マーダーって殺人って意味よね。
“殺人のインク”?
呪いのアイテムとかの話?
“殺人のインク”?
呪いのアイテムとかの話?
ああ、マーダー・インクのインクは塗料の「インク(Ink)」じゃなくて“会社”を意味する「インク(Inc.)」だよ。
この場合、正確には「殺人株式会社(Murder, Inc.)」だね。
この場合、正確には「殺人株式会社(Murder, Inc.)」だね。
どっちにしても意味がわからないんだけど……。
ほら、映画とかドラマで殺人を引き受ける闇の組織みたなのがよくあるじゃん。
あー。名探偵コナンに出てくる黒の組織みたいな?
うーん……。
名探偵コナンの黒の組織って何が目的なのかよく知らないからわからないけど、とにかくビジネスとして暗殺や殺人を行っている組織が一昔前のアメリカで実際に存在したんだよ。
名探偵コナンの黒の組織って何が目的なのかよく知らないからわからないけど、とにかくビジネスとして暗殺や殺人を行っている組織が一昔前のアメリカで実際に存在したんだよ。
え、マジで……。
それじゃさっそく紹介していきまっす!
マフィアの幹部が作った「殺人株式会社」!仕事内容は「殺人&暗殺」!
それじゃ改めて今回紹介するのは「マーダー・インク」!
日本では直訳して「殺人株式会社」と呼ばれている犯罪組織についてでっす!
日本では直訳して「殺人株式会社」と呼ばれている犯罪組織についてでっす!
今更だけど、改めて聞くとすごいネーミングセンスね……。
あー、誤解が無いように先に言っておくけれど「マーダー・インク」っていう名称は自分たちで名乗っていたわけじゃないよ。
あくまで犯罪が露見したときにマスコミが勝手に付けた名前だからね。
あくまで犯罪が露見したときにマスコミが勝手に付けた名前だからね。
ああ、そりゃそうか。
わざわざ自分たちで殺人会社なんて名乗る訳が無いわよね。
わざわざ自分たちで殺人会社なんて名乗る訳が無いわよね。
でも、マスコミもよく「殺人株式会社」なんて名付けたわね。
「暗殺集団」とか「殺人集団」でもいいのにね。
「暗殺集団」とか「殺人集団」でもいいのにね。
マーダー・インクがマスコミからそう呼ばれるようになったのは、それ相応の理由があるんだよ。
それ相応の理由?
マーダー・インクの生みの親「ラッキー・ルチアーノ」
まず、マーダー・インクを作り上げた人物から紹介していくけれど、マーダー・インクを作り上げた人物は「チャールズ・ルチアーノ」。
1900年代のアメリカで勢力を拡大していたイタリア系マフィア「コーザ・ノストラ」の最高幹部でっす。
1900年代のアメリカで勢力を拡大していたイタリア系マフィア「コーザ・ノストラ」の最高幹部でっす。
へー。
ちなみに本名は「サルヴァトーレ・ルカーニア」と言うんだけど、周りからは「ラッキー・ルチアーノ」と呼ばれていたんだって。
ラッキーってなんか可愛らしい名前ね。
なんでも敵対する組織に拉致されて拷問された挙句、意識不明の重体のまま放置されたんだけど、偶然通りかかった人に病院に運ばれて奇跡的に助かったんだって。
おおぅ……。
ちなみに病院では55針も縫うぐらいの大手術だったんだけど奇跡的に生き延びた結果、そう呼ばれるようになったんだって。
ルチアーノの顔が左右で違うのはその時の後遺症が原因なんだってさ。
ルチアーノの顔が左右で違うのはその時の後遺症が原因なんだってさ。
前言撤回……。
結構怖いわ……。
結構怖いわ……。
で、話を戻すけど、このルチアーノは当時のマフィア業界に革命を起こした人物でも有るんだ。
マフィア業界に革命……?
当時のマフィア間では縄張り争いとか、私怨とかメンツとか、とにかく利益を生まない抗争が多かったんだけど、一方でルチアーノは
「縄張り争いは各々のビジネスを損なう。」
というモットーを掲げて、当時ではあまり考えられなかった合理的かつ効率的な犯罪組織運営を行ったんだ。
「縄張り争いは各々のビジネスを損なう。」
というモットーを掲げて、当時ではあまり考えられなかった合理的かつ効率的な犯罪組織運営を行ったんだ。
合理的かつ効率的な犯罪組織運営……?
無駄な抗争は避け、政治家とか警察には積極的に賄賂を渡して上層部とのコネクションを築き、自分たちのビジネスが行いやすいよう市場を開拓していったんだよ。
ちなみに、映画とかでよく「マフィアのボスと政治家の大物が繋がっている」なんてシーンがよくあると思うんだけど、この仕組みを最初に作ったのはこのルチアーノだって言われていて、今の犯罪組織の基礎を築いた人物でもあるんだよ。
へー。すごいじゃん。
え、すごいのかしら……?
マフィアじゃなくて普通の会社に勤めていたら、かなりのビジネスマンになってたんだろうね。
で、効率的なマフィアの運営を行うための一環として作られたのがマーダー・インク。
ルチアーノのは無駄な抗争は避けていたけれど、別に平和主義者って訳でも無いからビジネスで邪魔になった人物を効率的に消すためにプロの殺し屋集団を作ったんだよ。
ルチアーノのは無駄な抗争は避けていたけれど、別に平和主義者って訳でも無いからビジネスで邪魔になった人物を効率的に消すためにプロの殺し屋集団を作ったんだよ。
うーん……。
効率的に暗殺を行うっていうのがいまいち理解できない……。
効率的に暗殺を行うっていうのがいまいち理解できない……。
まぁマフィアの幹部になるぐらいの人物だからね。
「縄張りとかを争っている暇があったら仕事に精を出せ、ただ仕事に邪魔な奴は消すから。それも効率的に。」
って感じじゃないかな。
「縄張りとかを争っている暇があったら仕事に精を出せ、ただ仕事に邪魔な奴は消すから。それも効率的に。」
って感じじゃないかな。
そう聞くとかなり冷酷な人物っぽいわね……。
殺人はビジネス!マニュアルに則って効率的に!
でも、お金を受け取って殺人を行うのって、マフィアやギャングの通常業務なんじゃないの?
なんでルチアーノが作った組織だけ殺人株式会社なんて呼ばれてるの?
なんでルチアーノが作った組織だけ殺人株式会社なんて呼ばれてるの?
それはマーダー・インクの一つ特徴的でもあるんだけど、あくまでビジネスとして殺人や暗殺を行っていたという点なんだ。
つまり?
簡単にいうと「私怨」とか「復讐」といった個人的な事情の殺人は請け負わず、マフィア達のビジネスを行う上で必要な殺人だけ引き受けていたんだよ。
マフィア達のビジネスに必要な殺人って何よ……。
主に反逆者の殺害や密告者の口封じとかだね。
しかもマーダー・インクでは
・殺人はビジネスと割り切る。
・民間人を巻き込まない。
を徹底していたんだ。
しかもマーダー・インクでは
・殺人はビジネスと割り切る。
・民間人を巻き込まない。
を徹底していたんだ。
その上、「アリバイ工作の作り方」、「足が付きにくい殺害方法」、「仕事に使う車の調達方法」、「逮捕されたときの対応」、「投獄されたときの家族への補償」などなど、すべてマニュアル化されていたんだって。
なんかまるでベンチャー企業みたいね……。
でしょ。
ちなみに暗殺者たちの報酬は能力や経験に応じて給料が決められていて、当時の金額で週給50ドル~250ドルの支払いがあったそうだよ。
こういう組織形態が明らかになった結果、マスコミたちは「マーダー・インク(殺人株式会社)」って名付けたって訳。
ちなみに暗殺者たちの報酬は能力や経験に応じて給料が決められていて、当時の金額で週給50ドル~250ドルの支払いがあったそうだよ。
こういう組織形態が明らかになった結果、マスコミたちは「マーダー・インク(殺人株式会社)」って名付けたって訳。
なるほどね。
最初は変なネーミングと思ったけれど、今思うとピッタリな名前ね……。
最初は変なネーミングと思ったけれど、今思うとピッタリな名前ね……。
マーダー・インクの社長&副社長!
それじゃ最後にマーダー・インクのリーダーと副リーダーについて紹介しておこうと思いまっす。
お、社長と副社長ってヤツ?
まぁそんな感じだね。
ちなみにリーダーは「ルイス・バカルター」。
ルチアーノの指示のもと、当時かなりの勢力を誇っていた「マッセリア」と「マランツァーノ」というマフィアの両方のボス暗殺し、功績を認められてマーダー・インクをまとめる事になった人物です。
ルチアーノの指示のもと、当時かなりの勢力を誇っていた「マッセリア」と「マランツァーノ」というマフィアの両方のボス暗殺し、功績を認められてマーダー・インクをまとめる事になった人物です。
めっちゃいい笑顔……。
かなりいい人っぽい感じがするんだけど……。
かなりいい人っぽい感じがするんだけど……。
実際、いい人だったそうだよ。
家族想いで部下たちにも優しくて、誰がバルカターを見てもマフィアとは思わなかったそうだよ。
家族想いで部下たちにも優しくて、誰がバルカターを見てもマフィアとは思わなかったそうだよ。
へー。
ただビジネスについては厳しい人物で暴力を行使することには一切躊躇がなく、100件以上の暗殺を指揮し、短期間でかなりの人物の殺害した人物でもあるんだ。
サイコパス系なのかしら……。
そして次は副リーダーの「アルバート・アナスタシア」
ニューヨークのマフィアの黄金時代を作った人物の一人で、仲間からは「狂った帽子屋(マッドハッター)」と呼ばれていた人物です。
ニューヨークのマフィアの黄金時代を作った人物の一人で、仲間からは「狂った帽子屋(マッドハッター)」と呼ばれていた人物です。
凄い異名ね……。
実はアナスタシアは素手で相手を殴り殺す事が好きだったらしくてね……。
かなり狂暴で恐ろしい人物だった事から付いた名前らしいよ……。
かなり狂暴で恐ろしい人物だった事から付いた名前らしいよ……。
マフィアっていうよりギャングって感じね……。
でも、普段は優しいリーダーと怖い副リーダーで割とバランスが取れてる感じがするわね。
普通の組織だとそうかもしれないけど、従業員たちも全員殺し屋だからどうなんだろうね……。
マーダー・インクを倒産に追い込んだ裏切り者
そういえば、このマーダー・インクってのは最終的にはどうなったの?
あー。実は一人の裏切り者によって社員の殆どが逮捕されたり処刑されて壊滅してしまうんだよ。
裏切り者……?
うん。
社員の一人にエイブ・レルズっていう人物がいたんだけど、逮捕された時に司法取引を持ちかけられてね。
自分の刑を軽くすることを条件にマーダー・インクの事や構成員の事を全部喋っちゃったんだよ。
社員の一人にエイブ・レルズっていう人物がいたんだけど、逮捕された時に司法取引を持ちかけられてね。
自分の刑を軽くすることを条件にマーダー・インクの事や構成員の事を全部喋っちゃったんだよ。
え……。
裏切り者を暗殺するはずのマーダー・インクから裏切り者が出ちゃったって事……?
裏切り者を暗殺するはずのマーダー・インクから裏切り者が出ちゃったって事……?
そういう事だね。
まぁ当然、レルズはマーダー・インクの他のメンバーに暗殺される事になるんだけど、暗殺された時には情報の殆どを喋った後でマーダー・インクは一気に壊滅状態になっちゃたんだ。
まぁ当然、レルズはマーダー・インクの他のメンバーに暗殺される事になるんだけど、暗殺された時には情報の殆どを喋った後でマーダー・インクは一気に壊滅状態になっちゃたんだ。
そっか……。なんか残念ね……。
あれ!?違う違う!
犯罪組織が壊滅したら喜ばしいハズなのになんで残念な気持ちに!?
犯罪組織が壊滅したら喜ばしいハズなのになんで残念な気持ちに!?
たぶん、途中からマーダー・インクをベンチャー企業みたいに思ってたからじゃない?
恐るべし……。
マーダー・インク……。
マーダー・インク……。
いや、たぶんそう思ったのはマキエだけじゃないかな……。
まとめ
以上がビジネスで殺人を行っていた「マーダー・インク」についてでした。
どうだった?
どうだった?
暗殺組織とかお金をもらって殺人を行う組織なんて映画やドラマの中だけだと思ってたけど本当に実在したのはびっくりね。
もしかしたらボク達が知らないだけで、今も存在してたりしてね。
アメリカあたりだったらあってもおかしくなさそうね。
ちなみに今回紹介したマーダーインクをテーマにした映画も作られていて、ボクはまだ見たこと無いんだけど事実に基づいていて割とおもしろいらしいよ。
あ、そうなんだ。
いつぐらいの映画なの?
いつぐらいの映画なの?
えーと、製作年月日は1960年だね。
あ、無理……。
最近のCG盛りだくさんの映画をみたら昔の映画は物足りなくなっちゃって見る気が起きない……。
最近のCG盛りだくさんの映画をみたら昔の映画は物足りなくなっちゃって見る気が起きない……。
なんて贅沢な……。
それも1930年頃に実在した「マーダー・インク」について紹介したいと思いまっす!