恐ろしき鬼人「両面宿儺(リョウメンスクナ)」!古寺で見つかったミイラの正体とは……?

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ぐっさん
今回紹介する都市伝説のテーマは「鬼人」!
それも読者の黄金の虎さんのリクエストにお応えして「両面宿儺リョウメンスクナ)」についてご紹介したいと思いまっす!
マキエ
あ、なんか聞いたことあるかも。
なんか顔が2つあるお化けでしょ?
ぐっさん
そそ。まぁ名前からして姿は大体想像できるよね。
ただ正確にはお化けじゃなくて仁徳天皇の時代に現れたと言われている鬼神だね。
マキエ
あ、そうなんだ。
ぐっさん
そしてこの両面宿儺は歴史上で語られている話の他に、都市伝説のような怖い話もあったりする
そこで今回は歴史上で語られている両面宿儺と、怖い話として語られているリョウメンスクナについて紹介したいと思うんだ。
マキエ
漢字とカタカナは何か違うの?
ぐっさん
歴史上の話は漢字、怖い話はカタカナっていう区分けがあるみたいだね。
それじゃ早速紹介していきまっす!

日本書紀に記されている「両面宿儺」


ぐっさん
それじゃ改めて今回紹介するのは「両面宿儺」。
両面宿儺は奈良時代に作られたといわれている『日本書紀』に登場する鬼神なんだ。
マキエ
日本書紀って確か歴史書よね?
歴史書なのに鬼神が登場すんの?
ぐっさん
確かに日本書紀は歴史書ではあるけれど、現代の歴史書みたいに正確な歴史を記した物じゃないよ。
全部で30巻が現存しているけれど、最初のほうは神話の話だしね。
マキエ
あ、そうなんだ。
ぐっさん
ちなみにイザナギとイザナミが天の沼矛で日本国を作ったっていう話も日本書紀に記されている話だし。
マキエ
へー!初めて知ったかも!
ぐっさん
いや、絶対に学生の頃に習っているはず……。
マキエ
その時は歴史なんて興味なかったし……。
マキエ
というか、今でもあんまり興味ないし……。
ぐっさん
マキエは毎回一言多いよね……。
ぐっさん
ちょっと話がズレたから元に戻すけど、両面宿儺は日本書紀によると飛騨に現れた鬼人で名前通り頭の前後に2つの顔があるんだ。
マキエ
飛騨ってどこだっけ……。
ぐっさん
今でいう岐阜県だね。
そして2つあるのは顔だけじゃなく腕ももう一対ついていて、2本の剣と二張りの弓矢を持った姿をしていたらしい。
マキエ
つまり顔が2つで腕が4本って事?
ぐっさん
そそ。
ちなみに日本書紀にはこう書かれています。

『六十五年 飛騨國有一人 曰宿儺 其為人 壹體有兩面 面各相背 頂合無項 各有手足 其有膝而無膕踵 力多以輕捷 左右佩劒 四手並用弓矢 是以 不随皇命 掠略人民爲樂 於是 遣和珥臣祖難波根子武振熊而誅之』

(訳)六十五年、飛騨国にひとりの人がいた。宿儺という。一つの胴体に二つの顔があり、それぞれ反対側を向いていた。頭頂は合してうなじがなく、胴体のそれぞれに手足があり、膝はあるがひかがみと踵がなかった。力強く軽捷で、左右に剣を帯び、四つの手で二張りの弓矢を用いた。そこで皇命に従わず、人民から略奪することを楽しんでいた。それゆえ和珥臣の祖、難波根子武振熊を遣わしてこれを誅した。

ぐっさん
まぁ一言でまとめるなら飛騨で顔が2つ、腕が4本の鬼人が暴れまわっていたから武振熊(たけふるくま)という人物が退治したっていうお話だね。
マキエ
へー。
それで?
ぐっさん
いや、それだけ。
マキエ
え……?
ぐっさん
実は日本書紀に両面宿儺が登場するのはこの一節だけでこれ以上の事は記されていないんだ。
マキエ
あれで全部なの……?
ぐっさん
そう。日本書紀ではほんとにチョイ役だね。
ただ飛騨、つまり今の岐阜県だと両面宿儺が英雄として活躍した話もあったりする
マキエ
え?なんで?
退治されるべき鬼人なんでしょ?
ぐっさん
まぁそのへんは物の見方というか、書き手側の都合というか……。
日本書紀は天武天皇が作るよう命令された書物で、いわば天皇側の人物が作成した歴史書なんだ。
マキエ
それが?
ぐっさん
つまり日本書紀においては「天皇に従わない人物=悪人」と記されるわけだよ。
ただ一方で見方を変えれば両面宿儺は飛騨に住んでいた人々を天皇の侵略から守るために戦っていた人物ともとれるわけで、真相はどっちかはわかんないって感じ。
マキエ
あー。なるほどね。
だから飛騨では英雄として語られている話もあるのか。
マキエ
これが歴史は勝者によって作られるってやつね。
ぐっさん
まぁそういう事だね。
マキエ
でも顔や腕の数が多いのはなんでなんだろ。
ぐっさん
それも諸説あるんだけど
「“飛騨の民を倒した”と書くより“鬼人を倒した”と書いたほうが後の読者がウケるから」
とか
「二人組のそっくりな双子だった」
とか
「結合性双生児だった」
ってあたりが有名かな。
マキエ
あんたの説明が適当すぎるせいで私の日本書紀のイメージが崩れていく……。
ぐっさん
元々イメージなんて無かったくせに……。

古いお寺で発見された呪いの「リョウメンスクナ」


ぐっさん
それじゃ次は今回のメインである「リョウメンスクナ」について紹介していくね。
この怖い話の方のリョウメンスクナは「コトリバコ」や「八尺様」みたいにネットで有名になった話なんだけど、岩手県にある古いお寺の解体中に起こった出来事の話なんだ。
ぐっさん
原文を読みたい人はページの一番下に載せているのでそっちから読んでもらうとして、解体業者の一人が解体作業中に本堂の奥の方から2メートルもある黒ずんだ長方形の大きな木箱を見つけるんだ。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
そしてその箱にはボロボロになった張り紙が張られていて、かろうじて
「大正■■年■■七月■■ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ■■■二封ズ」
という文字が読み取れたんだって。
マキエ
おお、両面宿儺がでてきたわね。
で、開けちゃうわけか。
ぐっさん
いや、開けない。
ボロボロの箱であってもお寺の所有物だから勝手に開けちゃいけないと思って上司やお寺の元住職にちゃんと確認を取ったんだって。
マキエ
さすがプロ。
ぐっさん
ただ、その箱の話をきいた元住職は鬼気迫る声で
「明日、回収するから絶対に開けるな!」
と連絡を入れてきたらしい。
ぐっさん
そして翌日、元住職が現場にきて木箱を回収する事になったんだけど、木箱が置かれていたところには人だかりができていたんだ。
マキエ
ん。なんかあったの?
ぐっさん
実は中国の留学生のバイトが面白半分で開けてしまっていたんだ……。
マキエ
おおーう。
ぐっさん
そして箱をあけた中国人の2人は放心状態のまま座っていたそうなんだけど、2人が開けた箱の中には人間のミイラが入っていたんだ……。
マキエ
え……。
ぐっさん
しかも、そのミイラは普通の人間のミイラではなく、顔が2つあり腕が4本あったんだって。
マキエ
姿は両面宿儺と一緒ね。
ぐっさん
そして元住職は大パニック。
血相を変えて木箱を元の状態にもどし、現場に居合わせた人達にはお祓いをして回ったそうなんだ。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
ただ放心状態のままだった中国人達はそのまま病院に搬送されることになったそうなんだけど、結果的には一人は心筋梗塞で急死、もう一人は精神病院に入れられたんだって。
マキエ
何。呪い?
ぐっさん
かな?
ちなみに一緒に居合わせた他の解体業者の同僚たちは謎の高熱にうなされたり、釘を踏み抜いて大怪我をしたんだって。
マキエ
ふーん。
つまり両面宿儺のだと思われるミイラが発見されて、その封印を解いてしまった人達が次々に呪われて不幸にあったと。
そういう事ね?
ぐっさん
だいたいそんな感じ。
ただ、この話には後日談があってね。
そこでリョウメンスクナの正体について明かされているんだ。
マキエ
正体?

リョウメンスクナの後日談。ミイラの正体とは。

ぐっさん
今回の出来事がかなり気になった解体業者は元住職に連絡して、今回の出来事や箱に納められていたミイラについて話を聞く事にしたんだ。
で、最初は断られ続けていたみたいだんだけど、なんとか一緒に飲みに行く約束を取り付けたらしい。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
そして飲み屋で元住職に聞かされた話だと、あの奇形のミイラは大正時代に見世物小屋で働かせられていた奇形の人間なんだって。
マキエ
あ……。本物だったんだ……。
それはそれでちょっとヤだな……。
ぐっさん
だね。
ちなみに、なんでも生活苦に耐えられなくなった親が見世物小屋に売ったらしい。
マキエ
つまり、あのミイラは死後も見世物として扱われていた人の遺体って事か……。
ぐっさん
いや、実はちょっと違う。
実は見世物小屋で働いていた時に、また別の人物によって買われたそうなんだ。
ぐっさん
ちなみにその人物の名前は「物部天獄(もののべてんごく)」っていうそうなんだけど、大正時代にあった密教の教祖なんだって。
マキエ
ほう……。
ぐっさん
そして物部天獄は奇形の人間をあえて餓死させて、無理やりミイラ、つまり即身仏にしたんだ。
マキエ
え、なんで……?
ぐっさん
物部天獄の目的は教団の本尊の作成。
実は物部天獄の密教はかなりヤバイ部類の宗教だったらしく、頭が2つあって腕が4本ある姿は神として崇めるには丁度良かったんじゃないかな。
マキエ
なるほど……。
ぐっさん
しかも物部天獄にはもう一つの目的があって、それは奇形のミイラを呪術の材料とする事
ミイラ化した遺体のお腹に古代人の骨を入れて日本に災いを起こそうと考えていたらしい。
マキエ
え、なにそれ……。
ぐっさん
なんでも物部天獄は日本人ではないらしく、日本を恨んでいた、もしくは日本を恨む人間の子孫らしいんだ。
ちなみに物部天獄は後に日本刀で首を掻っ切って自殺するんだけど、その時に血文字で
日本滅ブベシ
と書かれていたそうだよ……。
マキエ
うへぇ……。
ぐっさん
解体業者の人が元住職から聞けた話は以上です。
マキエ
つまりあのミイラは両面宿儺ではなく、邪教によって殺されて呪物にされた人の遺体だと……?
ぐっさん
そういう事。
マキエ
うーん……。
神話とはまた違うベクトルの怖さがあるわね……。

まとめ

ぐっさん
以上が神話で語られる「両面宿儺」と、怖い話として語られている「リョウメンスクナ」についてでした。
どうだった?
マキエ
うーん。
さっきも言ったけど神話のほうは置いといて、怖い話の方のリョウメンスクナは割と怖かったわね……。
ぐっさん
あ、そう?
どの辺が?
マキエ
呪いはともかく、カルト教団が奇形の人間を即見仏にするってあたり。
なんか本当にどっかで行われていそうでゾクッっとしたわ……。
ぐっさん
うーん……。
なんかボクが望んでいた着地点とは若干ずれている気もしなくはないけれど、まぁいいか……。

おまけ(原文)

俺、建築関係の仕事やってんだけれども、先日、岩手県のとある古いお寺を解体することになったんだわ。今は利用者もないお寺ね。
んでお寺ぶっ壊してると、同僚が俺を呼ぶのね。
「~、ちょっと来て」
と。俺が行くと、同僚の足元に、黒ずんだ長い木箱が置いてたんだわ。

俺「何これ?」
同僚「いや、何かなと思って・・・本堂の奥の密閉された部屋に置いてあったんだけど、ちょっと管理してる業者さんに電話してみるわ」

木箱の大きさは2mくらいかなぁ。相当古い物みたいで、多分木が腐ってたんじゃないかな。
表に白い紙が貼り付けられて、何か書いてあるんだわ。相当昔の字と言う事は分ったけど、凡字の様な物も見えたけど、もう紙もボロボロで何書いてるかほとんどわからない。
かろうじて読み取れたのは

「大正??年??七月??ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ???二封ズ」

的な事が書いてあったんだ。木箱には釘が打ち付けられてて開ける訳にもいかず、業者さんも「明日、昔の住職に聞いてみる」と言ってたんで、その日は木箱を近くのプレハブに置いておく事にしたんだわ。

んで翌日。解体作業現場に着く前に、業者から電話かかってきて

業者「あの木箱ですけどねぇ、元住職が、絶対に開けるな!!って凄い剣幕なんですよ・・・
なんでも自分が引き取るって言ってるので、よろしくお願いします」

俺は念のため、現場に着く前に現場監督に木箱の事電話しておこうと思い

俺「あの~、昨日の木箱の事ですけど」
監督「あぁ、あれ!お宅で雇ってる中国人(留学生)のバイト作業員2人いるでしょ?そいつが勝手に開けよったんですわ!!とにかく早く来てください」

嫌な予感がし、現場へと急いだ。プレハブの周りに、5~6人の人だかり。
例のバイト中国人2人が放心状態でプレハブの前に座っている。

監督「こいつがね、昨日の夜中、仲間と一緒に面白半分で開けよったらしいんですよ。で、問題は中身なんですけどね・・・ちょっと見てもらえます?」

単刀直入に言うと、両手をボクサーの様に構えた人間のミイラらしき物が入っていた。
ただ異様だったのは・・・頭が2つ。シャム双生児?みたいな奇形児いるじゃない。
多分ああいう奇形の人か、作り物なんじゃないかと思ったんだが・・・

監督「これ見てね、ショック受けたんか何か知りませんけどね、この2人何にも喋らないんですよ」

中国人2人は俺らがいくら問いかけても、放心状態でボーっとしていた(日本語はかなり話せるのに)。

あ、言い忘れたけど、そのミイラは
「頭が両側に2つくっついてて、腕が左右2本ずつ、足は通常通り2本」
という異様な形態だったのね。俺もネットや2ちゃんとかで色んな奇形の写真見たことあったんで、そりゃビックリしたけど「あぁ、奇形か作りもんだろうな」と思ったわけね。

んで、例の中国人2人は一応病院に車で送る事になって、警察への連絡はどうしようか、って話をしてた時に、元住職(80歳超えてる)が息子さんが運転する車で来た。開口一番

住職「空けたんか!!空けたんかこの馬鹿たれが!!しまい、空けたらしまいじゃ・・・」

俺らはあまりの剣幕にポカーンとしてたんだけど、住職が今度は息子に怒鳴り始めた。
岩手訛りがキツかったんで標準語で書くけど

住職「お前、リョウメンスクナ様をあの時、京都の~寺(聞き取れなかった)に絶対送る言うたじゃろが!!送らんかったんかこのボンクラが!!馬鹿たれが!!」

ホント80過ぎの爺さんとは思えないくらいの怒声だった。

住職「空けたんは誰?病院?その人らはもうダメ思うけど、一応アンタらは祓ってあげるから」

俺らも正直怖かったんで、されるがままに何やらお経みたいの聴かされて、経典みたいなのでかなり強く背中とか肩とか叩かれた。結構長くて30分くらいやってたかな。
住職は木箱を車に積み込み、別れ際にこう言った。

「可哀想だけど、あんたら長生きでけんよ」

その後、中国人2人の内1人が医者も首をかしげる心筋梗塞で病室で死亡、もう1人は精神病院に移送、解体作業員も3名謎の高熱で寝込み、俺も釘を足で踏み抜いて5針縫った。
まったく詳しい事は分らないが、俺が思うにあれはやはり人間の奇形で、差別にあって恨みを残して死んでいった人なんじゃないかと思う。
だって物凄い形相してたからね・・・その寺の地域も昔部落の集落があった事も何か関係あるのかな。無いかもしれないけど。長生きはしたいです

俺だってオカ板覗くらいだから、こういう事には興味しんしんなので、真相が知りたく何度も住職に連絡取ったんだけど、完全無視でした。
しかし、一緒に来てた息子さん(50過ぎで不動産経営)の連絡先分ったんで、この人は割と明るくて派手めの人なんで、もしかしたら何か聞けるかも?と思い、今日の晩(夜遅くだけど)飲みに行くアポとれました。

リョウメンスクナの話、「宗像教授伝奇考」という漫画に出てきた覚えがある。
スクナ族という、恐らく大昔に日本へ来た外国人ではないかと思われる人が、太古の日本へ文化を伝えた。それが出雲圏の文化形成となり、因幡の白ウサギの伝説もオオクニヌシノミコトの国造りの話もこれをモチーフとした話だろう、と。
そして大和朝廷による出雲の侵略が起こり、追われたスクナ族がたどり着いたのが今の飛騨地方だった。
日本書紀によれば、飛騨にスクナという怪物がおり、人々を殺したから兵を送って退治した、という話が書かれている、と。

つまり、スクナというのは大和朝廷以前の時代に日本へ文化を伝えた外来人のことで、恐らくは古代インドの製鉄を仕事とする(そして日本へ製鉄を伝えたであろう)人々のことではないかと書かれていた。
そして、出雲のある場所で見つけた洞窟の奥にあったものが
「リョウメンスクナ」(両面宿儺)
の像だった、とあった。

スクナ族は、日本へ羅魔船(カガミノフネ)で来た、と書かれ、鏡のように黒光する船であったとのこと。羅魔は「ラマ」で、黒檀系の木の名である、と書かれていたけど、黒ずんだ長い木箱とあったので、これももしかするとラマなのかも・・・?
とすると、リョウメンスクナ様も、逃げ延びて岩手地方に来たスクナ族の末裔なのかもしれないな。
・・・と、オカ板的にはあわない内容かも、と思いつつ書いてみたが。

直前になって何か「やはり直接会って話すのは・・・」とか言われたんで、元住職の息子さんに「じゃあ電話でなら・・・」「話せるとこまでですけど」と言う条件の元、話が聞けました。
時間にして30分くらい結構話してもらったんですけどね。
なかなか話し好きなオジサンでした。要点を主にかいつまんで書きます。

息子「ごめんねぇ。オヤジに念押されちゃって。本当は電話もヤバイんだけど」
俺「いえ、こっちこそ無理言いまして。アレって結局何なんですか??」
息子「アレは大正時代に、見世物小屋に出されてた奇形の人間です」
俺「じゃあ、当時あの結合した状態で生きていたんですか?シャム双生児みたいな?」
息子「そうです。生まれて数年は、岩手のとある部落で暮らしてたみたいだけど、生活に窮した親が人買いに売っちゃったらしくて。それで見世物小屋に流れたみたいですね」
俺「そうですか・・・でもなぜあんなミイラの様な状態に??」
息子「正確に言えば、即身仏ですけどね」
俺「即身仏って事は、自ら進んでああなったんですか!?」
息子「・・・君、この事誰かに話すでしょ?」
俺「正直に言えば・・・話したいです」
息子「良いよ君。正直で(笑)まぁ私も全て話すつもりはないけどね・・・
アレはね、無理やりああされたんだよ。当時、今で言うとんでもないカルト教団がいてね。
教団の名前は勘弁してよ。今もひっそり活動してると思うんで・・・」
俺「聞けば、誰でもああ、あの教団って分りますか?」
息子「知らない知らない(笑)極秘中の極秘、本当の邪教だからね」
俺「そうですか・・・」
息子「この教祖がとんでもない野郎でね。外法(げほう)しか使わないんだよ」
俺「外法ですか?」
息子「そう、分りやすく言えば(やってはいけない事)だよね。ちょっと前に真言立川流が、邪教だ、外法だ、って叩かれたけど、あんな生易しいもんじゃない」
俺「・・・具体的にどんな?」
息子「で、当時の資料も何も残ってないし偽名だし、元々表舞台に出てきたヤツでもないし、今教団が存続してるとしても、今現在の教祖とはまったく繋がりないだろうし、名前言うけどさ・・・物部天獄(もののべてんごく)。これが教祖の名前ね」
俺「物部天獄。偽名ですよね?」
息子「そうそう、偽名。んで、この天獄が例の見世物小屋に行った時、奇形数名を大枚はたいて買ったわけよ。例のシャム双生児?って言うの?それも含めて」
俺「・・・それで?」
息子「君、コドクって知ってる?虫に毒って書いて、虫は虫3つ合わせた特殊な漢字だけど」
俺「壺に毒虫何匹か入れて、最後に生き残った虫を使う呪法のアレですか?(昔マンガに載ってたw)」
息子「そうそう!何で知ってるの君??凄いね」
俺「ええ、まぁちょっと・・・それで?」
息子「あぁ、それでね。天獄はそのコドクを人間でやったんだよ」
俺「人間を密室に入れて??ウソでしょう」
息子「(少し機嫌が悪くなる)私もオヤジから聞いた話で、100%全部信じてるわけじゃないから・・・もう止める?」
俺「すみません!・・・続けてください」
息子「分った。んで、それを例の奇形たち数人でやったわけさ。教団本部か何処か知らないけど、地下の密室に押し込んで。それで例のシャム双生児が生き残ったわけ」
俺「閉じ込めた期間はどのくらいですか?」
息子「詳しい事は分らないけど、仲間の肉を食べ、自分の糞尿を食べてさえ生き延びねばならない期間、と言ったら大体想像つくよね」
俺「あんまり想像したくないですけどね・・・」
息子「んで、どうも最初からそのシャム双生児が生き残る様に、天獄は細工したらしいんだ。他の奇形に刃物か何かで致命傷を負わせ、行き絶え絶えの状態で放り込んだわけ。奇形と言ってもアシュラ像みたいな外見だからね。その神々しさ(禍々しさ?)に天獄は惹かれたんじゃないかな」
俺「なるほど・・・」
息子「で、生き残ったのは良いけど、天獄にとっちゃ道具に過ぎないわけだから、すぐさま別の部屋に1人で閉じ込められて、餓死だよね。そして防腐処理を施され、即身仏に。この前オヤジの言ってたリョウメンスクナの完成、ってわけ」
俺「リョウメンスクナって何ですか?」

※神話の時代に近いほどの大昔に、リョウメンスクナと言う、2つの顔、4本の手をもつ怪物がいた、と言う伝説にちなんで、例のシャム双生児をそう呼ぶ事にしたと、言っていた。

俺「そうですか・・・」
息子「そのリョウメンスクナをね、天獄は教団の本尊にしたわけよ。呪仏(じゅぶつ)としてね。他人を呪い殺せる、下手したらもっと大勢の人を呪い殺せるかも知れない、とんでもない呪仏を作った、と少なくとも天獄は信じてたわけ」
俺「その呪いの対象は?」
息子「・・・国家だとオヤジは言ってた」
俺「日本そのものですか?頭イカレてるじゃないですか、その天獄って」
息子「イカレたんだろうねぇ。でもね、呪いの効力はそれだけじゃないんだ。リョウメンスクナの腹の中に、ある物を入れてね・・・」
俺「何です?」
息子「古代人の骨だよ。大和朝廷とかに滅ぼされた(まつろわぬ民)、いわゆる朝廷からみた反逆者だね。逆賊。その古代人の骨の粉末を腹に入れて・・・」
俺「そんなものどこで手に入れて・・・!?」
息子「君もTVや新聞とかで見たことあるだろう?古代の遺跡や墓が発掘された時、発掘作業する人たちがいるじゃない。当時はその辺の警備とか甘かったらしいからね・・・そういう所から主に盗ってきたらしいよ」
俺「にわかには信じがたい話ですよね・・・」
息子「だろう?私もそう思ったよ。でもね、大正時代に主に起こった災害ね、これだけあるんだよ」

1914(大正3)年:桜島の大噴火(負傷者 9600人)
1914(大正3)年:秋田の大地震(死者 94人)
1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(死者 687人)
1916(大正5)年:函館の大火事
1917(大正6)年:東日本の大水害(死者 1300人)
1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(死者 361人)
1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故(死者 130人)
そして、1923年(大正12年)9月1日、関東大震災、死者・行方不明14万2千8百名

俺「それが何か?」
息子「全てリョウメンスクナが移動した地域だそうだ」
俺「そんな!教団支部ってそんな各地にあったんですか?と言うか、偶然でしょう(流石に笑った)」
息子「俺も馬鹿な話だと思うよ。で、大正時代の最悪最大の災害、関東大震災の日ね。この日、地震が起こる直前に天獄が死んでる」
俺「死んだ?」
息子「自殺、と聞いたけどね。純粋な日本人ではなかった、と言う噂もあるらしいが・・・」
俺「どうやって死んだんですか?」
息子「日本刀で喉かっ斬ってね。リョウメンスクナの前で。それで血文字で遺書があって・・・」
俺「なんて書いてあったんですか??」

日   本   滅   ブ   ベ   シ

俺「・・・それが、関東大震災が起こる直前なんですよね?」
息子「そうだね」
俺「・・・偶然ですよね?」
息子「・・・偶然だろうね」
俺「その時、リョウメンスクナと天獄はどこに・・・??」
息子「震源に近い相模湾沿岸の近辺だったそうだ」
俺「・・・その後、どういう経由でリョウメンスクナは岩手のあのお寺に?」
息子「そればっかりはオヤジは話してくれなかった」
俺「あの時、住職さんに(なぜ京都のお寺に輸送しなかったんだ!)みたいな事を言われてましたが、あれは??」
息子「あっ、聞いてたの・・・もう30年前くらいだけどね、私もオヤジの後継いで坊主になる予定だったんだよ。その時に俺の怠慢というか手違いでね・・・
その後、あの寺もずっと放置されてたし・・・話せることはこれくらいだね」
俺「そうですか・・・今リョウメンスクナはどこに??」
息子「それは知らない。と言うか、ここ数日オヤジと連絡がつかないんだ・・・
アレを持って帰って以来、妙な車に後つけられたりしたらしくてね」
俺「そうですか・・・でも全部は話さないと言われたんですけど、なぜここまで詳しく教えてくれたんですか?」
息子「オヤジがあの時言ったろう?可哀想だけど君たち長生きできないよ、ってね」
俺「・・・」
息子「じゃあこの辺で。もう電話しないでね」
俺「・・・ありがとうございました」

以上が電話で話した、かいつまんだ内容です・・・はっきり言って全ては信じてません。

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24 件のコメント

  • 洒落怖でもトップレベルで好きな話でいつかリクエストしようと思ってました!
    リョウメンスクナって名前自体は日本書紀からあったんですね…勉強になりました
    怪談の方の怖いところはこの後ほんとに東日本大震災起きてるんですよね

    • 酢酸さん、いつもコメントありがとうございます。
      >>怪談の方の怖いところはこの後ほんとに東日本大震災起きてるんですよね
      言われてみればそうですね……。まぁ偶然の一致かもしれませんがこうも立て続けに続くと勘ぐってしまいますよね。

  • 今回も面白い記事をありがとうございます。
    個人的に釘を踏み抜くところが一番怖かったです。
    めっちゃ痛そう( ;´・ω・`)

    • 野良の名無しさん、コメントありがとうございます。
      こちらこそ読んでいただいて光栄です。
      怪我の描写は怪我の内容が身近なほど怖いですよね。やっぱり安易に想像できるからでしょうか。
      ちなみに最近聞いた似た様な話は「寝ぼけてカミソリの間に挟まった毛を取ろうと、刃の上を指でなぞってしまった」です……。

    • かやんばさん、いつもコメントありがとうございます。
      まぁ両面宿儺をそのまま放置するような息子さんですし、多少はね……?

  • 怪物なんかじゃないんでしょうね。それなのに「宿難」なんて名前つけられて、、、未知を受け入れようとしない当時の日本人の愚かさが見て取れるようです。あっ、関係無い(無くはない)んですけど、イザナミ、イザナギのその後が結構面白い(っていう表現は良くないけど)ですよ!もんのすっごく人間くさいですよ!特に「島産み」「神産み」の方法が、、、天沼矛で調べて、Wikipedia読み進める(途中島産み、神産みのリンク読んで下さいね)とわかりますよ!

    • コーギーさん、いつもコメントありがとうございます。
      神話はかなりぶっ飛んでるのが多くて読んでいて楽しいですよね。
      しかも話によっては「ウンコを投げ込んで天照大神がドン引きした」とか低レベルな話も満載で読んでいて飽きないイメージです(笑)

    • シルバさん、いつもコメントありがとうございます。
      らしいですね。宿儺はそういった異民族を敵と認識させるために作られた話なのかもしれませんね。

  • 日本書紀の両面宿儺はデザイン凝ってるのにチョイ役でもったいないですねぇ。

    日本の民話等の登場するモンスターはデザインや設定が凝ってて好きなのが多いです。鵺とか酒呑童子とか黒塚とか。

    • かんばっちさん、いつもコメントありがとうございます。
      私も神話のキャラクター、特に日本のキャラクターは大好きです。
      最近では様々なゲームに登場して、知名度が上がってくれるのは嬉しいのですが、キャラがブレブレになっているのがちょっとショックです……。
      硬派な神話ゲームとか出ないかなー。

  • 日本全体を呪うだなんておっそろしいですね。

    そんな事するくらいですから、よほど嫌な事をされたのでしょうか?

    • さつきさん、いつもコメントありがとうございます。
      私もその辺は気になってます。ただの逆恨みなのか、もしくは大昔に何か由来があるのか……。
      考えても答えはでないのでしょうけれど、理由は気になりますよね。

  • 今回の話は両方ともゾッというより他の怖さがありましたね〜(言葉では表しにくい別の怖さ)
    結構両面宿儺って案外ホラー系の雑誌に乗ったり、何かのキャラの元ネタになったりしてますよね。
    何でもかんでも崇める対象にしたがるヤツには茨歌仙を思い出させる。

    • コロモさん、いつもコメントありがとうございます。
      >>結構両面宿儺って案外ホラー系の雑誌に乗ったり、何かのキャラの元ネタになったりしてますよね。
      ですね。やっぱり見た目というか体のつくりが特徴的だからでしょうか……。
      しかも両面宿儺は「かなり強い」とか「凶悪」というイメージの共通点があるような気がします。

    • 黄金の虎さん、この度はリクエストありがとうございました。
      投稿までに大分時間がかかってしまいましたが、少しでもお楽しみいただけたのであれば幸いです。

    • とほりすがりさん、いつもコメントありがとうございます。
      >>リョウメンスクナのほうはただひたすら『業が深い』の一言です。
      ですね……。かなり闇が深いですよね。
      実際、国内や国外では奇形の方を神様と崇める風習があるところも場合もあるようですが、今回の件については道具としてしか見ていないのがヤバさを引き立てている気がします。

  • この話を聞く度に孔雀王のエピソードを思い出します。それにも、物部天獄にそっくりな名前の敵が出てくるのと、「善人は地獄に落ち、悪人は救われる」として悪人が次々と化物に変化させられるという内容だったと思います

    • 葉月さん、いつもコメントありがとうございます。
      孔雀王という単語を初めてきいて検索してみたのですが、葉月さんがおっしゃってる「孔雀王」というのは漫画の事でしょうか?
      だとしたら、なんとなく3×3アイズを思い出しました。最近はこういう漫画も減ってきましたね。

      • そうです漫画の、紆余曲折あって未だにシリーズが続いてますが、オカルト的に面白いんですよ。裏高野の退魔師の孔雀が色々な敵と戦うっていう分かりやすい内容なのですが、仏教色だけかと思えば途中からナチス残党が出て来たり聖杯やロンギヌスの槍、更には八百万の神と 戦ったり。画風が好みのわかれるタイプなのですが内容は面白いですよ

        • 丁寧な返信ありがとうございます。
          話を聞く限りかなり面白そうですね。特にオカルトものなのにナチ残党が出てくるあたりが非常に気になります(笑)
          機会があれば是非読んでみようとおもいます。

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