死体が消える古井戸と消えない母親の死体！意味が分かれば怖い話

今回の都市伝説のテーマは「意味が分かると怖い話」！
それも「死体が消える古井戸」という話について紹介していきまっす！

え、なに。
死体が消えるってどういうこと？

この話は一人の男が何度か殺人を起こしてしまうんだけど、その都度、死体を庭にあった古井戸に捨てるんだ。

ほう……。

すると何故か一週間もしないうちに井戸に捨てた死体が次々と消えていくの。
でも、最後の死体だけは何故か消えなかったというちょっと不思議な話。

へぇ。
なんかちょっとミステリアスな話っぽいわね。

興味がわいてきたところでさっそく紹介していきまっす！

古井戸に死体を捨てる男

この話は昭和初期の東北のとある古民家風の家が舞台。
そこには主人公の男性とその妹、あと母親の3人が住んでいて庭には今は使われていない古井戸がったんだ。

ふんふん。

そしてある日、男性と妹は些細なことで喧嘩をすることになるんだけど、次第に喧嘩がエスカレートしてふとした拍子で妹を殺してしまうんだ。

おおう……。
急展開……。

でも、男は死体さえ発見されなければ言い逃れができると考えて死体を隠すことに。
その隠し場所として思いついたのが庭にある古井戸。

古井戸なんて真っ先に捜査されそうだけど？

ま、まぁそこはおいといて……

うん。

で、男は井戸の蓋のけて井戸の中を覗き込むんだ。
当然、井戸の中は真っ暗闇。

ココなら発見されないと考えた男は井戸の中に妹の死体を放り込む。
すると、下の方で「ドポンッ」という音がして井戸の底には水があるのはなんとなくわかったらしい。

ふんふん。

そして男性は母親には「妹は喧嘩した結果、家出した」と伝えて何食わぬ顔で普段の生活に戻ったんだ。

なかなかふてぶてしいわね。

しかし、数日後に台風が近づき大雨が降る。
井戸の水位が上がって死体が発見されるのを恐れた男は懐中電灯を片手にこっそり井戸の中の様子を見にいくと……。

ふんふん。

なぜか妹の死体が無い。

あれ？
なんで？

男も不思議に思ったんだけど、井戸はもともと地下水脈に繋がっているから
「大雨せいで地下水脈の流れが激しくなって死体が流れていったんだろう」
と考えたんだって。

ふーん。

そして、数年後。
男は再び殺人を犯してしまう。

今度の被害者は男の愛人の女性。
男性はお酒の勢いで結婚するつもりもない女性を妊娠させてしまうんだ。

でた……。
酒の勢いってやつ……。

そして、女性が邪魔になった男性は今度は殺意をもって殺害するわけだけど、再び死体の処理に困った男は古井戸の事を思い出して再び死体を井戸に捨てたんだ。
そうすると一週間後にはまた死体が無くなっていたんだ。

ほう……。

そして味をしめた男性は喧嘩した友人や腹立たしい上司をことごとく殺害し、その都度古井戸に捨てるという事を繰り返す。
すると必ず一週間以内には死体が消えていて男は捕まることなく悠々と普段通りの生活を送っていたんだ。

でも、男性が最後に殺した人物の死体だけは消えなかったんだよ。

消えない母親の死体。

そして男性が最後に殺したのはなんと自分の母親。

えっ……。

妹を殺害してからというもの、この家は男と母親の二人暮らしだったんだけど、母親が認知症を発症してしまうんだよ。
そして母親が煩わしくなった男性は母親の食事に殺鼠剤を混ぜて毒殺したんだ。

もうその男性はただの連続殺人犯になってるじゃん。

母親を殺害した男性はいつも通り母親の死体を井戸に捨てる。
そして一週間がたった頃、そろそろ消えてるかと思って井戸の中を確認すると母親の死体は消えていなかった。

ほう。

男性はもう少し立てば死体は消えると考えていたんだけど、2週間が経ち3週間が経っても母親の死体は消えない。
水に浸かった状態の母親の死体は腐敗ガスのせいでだるまの様に膨れ上がり、男性が消えたかどうかを確認するたびに白く濁った目で男性を見つめ返していた。

……っていう話。

……え？
終わり？

そう。
意味が分かれば怖い話だからオチは自分で考えないと。

え？
なんで母親の死体だけは消えなかったの？

いや、そこを考えろっつってんの……。

死体が消える古井戸の解説

で、マキエはこの話のどこが怖いかわかった？

たぶん母親の死体が消えないって所がミソなのよね。

そうそう。

毎回、死体が消えていたのは超常現象とかは関係ないのよね？

もちろん。

あ、わかった！
母親の死体は軽くて沈まなかったから地下水脈に流れていかなかったとか！

残念。
不正解。

正解は母親が息子である男性のフォローをしていてくれたからだよ。

ん？

つまり母親が息子（男性）に内緒でこっそりと井戸の死体を片づけてくれてたんだよ。
でも、その死体を片づけてくれている母親が死んでしまっては死体を片づける人はいない。
つまり、井戸に捨てられた死体はずっとそのままになるって訳。

ああ、共犯者になってまで自分を庇ってくれていた母親を毒殺しちゃった訳か……。

そう。
ちなみにネットではもっと短く省略されたバージョンが掲載されているよ。

ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていなかった
次の日も、次の日も死体はそのままだった

こっちのほうがあっさりしてて読みやすいわね。

でもさー。

ん？

意味が分かると怖い話っていうより、意味が分かると悲しい話な感じがする……。
自分を守ってくれていた母親を毒殺しちゃうあたりとか……。

……。

確かにそうかもね。