へー。
名前もなかなか洒落が効いてるわね
名前もなかなか洒落が効いてるわね
え、どういうこと?
だって名前も人間と牛が合体してるじゃない。
人間を表す“にんべん”の「イ」と牛を合体させて「件」になってるじゃない。
人間を表す“にんべん”の「イ」と牛を合体させて「件」になってるじゃない。
あっ!ほんとだ!
すごい!
すごい!
え、気づいてなかったの……?
気付いていたと言ったら嘘になるかもしれません……。
何、その政治家みたいな返し方……。
素直に認めなさいよ……。
素直に認めなさいよ……。
で、ちなみに今回はどんな感じの話なの?
今回は都市伝説というよりは日本に伝わる不幸を予言する妖怪である件とはどんなものかって感じの話かな。
え……。
不幸を予言すんの……?
不幸を予言すんの……?
それじゃ早速紹介していきまっす!
不幸を予言する妖怪「件(くだん)」
まず、件が日本に現れた経緯から紹介していくんだけど、件が怪奇現象として語られ始めたのは19世紀前半頃の日本。
突如、日本各地で顔は人間、体は牛という奇妙な生物の目撃談が相次いだんだ。
突如、日本各地で顔は人間、体は牛という奇妙な生物の目撃談が相次いだんだ。
日本各地で同時発生ってすごいわね。
なんか意図的な何かを感じるわ。
なんか意図的な何かを感じるわ。
なにかあったのかもね。
そしてこの件はちょっと変わった性質をもつ妖怪で「不幸を予知する」という能力と「不幸を回避するための護符」としての能力を持ってるって言われてるんだ。
ん?
不幸を予言するのに護符になるの?
不幸を予言するのに護符になるの?
うん。
それじゃまずは件が予言したと言われている大きな出来事から紹介していくね。
それじゃまずは件が予言したと言われている大きな出来事から紹介していくね。
妖怪「件」が予言したと言われている大災害や凶事
件について様々な目撃談があるんだけど、その中でも特に有名なのが1820年頃と1835年の目撃談。
この二つの目撃談にはどちらも「顔は人間で体が牛の化け物が凶事を予言した」という話なんだけど、実際に目撃談が広まった直後には必ず大きな災害や凶事が発生しているんだ。
この二つの目撃談にはどちらも「顔は人間で体が牛の化け物が凶事を予言した」という話なんだけど、実際に目撃談が広まった直後には必ず大きな災害や凶事が発生しているんだ。
1820年って日本でいう何時代になるの?
江戸時代だね。
まず1820年頃の目撃談から紹介するけど、この目撃談は山菜取りの男性による目撃談で、山の中で顔は人間で体は牛という妖怪に出会って、その妖怪が
「数年間疫病が流行し多くの犠牲者が出る」
と予言したと言われている目撃談。
まず1820年頃の目撃談から紹介するけど、この目撃談は山菜取りの男性による目撃談で、山の中で顔は人間で体は牛という妖怪に出会って、その妖怪が
「数年間疫病が流行し多くの犠牲者が出る」
と予言したと言われている目撃談。
へー。その疫病ってのは?
その疫病はずばり「疱瘡」。
特に1829年には日本で疱瘡が大流行して大勢の人が命を落としているんだ。
特に1829年には日本で疱瘡が大流行して大勢の人が命を落としているんだ。
疱瘡?
天然痘の事だよ。
あ、知ってる……。
めっちゃ死亡率が高い感染症だ……。
めっちゃ死亡率が高い感染症だ……。
そうそう。
感染すると大体30%~50%の人は命を落とすっていわれてる感染症だね。
今ではワクチンが開発されて日本や先進国では撲滅された感染症なんだけどね。
感染すると大体30%~50%の人は命を落とすっていわれてる感染症だね。
今ではワクチンが開発されて日本や先進国では撲滅された感染症なんだけどね。
そしてもう一つの1835年の目撃談で語られているのが
「今年から大凶作に陥り多くの犠牲者がでる。」
という予言して死亡したという話。
「今年から大凶作に陥り多くの犠牲者がでる。」
という予言して死亡したという話。
大凶作?
この予言が意味する大凶作というのが江戸三大飢饉の一つである「天保の大飢饉」。
洪水や冷害でざっと見積もって100万人の人が死亡したっていわれてるんだ。
洪水や冷害でざっと見積もって100万人の人が死亡したっていわれてるんだ。
あ、それも聞いたことある。
にしても100万人ってすごい数の死者ね……。
にしても100万人ってすごい数の死者ね……。
もちろん洪水の被害で直接的に命を落とした人も含まれてるけど、人口統計的には2.3年のうちに100万人前後の人口減少が起こってるんだって。
へー。
ところで予言については大体わかったけど、護符になるって言う話は何なの?
ところで予言については大体わかったけど、護符になるって言う話は何なの?
護符や守り神としての「件(くだん)」
最初に少し触れたけど、実はこの件は護符にもなったりします。
それが良くわからないんだけど?
不幸を予言する化け物がなんで護符になってるの?
不幸を予言する化け物がなんで護符になってるの?
実は
「姿を書き写し絵図をみればその者は難を逃れる」
って言われているんだ。
「姿を書き写し絵図をみればその者は難を逃れる」
って言われているんだ。
誰がそんな事を言い出したのよ……。
件、本人だよ。
はい……?
実は件は不幸事や凶事を予言した後に必ず
「自分の姿を書き写し絵図をみればその者は難を逃れる」
と付け加えていて、実際に江戸時代では件の絵を描いた瓦版が販売されていて、購入した人は家に飾って魔除け替わりにしていたんだ。
「自分の姿を書き写し絵図をみればその者は難を逃れる」
と付け加えていて、実際に江戸時代では件の絵を描いた瓦版が販売されていて、購入した人は家に飾って魔除け替わりにしていたんだ。
ちなみにこれが天保7年に描かれたと言われている瓦版。
「件」と「獣」っていう字がめっちゃカッコいいわね。
え、そこ……?
だって他は読めないし……。
でも、悪いことを予言しておいて、救いがほしかったら自分の姿を絵にして広めろって、やり方がまるでカルト教団の教祖みたいね。
その言い方はどうなのかな……。
「件の如し」の元ネタは妖怪の件
ちなみに余談だけど、マキエは「件の如し」って決まり文句を見た事ない?
ああ、なんか聞いた事あるわね。
文章の最後に「件の如し」とか「依って件の如し」とか書いてあったような。
文章の最後に「件の如し」とか「依って件の如し」とか書いてあったような。
そうそう。それそれ。
実はこの件の如しっていうのは今回紹介した妖怪の件の事なんだよ。
実はこの件の如しっていうのは今回紹介した妖怪の件の事なんだよ。
あ、そうなの?
でもなんで?
でもなんで?
件は予言をするわけだけど、その予言が必ず的中していたでしょ。
その事から「件=間違いない」とか「件=正直者」っていうイメージが定着して、結果的に「絶対守られる約束」とか「必ず遂行される出来事」という意味合いになったみたい。
そして最終的には契約書とか証文とかに使われるようになって「確実に遂行される事」として文章の最後に「依って件の如し」って付けるようになったんだって。
その事から「件=間違いない」とか「件=正直者」っていうイメージが定着して、結果的に「絶対守られる約束」とか「必ず遂行される出来事」という意味合いになったみたい。
そして最終的には契約書とか証文とかに使われるようになって「確実に遂行される事」として文章の最後に「依って件の如し」って付けるようになったんだって。
へー。
まとめ
以上が不幸を予言する「件(くだん)」についての都市伝説でした。
どうだった?
どうだった?
んー……。なんだろ……。
怖いっていうより歴史や民俗学を勉強したような気分……。
怖いっていうより歴史や民俗学を勉強したような気分……。
まぁ専門家によっては
「件という妖怪を護符として確立させることで、民衆に希望を持たせようとした」
っていう人もいるみたいだね。
「件という妖怪を護符として確立させることで、民衆に希望を持たせようとした」
っていう人もいるみたいだね。
あー。なるほどねぇ。
ちなみに最近の目撃談では阪神淡路大震災の際に自衛隊員が
「頭部が牛で着物を着た人間の女性が踊っている姿を目撃した」
って話もあるみたいだよ。
「頭部が牛で着物を着た人間の女性が踊っている姿を目撃した」
って話もあるみたいだよ。
まじで……。
江戸時代とかの話よりそっちの話の方が気になるんだけど……。
江戸時代とかの話よりそっちの話の方が気になるんだけど……。
残念ながらそっちの話は詳しい情報は集めれませんでした……。
無能。
直球すぎる!
それも顔は人間、体は牛という人面牛「件(くだん)」について紹介したいとおもいまっす!