中身を見たら死ぬ祟りの酒「猿酒」!その酒の材料は猿の……。

スポンサーリンク
ぐっさん
今回紹介する都市伝説のテーマは「お酒」!
それも“中身を見たら死ぬ”と言われている「猿酒」についてご紹介したいと思いまっす!
マキエ
お酒は好きだから興味あるけれど“飲んだら死ぬ”じゃなくて“中身を見たら死ぬ”なの?
ぐっさん
うん。
というか、“飲んだら死ぬ”ならただの毒だしね。
マキエ
それもそっか。
ところでお酒の“中身”って何?レシピの事?
ぐっさん
それについては話の中で紹介するよ。
マキエ
ふーん。
でもお酒ってどっちかっていうと“清める”とか“呪いを解く”的なイメージがあるんだけど、そんな呪いのようなお酒もあるのね。
ぐっさん
今回の話は呪いというより“霊薬”とか“妙薬”系の話だけどね。
ちなみに猿酒については「中身を見たら死ぬ」という都市伝説寄りの話と「猿が作ったお酒」というおとぎ話系の話があって、せっかくなので両方とも紹介したいと思ってます。
ぐっさん
それじゃさっそく紹介していきまっす!

中身を見たら死ぬ祟りの酒「猿酒」


ぐっさん
それじゃ改めて今回紹介するのは「猿酒」について!
まずは“中身を見たら死ぬ”と言われている恐怖の酒についてご紹介したいと思いまっす!
ぐっさん
この話は秋田県の平鹿郡に古くから伝わる昔話の一つなんだけど、秋田県のとある旧家には江戸時代の頃から伝わる猿を材料としたお酒が保管されているという話があるんだ。
マキエ
え、猿を材料ってどういう事……?
まさか猿が入ってんの……?
ぐっさん
その通り。
まぁイメージ的にはハブ酒みたいな感じかな。
ぐっさん
ただ、ハブ酒と違うのは猿が丸ごと漬けられているわけじゃないみたい。
ちなみに伝わっている作り方は
①3匹の猿の毛皮を剥ぎ、胆のうと背肉を取り出す。
②取り出した胆のうと背肉を30日間、水にさらす。
③日光に当てて乾かして乾いたら今度はお酒に漬ける
④十分にお酒に漬けこんだら再び日光で乾かす
⑤乾いたら今度は塩水に3年間漬けこむ
⑥完成
なんだって。
マキエ
ああ、使うのは胆のうと背肉だけなのね……。
猿が丸々一匹、酒漬けにされているのかと思ったわ……。
ぐっさん
いや、猿の胆のうと肉が入っているだけでも十分にアレだと思うけど……。
ぐっさん
そしてこの手法で作られた猿酒はお腹の薬として使うことができて、お腹が原因の病気については何でも治すことができたんだって。
マキエ
へー。
お腹限定の万能薬って感じか。
ぐっさん
限定されている時点で万能薬じゃないけどね。
マキエ
そういう揚げ足取りはいいから……。
マキエ
でも、現時点では人が死ぬ要素はないわね。
なんで“中を見たら死ぬ”なんて言われているの?
ぐっさん
それは最初に言った秋田県に伝わる昔話が関係しているんだけど、実はこの猿酒を持っていたのは平安時代の頃に山内村に住んでいた嶋田源助という人物なんだって。
マキエ
その嶋田源助って人が作ったってこと?
ぐっさん
いや、猿酒を造ったのは清原武則という当時の武将。
清原武則は山で大猿を3匹捕って来て、さっき紹介した方法で猿酒を造ったんだってさ。
マキエ
ほうほう。
ぐっさん
ところが「後三年の役(ごさんねんのえき)」という戦で清原家は壊滅してしまうんだ。
その時、崩落する城から瓶(かめ)に入った猿酒を持って逃げたのが嶋田源助だったって言われているみたい。
マキエ
え、火事場泥棒的な……?
ぐっさん
どうだろ……。
もしかしたらそうかもしれないけれど、君主の宝が奪われるのを守ったともとれるし……。
マキエ
ふーん……。
ぐっさん
まぁどういう意図があったかは別として、源助は猿酒を手に入れたわけだけど、その猿酒には「お腹の病に効く」という効果がある一方で「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えもあったんだ。
ぐっさん
ところがある日、近くに住むお寺の住職が秘密を探るべく、瓶の中身を見せてほしいとお願いしたそうなんだ。
マキエ
ほう……。
ぐっさん
ただ源助は「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えを教えて見せることを拒んだんだ。
ぐっさん
ところが和尚は諦めるどころか「死んでもいいから中身を見せてほしい」と言ってきたらしい。
マキエ
えらい喰いつきようね……。
ぐっさん
で、あまりにもしつこく頼んでくるもんだから源助は住職に瓶の中を見ることを許可したそうなんだ。
ぐっさん
その結果、なんとその住職は一年も経たない内に命を落としてしまう。
マキエ
ほう……。
それは猿酒が原因で……?
ぐっさん
それについては分からない。
ただ、今度はその住職の息子が
「父親は猿酒が原因で死んだのか確かめたいから俺にも中身を見せてくれ」
と言ってきたんだって。
マキエ
あ~……。
なんかオチが読めたわね……。
ぐっさん
で、源助は仕方なく息子にも瓶の中身を見ることを許可したんだけど、その住職の息子も1年も経たないうちに命を落としてしまったらしい。
ぐっさん
そして、その出来事を目の当たりにした源助は「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えは本物だったとして島田家の家宝として代々秘密裏に受け継がれていくようになったんだってさ。
マキエ
ということは秋田にある島田って人の家にはもしかしたら猿酒があるかもしれないってこと?
ぐっさん
この話が本当で、しかも名前が変わっていなければ可能性はゼロじゃないって感じかな?
マキエ
ちなみに平安時代って西暦何年?
ぐっさん
平安時代は794年から1185年かな。
マキエ
となると1200年近く前のお酒って事か……。
実在したらすごいわね……。
ぐっさん
そうだねぇ。
存在すれば国宝級じゃない?
マキエ
材料が猿じゃなかったら飲んでみたかったわね……。
マキエ
あ、そういえば、最初に言っていたもう一つのおとぎ話寄りの猿酒ってのは?

猿が果樹を集めて作ったお酒「猿酒」


ぐっさん
それじゃ次は「猿が作った酒」として伝わる猿酒について紹介していくね。
ぐっさん
この話が生まれたのはさっき紹介した猿酒と同じく江戸時代。
なんでも山で農作業をしていた村人が、木々の奥から酒の匂いがする事に気が付いたんだって。
マキエ
ふんふん。
ぐっさん
そして気になった村人は酒の匂いがする方向にむかって歩いていくと、そこには千鳥足でフラフラになった猿が一匹いたそうなんだ。
ぐっさん
で、その猿は村人を見るとフラフラの足取りで逃げて行ったそうなんだけど、猿がいた近くの木には大きな窪みがあって、その窪みの中には酒が溜まっていたんだってさ。
マキエ
ほうほう。
ぐっさん
そしてその窪みをよく調べてみると底の方には果物が沈んでいて、これを見た村人は
「猿が果物を窪みにため込み発酵させて酒を造っている」
と考えたらしい。
マキエ
え、お酒ってそんな簡単にできるの?
ぐっさん
温度管理とか酵母とかある一定の条件が整えば腐敗ではなく発酵になってお酒になるみたいだよ。
マキエ
へー。
ぐっさん
そしてこの話が徐々に広まって
「山でお酒の匂いがしたり、木や岩の窪みでお酒を見つけたらそれは猿が作ったお酒だ」
とか
「猿は自分たちでお酒を造り宴会をしている」
なんていう話になっていったんだってさ。
マキエ
なんか日本昔話にでてくるような話ね。
ぐっさん
そういえばそうだね。
ただ、この話はあくまでおとぎ話というか俗説で専門家は
「猿は食べ物を貯め込む習慣はない」
って否定してるみたいだけどね。
マキエ
あ、そなの?
じゃぁあり得ないって事?
ぐっさん
いや、専門家は「猿が意図的に作ったってわけじゃない」って言ってるだけで熟成した果物が発酵してお酒になるのはあり得るみたいだよ。

まとめ

ぐっさん
以上が「中身を見たら死ぬ猿酒」と「猿が作った猿酒」についてでした。
どうだった?
マキエ
とりあえずお酒が飲みたくなった。
猿酒にちなんで日本酒か果実酒がいい。
ぐっさん
ボクはお酒を飲めないからあんまり酒飲みの気持ちはわからないけれど、お酒ってそんなにおいしいものかなぁ……。
マキエ
お酒が飲めないと人生の半分は損してるわよ……。
ぐっさん
酒飲みはみんな似たような事言うよね……。
ボクはお酒よりコーラとかジュースのほうがおいしいと思うんだけどなぁ……。
ぐっさん
あ、ちなみに祟りのほうの猿酒は“酒”ってついているけれど実際は胆のうと肉の塩水漬けだからアルコール成分はないらしいよ。
マキエ
アルコールフリー的な?
ぐっさん
いや、そういう意味じゃなくて……。
スポンサーリンク

20 件のコメント

  • 材料的に中身がグロテスクなのは確かですね。

    しかし、材料が猿なのと、製造工程で二度「日光」と出たので猿軍団を連想してしまったのは内緒です。

    • とほりすがりさん、いつもコメントありがとうございます。
      おお、久々に聞きましたね。猿軍団。
      最近は全然耳にしなくなりましたが今もまだ活動されているのかな?

    • 酢酸さん、いつもコメントありがとうございます。
      猿酒に頼るより市販のお薬に頼りましょう……(笑)

  • 私も酒が飲めないので、
    仮にビールの存在を知らない状態で「これが世界一まずい飲み物です」と言われビールを飲まされたら、普通に納得してると思います。
    なんであれがウマいんだろ?

    • かやんばさん、いつもコメントありがとうございます。
      わかります!マキエを含むビール好きには申し訳ないですがビールは本当に「苦い汁」としか思えません……。
      のどごしとかいうのもいまいちよくわかりません……。

    • ガムごはんさん、いつもコメントありがとうございます。
      それは初耳です。教えていただけるのなら今後酒飲みを論破するときに使います(笑)
      ということは安達祐実さんも下戸なのかな……?

      • その安達祐実さんの発言というのは、おそらくTOKIOの山口さんの事件に関連するものでは?
        事件のあった頃にネットニュースで見た覚えがあるので、それに関連して検索すれば出てくるかもしれません。
        ちなみに自分も下戸なので、どんなお酒も薬のような味にしか感じないですねw

        • SHAZAMさん、返信ありがとうございます。
          見つけてきました。
          「飲む人は記憶を無くしたり、失っているものも多いと思う」
          これですね!
          下戸からしたらまったくもってその通りとしか……。

  • テレビで、発酵した木の実を食べたへべれけリスの映像を観たことがあります。雪が積もってちょっとした坂になっているんですけど、簡単に登れそうなのにめちゃくちゃ苦戦してるっていうやつです。ユーチューブでも見れますよ。「酔っぱらい リス」で。

    • コーギーさん、いつもコメントありがとうございます。
      見てきました。めちゃくちゃ出来上がってますね(笑)
      人間の酔っ払いと同じような動きをしていて面白かったです(笑)
      教えていただいてありがとうございます。

  • 日本の昔話では時折、
    不治の病を治す妙薬としてサルの一部を使った何かが登場しますね。
    肝であったり、脳であったり…。
    現在もアフリカの一部では呪術の道具としてサルが使われていますし、
    サル=不思議な力が宿る動物 という認識は古今東西共通なのかもしれません。

    • RED RUMさん、いつもコメントありがとうございます。
      やはり見た目が人間に近かったり頭が良かったりするからですかね……?
      ちなみに私はW・W・ジェイコブズの猿の手のミイラの話はお気に入りだったりします。

  • 中身を見たら死ぬといっても正体は肉の塩漬けですよね?
    食べようとしたらどうやっても見る事になると思うんですが……。

    • かんばっちさん、いつもコメントありがとうございます。
      胆のうの“塩”漬けではなく“塩水”漬けですね。
      傾けて水分だけだせば中身を見ずに済む……はず!(笑)

      • ???
        メインがどっちかわからなくなってきました。ww
        塩水に漬け込んだ肉がメインなのか、肉を漬け込んだ塩水がメインなのか……。

        • 猿酒というからには液体のほうがメインだとおもってました。
          肉から出るエキスが塩水に染み出す的な……?
          あれ、でも塩水って浸透圧的にどうなんだろ……。

  • 「中を見たら死ぬ」という禍々しい方のが、諸星大二郎氏の漫画にあった、

    「呪術師の弟子二人が後継者の座をかけて争うが、最初から師匠が弟子を騙してて
    勝った方も壺に閉じ込められ、その憎悪を呪殺とかに使う」

    という話のを思い出すな。

    • にとみやさん、いつもコメントありがとうございます。
      諸星大二郎先生の名前は初めて聞きましたが伊藤潤二先生を連想させる作風ですね。
      ああいう劇画風は独特の怖さがあって割と好きです。
      蟲毒もそうですが、壺系って怨念がらみの話が結構おおいですよね。

  • ぐっさん へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。

    CAPTCHA