

えー……今回は動物モノかあ……。
私、動物がかわいそうなことになってるのは苦手なんだけど……。
私、動物がかわいそうなことになってるのは苦手なんだけど……。

いや、普通は得意な人なんていないから!

しかも何よ「犬の自殺の名所」って。
まるで犬が自殺するみたいじゃない。
まるで犬が自殺するみたいじゃない。

まるでっていうか実際に犬が自殺してる橋なんだけどね……。
残念なことに実際に50匹の犬が飛び降り自殺をしてるんだよ……。
残念なことに実際に50匹の犬が飛び降り自殺をしてるんだよ……。

は!?
なんでワンちゃんが自殺なんてするのよ!?
なんでワンちゃんが自殺なんてするのよ!?

それを今から紹介するんじゃないか。

それじゃさっそく紹介していくよ。

うっ……。
あんまり聞きたくないけど気になる……。
あんまり聞きたくないけど気になる……。
犬の自殺スポット「オーヴァートン橋」

犬が自殺するという怪異現象の舞台はスコットランドのミルトン街というところにある
「オーヴァートン橋」
と呼ばれる橋。
「オーヴァートン橋」
と呼ばれる橋。

この橋は100年以上前の1895年にミルトン周辺を納めていた「オーヴァートン」という貴族が作った橋で歴史を感じさせる石造の橋なんだ。

へー。
かなり立派な橋ね。
かなり立派な橋ね。

こういうアンティーク調の建造物ってみてて飽きないわよね。

あー。わかる。
ちなみにこの橋はビクトリアン様式っていうんだって。
ちなみにこの橋はビクトリアン様式っていうんだって。

ガラス製のコップでビクトリアン様式って聞いたことあるわね。

どういったものがビクトリアン様式っていうかは知らないけど……。

そして、このオーヴァートン橋は地元では「犬の自殺スポット」として有名で、50年間で最低でも50匹以上の犬が飛び降り自殺したと言われているんだ……。

本当に自殺なの?
猟奇的な人が犬を投げ落としてるとかじゃなくて?
猟奇的な人が犬を投げ落としてるとかじゃなくて?

そんなんじゃないよ。
いきなり犬が石橋の下に向かって飛び降りるんだって。
しかも犬たちが飛び降りるのは決まって右から二場目の柱の間って決まってるらしい。
いきなり犬が石橋の下に向かって飛び降りるんだって。
しかも犬たちが飛び降りるのは決まって右から二場目の柱の間って決まってるらしい。

何、悪霊でもいるの……?
何の前触れもなく飛び降りたコリー犬の「ベン」

それじゃ実際に起こった飛び降り自殺の一例を紹介するね。
この事例は1995年に起きたんだけど、ドナー・コッパーという女性が旦那と息子とコリー犬の「ベン」を連れて一緒に散歩をしてる時の話。
この事例は1995年に起きたんだけど、ドナー・コッパーという女性が旦那と息子とコリー犬の「ベン」を連れて一緒に散歩をしてる時の話。

この時は晴天に恵まれて、いつも通り散歩してたんだけど、オーヴァートン橋に差し掛かった途端、コリー犬のベンが少しソワソワし始めたらしい。

ふんふん。

そして、次の瞬間、何を思ったのかベンはいきなり欄干を乗り越えて15メートル下の岩に向かって飛び降りたんだ。

え、いきなり……?
何の前触れもなく……?
何の前触れもなく……?

そう。
だから飼い主たちも引き留めることができなくて気が付いた時にはベンは谷底で横たわってたらしい……
だから飼い主たちも引き留めることができなくて気が付いた時にはベンは谷底で横たわってたらしい……

うう、可愛そうなベン……。

ところで欄干って何?

あー。欄干(らんかん)ってのは石橋から落ちないように備え付けられてる壁みたいなもんだよ。
手すりともいうのかな。
手すりともいうのかな。

で、ベンはどうなっちゃったの?

残念なことにベンは脚と背中と顎の骨を骨折して獣医も手が付けれないほど重症だったらしい。
その後は、これ以上苦しまないように安楽死を選択したみたいだね……。
その後は、これ以上苦しまないように安楽死を選択したみたいだね……。

病気とか老衰とかで死んじゃうなら少しは心の準備ができるけど、いきなり自殺なんてされたら残された家族もかなり辛いでしょうね……。

でも、ワンちゃんたちが自殺するからにはそれ相応の理由があるんじゃないの?

うん。
一応、そのことについては色々仮説があるんだ。
一応、そのことについては色々仮説があるんだ。
犬たちが飛び降り自殺する理由
仮説その①「悪霊説」

まず最初は悪霊説なんだけど、実はこのオーヴァートン橋は人間の赤ちゃんが投げ落とされたという事件が発生したいわく付きの橋でもあるんだ。

ええぇ……。

この事件が起こったのは1994年10月。
「ケヴィン・モイ」という男性と奥さんの間に一人の赤ちゃんが生まれるんだけど、その赤ちゃんはおでこにアザがあったんだ。
「ケヴィン・モイ」という男性と奥さんの間に一人の赤ちゃんが生まれるんだけど、その赤ちゃんはおでこにアザがあったんだ。

ふんふん。

その赤ちゃんの名前は「オーエン」と名付けられたんだけど、ケヴィンはオーエンのおでこにあるアザをサタンの印だと思い込むようになるの

……えっ?

しかもケヴィンの被害妄想は日に日に強くなっていく……。

そしてある日、ケヴィンは「オーエンは将来、世界に災いをまき散らす存在になると」思い込んだ結果、オーヴァートン橋から生後2週間だったオーエンを投げ落としたんだ。

おでこにアザがあるだけで自分の息子を橋から投げ落とすってどういうことよ!

ケヴィンは重度のうつ病だったらしい。

心の病気か……。
やっかいね……。
やっかいね……。

でも、自分の息子ならたとえサタン印が付いてたとしてもしっかり可愛がって育てなさいよね。

そのとおりだね。

そして、最初はこの説が有力だったんだけど、詳しく調べると犬の自殺は1950年ごろから報告されていて時系列に矛盾があるとして否定されたんだ。

事件が起こる前から飛び降り自殺してたって事か……。
仮説その②ケルト人神話説

次の仮説もオカルト的な仮説なんだけど、実はケルト人神話ではオーヴァートン周辺は天国に最も近い場所といわれていて、場所によっては霊界に通じている場所もあると言われているんだ。

へぇ、そんなのあるんだ。

ちなみに霊界に通じているところ「シンプレイス」って言うらしいんだけど、犬たちは人間より霊気に敏感で奇妙な行動を引き起こしたんじゃないかっていう仮説。

なんか、あんまり説得力ないわね……。

うん。実はこの説も否定されてるんだけどね。

あ、やっぱり?

実はこの橋が製造されてから50年間は犬が飛び降り自殺するようなことは全く無かったんだよ。
つまり、もし仮にこの橋がシンプレイスだったら作られたときから間隔を置くことなく事故がおきないといけないでしょ?
つまり、もし仮にこの橋がシンプレイスだったら作られたときから間隔を置くことなく事故がおきないといけないでしょ?

それよかもっと科学的に検証されたの仮説は無いの?
オーヴァートン橋の真相

それじゃ最後にこのオーヴァートン橋の真相について紹介するよ。

あ、解明されてるんだ。

一応ね。
この怪異現象を解き明かしたのは犬の心理学者である「デビッド・スタンドズ博士」。
スタンドズ博士は飛び降り自殺した犬がどれも鼻の長い犬種だった事に気が付いて、何か臭いが関係しているのではないかと考えたんだ。
この怪異現象を解き明かしたのは犬の心理学者である「デビッド・スタンドズ博士」。
スタンドズ博士は飛び降り自殺した犬がどれも鼻の長い犬種だった事に気が付いて、何か臭いが関係しているのではないかと考えたんだ。

ふんふん。

そして匂いに敏感な鼻の長い犬種の10種類の犬を集めて調査を実施することにしたんだ。

大丈夫なの?
そのワンちゃんたちが飛び降りたりしない?
そのワンちゃんたちが飛び降りたりしない?

もちろん犬が飛び降り自殺する可能性も考慮にいれてるし、リードをしっかりと装着じて対応してあったから大丈夫だよ。

それならいいんだけど。

所で鼻が長い犬は鼻が良いの?

鼻腔が長いから他の犬と比べて感度がいいんだって。

へー。

そして連れてきた犬たちの行動から推測した結果、オーヴァートン橋の真下には犬の好むような獣臭が検出されたんだ。

獣臭?

うん。
その匂いはミンクやリスの匂いと言われてるんだけど、狩猟犬はミンクの匂いを嗅ぐと野生化して追いかけるという習性があるんだって。
その匂いはミンクやリスの匂いと言われてるんだけど、狩猟犬はミンクの匂いを嗅ぐと野生化して追いかけるという習性があるんだって。

へー。そうなんだ。

そしてミンクの匂いを嗅いで興奮した犬が匂い追って欄干を飛び越えてしまったんじゃないかと推測されたんだ。

でも、いくら興奮したからといって飛び降り自殺はしないでしょ……?

本当ならね。
でも、実はオーヴァートン橋の欄干にはちょっとした仕組みというか死角があったんだ。
でも、実はオーヴァートン橋の欄干にはちょっとした仕組みというか死角があったんだ。

死角?

実はオーヴァートン橋の欄干は花崗岩でできてるんだけど問題は高さと並べ方。
このオーヴァートン橋の欄干は丁度、人間の腰ぐらいまであるんだけど、石で隙間なくできているせいで犬の目線からだと欄干の向こう側が谷底になってるなんてわからないんだ。
このオーヴァートン橋の欄干は丁度、人間の腰ぐらいまであるんだけど、石で隙間なくできているせいで犬の目線からだと欄干の向こう側が谷底になってるなんてわからないんだ。

つまり、ワンちゃんは飛び降りようとしたんじゃなくて、ミンクの匂いを探ろうと石の壁をまたごうとしただけって事?

そういうこと。
ミンクの位置を探ろうとして欄干の向こう側に行こうとしたら、その先は谷底になっていてジャンプして気が付いた時にはすでに手遅れって事。
ミンクの位置を探ろうとして欄干の向こう側に行こうとしたら、その先は谷底になっていてジャンプして気が付いた時にはすでに手遅れって事。

まるで自然界のトラップね。

欄干の高さを挙げるとかフェンスを付けるとか何か対策を取ればいいのに。

やっぱり歴史的価値があるから簡単に加工とか改造できないんじゃない?

でも、今は橋の入り口に「犬の死亡事故が起きてるからリードを離さないように」っていう警告の看板が立てられて事故は激減したみたいだよ

それならよかった。
それも犬の自殺の名所と知られている恐ろしい石橋の話です!