え、何……。
今回は“血液を飲んだ”とか“人を食べた”とかそんな感じの話……?
今回は“血液を飲んだ”とか“人を食べた”とかそんな感じの話……?
いや、ドラキュラのモデルといってもそういった話は無くて、名前や生まれた国が一緒ぐらいかな。
あ、そうなの?
じゃぁどの辺がモデルになってるの?
じゃぁどの辺がモデルになってるの?
んー。敢えて言うなら“信じられないほどの残虐性”かな……。
あ、なんか聞きたくないタイプの話かも……。
それじゃ早速紹介していきまっす!
吸血鬼とヴァンパイアのドラキュラの違い
まず本題に入る前に確認しておきたいんだけど、マキエは「ドラキュラ」と「吸血鬼」と「ヴァンパイア」の違いって知ってる?
ん?あまり深く考えたことは無かったわね。
でも、ドラキュラは髪をオールバックにした痩せ気味の紳士ってイメージがあるかも。
吸血鬼やヴァンパイアは単純なモンスターって感じがするわね。
吸血鬼やヴァンパイアは単純なモンスターって感じがするわね。
おお、偶然かもしれないけどほとんど正解だよ。
え、そなの?
実はドラキュラはブラム・ストーカーっていうアイルランド人のホラー小説家が作り出した架空のキャラクターなんだ。
だから、たまにヴァンパイアや吸血鬼の事をドラキュラっていう人もいるけど、正確には間違いなんだよ。
だから、たまにヴァンパイアや吸血鬼の事をドラキュラっていう人もいるけど、正確には間違いなんだよ。
へー。
ちなみにマキエが言っていた“オールバックの紳士”っていうイメージはブラム・ストーカーの代表作である「Dracula」を映画化した時の姿だね。
なるほど……。
オールバック紳士のイメージはここから来てたのか……。
オールバック紳士のイメージはここから来てたのか……。
じゃぁ今回のヴラド3世っていうのは吸血鬼のモデルじゃなくて、ホラー小説のキャラクターモデルになった人物って事?
そのとおり。
ヴァンパイアの伝承はもっと昔からあるから、ブラム・ストーカーが元からあったヴァンパイアの伝承にヴラド3世の情報を付け加えて新たなキャラクターを作り上げたって感じかな。
ヴァンパイアの伝承はもっと昔からあるから、ブラム・ストーカーが元からあったヴァンパイアの伝承にヴラド3世の情報を付け加えて新たなキャラクターを作り上げたって感じかな。
ドラキュラと呼ばれた領主「ヴラド3世」
それじゃ改めて今回の本題であるヴラド3世について紹介していくね。
ヴラド3世は15世紀頃にワラキア公国の一部を治めていた君主です。
ヴラド3世は15世紀頃にワラキア公国の一部を治めていた君主です。
ワラキア公国?
聞いたことない国だけど、どのへんにあるの?
聞いたことない国だけど、どのへんにあるの?
今はもう存在しない国だからね。
場所でいうなら現在だとルーマニアあたりだね。
場所でいうなら現在だとルーマニアあたりだね。
そしてヴラド3世は別名「ドラキュラ公」や「串刺し公」とも呼ばれていた人物なんだ。
あ、ドラキュラって単語が出てきたわね。なんかヤバげな単語も出てきてるけど。
そもそもドラキュラってどういう意味なの?
ドラキュラの語源は実は“ドラゴン”なんだ。
ドラゴン?
ヴラド3世の父親はヴラド2世っていうんだけど、ヴラド2世は神聖ローマ皇帝にドラゴン騎士団を任されていて、ドラゴンを意味する「ドラクル(Dracule)」という二つ名を使っていたんだ。
ふんふん。
そしてルーマニア地方では名前の最後に“a”を付けると“~の子供”っていう意味になるんだけど、ヴラド3世はドラクル(ヴラド2世)の子供だったから「ドラクル(Dracule)」の最後に“a”を足して「ドラキュラ(Draculea)」と呼ばれるようになるんだよ。
へー。なるほどねー。
でも、なんでヴラド3世がホラー小説の登場人物のモデルになったの?
でも、なんでヴラド3世がホラー小説の登場人物のモデルになったの?
実はホラー小説も真っ青になるぐらい残虐非道な人物だったんだよ……。
あ……、そういえば最初の方に言ってたわね……。
敵にも味方にも恐れられた恐怖の串刺し公
ヴラド3世がドラキュラのモデルとして使われていると言われているのは、ずばりヴラド3世に伝わる残虐性。
ヴラド3世はかなり厳格な人物だったらしいんだけど、自分の倫理観に当てはまらない人物は敵味方問わず処刑していたんだ……。
独裁者ってやつ……?
まぁそんな感じかな。
しかもヴラド3世は肛門から口まで串を刺して胴体を貫通させる串刺し刑に異様に執着していたんだ。
しかもヴラド3世は肛門から口まで串を刺して胴体を貫通させる串刺し刑に異様に執着していたんだ。
えぇ……
ちなみに当時は既に串刺し刑自体はあったんだけど、普通は重罪を犯した農民の処刑方法だったから貴族や身分の高い人物には行われない処刑方法だったんだ。
あ、そなの?
だけどヴラド3世は農民であろうが貴族であろうが、処刑する時は串刺し刑を採用する上に、ヴラド3世の気分一つで串刺しにされるもんだから農民や貴族から「ドラキュラ公」だけでなく「串刺し公」と恐れられるようになっていくんだよ。
すごいネーミングね。
ちなみに串刺し刑だけじゃなくて、疫病にかかった人たちを一カ所に集めて火を放って焼き殺したり、トルコから来た使者が帽子を取らなかったことにキレて、二度と帽子が取れないように帽子の上か頭蓋骨に釘を打ち付けたり、様々な残虐非道な話も残ってたりします。
実際にあった話だと思うときっついわね……。
なんでそんな事するの……?そういう趣味の人……?
なんでそんな事するの……?そういう趣味の人……?
趣味の一言で片付けようとするなよ……。
確かにヴラド3世の残虐非道な行いは褒められた物じゃないけど、恐怖政治は当時では割とどこの国でも行われていた手法でもあるんだ。
え、どういうこと……。
ヴラド3世は権力を強めることを目的としていたといわれるんだけど、反対派を惨い殺し方をする事で他の人を怖がらせて従わせるという事に成功しているし、当時ワラキア公国はオスマン帝国と戦争状態にあったんだけど、敵兵を串刺しにして晒すことで敵軍を撤退させることに成功しているんだ。
えぇ……。普通は味方が串刺しにされたら怒って士気が上がるんじゃ無いの?
いや、さすがに2万人も串刺しにされたらねぇ……。
2万人!?
うん……。
ヴラド3世は1462年にオスマン帝国のメフメト2世の軍勢に奇襲をかけるんだけど、そのときに殺害した2万の兵士全員を串刺しにして晒したんだよ……。
ヴラド3世は1462年にオスマン帝国のメフメト2世の軍勢に奇襲をかけるんだけど、そのときに殺害した2万の兵士全員を串刺しにして晒したんだよ……。
ワラキア公国に遠征してくるオスマン軍は途中に不思議な形状の林を見つけるんだけど、近づいてみると木だと思っていた部分は杭で、枝葉に見えていた部分は兵士達の死体で、しかもそれが地平線まで延々と続いていたんだって……。
まるでホラー漫画の世界ね……。
そして、その悲惨な風景を目の当たりにしたメフメト2世は戦意を喪失してワラキア公国から撤退したっていう記録も残っているんだ。
さすがに2万の人間が串刺しになっている風景をみたら
「あ……、アイツには関わったらアカン……」
って思うわよね……。
「あ……、アイツには関わったらアカン……」
って思うわよね……。
実際にメフメト2世も「こんな男と戦う意味はあるのか」と悩んでいたらしいよ。
そりゃそうなるわよね……。
ただ、これもちゃんとした理由があるといわれていて、当時のワラキア公国の戦力はオスマン帝国と比べてだいぶ劣っていたんだ。
そこで、まともに戦争しても勝てないと判断したヴラド3世は奇襲と串刺し死体を晒すという方法をとったとも言われているんだよ。
そこで、まともに戦争しても勝てないと判断したヴラド3世は奇襲と串刺し死体を晒すという方法をとったとも言われているんだよ。
なるほど……。
まぁそれっぽくは聞こえるけど本当の話なのかしら……・。
まぁそれっぽくは聞こえるけど本当の話なのかしら……・。
まぁ真実はわからないけどね。
でも実際にオスマン帝国を撤退させているから、かなり成果はあったみたいだけどね。
でも実際にオスマン帝国を撤退させているから、かなり成果はあったみたいだけどね。
最後は自分も串刺しにされたヴラド3世
そして次はヴラド3世の最後について
実はヴラド3世は1476年のオスマン帝国との戦で命を落とすんだけど、まるで自分が行ってきた事の報いを受けるかのように、ヴラド3世もまた串刺しにされて殺されてしまうんだ。
実はヴラド3世は1476年のオスマン帝国との戦で命を落とすんだけど、まるで自分が行ってきた事の報いを受けるかのように、ヴラド3世もまた串刺しにされて殺されてしまうんだ。
ん?
処刑されたって事?
処刑されたって事?
いや、戦争中の戦死だって言われてる。
オスマン帝国と戦争中にヴラド3世は護衛とはぐれてしまうんだけど、その時にトルコ兵の死体から装備を奪ってトルコ兵に変装して安全地帯まで脱出を試みたんだ。
オスマン帝国と戦争中にヴラド3世は護衛とはぐれてしまうんだけど、その時にトルコ兵の死体から装備を奪ってトルコ兵に変装して安全地帯まで脱出を試みたんだ。
ほう。
だけど、後から来たワラキア公国の兵士がヴラド3世と気づかずに槍で突き殺してしまうんだよ。
因果応報ってやつなのかしら……。
かもね。
ただ、他にも「暗殺された」とか「使用人に裏切られた」とかいう話もあるから、もしかしたら作り話かもしれないけどね。
ただ、他にも「暗殺された」とか「使用人に裏切られた」とかいう話もあるから、もしかしたら作り話かもしれないけどね。
ふーん。
まとめ
以上がドラキュラのモデルとなったヴラド3世の話でした。
どうだった?
どうだった?
んー。
もっと血に関する話が出てくるのかと思ったけど、意外と血は関係してなかったわね。
もっと血に関する話が出てくるのかと思ったけど、意外と血は関係してなかったわね。
十分、血なまぐさい話だとおもうケド……。
あと昔は恐怖政治も普通だったと思うと現代に生まれてよかったと思うわね……。
でも、ワラキア公国の治安はめちゃくちゃよかったみたいだよ。
公共の水飲み場には金の聖杯が置かれていたんだけど、誰も盗んだりしなかったなんて逸話も残ってるし。
公共の水飲み場には金の聖杯が置かれていたんだけど、誰も盗んだりしなかったなんて逸話も残ってるし。
え、なんで?
盗んだのがバレたら串刺しにされるからに決まってんじゃん……。
それは治安がいいって言えるのかしら……。
それに一昔前までのヴラド3世は「残虐非道な人物」っていう評価だったみたいだけど、最近ではオスマン帝国からワラキア公国を守った知将とか英雄っていう見方もでてきてるんだって。
英雄が2万人の人間を串刺しにして晒したりするのかしら……。
ちなみに串刺しの死体に囲まれると食欲が増すとかで、串刺しにされた死体に囲まれてパーティーを開いたりしてたみたいだよ。
それ絶対に英雄って器じゃないからーー!
それもドラキュラ公とも呼ばれた「ヴラド3世」についてご紹介したいと思いまっす!