

不老不死か~……。
不老は憧れるけど不死はいらないわね~……。
不老は憧れるけど不死はいらないわね~……。

昔は「華は散るから美しいのよ。」なんて言ってたのに……。

うっさいわね。
で、今回はどんな話なのよ?
で、今回はどんな話なのよ?

実は少し前に
「若いマウスの血を年老いたマウスに輸血したら若返った」
というニュースを見たんだよ。
「若いマウスの血を年老いたマウスに輸血したら若返った」
というニュースを見たんだよ。

ほほう?

まぁ正確には血液の中に含まれるeNAMPTっていう酵素を若いマウスから年老いたマウスに輸血したらしいんだけどね。
そうしたら年老いたマウスの毛並みが良くなったり動きが活発になって寿命も延びたんだって。
そうしたら年老いたマウスの毛並みが良くなったり動きが活発になって寿命も延びたんだって。

まじで。すごいじゃん。
じゃぁその内人間にも同じ事ができるようになるかもって事?
じゃぁその内人間にも同じ事ができるようになるかもって事?

まぁ可能性はあるんじゃないかな。

ただ、実は既に若返る事を目的として若い人から採取した血液を繰り返し輸血した科学者がいるんだよ。
そこでせっかくなんで不老不死を求めた過去の偉人達について色々紹介していこうかなって。
そこでせっかくなんで不老不死を求めた過去の偉人達について色々紹介していこうかなって。

ああ、そこにつながる訳ね。

しかも恐ろしいことに不老不死を求めた偉人達は全員、命を落としているんだ……。

……。

いや、それって極々普通の事よね……。

それじゃ早速紹介していきまっす!
輸血の力で不老不死を求めた「アレクサンドル・ボグダーノフ」

それじゃまずは冒頭でも少し触れた“輸血で不老不死を求めた科学者”から紹介していこうと思うんだけど、その人物の名前は「アレクサンドル・ボグダーノフ」。
20世紀初めに活躍した旧ソ連の内科医です。
20世紀初めに活躍した旧ソ連の内科医です。

あ、お医者さんなんだ。

うん。さらに医者であると同事に政治家や経済学者でもあって、さらにSF小説なんかも書いていたみたい。

すっごい偏見かもしれないけれど政治家や経済学者にSF小説とか書いてほしく無いわね……。

気持ちはなんとなく分かるけど娯楽は娯楽だから……。

まぁそれは置いといて、ボグダーノフが輸血実験を始めたのは1924年頃。
ボグダーノフは血液や遺伝子も共有財産だと考え、そして若返りのために自分自身を被験体にして若い人から採取した血液の輸血を始めたんだって。
ボグダーノフは血液や遺伝子も共有財産だと考え、そして若返りのために自分自身を被験体にして若い人から採取した血液の輸血を始めたんだって。

血液や遺伝子が共有財産って何よ……。

ほら、当時のソ連は共産主義だから……。

ああ、そっち系の話か……。
で、どうなったの?
で、どうなったの?

ボグダーノフは短期間の間に11回の輸血を行ったそうなんだけど、何でも体力の増加、視力の回復、ハゲの抑制という効果が現れたんだって。

まじで!?

さらにボグダーノフの研究仲間であるレオニードは
「彼は輸血のおかげで10歳近く若返ったように見える」
と報告書に書いていたらしいよ。
「彼は輸血のおかげで10歳近く若返ったように見える」
と報告書に書いていたらしいよ。

マジか……。へぇ……。若い人の血にそんな効果がねぇ……。
ふーん……。なるほどね……。
ふーん……。なるほどね……。

なんか反応が怖いな……。

ただそんな若返りを体験できたボグダーノフも研究を始めた4年後には命を落としてしまいます。

え、なんで?

ボグダーノフは若い学生達から血液を提供してもらっていたんだけど、その学生の中にマラリアを肺結核に感染している学生がいたんだ……。

げっ……。まさか……。

その後は簡単に想像できると思うんだけど、その病気に罹患していた学生の血液を輸血したボグダーノフは病気に感染。
結果、54歳という年齢で病死してしまうんだよ。
結果、54歳という年齢で病死してしまうんだよ。

割と壮絶な死に方ね……。
仙丹の力で不老不死を求めた始皇帝

それじゃ次は中国の始皇帝のお話。
この話は割と有名なんで知っている人も多いと思うんだけど、中国の始皇帝もまた不老不死を望んでいた人物の一人なんだ。
この話は割と有名なんで知っている人も多いと思うんだけど、中国の始皇帝もまた不老不死を望んでいた人物の一人なんだ。

あー。なんか聞いたことはあるわね。
詳しくは知らないけれど。
詳しくは知らないけれど。

ちなみにこの話は紀元前210年頃の話なんだけど、当時の中国を統一していたのは「奏」という国で、その奏は始皇帝という人物が治めていたんだ。

ふんふん。

そして一方で当時は既に不老不死の薬と呼ばれていた物があるんだけど、その薬の名前は「仙丹」。
この仙丹を飲めば不老不死の仙人になると言われていたんだって。
この仙丹を飲めば不老不死の仙人になると言われていたんだって。

仙丹?

まぁ凄く大ざっぱに言うと賢者の石の中国版かな。
ヨーロッパでは錬金術を活用して賢者の石を作ろうとしていたけれど、一方で中国では錬丹術という術を使って仙薬と呼ばれる薬を作ろうとしていたんだよ。
ヨーロッパでは錬金術を活用して賢者の石を作ろうとしていたけれど、一方で中国では錬丹術という術を使って仙薬と呼ばれる薬を作ろうとしていたんだよ。

へー。

で、その始皇帝はその仙丹を愛用していたんだけど……。

え、仙丹って実在するの……?
中国版の賢者の石なんでしょ……?
中国版の賢者の石なんでしょ……?

本当に不老不死になれるかどうかは別として「仙丹」というものは実在していたよ。
ただ問題なのが仙丹の材料なんだ。
ただ問題なのが仙丹の材料なんだ。

材料?

仙丹と呼ばれていた薬の主な材料は辰砂(しんしゃ)と呼ばれる鉱物なんだけど、実はこの辰砂は水銀の材料となる鉱物なんだよ。

ちなみにこれが辰砂。


あ、キレー。ルビーみたい。

この赤いのが水銀になんの?

うん。
なんでも600℃ぐらいに加熱すると蒸気が出るらしいんだけど、その蒸気を冷やすと水銀になるんだって。
なんでも600℃ぐらいに加熱すると蒸気が出るらしいんだけど、その蒸気を冷やすと水銀になるんだって。

へー。
でも水銀って猛毒じゃなかったっけ。
でも水銀って猛毒じゃなかったっけ。

ずばりその通り……。
始皇帝が不老不死の仙薬だと思って飲んでいた仙丹はむしろ猛毒だったんだよ……。
始皇帝が不老不死の仙薬だと思って飲んでいた仙丹はむしろ猛毒だったんだよ……。

あー……。

その結果、始皇帝は水銀中毒になり49歳で死亡してしまう。
さらに仙丹に毒性があると判明するのもだいぶ後の事だから、知らずに仙丹を飲み続けたほかの皇帝たちも割と若いうちに命を落としてしまうんだ。
さらに仙丹に毒性があると判明するのもだいぶ後の事だから、知らずに仙丹を飲み続けたほかの皇帝たちも割と若いうちに命を落としてしまうんだ。

あらら……。

でも材料が植物性の物ならともかく、鉱物から抽出した物なんて体に悪いって想像できそうなのにね。

一説によると「辰砂の赤さが凝固した血液を連想させ、それが原因で特殊な力があると信じられていたんではないか」って言われているみたいだね。

ああ、そういわれると何となく納得しちゃいそう……。
金で不老不死を求めた「ディアーヌ・ド・ポワチエ」

それじゃ最後はフランスのお話。
この話も知っている人が多いかもしれないけれど、16世紀のフランスでは「金のエリクサー」と呼ばれる薬が大人気だったんだ。
この話も知っている人が多いかもしれないけれど、16世紀のフランスでは「金のエリクサー」と呼ばれる薬が大人気だったんだ。

金のエリクサー?

うん。なんでも当時のフランスは「金を飲めば年を取らない」とか「金を飲めば永遠の美しさが手に入る」って言われていて、金を使った飲み物が不老不死の薬として出回っていたんだよ。

ああ、なんか金って少量だと体に良いって聞いたことあるわね。
日本でも金箔をまぶした料理とかソフトクリームとかあるし。
日本でも金箔をまぶした料理とかソフトクリームとかあるし。

金が体に良いって聞いたのであれば、それは真っ赤な嘘だよ。
金は酸に対して耐性があるから人間の胃酸程度じゃビクともしないから、良くも悪くも体の中を素通りするだけだよ。
金は酸に対して耐性があるから人間の胃酸程度じゃビクともしないから、良くも悪くも体の中を素通りするだけだよ。

え、そうなの……。

ただ、それは金箔みたいに薄く伸ばしたごくごく少量を摂取した場合の話であって、大量に摂取するとまた話が違ってくるんだ。

そしてこの金のエリクサーとよばれる不老不死を愛用していたのがフランス王だったアンリ2世の愛人「ディアーヌ・ド・ポワチエ」。
ポアチエは絶世の美女としても知られていて年老いても若々しい美貌を保っていたんだって。
ポアチエは絶世の美女としても知られていて年老いても若々しい美貌を保っていたんだって。

ほう……。

そして当時はその美貌の秘訣は金のエリクサーのおかげだと言われていたそうなんだけど、近年にイギリスの科学者チームがポワチエの遺体を調査した結果、彼女は金中毒によって死亡していた事が判明したんだ。

金中毒……?

通常の状態の金は非常に安定した物質で特に毒性もないんだけど、彼女が服用していた金のエリクサーはジエチルエーテルに塩化金を溶かした物だったんだ。

よくわからないけど普通の金じゃないって事ね……?

まぁ簡単にいうと金を濃塩酸(王水)で溶かしたものだね。

うわぁ……。滅茶苦茶体に悪そう……。

そして金中毒である証拠としてポワチエの遺髪から高濃度の水銀や金が検出されて、科学者チーム曰く
「金中毒により貧血に陥り髪や骨や歯はボロボロで死ぬ直前は虚弱状態だったと予測される」
と発表したんだ。
「金中毒により貧血に陥り髪や骨や歯はボロボロで死ぬ直前は虚弱状態だったと予測される」
と発表したんだ。

髪の毛から金属が検出されるって、もう体の中はすごい事になってそうね……。
まとめ

以上が不老不死を求めた過去の偉人たちの末路についてでした。
どうだった?
どうだった?

話を聞いていて思ったんだけど、不老不死を望んだ人ほど早死にしてない……?
普通に過ごしていればもっと長生きできたような人ばかりだった気がする……。
普通に過ごしていればもっと長生きできたような人ばかりだった気がする……。

そういえばそうだね。
やっぱり健康は薬じゃ買えないって事じゃないかな。
やっぱり健康は薬じゃ買えないって事じゃないかな。

お酒は百薬の長っていうからお酒はセーフよね……。

なに唐突に自分を正当化しようとしてんのさ……。
それもかつて不老不死を求めた偉人達についてご紹介したいと思いまっす!