タイトルからして今回の話は海上事故系の話かしら?
そそ。前回紹介した「メアリー・セレスト号」によく似た事件の話でね。
1900年代の初めにアメリカのノースカロライナ州に誰も乗っていない船が流れ着くという事件があったんだよ。
1900年代の初めにアメリカのノースカロライナ州に誰も乗っていない船が流れ着くという事件があったんだよ。
ほほう……。
しかも懸命な捜査が行われたにも関わらず未だに何が起こったかが判明していなくてね。
メアリー・セレスト号に次ぐ未解決事件としても有名だったりするんだ。
メアリー・セレスト号に次ぐ未解決事件としても有名だったりするんだ。
まぁ海の上で起こった事件なんて原因を究明できるほうが稀な気もするけれど……。
まぁその辺はおいといて、早速紹介してきまっす!
無人で流れ着いたキャロル・ディアリング号
それじゃ改めて今回紹介するのは「キャロル・ディアリング号遭難事件」について!
メアリー・セレスト号事件に次ぐミステリー感満載の未解決事件についてでっす。
メアリー・セレスト号事件に次ぐミステリー感満載の未解決事件についてでっす。
まず事件が発覚した時の状況から紹介していくけれど、事件が発覚したのは1921年の1月31日。
この日、ノースカロライナ州の沖合に1隻の帆船が座礁しているのが発見されたんだ。
この日、ノースカロライナ州の沖合に1隻の帆船が座礁しているのが発見されたんだ。
ふんふん。
その帆船が座礁していたのはダイアモンド・ショールズと呼ばれている浅瀬で、もともと座礁事故が多いエリアだったんだって。
で、当然救助隊が編成されて救助活動を開始。
そして船体に書かれた文字から座礁している船はキャロル・ディアリング号であることが判明したんだ。
そして船体に書かれた文字から座礁している船はキャロル・ディアリング号であることが判明したんだ。
ふんふん。
ところが実際に救助隊が救助のためにキャロル・ディアリング号に乗り込めたのは発見されてから4日後の2月4日になってしまう。
え、なんで?
この時、ノースカロライナ州の沖合はすごい悪天候でね。
座礁したキャロル・ディアリング号に近づく事すらできなかったんだよ。
座礁したキャロル・ディアリング号に近づく事すらできなかったんだよ。
あー、悪天候の海って怖いわよね……。
で、4日後にようやく乗り込めたかと思うと、そこは何と無人。
救助隊が船内のどこを探して乗組員を見つける事ができなかったんだ。
救助隊が船内のどこを探して乗組員を見つける事ができなかったんだ。
しかも奇妙なことに厨房には作りかけの食事がそのまま残っていて、まるで神隠しにあったような状態だったんだって。
食事を作っている最中に何かが起こったって事?
だぶんね。
その後は警察や警備隊による調査を行った結果、あるべきはずの救命ボートが無かったり、舵が壊されていたり、航海日誌が何者かによって持ちさられていた事も判明するんだ。
その後は警察や警備隊による調査を行った結果、あるべきはずの救命ボートが無かったり、舵が壊されていたり、航海日誌が何者かによって持ちさられていた事も判明するんだ。
つまり食事を作っている時に何かが起こって、そして慌てて救命ボートで脱出したのかしら。
単純に推理するとそうなるね。
ただ調査を担当した人達は誰も食事の準備をしている時に慌てて逃げ出す理由を説明できないどころか何の痕跡も見つけられずに未解決事件となってしまうんだ。
ただ調査を担当した人達は誰も食事の準備をしている時に慌てて逃げ出す理由を説明できないどころか何の痕跡も見つけられずに未解決事件となってしまうんだ。
キャロル・ディアリング号の足取り
それじゃ次は判明している範囲でキャロル・ディアリング号の動きについて紹介していくね。
あれ?
航海日誌は持ち去られていたんじゃなかったっけ?
航海日誌は持ち去られていたんじゃなかったっけ?
そう。だから航海中の詳しい事はわからない。
だけど港にいる時はいろんな手続きを行うし目撃証言もあるからある程度の動きは判明したみたい。
だけど港にいる時はいろんな手続きを行うし目撃証言もあるからある程度の動きは判明したみたい。
ああ、なるほどね。
まずキャロル・ディアリング号が一体何の船だったかから紹介していくけれど、キャロル・ディアリング号は貨物船として設計された大型帆船だったんだ。
これがキャロル・ディアリング号の写真
これがキャロル・ディアリング号の写真
わー。すごい立派な船ね。
だね。
ちなみに今回の航海はアメリカからブラジルに石炭を運ぶのが目的で、全部で12名の乗り組み員が搭乗していたんだって。
ちなみに今回の航海はアメリカからブラジルに石炭を運ぶのが目的で、全部で12名の乗り組み員が搭乗していたんだって。
え、こんな大きな船を12人で動かすの?
みたいだよ。
ボクも船の知識は一切無いけど意外と少人数で航行できるみたいだね。
ボクも船の知識は一切無いけど意外と少人数で航行できるみたいだね。
へー。すごいわね。
ちなみにキャロル・ディアリング号の船長は「ウィリアム H. メリット」という人物で、第一次世界大戦で活躍した凄腕の船長だったんだって。
そしてキャロル・ディアリング号は1920年8月22日にアメリカから出航。
ところが3日後に船長のメリットが急病に倒れ一番近かったデラウェア州のルイスの港町で下船することになるんだ。
ところが3日後に船長のメリットが急病に倒れ一番近かったデラウェア州のルイスの港町で下船することになるんだ。
あらら。
さすがに凄腕の船長も病気には勝てないか……。
さすがに凄腕の船長も病気には勝てないか……。
だね。
そしてこの時、実はメリットの息子である「ウィリアム H. スーワル」という人物が一等航海士を務めていたんだけど、この時一緒に船から降りなければならなくなってしまう。
そしてこの時、実はメリットの息子である「ウィリアム H. スーワル」という人物が一等航海士を務めていたんだけど、この時一緒に船から降りなければならなくなってしまう。
え、船長と航海士が居なくなったらヤバイんじゃないの?
かなりヤバい。
そこで急遽「W.B.ワーメル」と「チャールズ・B・マクレラン」という人物を船長と一等航海士として採用したんだ。
そこで急遽「W.B.ワーメル」と「チャールズ・B・マクレラン」という人物を船長と一等航海士として採用したんだ。
え……、船長とか一等航海士ってそんなに簡単に見つかるもんなの……?
その辺はちょっとわかんない……。
ただ、2週間後の9月8日には無事にブラジルのリオデジャネイロに到着して荷物の石炭を受け渡すことができたみたい。
ふんふん。
そして少しの期間、乗組員たちに休暇が与えられたんだけど、この時に船長代理のワーメルがほかの船の船長に乗組員たちの不満を訴えている姿が目撃されていたみたい。
ん?乗組員達とうまくいってなかったって事?
そんな感じっぽいね。
そして次にキャロル・ディアリング号が目撃されたのは1920年12月2日。
この日、キャロル・ディアリング号は西インド諸島にあるバルバトスの港に立ち寄っていたんだけど、そこでは今度は乗組員達が船長に対しての不満を漏らしていたんだって。
そして次にキャロル・ディアリング号が目撃されたのは1920年12月2日。
この日、キャロル・ディアリング号は西インド諸島にあるバルバトスの港に立ち寄っていたんだけど、そこでは今度は乗組員達が船長に対しての不満を漏らしていたんだって。
確実にうまくいってないわね……。
しかも仲が悪い者同士が長時間同じスペースで寝泊まりすると考えるとちょっと怖いわね……。
しかも仲が悪い者同士が長時間同じスペースで寝泊まりすると考えるとちょっと怖いわね……。
だね。
しかも一等航海士のマクレランは
「ノーフォークに戻る前にアイツ(船長)を排除して俺が船長になってやる」
ともぼやいていたんだってさ。
しかも一等航海士のマクレランは
「ノーフォークに戻る前にアイツ(船長)を排除して俺が船長になってやる」
ともぼやいていたんだってさ。
あー……。
このあたりが未解決事件のカギになってそうね……。
このあたりが未解決事件のカギになってそうね……。
だね。
ただこの発言によってマクレランは逮捕されて投獄されてしまう。
ただこの発言によってマクレランは逮捕されて投獄されてしまう。
え……。
ただの愚痴で逮捕……?
ただの愚痴で逮捕……?
まぁだいぶ泥酔していたらしいから、他にも色々あったのかも。
ちなみにマクレランが釈放されたのは翌年の1月9日。
船長のワーメル自身がマクレランの釈放を要求。そして釈放されたマクレランを乗せてバージニア州にあるハンプトン・ローズに向けて出港したんだって。
船長のワーメル自身がマクレランの釈放を要求。そして釈放されたマクレランを乗せてバージニア州にあるハンプトン・ローズに向けて出港したんだって。
和解したって事なのかしら?
どうだろう。
航海に一等航海士が必要で仕方なくだったのかも。
航海に一等航海士が必要で仕方なくだったのかも。
そして次にキャロル・ディアリング号が目撃されたのは1921年の1月28日。
この時キャロル・ディアリング号は既にノースカロライナ州の沖合にいて、灯台船によって目撃されていたみたい。
この時キャロル・ディアリング号は既にノースカロライナ州の沖合にいて、灯台船によって目撃されていたみたい。
灯台船?
名前の通り灯台の代わりになる船だね。
灯台が建設できないような場所に錨で固定して灯台としての役割を果たすんだって。
灯台が建設できないような場所に錨で固定して灯台としての役割を果たすんだって。
へー。
ただこの時、灯台船の船長であるジャコブソン船長はキャロル・ディアリング号の甲板で大声を上げる人物を目撃したらしい。
ほう……。
ちなみにその人物は灯台船に向かって
「ケープフィア岬の沖合で大きな嵐に遭遇して、その時に錨を失ってしまった!」
と叫んでいたらしい。
「ケープフィア岬の沖合で大きな嵐に遭遇して、その時に錨を失ってしまった!」
と叫んでいたらしい。
なんだ、“叫んでいる”って言うからもっと悲鳴か何かかと思ったのに……。
割と普通ね……。
割と普通ね……。
船が錨を失うことは普通じゃないとは思うけどね……。
そして次にキャロル・ディアリング号が目撃されたのが1月31日。
最初に説明したダイアモンド・ショールズで座礁しているところだったんだ。
最初に説明したダイアモンド・ショールズで座礁しているところだったんだ。
つまり1月28日から31日の4日間のうちに何かが起こったって事?
かもね。あと出来事をまとめるとこんな感じ
・1920年8月22日
アメリカからブラジルに向けて出港
・8月25日
船長急病によりルイスの港で船長および一等航海士が下船。船長代理と一等航海士代理を急遽採用。
・9月8日
ブラジル、リオデジャネイロに到着。船長が乗組員の不満を漏らしている姿が目撃される。
・12月2日
西インド諸島、バルバトスに到着。
一等航海士が船長に対して暴言を吐き逮捕される。
・1921年1月9日
一等航海士が釈放されハンプトン・ローズに向けて出港
・1月28日
灯台船がキャロル・ディアリング号を目撃。
甲板にいた乗組員が「嵐で錨を失った」と叫んでいた。
・1月31日
ダイアモンド・ショールズで座礁。
アメリカからブラジルに向けて出港
・8月25日
船長急病によりルイスの港で船長および一等航海士が下船。船長代理と一等航海士代理を急遽採用。
・9月8日
ブラジル、リオデジャネイロに到着。船長が乗組員の不満を漏らしている姿が目撃される。
・12月2日
西インド諸島、バルバトスに到着。
一等航海士が船長に対して暴言を吐き逮捕される。
・1921年1月9日
一等航海士が釈放されハンプトン・ローズに向けて出港
・1月28日
灯台船がキャロル・ディアリング号を目撃。
甲板にいた乗組員が「嵐で錨を失った」と叫んでいた。
・1月31日
ダイアモンド・ショールズで座礁。
キャロル・ディアリング号ではいったい何が起きたのか。
それじゃ最後にキャロル・ディアリング号で何が起こったのか、様々な仮説について紹介していくね。
何が起こったのかって、乗組員達による反乱なんじゃないの?
マキエもやっぱりそう思う?
誰が聞いてもそう思うと思うケド……。
色々仮説はあるんだけど、オカルトや超常現象を抜きにすると、この説が一番信憑性が高くて支持されているのがマキエがいった反乱説。
この説は乗組員達が船長代理であるワーメルを殺害。しかしダイアモンド・ショールズで座礁。その後、救命ボートを使って脱出したものの陸にたどり着けずにそのまま海に沈んだっていう説だね。
この説は乗組員達が船長代理であるワーメルを殺害。しかしダイアモンド・ショールズで座礁。その後、救命ボートを使って脱出したものの陸にたどり着けずにそのまま海に沈んだっていう説だね。
普通にこれっぽい気がするけどなぁ。
まぁ可能性は高そうだけど、証拠がないから何とも言えないんだけどね。
最初に言っていた作りかけの食事の理由も説明できないし。
最初に言っていた作りかけの食事の理由も説明できないし。
一応聞くけど他にはどんな説があるの?
他は自然災害説や海賊説、あとは密輸犯説とかだね。
自然災害説はハリケーンに巻き込まれたのではないかっていう説。
ただ当時の気象情報によるとキャロル・ディアリング号がハリケーンに巻き込まれたとは考えにくいみたい。
ただ当時の気象情報によるとキャロル・ディアリング号がハリケーンに巻き込まれたとは考えにくいみたい。
海賊説ってのは?
文字通り海賊たちによる襲撃を受けたっていう説だね。
つまり海賊が来たから調理中の食事をほっぽって救命ボートを使って逃げた……?
かもしれない。
ただ強奪された痕跡や襲撃に遭った痕跡もなくて信憑性は低いみたい。
ただ強奪された痕跡や襲撃に遭った痕跡もなくて信憑性は低いみたい。
あとは密輸犯説だけど、当時はバハマでお酒の密輸に使うための偽装船を他国から奪うという海賊行為が行われていたんだって。
海賊説と大差ないじゃん……。
まぁそうなんだけどね。
ただキャロル・ディアリング号ぐらいの船だと大きすぎる上に有名すぎて密輸に使えないから襲撃の対象にはならないだろうってのが通説みたいだね。
ただキャロル・ディアリング号ぐらいの船だと大きすぎる上に有名すぎて密輸に使えないから襲撃の対象にはならないだろうってのが通説みたいだね。
ああ、奪っても盗難車ってバレたら意味ないもんね。
車じゃないけどね……。
あとオカルト方面の仮説だとバミューダトライアングルが原因だっていう説もあるみたい。
あー。海上のミステリーな事件には必ずバミューダトライアングルの名前がでてくるわよね。
ただこの説にも問題があってね……。
バミューダトライアングルとは全然別のところで起きた事件なんだよね……。
バミューダトライアングルとは全然別のところで起きた事件なんだよね……。
バミューダトライアングル、全然関係ないじゃん……。
まとめ
以上がメアリー・セレスト号事件に次ぐ有名な幽霊船「キャロル・ディアリング号遭難事件」についてでした。
どうだった?
どうだった?
んー……。
確かに無人の船が流れ着くのはミステリーな感じはするけれど、話を聞く限り普通の事故や犯罪が原因っぽいわね……。
確かに無人の船が流れ着くのはミステリーな感じはするけれど、話を聞く限り普通の事故や犯罪が原因っぽいわね……。
そういえば座礁した船は最終的にどうなったの?
あ、爆破して沈められました……。
え……?
一応、湾岸警備隊が別の船で引っ張って海に戻そうとしたんだけど動かなくて、でもそのまま置いておいたらほかの船の邪魔になるからってダイナマイトで……。
未解決事件の貴重な証拠をダイナマイトで爆発って普通はそうそう無いわよね……。
それも「キャロル・ディアリング号遭難事件」についてご紹介したいと思いまっす!