

フェイス・スクラッチャー?
“顔を引っ掻く者”?
“顔を引っ掻く者”?

直訳するとそんな感じだね。
ちなみに現地では「Muhnochwa(ムノチュワ)」って言うそうだけど、フェイス・スクラッチャーと同じ「顔を傷つける者」って意味みたいだよ。
ちなみに現地では「Muhnochwa(ムノチュワ)」って言うそうだけど、フェイス・スクラッチャーと同じ「顔を傷つける者」って意味みたいだよ。

ふーん。
じゃぁ今回は顔をひっかく正体不明の生き物についての話なのかしら?
じゃぁ今回は顔をひっかく正体不明の生き物についての話なのかしら?

そだね。今回の話を一言で言うと
「人間の顔を引っ掻く正体不明の飛行物体が現れた。」
「警察も出動して死者まで出た。」
って感じかな。
「人間の顔を引っ掻く正体不明の飛行物体が現れた。」
「警察も出動して死者まで出た。」
って感じかな。

え、かなり大事件っぽいわね。

実際、当時はかなり大事件になったみたいだよ。
それじゃ早速紹介していきまっす!
それじゃ早速紹介していきまっす!

そういえばアンタ「一言で言うと」って言っていたけど一言じゃなかったわよ……。

細かっ!
暗闇から突如現れて人を襲う「Face Scratcher(フェイス・スクラッチャー)」

それじゃ改めて今回紹介する都市伝説は「Face Scratcher(フェイス・スクラッチャー)」!
北インドに現れた正体不明の飛行物体についてでっす。
北インドに現れた正体不明の飛行物体についてでっす。

今回の事件が起きたのは2002年の8月。
北インドのウッタル・プラデーシュ州で“夜に謎の発光体に顔を引っ掻かれる”という事件が相次いだんだ。
北インドのウッタル・プラデーシュ州で“夜に謎の発光体に顔を引っ掻かれる”という事件が相次いだんだ。

ふんふん。

ちなみにその飛行物体は昆虫サイズの大きさで発光しながら鋭い爪で人間を襲い、襲われた人は顔や体に深い切り傷や火傷のような傷が残るんだって。

なんか日本の妖怪の鎌鼬(かまいたち)みたいなUMAね。

鎌鼬は切っても傷を治してくれるけど、こっちは治してくれないから鎌鼬よりタチは悪いかなぁ。

あー、なるほどね。

しかもその飛行物体は暗闇から突然現れるらしくて、恐怖を感じた市民たちは自警団を結成して夜に見回りを実施するほどだったらしい。

え、そんな社会問題になるぐらいの大規模な話だったの……?

そうなんだよ。
実際、被害者は300人以上にのぼったらしく、次第に市民たちは地球外生命体や敵国によって攻撃を受けていると思い込むようになっていったんだってさ……。
実際、被害者は300人以上にのぼったらしく、次第に市民たちは地球外生命体や敵国によって攻撃を受けていると思い込むようになっていったんだってさ……。

地球外生命体はともかく、敵国って?

具体的にはパキスタンだね。
市民の中にはパキスタン軍のドローン型秘密兵器だって信じていた人もいるみたい。
市民の中にはパキスタン軍のドローン型秘密兵器だって信じていた人もいるみたい。

ああ、なんかインドとパキスタンって仲が悪かったもんね……。
少し前に空爆がどうのってニュースで見た……。
少し前に空爆がどうのってニュースで見た……。

ああ、あったね。

そういえばインドとパキスタンって何で仲が悪いの?

一言で言うなら領土問題だね。
1947年にイギリスの植民地だったインド帝国が解体されてインドとパキスタンに分かれるんだけど、その時にカシミール地方がインドになるかパキスタンになるかで揉めたんだよ。
1947年にイギリスの植民地だったインド帝国が解体されてインドとパキスタンに分かれるんだけど、その時にカシミール地方がインドになるかパキスタンになるかで揉めたんだよ。

その結果、両国は印パ戦争に突入する事になるんだけど……

あ、もういい……。
そこまで詳しく知りたいわけじゃ無いから……。
そこまで詳しく知りたいわけじゃ無いから……。

あっそう……。

まぁとにかく市民たちはその未確認飛行物体を「Face Scratcher(フェイス・スクラッチャー)」や「Muhnochwa(ムノチュワ)」と呼ぶようになるんだけど、暗闇でいつ襲われるかわからないという恐怖状態が別の大きな問題を引き起こす事になるんだ。
恐怖状態に陥った市民は一時的に暴動状態に……。

地球外生命体や敵国から攻撃を受けていると信じ始めた市民達の恐怖は日に日に増す一方だったんだけど、次第に恐怖は怒りに代わり、その怒りの矛先は警察に向く事になったんだ。

え、なんでよ……。

市民たちは警察に「正体不明の勢力から攻撃を受けている」と訴えて保護してもらうよう依頼したんだけど警察は何もしてくれなかったんだよ。

そして市民達は
「未知の勢力から攻撃を受けているのに警察は何もしてくれない!」
ってキレはじめたんだ。
「未知の勢力から攻撃を受けているのに警察は何もしてくれない!」
ってキレはじめたんだ。

う、うーん……。
まぁ気持ちは分からなくはないけれど、それって警察の仕事なのかしら……?
まぁ気持ちは分からなくはないけれど、それって警察の仕事なのかしら……?

まぁ市民の安全を守るのが仕事であれば無関係って訳じゃぁなさそうだけどね。

それもそうか。
で、その後はどうなったの?
で、その後はどうなったの?

警察によって一人の市民が射殺されてしまいます……。

は!?

実は極度の恐怖と怒りを感じていた市民たちは一時的に暴走状態になり次第に暴徒へと発展、そして何を思ったかウッタル・プラデーシュ州のバラハンキ警察署を襲撃したんだ。

えぇぇ……。

一方で襲撃を受けたバラハンキ警察は暴動状態になった市民を解散させるために発砲したんだけど、不幸にもその銃弾が一人の市民に直撃して死亡、さらに暴動のいざこざで12人の負傷者が出てしまうんだ……。

なんかUMAと別のところで大事件になっているわね……。

だね。
で、市民たちが暴動を起こすほどパニックになっている事を知った政府は軍隊を投入。
そして軍隊で採用している最新式レーダーを使ってFace Scratcherの捜索に乗り出したんだ。
で、市民たちが暴動を起こすほどパニックになっている事を知った政府は軍隊を投入。
そして軍隊で採用している最新式レーダーを使ってFace Scratcherの捜索に乗り出したんだ。

おー。本格的ね。

ところが最新の軍事レーダーを使ってもFace Scratcherを捕まえるどころか発見することすらできなかったんだ。
食い違う目撃証言。UMAではなく集団ヒステリー?

最新レーダーを投入しても何の成果も得られなかった政府は今度は専門家に調査を依頼するんだけど、専門家は今回の事件はUMAではなく集団ヒステリーだと考えていたみたい。

集団ヒステリーって感情とか考えが伝染するってやつだっけ。


あー。あったわね。

でも集団ヒステリーって言っても、実際に襲われてケガした人たちがいるんでしょ?

それも真実とは違ったみたい。
市民たちの話では「300人近くが襲われた」という話だったんだけど、いざ実際に本当にけがをした人を調べてみると数人程度だったんだ。
市民たちの話では「300人近くが襲われた」という話だったんだけど、いざ実際に本当にけがをした人を調べてみると数人程度だったんだ。

だいぶ盛ったわね……。

でも、それでも実際に襲われて怪我をした人はいるわけでしょ。

うん。
ただその数人の怪我も医師による診断の結果、自傷行為である事が判明したんだ。
ただその数人の怪我も医師による診断の結果、自傷行為である事が判明したんだ。

え、どういう事……?

まぁ簡単にいうと自分で引っ掻いたって事だね。
なんでもフォークとか自分の爪で引っ掻いた傷だと判明したみたいだよ。
なんでもフォークとか自分の爪で引っ掻いた傷だと判明したみたいだよ。

つまり自作自演って事?

いや、その点はどうだろう。
なんでも本人達は一切覚えてないんだって。
なんでも本人達は一切覚えてないんだって。

えぇ……。
自分の顔を自分でフォークを使って傷つけておいて忘れるなんてあり得るのかしら……。
自分の顔を自分でフォークを使って傷つけておいて忘れるなんてあり得るのかしら……。

そういった出来事を含め、専門家は今回の事件は集団ヒステリーだって結論づけた見たいだね。
しかもFace Scratcherについては目撃証言が実はバラバラで「光りながら空を飛んでいた」という点については共通していたんだけど、見た目や形、さらには大きさや光の色については人によって証言内容が違ったんだ。
しかもFace Scratcherについては目撃証言が実はバラバラで「光りながら空を飛んでいた」という点については共通していたんだけど、見た目や形、さらには大きさや光の色については人によって証言内容が違ったんだ。

つまり話と恐怖感だけが伝染してUMA騒動や集団ヒステリー現象に発展したって事?

まぁその可能性が高いかな。
ただもしかしたら本当に何かいたのかもしれないけどね。
ただもしかしたら本当に何かいたのかもしれないけどね。
まとめ

以上がインドに現れたUMA「Face Scratcher(フェイス・スクラッチャー)」についてでした
どうだった?
どうだった?

んー。
なんかUMAというより奇妙な事件って感じの話だったわね……。
なんかUMAというより奇妙な事件って感じの話だったわね……。

そだね。
そう考えると今回のテーマはUMAより集団ヒステリーのほうが正しかったかもね。
そう考えると今回のテーマはUMAより集団ヒステリーのほうが正しかったかもね。

そうえいば今回の騒動は、その後はどうなったの?

その後すぐに雨季に入ったそうなんだけど、雨季に入った途端に急に市民たちは落ち着きを取り戻して、次第にまるで事件なんてなかったかのように普通の日常に戻ったそうだよ。

えぇ~……。極端すぎない……?

まぁその辺はインドだから。

まぁそれもそうか。

え、それで納得すんの……?
それもインドに現れた「Face Scratcher(フェイス・スクラッチャー)」についてご紹介したいと思いまっす!