ドミノ地獄……?
言うと思ったよ……。絶対言うと思ったよ……。
ドミノ地獄って一体どんな地獄だよ……。
ドミノ地獄って一体どんな地獄だよ……。
一生完成しないドミノを永遠に並べさせられる的な?
確かにそりゃキツイね……。
彼岸の石積みを洋風にしたらそんな感じになるのかな……?
彼岸の石積みを洋風にしたらそんな感じになるのかな……?
で?そのトミノ地獄ってのは何なの?
トミノ地獄じゃなくてトミノ“の”地獄ね。
トミノの地獄っていうのは今から百年ほど前に、ある作家によって作られた詩なんだけど、この詩を朗読すると呪われて死ぬと言われているんだ。
トミノの地獄っていうのは今から百年ほど前に、ある作家によって作られた詩なんだけど、この詩を朗読すると呪われて死ぬと言われているんだ。
ほう……。
とりあえず音読してみてくれる……?
とりあえず音読してみてくれる……?
さらっと殺しに来ないで……。
それじゃ早速紹介していきまっす!
呪われた恐怖の詩「トミノの地獄」
それじゃ改めて今回紹介するのは呪いの詩と呼ばれている「トミノの地獄」について。
まずは早速その詩を見てもらおうと思いまっす。
まずは早速その詩を見てもらおうと思いまっす。
読むのはセーフなの?
「朗読したら死ぬ。」っていう条件だから黙読は大丈夫じゃないかな?
まぁ責任は持ちませんが……。
おい……。
そしてトミノの地獄の全文がコチラ。
姉は血を吐く、妹(いもと)は火吐く、
可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。
鞭(むち)で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総(しゅぶさ)が気にかかる。
叩けや叩きやれ叩かずとても、無間(むげん)地獄はひとつみち。
暗い地獄へ案内(あない)をたのむ、金の羊に、鶯に。
皮の嚢(ふくろ)にやいくらほど入れよ、
無間地獄の旅支度。
春が来て候(そろ)林に谿(たに)に、暗い地獄谷七曲り。
籠にや鶯、車にや羊、可愛いトミノの眼にや涙。
啼けよ、鶯、林の雨に、妹恋しと声かぎり。
啼けば反響(こだま)が地獄にひびき、狐牡丹の花がさく。
地獄七山七谿めぐる、可愛いトミノのひとり旅。
地獄ござらばもて来てたもれ、針の御山(おやま)の留針(とめばり)を。
赤い留針だてにはささぬ、可愛いトミノのめじるしに。
え?どういう意味?
なんか狂気だけは伝わってきたけど……。
これって呪いの呪文か何かなの……?
なんか狂気だけは伝わってきたけど……。
これって呪いの呪文か何かなの……?
この歌は名前の通りトミノという人物が地獄に落ちた時の事を詠った歌だね……。
そしてこの詩を朗読してしまうと、トミノと同じ様に地獄に落ちたり呪われて死ぬと言われているんだ……。
そしてこの詩を朗読してしまうと、トミノと同じ様に地獄に落ちたり呪われて死ぬと言われているんだ……。
なんかそう聞くとかなり不気味な詩ね……。
一体だれがこんな詩を……?
一体だれがこんな詩を……?
トミノの地獄の生みの親「西條八十」
それじゃ次に作者についてだけど、この詩を作ったのは「西條八十(さいじょう やそ)」。
明治から昭和初期に生きた日本の詩人&作曲家です。
明治から昭和初期に生きた日本の詩人&作曲家です。
ちなみに音楽業界ではかなり有名な人で昭和の大ヒット曲である「青い山脈」を作詞したり、日本音楽著作権協会の会長を務めたり、いろんな学校の校歌を作ったという凄い人なんだって。
へー。
そして西條さんは1919年に「砂金」という詩集を発表するんだけど、トミノの地獄は詩集に収録されている詩の一つなんだ。
それよりさっきの詩の意味を知りたいんだけど?
残念ながらマキエが知りたがっているような意味というか答えは無いよ。
マキエは恐らく「この詩は〇〇を詠った詩で、△△の部分は□□を意味している。」っていう、いうなれば詩の解釈が聞きたいんだろうけど、今でもはっきりしていないんだ。
マキエは恐らく「この詩は〇〇を詠った詩で、△△の部分は□□を意味している。」っていう、いうなれば詩の解釈が聞きたいんだろうけど、今でもはっきりしていないんだ。
え、そうなの?
実は“トミノ”が男性か女性かすらもはっきりしてないみたい。
ただ、有名な解釈としては
「戦争に無理やり連れていかれる事を表現している。」
「虐待を受けており、虐待を地獄と表現している。」
「死と転生を表現している。」
なんて言われているみたいだね。
ただ、有名な解釈としては
「戦争に無理やり連れていかれる事を表現している。」
「虐待を受けており、虐待を地獄と表現している。」
「死と転生を表現している。」
なんて言われているみたいだね。
んんん……?
そう難しく考えなくてもいいと思うよ。
詩なんてフィーリングが全てだし、西條さん自身も象徴派だったみたいだから、自分が感じ取ったものが正解なんじゃないかな。
そいうえばマキエはどんなイメージだったの?
詩なんてフィーリングが全てだし、西條さん自身も象徴派だったみたいだから、自分が感じ取ったものが正解なんじゃないかな。
そいうえばマキエはどんなイメージだったの?
いや、混乱して何のイメージも湧かなかったわ……。
まぁ難しいよね。
ちなみにこの砂金を発表したときの西條さんは様々な不幸があったり、金銭面的にも苦労していた時期らしくて、収録されている詩は暗かったり悲壮感あふれる詩が多いんだって。
ちなみにこの砂金を発表したときの西條さんは様々な不幸があったり、金銭面的にも苦労していた時期らしくて、収録されている詩は暗かったり悲壮感あふれる詩が多いんだって。
私は悲壮感というか江戸川乱歩の作品のような狂気さを感じたわ。
それも一つの答えなんじゃないかな。
呪いの詩と言われ始めたのは2000年以降?
詩や作者の事については大体わかったけれど、そもそも何でこの詩が「朗読したら死ぬ」なんて言われているの?
言霊が封じられているとか?
言霊が封じられているとか?
言霊かー。そういう感性は好きだけど幸か不幸か出何処も解明されちゃっています。
あ。そなの?
このトミノの地獄はさっきも紹介した通り1919年から存在しているけれど、実は呪いの詩として出回ったのはごくごく最近なんだ。
どれぐらい最近?
2004年。
1919年からあると考えたらかなり最近ね。なんかあったの?
実は2004年に比較文学者の「四方田犬彦」という人が本を出版したんだけど、その本の中でトミノの地獄について触れていてね。
その本に
「万が一、朗読などしてしまうと取り返しのつかないほどの恐ろしい事が起こる。」
と書かれていたんだ。
その本に
「万が一、朗読などしてしまうと取り返しのつかないほどの恐ろしい事が起こる。」
と書かれていたんだ。
へー。なんで?
それはわかんない。
は?
いや、その本にも根拠についてはほとんど触れられていないんだ。
一応「劇作家の寺山修司という人が朗読した結果死亡した」って書かれてはいるんだけど、寺山さんは普通に病死しているしね。
一応「劇作家の寺山修司という人が朗読した結果死亡した」って書かれてはいるんだけど、寺山さんは普通に病死しているしね。
つまり根拠は無いと……。
そうだね。
ちなみに「呪い」や「死ぬ」という単語も出てきていないから四方田さんの本の内容が拡大解釈されつつ広まって、最終的には都市伝説として独り歩きしはじめたって感じかな。
ちなみに「呪い」や「死ぬ」という単語も出てきていないから四方田さんの本の内容が拡大解釈されつつ広まって、最終的には都市伝説として独り歩きしはじめたって感じかな。
今じゃ検索してはいけない言葉の一つにもなっているみたいだし。
都市伝説ってこうやって生まれるのか……。
え、じゃぁ別に朗読しても大丈夫ってこと?
そう思うならどうぞ。
ボクは止めないよ。
ボクは止めないよ。
……なんとなくだけどヤメとく。
まとめ
以上が呪いの詩と言われている「トミノの地獄」についてでした。
どうだった?
どうだった?
うーん。
改めて読むとテンポもよくて綺麗な詩ね。
一つ一つの単語は不気味で怖いけど。
改めて読むとテンポもよくて綺麗な詩ね。
一つ一つの単語は不気味で怖いけど。
そだね。
ボクもリズム感がある詩だなぁとは思った。
ボクもリズム感がある詩だなぁとは思った。
ちなみにさっき、マキエは「朗読しても大丈夫なの?」って言ってたけれど、その詩を作った西條さん本人ですら元気に寿命を全うしたし、特に害はないんじゃないかな?
そういやって安心させて朗読させるつもりね……。
そうはいかないわよ……。
そうはいかないわよ……。
何、その被害妄想……。
それも“朗読すると呪われて死ぬ”と言われている「トミノの地獄」についてご紹介したいと思いまっす!