吸血鬼か……。
前に吸血鬼のモデルになった串刺し公の話を聞いてから少しトラウマなんだけど……。
前に吸血鬼のモデルになった串刺し公の話を聞いてから少しトラウマなんだけど……。
あー。ヴラド3世の話だね。
確かに 20000人の串刺し刑はやり過ぎだよねぇ。
確かに 20000人の串刺し刑はやり過ぎだよねぇ。
で、一応聞くけど、今回はどんな話……?
できたらファンタジー的な話の方がいいんだけど……。
できたらファンタジー的な話の方がいいんだけど……。
今回は9人もの人間を殺害して血液を飲み、最後は硫酸で溶かしていたシリアルキラーの話かな。
あっ……。パスで……。
それじゃ早速紹介していきまっす!
うあー……。
ロンドンを震撼させたシリアルキラー「ジョン・ヘイ」
それじゃ改めて、今回紹介する人物は「ジョン・ヘイ(John George Haigh)」。
1944年から1949年の間に9人を殺害し、生き血を飲んでいた事から「ロンドンのヴァンパイア」とか「20世紀に現れた吸血鬼」とも呼ばれたシリアルキラーでっす。
1944年から1949年の間に9人を殺害し、生き血を飲んでいた事から「ロンドンのヴァンパイア」とか「20世紀に現れた吸血鬼」とも呼ばれたシリアルキラーでっす。
5年間の間で9人か……。
かなりハイペースね……。
かなりハイペースね……。
しかも、ジョン・ヘイは血を飲んだ後は死体を硫酸風呂に浸けて溶かしていたことから「硫酸の殺人鬼」とも呼ばれていたりもします。
硫酸風呂ってミステリー小説とか想像の世界の産物だと思っていたけれど、本当に実在するのね……。
ちなみに今回の事件が発覚したのは1949年の2月20日。
ロンドン市警察にオリーブ・デュランド=ディーコンという人物が行方不明になっているという相談が入るんだ。
ロンドン市警察にオリーブ・デュランド=ディーコンという人物が行方不明になっているという相談が入るんだ。
ふんふん。
そして、警察にその相談を持ちかけたのは、なんとジョン・ヘイ本人とディーコンの友人夫妻。
え、話から想像するとジョン・ヘイはディーコンって人を殺しているのよね?
そうだよ。
じゃぁなんで一緒に警察に相談するの?
ディーコンの友人夫妻はディーコン夫人から「ジョン・ヘイと投資の話がある」って言って出かけたっきり帰ってこなかったんだよ。
一方でジョン・ヘイは「投資の話の約束はしていたが、約束の場所に現れなかった」と答えていたんだ。
一方でジョン・ヘイは「投資の話の約束はしていたが、約束の場所に現れなかった」と答えていたんだ。
ああ、犯人とバレないように“自分もディーコンを探しているっている”っていうポジションな訳か。
この時点ではそうだね。
“この時点では”?
実はジョン・ヘイはあっさりと自供するんだよ。
え?
殺害をあっさり認めたジョン・ヘイ
実はジョン・ヘイは元々、詐欺や窃盗の逮捕歴があってね。
警察は今回の事件もジョン・ヘイが何かしらの情報を握っていると考えてまずはジョン・ヘイの身元回りから調査することにしたんだ。
警察は今回の事件もジョン・ヘイが何かしらの情報を握っていると考えてまずはジョン・ヘイの身元回りから調査することにしたんだ。
そしてまず初めに行ったのがディーコン夫人と投資の話をする予定であった工場。
まぁ工場といっても名ばかりで、殆どは倉庫みたいなものだったみたいだけどね。
まぁ工場といっても名ばかりで、殆どは倉庫みたいなものだったみたいだけどね。
ふんふん。
ちなみにジョン・ヘイが所有していた倉庫には拳銃やガスマスク、特殊なガラス瓶や薬品、そしてドラム缶など、いかがわしい物がゴロゴロと転がっていたんだ。
でも、残念ながらディーコン夫人に直接つながるような物的証拠は発見できずに終わる。
でも、残念ながらディーコン夫人に直接つながるような物的証拠は発見できずに終わる。
ところが後日、警察に思わぬ情報が舞い込むんだよ。
ん?
その情報というのが
「ディーコン夫人の所有物だった宝石やコートをジョン・ヘイが売りさばいている。」
という情報。
「ディーコン夫人の所有物だった宝石やコートをジョン・ヘイが売りさばいている。」
という情報。
えぇぇ……。
なんでそんなすぐに足が付きそうな事を……。
なんでそんなすぐに足が付きそうな事を……。
実はこの時、ジョン・ヘイには逮捕されない自信があったんだよ。
警察はジョン・ヘイがディーコン夫人の所持品を売りさばいていたという情報を元にジョン・ヘイを問い詰めたんだけど、意外な事にジョン・ヘイはあっさりとディーコン夫人の殺害を認めたんだ。
ただ、ジョン・ヘイは笑顔で
「ディーコン夫人を殺したのは私ですが、あなたたちは私を逮捕することはできません。なぜなら、ディーコン夫人の死体は硫酸で跡形も無く溶かしてしまったからね。」
と、言い放つんだ。
「ディーコン夫人を殺したのは私ですが、あなたたちは私を逮捕することはできません。なぜなら、ディーコン夫人の死体は硫酸で跡形も無く溶かしてしまったからね。」
と、言い放つんだ。
……え、どういう事?
証拠があっても死体が無けりゃ逮捕できないって事?
証拠があっても死体が無けりゃ逮捕できないって事?
まぁこの辺は法律とか翻訳とかの話になるんだけど、イギリスには
「人を殺害した事実が無ければ逮捕できない。」
という法律があるんだよ。
「人を殺害した事実が無ければ逮捕できない。」
という法律があるんだよ。
まぁ普通よね。
その「人を殺害した事実」というのを法律用語で「Corpus delicti」って言うんだけど、これはラテン語なんだ。
うん。
そして「Corpus delicti」は翻訳次第では「死体」という意味もあるんだよ。
つまり?
つまりジョン・ヘイは「人を殺害した事実が無ければ逮捕できない。」という法律を「死体が無ければ(見つからなければ)逮捕することができない。」と間違って理解していたって訳。
え、そういうものなの……?
そんなわけ無いじゃん……。
いくら死体が発見されなくても殺人は殺人で罪に問われるからね……?
いくら死体が発見されなくても殺人は殺人で罪に問われるからね……?
しかも逮捕されないと安心しきっていたジョン・ヘイは警察が一度訪れていた倉庫でディーコン夫人を殺害し、硫酸で満たしたドラム缶に入れて溶かして処分した事を自慢げに話たんだ。
Twitterとかで自分で悪事をアップして炎上する人と同じニオイがするわね……。
そんな感じだね。
実際この証言を元に警察は倉庫中をくまなく調査。
そして犯行に使われたドラム缶とドラム缶を転がして移動させた跡を発見するんだ。
実際この証言を元に警察は倉庫中をくまなく調査。
そして犯行に使われたドラム缶とドラム缶を転がして移動させた跡を発見するんだ。
転がした跡?
うん。
そしてドラム缶が転がされた先は倉庫の庭だったから、警察は庭一面の土を持ち帰り鑑識に回したんだ。
すると庭の土から硫酸の成分と溶けきらなかった人間の肉片や骨片が検出されたんだよ。
そしてドラム缶が転がされた先は倉庫の庭だったから、警察は庭一面の土を持ち帰り鑑識に回したんだ。
すると庭の土から硫酸の成分と溶けきらなかった人間の肉片や骨片が検出されたんだよ。
なんで庭に撒く……。
海とか山奥とか下水とか他に見つからないような場所はいくらでもあるでしょうに……。
海とか山奥とか下水とか他に見つからないような場所はいくらでもあるでしょうに……。
たぶん、死体が跡形もなくなった時点で逮捕されないとたかを括っていたんじゃないかな。
なるほどね。
あと、回収した庭の土からは決定的な証拠としてディーコン夫人の入れ歯が発見されています。
がっつり証拠が残ってんじゃん……。
その後は芋づる式で他の8件の殺人事件が発覚してジョン・ヘイは即逮捕。
そして裁判では殺害を自供していた事もあって満場一致で有罪となり、1949年の8月10日に絞首刑となるんだ。
そして裁判では殺害を自供していた事もあって満場一致で有罪となり、1949年の8月10日に絞首刑となるんだ。
ふーん。
でも、この時点で吸血鬼っぽい話は出てきていないわね。
でも、この時点で吸血鬼っぽい話は出てきていないわね。
実は吸血の事実が発覚したのはジョン・ヘイが逮捕された後なんだ。
逮捕後に語られた衝撃的な真実
老若男女問わず9人も殺害した上、硫酸風呂で死体を溶かしたという事件は、当時イギリスで話題になったんだけど、その後の取り調べで更なる衝撃の事実が語られます。
それが血を飲んでいたって奴?
そう。
実はジョン・ヘイは血に対して、特に血を飲む事に対して異常なほど執着していたんだ。
実はジョン・ヘイは血に対して、特に血を飲む事に対して異常なほど執着していたんだ。
実際、ディーコン夫人を殺害したときも
「融資の話をエサに倉庫に呼び出し、後頭部を拳銃で撃ち抜いた。」
「その後、のどを切り裂いてワイングラスに血を注いで飲んだ。」
と証言しているんだよ。
「融資の話をエサに倉庫に呼び出し、後頭部を拳銃で撃ち抜いた。」
「その後、のどを切り裂いてワイングラスに血を注いで飲んだ。」
と証言しているんだよ。
しかもディーコン夫人を殺害した理由を聞かれた時には
「私は憎くて殺したんじゃ無い。血を飲みたいという衝動が抑えきれなかっただけだ。」
と証言していたりもします。
「私は憎くて殺したんじゃ無い。血を飲みたいという衝動が抑えきれなかっただけだ。」
と証言していたりもします。
えぇ……。
そんな事ってあり得るの……?
そんな事ってあり得るの……?
んー。
ちなみに血液をみて快感を感じたり性的興奮が起こる人の事をヘマトフィリア(血液嗜好症)って言うんだけど、現代の医学では精神疾患の一種として認識されてはいるかな。
ちなみに血液をみて快感を感じたり性的興奮が起こる人の事をヘマトフィリア(血液嗜好症)って言うんだけど、現代の医学では精神疾患の一種として認識されてはいるかな。
え……。
血を性的な目で見るって、ある意味すごいわね……。
血を性的な目で見るって、ある意味すごいわね……。
そういう人は意外と多いらしいよ。
あとヘマトフィリアにも細かい部類があって、血を見るだけで興奮するならヘマトフィリアなんだけど、見るだけじゃ満足できないぐらい重傷化するとヘマトディプシア(血液淫虐症)に分類されたりもする。
あとジョン・ヘイみたいに血を吸ったり血を飲みたいって人はヴァンパイアフィリア(吸血嗜好症)だね。
なんかマニアックな世界ね……。
まぁ精神や嗜好は人の数だけ存在するしね。
で、話を元に戻すけどジョン・ヘイがヴァンパイアフィリアに目覚めたきっかけは12歳の頃で、本人曰く
「12歳の頃に怪我をした時、流れ出てきた血液を見ると感動を覚えた。」
「それを舐めてみると、他には代えがたい幸福感を感じた。」
らしい。
「12歳の頃に怪我をした時、流れ出てきた血液を見ると感動を覚えた。」
「それを舐めてみると、他には代えがたい幸福感を感じた。」
らしい。
え……。
たったそれだけの出来事でシリアルキラーになるほどこじらせちゃったの……?
たったそれだけの出来事でシリアルキラーになるほどこじらせちゃったの……?
まぁ両親が熱心なプリマス同胞教会の信者で子供のころに一切の娯楽を禁止されていたり、母親が占い師だったりしたみたいだから、この辺が嗜好をこじらせる原因になったのかもね。
ちなみにディーコン夫人以外の殺害時は
「首筋に噛みついて生き血をすすった」
とか
「ナイフでめった刺しにして噴き出す血を飲んだ」
なんて話もあったりします。
「首筋に噛みついて生き血をすすった」
とか
「ナイフでめった刺しにして噴き出す血を飲んだ」
なんて話もあったりします。
う……。
ただでさえ血は苦手なのに、変に想像したら気持ち悪くなってきた……。
ただでさえ血は苦手なのに、変に想像したら気持ち悪くなってきた……。
まとめ
以上がロンドンを恐怖をばら撒いた吸血鬼「ジョン・ヘイ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
うーん……。
結局、自分の快楽のために殺人を行っていたのなら救いようが無いわね。
結局、自分の快楽のために殺人を行っていたのなら救いようが無いわね。
まぁ「血液を飲んだ」とか「血液が飲みたくて殺人衝動を抑えれなかった」という供述については精神異常を装って無罪判決を受けようとしていたっていう説もあるけどね。
9人も硫酸で溶かしてる時点でだいぶ精神異常者だと思うけどね……。
そうえいばそうだね……。
話は変わるけど実際問題、血液って飲んで大丈夫なの?
んー。
実は血液には嘔吐作用があるから飲もうと思っても飲めるような物じゃないらしいよ。
実は血液には嘔吐作用があるから飲もうと思っても飲めるような物じゃないらしいよ。
え、そうなの?
まぁあくまで一般論的にはだけどね。
フマトフェリアの人は別かもしれないけど。
フマトフェリアの人は別かもしれないけど。
あと、血液には様々なウィルスや病原菌が存在しているから、基本的には推奨できない行為ではあるかな。
まぁそりゃそうよね……。
でも、そんなに血液が好きなら自分で自分の血液を飲んだらよかったのに。
いや、そういう問題じゃないんじゃないカナ……。
それもロンドン中を恐怖に陥れた「ジョン・ヘイ」について紹介したいと思いまっす!