呪いの遺言「巌頭之感（がんとうのかん）」！185人を自殺に導いた遺言の内容と意味とは！

今回の都市伝説のテーマは「呪い」！
それも読むと自殺したくなるという「呪いの遺言」について紹介したいとおもいまっす！

呪いの遺言……？

うん。
マキエは「巌頭之感」って聞いた事ない？

無い。
というか読み方すらわかんない。

巌頭之感の読み方は「がんとうのかん」。
ちなみにこれは、18歳の男の子が自殺する直前に残した遺言なんだけど……

けど？

その遺言を読んだり聞いたりすると自ら命を絶ちたくなるっていわれているんだ……。

ふーん。
なに、怖い話系？

怖い話というか事実だよ。
分かっているだけで180人以上の人が巌頭之感に感化されて自殺を図ってるんだよ。

は！？

それじゃさっそく紹介していきまっす！

ミズナラの木に掘られた「巌頭之感」

今回紹介する「巌頭之感」は1903年に「藤村 操（ふじむら みさお）」という人物が遺した遺言で、その藤村が滝に投身自殺する直前に近くに生えていたミズナラの木に掘った物なんだ。

ちなみにこんな感じ。

見難いわね……。
カラー写真とか無いの……。

残念ながらカラー写真は残ってない。
しかも巌頭之感が刻まれたミズナラの木は当時の警察によって切り倒されちゃったから今は現存していないよ。

ふーん。そうなんだ。

ん？業者じゃなくて警察……？
なんで警察がわざわざ材木の伐採なんてするのよ。

それは最初にも言った通り巌頭之感に感化されて自殺する人が後をたたなかったからさ……。
実は巌頭之感のせいで、藤村が自殺した滝は一時期は自殺の名所になっちゃったりもしたんだよ……。

巌頭之感によって自殺の名所になった「華厳滝」

藤村がミズナラの木に巌頭之感を刻み、投身自殺を図った滝の名前は「華厳滝（けごんのたき）」。
この滝は栃木県日光市にある滝の一つなんだけど、日光三名瀑に数えられるほどの凄い綺麗で勢いのある滝なんだ。

うわー。めっちゃきれい。

ちなみに日光三名瀑って何。

「瀑（ばく）」は水しぶきをあげる滝の事だから、まぁ大雑把なイメージとしては勢いのある水しぶきが迫力のある滝ってことかな。

ふーん。

そしてこの華厳滝は自殺の名所としても有名なんだけど、原因は藤村の遺した巌頭之感のせい。
この巌頭之感に感化されて華厳滝で自殺を試みた人は判ってるだけで185人。

185人も死んでるの！？

いや、実際に死亡したのは40人前後だよ。
自殺が多発し始めた直後から警察が警戒するようになったからね。

つまり145人は警察に止められたってわけか。

逆をいうなれば警察が止めなかったら最低でもあと145人は自殺してたってことになるんだけどね……。

うわぁ……。
その巌頭之感には一体なんて書いてあるのよ……。

巌頭之感の内容とその意味とは

それじゃ最後は巌頭之感の内容と意味について紹介していきたいとおもいます。

え、ちょっとまって！
私がそれを読んで死にたくなっちゃったらどうするのよ！

いや、何を書いてあるのって言ってきたのマキエじゃん……。

まぁ、でもその点については大丈夫だよ
たぶん理解できないと思うから。

え？

むしろ最初の一行すら読めないんじゃないかな……。

な！馬鹿にしてるの！？

別に馬鹿にしてるつもりはないよ。
それじゃこちらが巌頭之感の全文です。

悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て比大をはからむとす、
ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ、
萬有の真相は唯だ一言にして悉す、曰く「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。

“ゆうゆうたる”までしか読めないんだけど……。

でしょ？
これは明治初頭の文章だから今の人は普通はそう簡単に読めないんだよ……。

ちなみにひらがなだとこんな感じ。

ゆうゆうたるかな てんじょう、りょうりょうたるかな ここん、
ごしゃくのしょうくをもって このだいをはからむとす
ホレーショのてつがく ついになんらのオーソリチィーをあたいするものぞ。
ばんゆうのしんそうは ただ いちごんにしてつくす、いわく、「ふかかい」。
われ このうらみをいだいてはんもん、ついに しをけっするにいたる。
すでに がんとうにたつにおよんで、きょうちゅう なんらのふあん あるなし。
はじめてしる、だいなる）ひかんは だいなる らっかんにいっちするを。

読めるけど全く意味が伝わってこない……。
しかもめっちゃ読みづらい……。

文句がおおいなぁ。
じゃぁ最後にボクなりに役したのがこちら。

天地ははるか広大で、歴史はあまりにも長い。
五尺の小さな体でその大きさを測ろうとする。
ホレーショの哲学には答えは無かった。
宇宙の真相はただ一言で言うことが出来る、「不可解である」
私はこの恨みを胸に持って思い煩い、ついに死ぬ事を決断した
すでに岩の上に立っているが私の胸の中には何の不安があるだろうか。いや、無いのだ。
非常に大きな悲観は、非常に大きい楽観とおなじであることを、始めて知った

あー。ようやくなんとなくわかるようになってきたかも。
なんか自分のちっぽけさに絶望してる感じ？

そういう感じだね。
絶望してるかどうかはわからないけど
「世界は広大だけど自分はちっぽけ過ぎて生きる意味を見失ってしまった」
って感じかな。

昔、2chで「宇宙ヤバイ」っていうコピペが流行したけど、そんな感じなのかしら。

そんな軽いノリじゃないとおもうけどね……。

実は藤村は超エリート青年でね。
父親は屯田銀行の頭取だし、弟は将来は三菱地所社長になるし、妹は文部大臣の妻っていうエリート一家の一人だったんだよ。
そんなエリート青年が「世の中は不可解だ」といって命を絶ったのが当時はかなり反響を呼んだみたいだね。

ふーん。

実は185人の自殺者の他に一人の有名人物が精神衰弱に陥るほどショックを受けたともいわれているんだ。

へぇ。
誰？私も知ってる人？

夏目漱石だよ

へ！？

巌頭之感で精神衰弱に陥った夏目漱石

数々の自殺者を生んだ巌頭之感だけど、実は夏目漱石もその被害者の一人。
夏目漱石は一時的に精神衰弱に陥った時期があるんだけど、その理由が巌頭之感が原因だといわれているんだ。

へー。
つまり夏目漱石も読んだって事？

それもあるんだけど、実は藤村は夏目漱石の生徒だったんだ。

ああ、夏目漱石って確か英語の先生だっけ。

そう。
ただ、藤村はその頃から既に生きる目標を失っていたのか、夏目漱石の出した宿題とかを全然やってこなくてね。
夏目漱石は自殺の２日前に藤村に対して
「勉強したくなければ、教室に来るな」
ってきつく言い放ったらしい。

まぁよくある風景よね。

その結果、藤村 操は永久に教室に来なくなるわけで……。

あー……。
多少なりとも責任を感じたってことかしら……。

責任を感じたかどうかまではわからないけど、でもこの事件は夏目漱石にとっても忘れられない出来事になったみたいで、夏目漱石の代表作である「吾輩は猫である」や「草枕」には華厳滝の事がちょくちょく登場してたりもする。

え、どこに？

例えば吾輩は猫であるだと
「打ちゃって置くと巌頭の吟でも書いて華厳滝から飛び込むかも知れない。」
っていう一文があるよ。

巌頭の吟……。
まさしく巌頭之感の事よね。

まぁそれほど影響力のある遺言ってことだね。

まとめ

以上が185人を自殺に導いた遺言「巌頭之感」についてでした。
どうだった？

んー……。
ホラーというよりかは、書かれていることが難しすぎて文学の歴史を勉強した感じがする……。

たしかに途中からはホラー要素は皆無だったかもしれないね。

でも、こういう話を聞くとちょっと頭が良くなった気がするわよね。

まぁその発言がだいぶ頭悪そうだけどね。

あ……？

ナンデモナイデス。

ちなみに私は夏目漱石より福沢諭吉のほうが10倍好きです♪

いや、そういうのはいいから……。