恐怖の「大きな黒猫事件」！大きな黒い猫がお母さんを殺した……。

今回の都市伝説のテーマは「怖い話」！
それも一部では有名な「大きな黒猫事件」について紹介したいと思います！

おっ。猫の話？
いいじゃん。私、猫好き。

先に言っとくけど、たぶんマキエが望んでいるような話じゃないよ。

え、そうなの？
UMA的な話じゃなくて？

この話は読者のさつきさんから紹介してもらった話なんだけど、真夜中に女の子から「黒い猫がお母さんを殺した」と通報があって、現場に駆けつけたら女性が死んでいたっていう事件の話なんだ……。

あー……。ホラー系の話……？

なんか勘違いしているみたいだけど、この話は本当にあった殺人事件だよ？
事件当時はニュースとかでも報道されていたんだけど聞いた事とか無い？

え、つまり今回もまた殺人事件の話なわけ……？

だからそう言ってんじゃん。

“大きな黒猫”とか聞くと、普通はUMA的な何かに襲われた話かと思うじゃん。

それはマキエがボクの話を聞いてないだけだよ……。
とりあえず早速紹介していきまっす！

恐怖の大きな黒猫事件「大きな黒猫がお母さんを殺した」

それじゃ改めて、今回紹介するのは「大きな黒猫事件」。
この事件が起きたのは2000年の3月21日、佐賀県佐賀市で発生した殺人事件です。

割と最近ね。

とは言っても今から数えて18年前だけどね。

え、2000年ってもうそんな昔なの……？
ついこの間まで2000年問題とかやってなかった……？

話を違う方向に持って行かないように……。

この事件は一本の119番通報から始まります。
21日の午前2時頃、佐賀市消防本部西分署に一本の119番通報が入るんだ。

ふんふん。

電話口から聞こえて来たのはまだ幼い女の子の声だったんだけど、その子が言うには
「お母さんが血を流して倒れている。」
「大きな黒猫に噛まれたみたい」
という内容。

何それ……。
怖っ……。

通報を受けた隊員も最初は理解できなかったんだけど、イタズラでは無さそうだし、原因はどうあれ、人が血を流して倒れている事には間違いなさそうだったので救急隊員はすぐさま現場に急行。

そして救急隊員が向かった先は佐賀市の鍋島にある、とある一軒家。
そして、ここには当時35歳の女性と、9歳の長女が二人で暮らしていたんだ。

ふんふん。

現場に到着した消防隊員は女性の安否を確認するため、玄関を開けてもらうように頼むんだけど中に居るはずの9歳の長女がカギを開ける気配が無かったから、仕方なくハシゴを使って2階の窓から家の中に入る事にしたんだ。

え、なんで開けてもらえなかったの？

通報した長女は2階にいたんだけど、なんでも恐怖のあまり一階に降りることができなくなっていたんだって。

ふーん。

そして2階の窓から家の中に入った消防隊員が見た物は首から血を流して倒れている女性の姿……。
しかも、消防隊員が到着した時には既に女性は死亡していたんだ……。

消防隊員は辺りを確認したんだけど。部屋は荒らされた様子もなく凶器も無い。
ただ、殺人事件であることは確かだったから、警察を呼んで、その後は殺人事件として調査が開始される事になるんだ。

何……。密室殺人って事……？

明らかに密室じゃないけどね……。

捜査本部を立ち上げた佐賀県警

警察が到着した後、女性の遺体を調査した結果、死因は鋭利な刃物による頚部の刺創と出血。
そして今回の事件は明らかに殺人事件だったため、佐賀県警は即座に捜索本部を設置し、犯人逮捕に向けて調査を開始したんだ。

ふんふん。

そして、ここで重要となってくるのが殺害現場の目撃者である長女。
長女は事件の一部始終を目撃していた可能性があったから、何度か事情聴取を行ったんだ。

そりゃそうよね。

ただ、長女が警察に答えたのは
「大きな猫が窓から入ってきたて、お母さんをかみ殺した」
とか
「黒い猫が包丁でお母さんを刺した」
と、何故か頑なに猫の犯行だと言い続けたんだ。

暗かったからそう見えたとか？

まぁその可能性が高いけどね。

そして、この長女の発言がマスコミの耳に入り、当時のニュースで「大きな黒猫が犯人か！？」みたいな報道を行った事から、今回の事件が「大きな黒猫事件」と呼ばれるようになったんだ。

その後、あまり例のない事件だったから中には
「長女は誰かをかばっているのでは」
とか
「長女が母親を刺し殺して、罪から逃れるために猫のせいにしているのでは」
という噂も出始めるんだよ。

何それ……。
長女の女の子が可哀そう……。

……。
え、長女が犯人じゃないわよね？

大丈夫。長女はじゃないよ。
というか、数か月後に本当の犯人も捕まるんだ。

え、マジで。

逮捕された大きな黒猫。正体は顔見知りの知人男性。

それじゃ最後に大きな黒猫の正体についてだけど、今回の殺人事件の犯人は手島哲也という当時34歳の男性です。

黒猫じゃ無いじゃん……。

いや、まぁそりゃそうだよね……。

で、その手島って人は何な訳？
強盗か何かなの？

手島という人は保険代理店を経営していた人で、もともと殺害された女性と顔見知りだったんだ。

顔見知りの犯行！

そう。
実は被害者の女性は弱視でね、その事もあって知人だった手島氏に買い物や長女の送り迎えを頼む事もあったんだよ。

ふんふん。

そして日頃からの付き合いもあって、保険を契約する際に印鑑や通帳を手島氏に預けるんだけど、手島氏はそれを良い事に保険を勝手に解約したり、預かっていた印鑑を使って勝手に借金したりして、合計で約700万円ほど騙し取っていたんだ。

は！？

そして詐欺がバレるのを恐れた手島氏は真夜中に女性宅に侵入。
寝ている女性の頸部をサバイバルナイフで刺して殺害したって訳……。

え……。
つまり自分が詐欺を働いて、それがバレそうになったから殺したって事……？

まぁ簡単にいうとそういう感じだね。

ふっざけんじゃないわよ……。

そして詐欺の容疑と殺人の容疑で手島氏は逮捕。
その後、裁判では懲役18年の判決を言い渡される事になるんだ。

2000年に起きた事件から18年って、丁度今ぐらいじゃないの……。

そうだね。
刑期が変動してなかったら、そろそろ釈放される時期かもね。

なんか複雑な気分……。

まとめ

以上が「大きな黒猫事件」の全貌でした。
どうだった？

とにかく被害者家族が可哀そうでならない事件だったわね……。
なんで詐欺まで働かれた挙句にナイフで刺されないといけないのよ……。

お金って怖いよね……。

欲しいけどね！

そこですかさず欲しいって言えるマキエの性格は判り易くて割と好きだよ。

誉め言葉として受け取っておくわ。

でも結局は普通の殺人事件なのに、なんで今回の事件だけ都市伝説みたいに語られているのかしら。

んー。これも憶測だけどマスコミのせいじゃないかな。

どういう事？

実は事件が起こったのは3月で、犯人が逮捕されたのは7月ごろなんだ。

それが何か？

ほら、事件が起こった頃はマスコミって大々的に報道するでしょ？
しかもその事件が「大きな黒猫が犯人かも」みたいな話だったらなおさらね。

ただ、実際は顔見知りの男性の犯行だったし、事件発生から3か月以上も経っていた事もあって犯人逮捕の報道はサラっとしか流れなかったみたいなんだ。

あー。つまり事件が起こった事ばっかり印象に残ってて、それがどういう事件だったかわからないまま風化しちゃったって事？

まぁボクの予想だけどね。
そして時間が経つにつれてだんだんと事件自体の話がボヤけてきて、最終的には「大きな黒猫が人を殺した事件がある」みたいな話になっていったんじゃないかな。

都市伝説ってこういう風に生まれるわけか……。

あと今回の話は都市伝説というよりかは「検索してはいけない言葉」とかで有名になったみたいだけどね。

ちなみに鍋島は天正12年に佐賀藩で起きた化け猫騒動の地でもあるから、そういった過去の伝説も影響しているのかもね。

あと、最後になりましたがネタを提供していただいたさつきさん。ありがとうございました。

ありがとうございました。