも奇妙なことに失踪してから1週間もたってるのに、手と頭に軽傷を負っているぐらいで、ドレスも綺麗なままだったらしいよ。
しかも奇妙なことに失踪してから1週間もたってるのに、手と頭に軽傷を負っているぐらいで、ドレスも綺麗なままだったらしいよ。

1週間も同じ服着て外にいたのなら、かなり汚れているはずよね?
どこか別の場所にいたのかしら。
どこか別の場所にいたのかしら。

でも、近くには家とかはないし、失踪中の女の子をわざわざ匿う人なんていないでしょ。

そうよね。
本人は何か話さなかったの?
本人は何か話さなかったの?

アーマも何があったのか記憶になかったそうだよ。
あと怪我以外にもう一つ奇妙なことがあって、なぜかアーマが身に着けていたコルセットだけがなかったらしい。
あと怪我以外にもう一つ奇妙なことがあって、なぜかアーマが身に着けていたコルセットだけがなかったらしい。

……下着泥棒?

いや、それは違うでしょ。
というか下着目的ならコルセットじゃなくてパンツとかブラとかもっとこう……
というか下着目的ならコルセットじゃなくてパンツとかブラとかもっとこう……

……。
「もっとこう」何?
どうぞ?続けて?
「もっとこう」何?
どうぞ?続けて?

いや、何でも無いです……。

で、その後他の人は見つかったの?

いや、残念ながら他の生徒ミランダ・マリオンとマクロウ先生の3人は見つかることなく捜索も打ち切り。
結局3人は死亡扱いになってこの事件は幕を下ろしたんだよ。
結局3人は死亡扱いになってこの事件は幕を下ろしたんだよ。

迷宮入りかぁ。
小説の存在と事件の真相

そして最後にこの失踪事件の真相について紹介していきまっす!

実はこの伝説は作り話なんじゃないかって言われているんだよ。

なんで?

実は「Picnic at Hanging Rock」っていう小説があるんだよ。
さっき映画化されてるって言ったと思うんだけど、映画はこの小説が原作になってるんだ。
さっき映画化されてるって言ったと思うんだけど、映画はこの小説が原作になってるんだ。

ああ、元々は小説だったのね。

そしてこの小説を執筆したのが「ジョアン・リンゼイ」というオーストラリアの女流作家。

その人が作ったお話ってこと?

”かもしれない”ってだけなんだけどね。

ジョアンは実際に起こった事件を小説にしたって言っていたけど、当時の新聞にはどこにもそんな事件の記録は残っていなかったんだって。

この話が本当なら大事件だから、新聞に取り上げられないってことはおかしいわよね。
この事にだれかツッコミを入れなかったの?
この事にだれかツッコミを入れなかったの?

現在は著者であるジョアンは亡くなってしまったけど、小説を発表した時のインタビューの内容が記録に残っているよ。

聞きたい、聞きたい。

質問内容は、この物語が真実かどうかっていう内容だったんだけど、その答えは
「物語が事実またはフィクションかどうかあなたに伝えることができません。
しかし多くの非常に奇妙なことがハンギング・ロックのエリア近くで起こりました。」
だって。

なんか微妙に答えを濁してるわね……。

ちなみに失踪事件は本当にあったっていわれるんだけど、貴族や政財界が関わっていて箝口令が発令されたり、学院長が転落死したり学院が火事になって全焼したりいろんな事件が起こったせいで真実はぐちゃぐちゃになっちゃってるみたい。
事件を取り扱ってた警察署も実際に火事になって多くの資料も燃えちゃってるしね。
事件を取り扱ってた警察署も実際に火事になって多くの資料も燃えちゃってるしね。

「貴族」「学院長の死」「学院の全焼」「警察署の火事」……。
これ絶対なんか裏がありそうなんだけど……。
これ絶対なんか裏がありそうなんだけど……。

そうだね。
でも、今となっては真相は闇の中。
でも、今となっては真相は闇の中。

以上がハンギングロック事件の全貌。
結構面白かったでしょ?
結構面白かったでしょ?

そうね。
やっぱりピクニックや登山はドレスじゃなくてちゃんと相応しい恰好をしなきゃ危ないって事ね
やっぱりピクニックや登山はドレスじゃなくてちゃんと相応しい恰好をしなきゃ危ないって事ね

いや、そこじゃない……。

あ、でも岩場にドレスを着た美女が現れたらお持ち帰りたくなるよね。

……。

冗談だからね……?
その名も「ハンギング・ロック事件」についてでっす!