ドッペルゲンガーの都市伝説!エミリー・サジェの周りに起きた怪奇現象!

スポンサーリンク
ぐっさん
今回の都市伝説は「自己像幻視」について!
その中でも有名な「エミリー・サジェ」さんについて紹介するよ!
マキエ
自己像幻視?
ぐっさん
わかりやすくいえば
「幽体離脱」
とか
「ドッペルゲンガー」
の事だよ。
マキエ
ああ!
それなら聞いたことがあるわ。
マキエ
なんか
「自分とそっくりな自分を見たら死ぬ」
みたいな話じゃなかったっけ。
ぐっさん
そうそう。
ちなみに見たら死ぬっていう根拠としてはドッペルゲンガーは肉体から抜き出た魂だから死の前兆って思われてたみたい。
ぐっさん
このドッペルゲンガーの都市伝説は西暦1800年ぐらいから有名になるんだけど、実際にドッペルゲンガーを見たっていう人はたくさんいるんだよ。
マキエ
ふーん。
ぐっさん
そのドッペルゲンガーを見たっていう人の中にはアメリカの歴代大統領であるリンカーンや日本人なら誰でも知ってる芥川龍之介も含まれてる。
マキエ
まじで!
アメリカ大統領が見たってんなら何か説得力があるわね!
ぐっさん
そして、今回は数あるドッペルゲンガー現象の中でも
「エミリー・サジェ」
っていう人物について紹介するよ。

「エミリー・サジェ」とドッペルゲンガー


ぐっさん
まず、この怪異現象が起き始めたのは1845年。
ラトビアのリヴォニアにある名門校に赴任してきた「エミリー・サジェ」っていう女教師のまわりでドッペルゲンガー現象がたびたび目撃されるようになるんだ。
マキエ
ラトビアってどこ……
ぐっさん
ラトビアってのはリトアニアの上。
マキエ
リトアニアってどこ……
ぐっさん
話が進まないんでスルーします!
ぐっさん
このドッペルゲンガーに気付いたのは学校の生徒たち。
なんと授業中、サジェ先生が黒板に文字を書いている時にドッペルンゲンガーが現れて本物のサジェと同様に黒板に文字を書く動作をし始めたんだ。
マキエ
おーぅ……
ちょっと怖いわね……。
ぐっさん
これを見た生徒たちは他の先生に
「サジェ先生が2人いる」
と相談したんだけど、当然他の先生はまともに対応しない。
マキエ
まぁそりゃそうよね。
ぐっさん
ただ、ドッペルゲンガーを見た生徒は10人以上いて全員の証言が一致したので学校内で
「ドッペルゲンガーが現れた」
とか
「サジェが集団幻覚を起こしているのでは」
と噂になり始めるんだ。
ぐっさん
しかも、このドッペルゲンガー現象はどんどんと悪化していく。
マキエ
悪化?
ぐっさん
ドッペルゲンガーが現れる回数が増え続けたんだよ。
目撃例としては
・生徒がサジェと並んで鏡に立つと鏡の中のサジェが二人いた
・食事中のサジェの隣に食事の仕草をするもうひとりのサジェがいた
などなど。
ぐっさん
しかも時が過ぎるごとにドッペルゲンガーが現れる距離が伸びてきて本人からかなり離れた所ででも目撃されるようになるんだ。
マキエ
なんか魂がだんだんと抜けてってる気がするわね……。

ドッペルゲンガーが原因でクビになった「エミリー・サジェ」

ぐっさん
そして、なんとこの怪異現象が原因でエミリー・サジェは教師をクビになるという大事件が勃発します。
マキエ
え、なに!?
ドッペルゲンガーが実体化したとか!?
ぐっさん
いや、さすがにそこまではしない……。
ぐっさん
この事件は42人の生徒全員がサジェ先生のドッペルゲンガーを目撃するという事件。
ある日、教室にサジェ先生が少しぎこちない様子でいたんだけど、なんとその教室の外では花壇の手入れをするサジェ先生がいたんだ。
マキエ
おおおう……。
どっちが本物?
ぐっさん
両方ともぎこちない動きだったんだけど、一人の生徒が勇気をだして教室にいるサジェ先生に触れてみたところ、なんと教室にいるサジェ先生には実態が無く、まるでシルクのカーテンを触っているかのような感触で手ごたえがなったらしい。
マキエ
ふーん。
シルクのカーテンなんて上等なもん触ったことないけど、なんとなく言いたいことはわかるわ。
ぐっさん
そして様子を見ていると教室にいたサジェ先生は姿を消し、ぼんやりと花壇の手入れをしていたサジェ先生は通常通りテキパキと花の手入れを始めたんだって。
マキエ
やっぱり魂が抜けかかってるんじゃないの……?
ぐっさん
そして悲しい事に、この事が原因でサジェ先生はクビになってしまいます……。
マキエ
え、なんで?
ぐっさん
大半の生徒はこのドッペルゲンガー現象を楽しんでたんだけど、この学校が名門校っていう所もあって保護者達からクレームがきたり、転校する生徒が増え始めたんだ。
マキエ
あー……。
まぁ保護者としたら不気味よね。
ぐっさん
ただ、学校側はそんな怪異現象でクビにするなんて前代未聞だから一応サジェ先生に面談を行ったりしたんだけどサジェ先生自身はまったく身に覚えがなく、悪評を恐れた学校側はサジェ先生を解雇することにしたんだ。
マキエ

そんな解雇理由だったら現代では大問題よね。

ぐっさん
うん。
ただ、サジェ先生は教師としては優秀だったからすぐに新しい勤務先が見つかったんだけど、そこでも全く同じような怪異現象が起き続けたんだ。
ぐっさん
そしてその現象が起きるごとにサジェ先生はクビになったり転勤を余儀なくされたんだ……。
マキエ
か……かわいそうすぎる……。
ぐっさん
ちなみにサジェ先生が転勤した回数はなんと20回!
遂には転勤する学校すらなくなってしまうという事態に……
マキエ
うわぁ……。
ぐっさん
そして最後は義理の妹さんのところに住まわしてもらう事になるんだけど、そこでも義理の妹の子供たちから
「サジェおばさんが二人いる!」
って面白がられてたみたい。
マキエ
怖がられなくてよかったわね。
マキエ
で、この話って本当なの?
ぐっさん
んー。どうだろう。
大分昔の話だし、有名ではあるみたいよ。
まぁ真実とも虚偽とも断定できないかなー。
マキエ
あ!
わかった!
ぐっさん
ん?
マキエ
忍者の分身の術ってドッペルゲンガーだったんじゃない!?
ぐっさん
おー。
その発想は面白いかもね。
ぐっさん
まぁたぶんナイけどね……
スポンサーリンク

11 件のコメント

    • ンダホシルクモトキマサイさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      >>貞子の母親についてやって見てください。
      貞子の母親というと、透視で有名な御船千鶴子さんの事でしょうか。
      もしそうなら次々回あたりでご紹介させていただこうと思います。リクエストありがとうございます。

  • そういえばわいのいえ(マンション)だけど叔母ーがエレベーターから上がってきたのよねそして階段の近くにその人の家があるんだけどなんかエレベーターから3回位同じ人が来たさー怖かった爆笑友達といたけどね!

    • 匿名さん、コメントありがとうございます。
      え、それはそっくりさん的な……?爆笑ですむのかな……?(笑)

  • >マキエは「忍者の分身の術ってドッペルゲンガーだったんじゃない!?」
    て言ってるけど、ナルトくんの影分身は実体あるけど普通の分身は実体ないんだよ〜

  • 日記見ながら細かく書いたからどうしても長くなってしまうが、書き溜めてあるから進行は早く進められると思う。

    少しだけフェイクは入れる。
    誰も見ていなくてもどんどん書いていく。

    俺は当時、個人経営の飯屋の従業員として働いていた。
    ある日店の場所が変わることになり、これを転機に俺は新しい店舗の近くに引っ越すことにした。
    俺が選んだ新しい物件は、特に安いわけでもなく、ありふれた1DKのアパートだった。

    部屋数が2部屋しかなく、独立洗面台や、広めの風呂や脱衣所がある割と新しめのアパート。
    このアパートに住み始めて1か月くらいのころ、おかしな異変が起き始める。異変を感じるのは風呂場。
    俺がシャワーを浴びていると耳元で何かつぶやくような声が聞こえる。
    始めはシャワーの音がうまい具合にそう聞こえてるんだと思った。

    しかしある日、一瞬だが見えてしまったんだ。
    顔を洗い終わって顔をあげた瞬間に、鏡越しに確かに俺の真横にたたずむ人影を。
    ビビりまくった俺はすかさず自分の隣に誰もいないことを確認したが、もちろん誰もいない。

    鏡をもう一度見てもそんな人影は写っていない。
    俺はどちらかと言われれば幽霊の類は信じてはいるが、霊感なんてものは全くない。
    しかし俺はこの風呂場に「何か」あると思わずにはいられなかった。

    慌てて風呂を上がった俺は大島てるを使って物件を調べてみたが事故情報は乗っていない。
    俺はとりあえず気休め程度とはわかっていたが、風呂場に塩をまいて寝た。
    次の日はたまたま店が定休日だったため、俺は不動産会社に行って過去にこの部屋で何かなかったのか尋ねた。

    不動産屋は普段であれば原則答えることはできないが、この物件に関してはそのようなことはなかったため、事故物件ではないと断言できると言われた。
    きっと気のせいだったのだろうと自分をなだめて、その日もビクビクしながらも風呂に入った。
    髪を洗う時、顔を洗う時、俺は目を瞑るのだが、この日は注意して目を極力開けているようにした。

    そして髪を洗っているとき、また耳元でささやくような声が聞こえた。
    すかさず鏡をみると、はっきりと見えてしまった。
    顔面蒼白の、少しやつれた男が俺の真横でブツブツと口を動かす姿を。
    俺は風呂場を飛び出した。
    まだ時間が早かったこともあり、俺は不動産屋に連絡。即刻解約を申し出た。
    朝に不動産屋を訪問していたこともあり、解約はすんなり通った。
    そのまま新しい物件も都合してくれるというから大助かりである。

    費用はかなり掛かったが、二日後には引っ越しができることになった。
    引っ越しが済むまでは無理を言って店を休んで、引っ越しに専念することにした。
    次の日、引っ越しの準備をして汗をかいたが、風呂に入ることはしなかった。
    そして引っ越し当日、引っ越しは滞りなく進み、無事終了した。

    引っ越しが完了したその日、安心して風呂に入ったが、髪を洗っている際またも耳元でささやく声が聞こえた。
    男の姿は確認しなかったが、またしても慌てて風呂を出る。
    ここで物件ではなく、俺自身が憑かれていたことに気付いた。
    もしくは連れてきてしまったことに。
    しかしこれ以上店を休むわけにもいかなく、すっかり夜になっていたが近場の神社に駆け込んだ。

    本堂?には誰もいなかったがすぐ隣に神主さんの家があり、話を聞いてもらうことができた。
    神主さんの話では
    「憑りつかれているような感じはないけど、何か違和感はある」
    とのこと。

    その後すぐに本堂で厄除け?のようなことをしてもらった。
    ちなみに男の正体や出てきた理由については不明だった。
    家に帰ったのはもう深夜だったが、俺はちゃんと風呂に入ってから寝ることにした。
    しかし、また男は出現した。

    鏡越しに目線がしっかりと合った。
    男はなかなか消えなかったが、もう体も心も疲弊していたので気にしないことにして全身を洗った。
    次の日、久しぶりに出勤すると店のみんなにビックリされた。
    自分では気づかなかったが、俺はかなりやつれていたらしい。
    店長には帰ってもいいと言われたが、体調面の不調は感じなかったため仕事を行った。
    しかし仕事中はありえないほどにミスが続き、昼には無理やり帰された。

    家に帰ってからはイライラが収まらなかった。
    風呂場にいって思いつく限りの汚い言葉を吐いて鏡をたたき割った。
    割った鏡を見て、俺は何をやっているのかと惨めな気持ちになりながらガラス片を片付けた。

    日記を見返してこそ分かるが、風呂場の男は俺の生気的なものを吸っていたのかもしれない。

    その日は少し遠出して温泉に行った。
    温泉では男は出ず、久しぶりにゆっくりと湯につかることができた。
    温泉の帰り道で店長から電話があり、この一件が落ち着くまで休んでいろとのことだった。

    自分では体調の不調は感じていなかった分、とても悔しく、風呂場の男が憎かった。次の日、俺は不動産屋に行った。
    前回あの部屋に住んでいた住民を知りたかったためだ。

    しかし不動産屋では個人情報のため教えることはできないと言われた。
    次に戸籍情報をもとに調べたが全く成果は出ずに空振りに終わった。
    最後に前回住んでいたアパートの住民に聞いてみることにした。
    俺の住んでいた部屋の隣に住んでいるOLに話をきくことができ、そこで初めて成果が出た。

    前回その部屋に住んでいたのは近場の大学の男子学生だった。
    さっそくその大学に行って彼を探した。
    3日かけて聞き込みをしていくうちにその学生は中退していてもう大学にはいないことが判明した。
    ちなみにその3日間は家の風呂を利用したが、ささやき声は毎日聞こえていた。

    鏡がない分姿を見ることはなかったが。
    聞き込み4日目には彼の友人とコンタクトをとることができて、彼の連絡先を教えてもらった。

    彼は車で2時間くらいのところに住んでおり、その日の夜には会うことができた。
    彼の実家近くのファミレスで待ち合わせをして彼の話を聞くことができた。
    彼は小太りの青年で現在はニート。あまり人と話すのは得意そうではなかった。

    ここでは本名ではないが、シンヤと呼ぶことにする
    シンヤの話を聞くと彼もまたあの部屋で心霊現象にあい、実家に帰ったのだという。しかし、シンヤの話を聞いていくうちに俺との違いを発見した。
    俺は風呂場で男に遭遇していたが、シンヤは脱衣所で女に遭遇したという。
    シンヤが脱衣所で髪を乾かしていると鏡越しに、後ろでなにか動いているのが見えたそうだ。
    それはよく見ようとすると消えてしまうそうだが、ある日見てみると、首をロープで吊られた女がゆらゆらと揺れているのがハッキリ見えたそうだ。

    しばらくは見て見ぬふりをしてきたが、だんだんと精神を病んでいき実家に帰ったとのことだ。
    そして、実家に帰ってからもその女は実家の脱衣所に出るという。
    そしてシンヤは俺よりも多くの真実を知っていた。

    シンヤは自分の体験を友人に話し、友人をアパートへ招いたことがあったそうだ。
    その友人をここではナオキと呼ぶ。
    アパートへナオキを招いた際には何も起きなかったそうだ。
    しかしナオキが自宅へと帰り、寝付こうとすると突然耳元で爆発音が聞こえたそうだ。
    ナオキが飛び起きると焦げ臭い臭いがし、目の前には首だけの老人が浮かんでいたとのことだった。

    ナオキは今どうしているのか聞いてみたところ、つい先月自殺したとのことだった。
    爆発音からの首だけ老人が続き、ろくに睡眠もとれずに明らかに疲弊して行ってからの自殺だったらしい。
    なんでも橋から飛び降りて死んでしまったとか。
    シンヤはナオキの死がかなり堪えたようで、今も精神病院に通っていると言っていた。

    つまるところ、シンヤは
    「部屋に訪れるだけで何かが憑いてしまう」
    「起こる心霊現象はなぜか人によって違う」
    この2点を知っていたのだ。

    シンヤとの話で新しく分かったことはあったが、結局のところ解決策が見つかったわけではない。
    また、シンヤは何度もお祓いを試みたが、ことごとくうまくいっていないとのことだった。
    事故物件じゃないのになぜ?なんで違う現象がおこるのか?疑問は増えるばかりだった。

    • 根拠はないが、この現象の原因を見つけることで状況が変わるのではないかと考えた。
      どうせお祓いをしても変わらないのであれば、このくらいしか糸口も思いつかなかった。
      そして俺は、もしかしたら部屋ではなく、土地になにかあるのではないかと考えた。
      もともと墓地だったとか、殺人があったとか。

      次の日俺はアパートの周りの住民に聞き込みをすることにした。
      アパートが立つ前、ここには何があったのか知りたかった。なんとなくそこに原因がある気がしていた。
      聞き込みの中で2つの手がかりが見つかった。

      1つ目はアパートが立つ前の話。
      この土地には一軒家が二軒立っていたらしい。

      1軒は三人家族の家。
      もう一軒は古めかしい老人の住んでいた小さい家。

      どちらの家にも逸話があったらしい。
      まずは3人家族の家。

      父、母、娘の3人家族で子供ができたのを転機に家を建てたらしい。
      始めこそは近所づきあいもよく、幸せそうな一家だったが時々父親の怒鳴り声や、物を壊す音が聞こえていたという。
      段々家族は不仲になっていき、ついには父が娘を連れて家を出て行ったとか。
      その後、人の住んでいる気配が無くなり、近所の人が様子を見に行ったところ脱衣所で無くなっている母親を発見。

      死因は首つり自殺。
      その後その家は取り壊された。
      この話は第一発見者の人に直接聞いた。
      「脱衣所で首つり」という点からこいつがシンヤに憑いているのではないかと思った。

      次に老人の家。

      この老人が変わった人物で、夜になると夜が明けるまで深夜徘徊を毎日していたらしい。
      聞き込みの中で、なぜ深夜徘徊をしているのか当時尋ねたという人がいた。
      老人は
      「夜に寝ようとするとヤジマさんが来る。寝なければヤジマさんはこないから散歩して時間をつぶしている。」
      と言っていたらしい。

      「ヤジマさん」とは何者なのかまでは分からなかったが、重要なキーワードだろう。

      老人はその後施設に入り、病死したそうだ。
      ちなみにその施設はもうないらしい。
      「寝ようとすると来る」
      という点がナオキの話と合致する。

      ということはナオキの元に出ていた首だけの老人がヤジマさんなのかもしれない。

      二つ目は、数か月前にも俺と同じように聞き込みをしていた女性がいたということだ。
      この女性は20代前半くらいの人というだけで、正体は分からなかったが、おそらくは隣の部屋に住んでいたOLだろう。
      彼女もまた心霊現象に遭遇していたのであれば、また話を聞きに行かなければならない。

      おれはこの聞き込みの結果をシンヤに報告した。
      シンヤはその家族の母親が眠っているところに行って、もう成仏するように頼んでみたいといった。
      その母親の名前、(ここではサエと呼ぶ)の名前は分かっていたので明日、近場のお寺をシンヤと協力して片っ端から探すことにした。
      その日の夜、シャワーを浴びていると例のごとく耳元で囁く声が聞こえた。
      何を言っているのかは分からない。
      ふと横を見てみると男が目の前にいた。
      囁きには慣れてきていたが、鏡越しでもなく直で見るとさすがに恐怖した。

      前回同様、顔面蒼白に酷くやつれた顔。
      左手の手首がザックリ切られており、血がだらだらと垂れていた。
      そして右手には血の付いたナイフを握っていた。
      俺は男を押しのけて風呂場から脱出した。
      髪を乾かすのも忘れてまた神社に走った。
      その日はお祓いはしなかったが、神主さんのご厚意で家に泊めてくれた。

      風呂場、ナイフ、手首が切れている。
      この手がかりから、あの男は風呂場で手首を切って自殺した何者かなんだろう。

      もしかしたら3人家族の父親が人知れずどこかで自殺していたのかもしれない。
      それかそれより以前、3人家族と老人が住み着くより前に、あの土地でなにかあったのかもしれない。
      とにかく明日サエの墓を見つけることでまた何か進展があるかもしれない。

      そして次の日、サエの墓はすんなり見つかった。
      それも驚くことにサエの夫も同じ墓にはいっていた。
      シンヤは墓の前に座り込み、涙ながら
      「助けてほしい、もう出ないでほしい」
      と懇願していた。

      その寺では変わった和尚さん?がいた。
      何でも俺たちの話は一切聞かないが、サエの話はしてやってもいいと言う。
      和尚さんの話は近所の人から聞いた話とは違った。

      まずサエとその夫はずっと愛し合っていた。
      しかし、夫は新しく建てた、自分たちでデザインすらした家が気に入らず、常に帰りたくないと言っていたらしい。
      夫は何度もこの寺に相談に来ていたという。
      「家の風呂場がどうもおかしい」
      と。

      しかしサエはそんなことはないと言う。
      サエはおそらく、夫が自分のことが嫌になり、その言い訳として家に難癖をつけていると思ったのだろう。
      夫が説得しても聞く耳を持たず、夫は限界を感じてついに家から逃げ出した。
      もちろんサエも連れて行こうとしたがうまくいかず。

      サエは夫が出て行ったショックからなのかは不明だが、その後自殺。
      葬儀では夫が後悔で壊れてしまっていたらしい。
      夫の方はその後すぐ事故死。
      子供がどうなったかはわからないとのこと。
      和尚さんは一方的に話すと、
      「あなたたちを助けることはできない」
      と言っていた。俺達もあまり迷惑はかけられないと思い、早々に退散した。

      サエの夫の言う「風呂場がおかしい」という点から俺はやっと風呂場の男にたどり着けそうだと思った。
      きっとサエの夫も俺と同じような体験をしたのだろう。

      シンヤはかなりスッキリしたらしく、
      「もう大丈夫な気がします!」
      と言って帰っていった。
      この日、隣に住んでいたOLに会いに行ったが、留守のため会うことはできなかった。

      その日もまた風呂場で男は現れた。
      俺は
      「お前の正体に必ずたどり着いてやる!」
      と男に向かって宣言した。

      その瞬間、貧血のように視界がだんだんと真っ暗になり俺はバランスを崩してぶっ倒れた。
      意識はあったが、視界が暗かった。
      深呼吸すると段々と視界も戻ってきた。起き上がると男はもういない。

      風呂を出て脱衣所の鏡を見ると、俺の顔は今のも死んでしまいそうなほどにやつれていた。
      食事も睡眠もしっかりととっていたが、これはヤバいと思った。

      早々に休もうと布団に入ると、シンヤから連絡があった。サエが脱衣所にでなかった、と。
      これで一つの希望が見えた。俺も風呂場の男にたどり着ければ解放されるかもしれない

      次の日、俺は古地図を調べることにした。
      意外にも結果はすぐに出た。
      あのアパートのあった土地は、三人家族と老人が住み着く前は空き地になっていた。

      しかし、さらに遡って調べることでたどり着いた。
      地図には「ヤジマトシヒコ」の文字が入っていた。
      念のためにと更に遡るとそこには「ヤジマキヨタダ」の文字が入っていた。
      昔の地図がどこまで正確なのかはわからないが、「ヤジマキヨタダ」と「ヤジマトシヒコ」の間で家屋の形が明らかに変わっていた。
      なぜ家屋の形が変わっているのか、家屋の形が変わっている時期を見ればその理由は容易に想像できた。
      この土地に、この町に住んでいる人であれば間違いなく知っているこの町の歴史。その時期は、終戦直前にこの町が大規模空襲を受けた時期だった。
      この一件の根がまさかここまで深いとは正直恐ろしかった。

  • もしこの「ヤジマキヨタダ」が空襲によって死亡したとすれば、ナオキの所に現れた首だけ老人はおそらくこの「ヤジマキヨタダ」だろう。
    死因が爆死であれば、ナオキが聞いたという爆発音の辻褄が合うというもの。
    ではその後に新しく家屋を建てたであろう「ヤジマトシヒコ」。

    おそらくではあるが、空襲で生き残ったヤジマキヨタダと血縁関係のある人物だと思われる。
    「ヤジマトシヒコ」の記録が乗っている地図は1949年の物。
    今から約70年前だとするとヤジマトシヒコが生きている可能性は絶望的であるが、当時の様子を知っている人物であればこの土地の近所をもう一度くまなく探せばいるかもしれない。
    俺はこの日のうちに再び聞き込みを行った。
    前回の聞き込みで回った家を中心に
    「70年前のこの土地のことを知っている人はいないか」
    と聞いて回った。

    聞き込みを始めて数時間、俺は当時の様子を知っているというおばあさんにたどり着いた。
    年齢はなんと90歳。
    一人では歩くこともままならないという方だった。
    このおばあさんは「ヤジマトシヒコ」を知っていた。
    このおばあさんはヤジマトシヒコとの交流はなかったが、彼は近所では有名だったからよく知っていると言っていた。

    おばあさんの話では、ヤジマトシヒコは空襲によってたった一人の家族である父親と住んでいた家を失った。
    しかもその空襲が終わって次の日には日本が降伏したというもんだから
    「もう1日早く降伏していればなにも失わなかった」
    と言って回っていたらしい。

    終戦直後ということもあり、その発言は非難されヤジマトシヒコは孤立していったという。
    おばあさん曰く、そのような発言をして孤立する人は他にもたくさんいたとか。
    その後ヤジマトシヒコは家の焼け跡に新しく家を建ててひっそりと暮らしていたという。
    しかしある時からヤジマトシヒコの奇行がはじまった。
    夜になると必ずと言っていいほど大声で泣きながら、夜道を練り歩いていたと。
    周りの人は
    「家族も近所からの信頼も失って、おかしくなってしまったのだろう」
    と冷たい目線でヤジマトシヒコの奇行を見ていたらしい。

    そして泣いているときは決まって
    「死んだ父親に対して謝っていた」
    と。
    ある日ふと、その奇行がぱったりと止み、近所の住民が様子を見に行ったところ、ヤジマトシヒコは風呂場で自らの手首を切って死んでいた。
    おばあさんが実際に見たわけではないと言うが、ヤジマトシヒコの家では

    「父親に向けた大量の謝罪の文書」

    「国に対する恨み辛みが書かれた大量の文書」
    が出てきたという。

    こうして俺は風呂場の男の正体にとうとうたどり着いた。
    男の名は「ヤジマトシヒコ」。
    戦火によって大切なものを奪われた悲しい人物だった。
    そしておばあさんの話の中で気になったのはヤジマトシヒコの奇行。
    夜になると練り歩くと言うのは、次にこの土地に住み着いた老人と一緒だ。
    そして老人の
    「ヤジマさんがくる」
    という言葉。

    この老人は「ヤジマキヨタダ」を知っていたのではないかと思う。
    おそらく夜になると「ヤジマキヨタダ」は老人の下にも、トシヒコの下にも、そしてシンヤの下にも等しく現れている。
    つまりこの一件の原点は「ヤジマキヨタダ」の「ヤジマトシヒコ」に対する何らかの感情だと思われる。
    徘徊する際にヤジマトシヒコが謝罪の言葉を叫んでいたのであれば、なにか後ろめたいことがあったのだろう。

    しかしここで疑問が生まれてきた。
    なぜキヨタダは、トシヒコの死後も現れているのか。
    トシヒコが死んだ時点でキヨタダの目的は満たされたのでは?

    そしてさらに言うと
    「その後に死んだ人物も巻き込んで一つの呪いのようになっているのはなぜ?」
    ということだ。

    ここで俺は恐ろしいことに気が付いてしまった。
    いや、薄々感づいてはいたが目を背けてきていた。

    俺もまた、この呪いの一部になってしまうのではないか?と。
    この呪いは死者を呪いの一部として巻き込みながら肥大化している。
    この呪いに関わって死んだ者はこの呪いの一部となって顕現している。
    つまり、
    「俺も死んだら呪いの一部となって誰かの前に現れる」
    その可能性の高さを危惧した。
    そんな中で俺の危惧を確信に変えてしまうことがあった。
    おばあさんの家からの帰り道、シンヤからの電話があった。
    「たすけてくれ、ナオキがきた」
    と。

    サエの墓の前でシンヤがお願いした時点で、サエは脱衣所には出なくなったという。
    しかし今日、2階の窓から見てしまったのだという。
    窓の目の前を真っ逆さまに落ちていくナオキの姿を。
    その後、何かが水に落ちるような音がし、慌てて外を確認するも何も落ちてなどはいない。
    そもそもシンヤの実家は2階建てでそれ以上上はないし、落下地点に水なんかもない。
    シンヤはそういったことが今日だけで何度も続き、あからさまに体調も乱れているとのことだった。

    つい先月自殺したばかりのナオキが既に呪いの一部となって現れている。
    俺にナオキを助けるすべはなく、ただただ恐怖が膨らむばかりだった。
    俺はもう日が暮れていることも気にせず、俺はサエの墓がある寺に行った。
    そこの和尚さんは今回の件について何か知っているはずだ。
    もう相手の迷惑なんて考えている余裕もなく寺に併設している和尚の住居を訪ねた。
    結果は門前払い。

    俺の顔を見た時点で
    「帰ってくれ!そしてもう二度と来るな!」
    と怒鳴られた。
    俺も必死に縋り付いたが最後には
    「警察を呼ぶ」
    とまで言われて泣く泣く退散した。

    死にたくない一心で今度はいつもの神社へと向かった。
    神主さんを訪ねると、非常に体調の悪そうな神主さんが出てきた。
    体調が悪そうだが、こちらもいつ死ぬか分からないような状態。
    俺は必死に頼み込んで話を聞いてもらおうとした。

    心優しい神主さんはすんなりと俺を受け入れてくれた。
    夜中にも関わらず、俺はこと詳しく神主さんにこれまでの経緯を説明した。
    説明が終わるころには外は少し明るくすらなっていた。
    神主さんはうんうんと頷きながら話を聞いてくれた。
    そして神主さんと俺は、ある結論にたどり着いた。

    結論とは言っても、ほぼ確実にこれだろう。
    というだけで予測に過ぎないことは許してほしい。
    まずはヤジマキヨタダの死について。

    戦火であろうと何であっても、炎によって人が死んでしまった地には呪いが残ることがあるという。
    その呪いの顕現として現れたヤジマキヨタダはヤジマトシヒコに恨みをもって苦しめた。
    そしてその穢れた地で、強い恨みの感情を持ったヤジマトシヒコが自害することによって、ヤジマトシヒコに向けられた呪いの性質が変化。

    キヨタダは恨みをトシヒコのみに向けられていたが、トシヒコの恨みはこの国、国民に向けられている。
    そこで呪いがトシヒコのみから、国民全員に向けられた呪いとなった。
    つまり、
    「この地に触れた国民を取り込みながら肥大化していく呪い」
    となってしまったのだ。

    最初に神主さんが言った
    「憑りつかれているような感じはないけど、何か違和感はある」
    という言葉。
    そう、俺は最初から憑りつかれてもいなければ呪われてもいなかった。

    俺自身が呪いの一部だったんだ。
    俺はもう呪いであり、現象の一つとなってしまっていた。
    ただの現象が人間として活動しているのもおかしな話である。
    そりゃ生気もなくなる。

    呪われた人ならまだしも、呪い自身にお祓いが効かないのも納得である。
    俺が祓われてしまうんだから。
    神主さんが止めてくれなければ、この場で死んでいたくらいだ。
    俺は絶望し、死の運命を受け入れた。
    見方によってはもうとっくに死んでいるかもしれないが。

    家に帰ると俺は風呂場に行った。
    風呂場ではトシヒコがブツブツと言っている。
    俺はもうこいつの一部であり、こいつも俺の一部だと思うと恐怖はほとんど感じなかった。
    トシヒコの言葉をよくよく聞いてみると
    「苦しめ。そして死ね。」
    と言っていることが判明した。

    なんとも呪いらしい言葉になんとなく納得すらした。
    俺はすぐにシンヤにこの結論を報告。
    それから一週間もしないうちにシンヤは死んでしまった。
    実家のトイレで首筋を切ったらしい。

    その後隣に住んでいたOLが失踪していたことも判明した。
    おそらく生きてはいないだろう。
    彼女もまた呪いの一部なのだから。
    俺も近く、この命を捨てることとなるだろう。
    死に場所、死に方はよく考えなくてはならない。

    始めに
    「少しだけフェイクはいれる」
    と言ったが、そのフェイクの部分ってのが、

    【シンヤは自分の体験を友人に話し、友人をアパートへ招いたことがあったそうだ。その友人をここではナオキと呼ぶ。アパートへナオキを招いた際には何も起きなかったそうだ。】
    ってところだ。

    どうフェイクかっていうと、シンヤはナオキをアパートに呼んではいない。

    「ナオキにはラインで怪奇現象について伝えただけ」
    だ。

    つまり少なくとも
    「当事者から話を聞くだけで呪いの一部となる」
    ってことだ。

    和尚さんが一切話を聞こうとしなかったのは、おそらくこれを知っていたから。
    神主さんの体調が優れないのは神主さんの下にサエが現れていたから。
    話には出していなかったが、店の店長の所にも事故で死んだ3人家族の父親とおぼしき人物が出ているようだ。

    当事者の俺からここまで詳しく話を聞いたんだ。
    この話をここまで読んだひとは、もうとっくに呪いの一部になってるはずだ。

    ヤジマキヨタダか、ヤジマトシヒコか、三人家族のうちの誰かか、施設で息絶えた老人か。

    もしくはOLか、シンヤか、ナオキか。

    これから死にゆく俺か、この話を読んだ誰かか。

    呪いの一部となったお前たちの下に近々誰かが必ず迎えに行くはずだ。

    眠ろうとするとき気を付けろ。キヨタダがくるかもしれない。

    風呂に入るとき気を付けろ。シャワーの音に交じってトシヒコの声がするかもしれない。

    脱衣所に行くとき気を付けろ。鏡にサエが映るかもしれない。

    車に乗るとき気を付けろ。三人家族の父親も乗っているかもしれない。

    ベッドを見るとき気を付けろ。老人が眠っているかもしれない。

    窓を見るとき気を付けろ。ナオキが落ちてくるかもしれない。

    トイレに行くとき気を付けろ。シンヤがいるかもしれない。

    全ての行動に気を付けろ。どこにOLが、俺が、これから死ぬ誰かがいるかわからない。

    俺の話、長かっただろうけど、なかなか怖かったんじゃないかな。

    なんでこの話をしたかっていうと、みんな一緒なら怖くない心理からだ。

    呪いの一部としてこれを読んだ人たちに会うのを楽しみにしているよ

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    CAPTCHA