細菌をばら撒く女性「腸チフスのメアリー 」!タイフォイドメアリーとも呼ばれる女性の正体とは!

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ぐっさん
今回の都市伝説のテーマはズバリ「感染症」!
それも47人の感染者と3人の死者を生み出した「腸チフスのメアリー」についてご紹介したいと思いまっす!
マキエ
なんか物騒なテーマね。
細菌テロかなんかの話か何か?
ぐっさん
細菌テロ……。
うーん。細菌テロとはちょっと違うけど、でも結果的には細菌テロになっちゃうのかな……?
マキエ
ん?
どいうこと?
ぐっさん
今回の話は腸チフスという感染症に感染していた女性の話なんだけど、決して悪意や自分の意思で腸チフスを広めようと思ったわけじゃないんだ。
ぐっさん
細菌に感染していても発症しない人の事を「健康保菌者」っていうんだけど、自分が健康保菌者と知らずに日常生活を送っていた結果、周りの人々が次々に感染してしまったんだよ。
マキエ
あ、なんかヤバそう……。
ぐっさん
気になってきたところでさっそく紹介していきまっす!

死に至る感染症「腸チフス」

ぐっさん
まず、本題に入る前に腸チフスについて簡単にご紹介したいと思います。
マキエ
腸チフスってそんなにヤバイ病気なの?
ぐっさん
かなりヤバイよ。
下手したら命を落とすレベル……。
マキエ
うわぉ……。
ぐっさん
ちなみに腸チフスはチフス菌と呼ばれるサルモネラの一種が原因の食べ物や水を媒体に感染する感染症。
症状としては40度近い高熱や腹痛や下痢、酷い時には血便が一週間以上も続き、下手をすると腸穿孔を起こして死に至ってしまうんだ。
マキエ
まるでコレラみたいね……。
ぐっさん
あー。まぁ似たような感じかな。
まぁ最近は色んな抗生物質があるから死亡するケースは稀だけどね。
マキエ
ふーん。
ぐっさん
ただ、腸チフスのメアリーが社会現象になった時代では致死率10%という恐ろしい感染症でもあったんだけどね……。
マキエ
ますますヤバそう……。

アイルランドから移住してきた女性「メアリー・マローン」

ぐっさん
それじゃ待ちかねの腸チフスのメアリーについて紹介していきまっす。
ぐっさん
腸チフスのメアリーの本名は「メアリー・マローン」。
メアリーはアイルランド生れの女性なんだけど、当時のアイルランドは飢饉や貧困が多発していてアメリカに移住する人が多かったんだ。
そしてメアリーもアメリカに移住したうちの一人で1883年の14歳の時に単身でニューヨークに移住してきたんだ。
マキエ
14歳で単身でニューヨークに移り住むってすごいわね……。
ぐっさん
14歳といえば中学2年生あたりか……。
そういわれると半端ないね……。
ぐっさん
まぁそれはおいといて、移住してきたメアリーは仕事を探すわけだけど特に手に職を持っていなかった彼女は賄い婦として生計を立てていたんだ。
マキエ
賄い婦?
ぐっさん
まぁ今でいう料理専門の家政婦とかメイドっていったところかな。
ぐっさん
そして1897年に最初のバイオハザードが発生する……。
当時のメアリーはニューヨーク州のママロネックという所に住んでいたお金持ちの家で働いていたんだけど、メアリーを除く雇い主や召使全員が腸チフスに感染してしまったんだよ。
マキエ
ほう……。
ぐっさん
ただ、メアリーは「自分以外が全員腸チフスに感染している」という事態に恐怖を覚え医師の診察を受けることなく逃走。
そのまま行方が分からなくなってしまったんだ。
ぐっさん
その後、メアリーはニューヨーク州周辺のレストランや個人宅で賄い婦として働いていたんだけど、メアリーが務める先では必ず腸チフスの感染症が発生。
メアリーは感染症が発生するたびに行方をくらますという事を何度も続けていたんだ。
マキエ
まるで細菌兵器ね……。
ぐっさん
ちなみにこの間で最低でも一名の女性が命を落としているんだ……。
ぐっさん
一方でニューヨーク州で定期的に腸チフス感染症が発生するという事態の解決を求められていた衛生士の「ジョージ・ソーパー」は
「腸チフスの感染症が発症した家庭やレストランにはメアリーが雇われていた」
という事実を発見する。
マキエ
おお、すごいわね。
ぐっさん
そしてメアリーと腸チフス感染症の関連性に気が付いたジョージはメアリーの元を訪れ、事情を説明して検査に協力するように依頼するんだ。
マキエ
これで解決?
ぐっさん
すると思うじゃん?
しかし、メアリーは自分は健康だということから検査協力を断固拒否。
マキエ
なんでよ!
ぐっさん
最終的には警官五人で抑えなければいけないぐらい激しく暴れて抵抗したらしいよ……。
マキエ
へー。
でも遂に逮捕かぁ。
ぐっさん
逮捕?
なんで?
マキエ
え、だって無差別に感染症を発症させてるんでしょ?
ぐっさん
メアリーは決して犯罪者ではないよ。
彼女はただ普通に生活してるだけだけで何も悪いことはしていない。
ただ、偶然彼女には腸チフスの菌が付いていただけだよ。
マキエ
むぅ……。
でもこの場合ってどうなの……。
ぐっさん
言いたいことはわかるけど、今後はその人権が問題になってくるんだ。

世界でだった一人のチフス菌の健康保菌者


ぐっさん
警官たちがメアリーを確保した後、ジョージはメアリーの検査を実施。
するとジョージの予想通りにメアリーの体内からチフス菌が排出されているのを確認されたんだ。
ぐっさん
そして事態を重く見た政府はメアリーをノース・ブラザー島の病院に収容、隔離を実施してしまう。
ぐっさん
でもメアリーは一度たりとも腸チフスの症状が発動していなかったんだ。
マキエ
つまり、体の中には細菌がいるのに自分は発症していないって事?
ぐっさん
そう。
冒頭でも少し触れたけど、菌に感染していても症状が出ない人物の事を「健康保菌者」というんだけど、メアリーは世界で初めの腸チフス菌の健康保菌者だったんだ。
ぐっさん
一方で隔離されたメアリーは自分自身は健康体であり、不当に隔離されているとして隔離から2年が経過した1909年に市の衛生局を相手に裁判を実施。
結果的には隔離は不当とされて、メアリーは釈放し自由を手に入れることができるたんだ。
マキエ
え、でも保菌者がまた自由に動けるのも実はヤバくない……?
ぐっさん
そう。かなりヤバイ……。
そこで国は慌てて「メアリー専用の法律」を作ったんだよ……。

メアリーのためだけに作られた法律「腸チフス・メアリー法(タイフォイド・メアリー法)」


ぐっさん
メアリーが釈放と同時に整備された法律。
それは「腸チフス・メアリー法」。
マキエ
腸チフス・メアリー法?
ぐっさん
この法律は別名「タイフォイド メアリー法」ともよばれるんだけど、内容は
・メアリー・マローンは食品を扱う職業には就かないこと。
・メアリー・マローンは定期的にその居住地を明らかにすること。
というメアリーのためだけに作られた法律なんだけど、殆どの州が即座に可決したという非常に珍しい法律なんだ。
マキエ
名前が法律に乗るってすごいわね……。
ぐっさん
ちなみにメアリーの釈放はこの法律に同意することが条件だったからメアリーもしぶしぶ承諾。
そして島から釈放されたメアリーは法律を守って定期的に役場と連絡を取っていたんだけど、ある日を境に突然メアリーからの連絡が途絶え行方が分からなくなってしまったんだ。
マキエ
げっ……。
ぐっさん
そして次にメアリーが発見されたのは釈放から5年が経過した1915年。
この時、ニューヨークの産婦人科病院で腸チフスの感染症が発生するんだけど、メアリーはその病院で偽名を使って調理人として働いていたんだ。
マキエ
うわぁ……。
病院でしかも料理人って一番ヤバくない……?
しかも子供って免疫力とか体力がないから余計に危ないんじゃないの……?
ぐっさん
ずばりその通り……。
今回のバイオハザードでは25人の感染者を出し、そのうち2人が死亡するという大規模な物だったんだ。
ぐっさん
そして法律を破ったメアリーは再びノース・ブラザー島の病院に隔離されてしまい、一生涯そこから出ることを許されなかったらしい。
マキエ
え!?一生!?
ぐっさん
うん。
マキエ
一生ってどれぐらい……?
ぐっさん
記録では23年間だね。
とはいっても病人ではないからノース・ブラザー島の病院の職員として働いていたって記録が残ってるけどね。
マキエ
うーん……。
菌に感染してるだけで23年間も隔離されてしまうのか……。
ぐっさん
まぁメアリーも法律を破ったっていう負い目はあるけどね。
実際に法律を守っていれば産婦人科病院の二人は命を落とさなく済んだわけだし。
マキエ
でも……。うーん……。

まとめ

ぐっさん
以上が世界初のチフス菌の健康保菌者であり、3人の命を奪う事になった「腸チフスのメアリー」の話でした。
どうだった?
マキエ
最初は意図的に細菌をばら撒いているのかと思いきや、実際はメアリー自身も被害者だったわけか……。
ぐっさん
そう。
でも、行方不明になったり法律破って料理人として働いたり、メアリー自身にも大分非があるけどね。
ぐっさん
ちなみに余談だけど、メアリー自身が腸チフスの症状を発症しなかったのは感染部位が胆嚢だけだったのと、免疫を獲得できたからなんだって。
マキエ
へー。じゃぁ胆嚢を取れば治ってたかもってこと?
ぐっさん
うん。
しかも実際にジョージも胆嚢摘出の手術を勧めたらしいよ。
マキエ
メアリーも素直に受け入れたらいいのに。
ぐっさん
でもさー、自分は普通に元気に生活している時に
「貴方の胆嚢からウイルスが出現しています!摘出しましょう!」
って言われて信じる?
マキエ
う……うーん。
そういわれればちょっときついわね……。
ぐっさん
つまり実際はメアリー自身も被害者だったってわけさ。
マキエ
それ、さっき私が言った……。
ぐっさん
あれ……?
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11 件のコメント

  • うつされた人もかわいそうだけど、
    メアリーさんも不憫だなあ。
    今回も面白い記事ありがとうございました。

    • きさらぎさん、こんばんわ!コメントありがとうございます!
      楽しんでいただけているようで何よりです。
      これからも色々紹介したいと思っていますので、また読みに来ていただけると嬉しいです!

  • 一説にはメアリー自身その状況を楽しんでいたっていう話もあるんですって。そう考えると辻褄があっちゃったりして、、、

    • コーギーさん、いつもコメントありがとうございます。
      >>一説にはメアリー自身その状況を楽しんでいた
      その説は初めて聞きました。なるほど、それだと確かに辻褄が合いますね……。
      もしそうなのであれば、自暴自棄になってばら撒かったのはある意味彼女の良心なのかもしれませんね。

  • 最初の時は知らなかったから、で済まされるかもしれないけど隔離から解放されてからのはテロ
    と変わりないと思うなぁ。保菌者なだけで健康だもん!私は悪くないもん!って細菌バラまきな
    がら言われても説得力がないですよねぇ。コーギーさんのコメにある楽しんでたって言うのがあ
    ながち間違ってない気がしますね。自分には絶対に被害がないとわかってますし、他にいくらで
    も仕事があったのに偽名使ってまで調理にこだわってるところなんかもそうですよね。怖い。

    • 咲夜さん、いつもコメントありがとうございます。
      >>隔離から解放されてからのはテロと変わりないと思うなぁ。
      そうですね。もしかしたらメアリーは「自分は本当に健康体だ」と信じていた可能性もありますが、法律で決まった以上はその法律を守らないといけませんよね。
      ただ、調理師への拘りは確かに何かを感じさせますね……。

  • メアリーはアイルランドからの移民であり、当時のアメリカの富裕層では移民に対して「感染症は移民が持ち込んだもの」という考えがあったそうです。また当時のアメリカでは料理人やメイドはそれなりの給料と地位を約束された職業だったらしく、さらにメアリーは富裕層の中では料理人としての腕のうまさから非常に人気だったそうです。メアリー自身料理人という職業に大きな誇りを持っていたから料理をすることに執着していたのではないでしょうか?

    • ゆゆさん、コメントありがとうございます。
      >>メアリー自身料理人という職業に大きな誇りを持っていた
      そうかもしれません。ゆゆさんがおっしゃるとおりメアリーの料理の腕前は非常に評判だったようですし、彼女にとっては料理こそが全てだったのかもしれませんね。
      ただ、そう考えると自分の全てである料理を奪われたメアリーの心情は非常につらい物だったでしょう。
      意図的に広めたという説も否定はできませんが、できれば誇りを持って行動していたと信じたいですね。

  • ぐっさん!誤字ってますよ! マキエさんのとこが、最近になっています!細菌じゃないでしょうか?

    • あいりんちょさん、いつもコメントありがとうございます。
      ご指摘ありがとうございます!おっしゃる通り間違っていました!
      さっそく修正させていただきました。助かりました!

  • 現在、大きな問題となっている新型コロナウイルスでも、感染しても症状の出ない方が居るようですね。
    本人には自覚症状が無いので仕方ないのですが、感染していない人間から見れば大きな脅威と言えますね。

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