お酒は好きだから興味あるけれど“飲んだら死ぬ”じゃなくて“中身を見たら死ぬ”なの?
うん。
というか、“飲んだら死ぬ”ならただの毒だしね。
というか、“飲んだら死ぬ”ならただの毒だしね。
それもそっか。
ところでお酒の“中身”って何?レシピの事?
ところでお酒の“中身”って何?レシピの事?
それについては話の中で紹介するよ。
ふーん。
でもお酒ってどっちかっていうと“清める”とか“呪いを解く”的なイメージがあるんだけど、そんな呪いのようなお酒もあるのね。
でもお酒ってどっちかっていうと“清める”とか“呪いを解く”的なイメージがあるんだけど、そんな呪いのようなお酒もあるのね。
今回の話は呪いというより“霊薬”とか“妙薬”系の話だけどね。
ちなみに猿酒については「中身を見たら死ぬ」という都市伝説寄りの話と「猿が作ったお酒」というおとぎ話系の話があって、せっかくなので両方とも紹介したいと思ってます。
ちなみに猿酒については「中身を見たら死ぬ」という都市伝説寄りの話と「猿が作ったお酒」というおとぎ話系の話があって、せっかくなので両方とも紹介したいと思ってます。
それじゃさっそく紹介していきまっす!
中身を見たら死ぬ祟りの酒「猿酒」
それじゃ改めて今回紹介するのは「猿酒」について!
まずは“中身を見たら死ぬ”と言われている恐怖の酒についてご紹介したいと思いまっす!
まずは“中身を見たら死ぬ”と言われている恐怖の酒についてご紹介したいと思いまっす!
この話は秋田県の平鹿郡に古くから伝わる昔話の一つなんだけど、秋田県のとある旧家には江戸時代の頃から伝わる猿を材料としたお酒が保管されているという話があるんだ。
え、猿を材料ってどういう事……?
まさか猿が入ってんの……?
まさか猿が入ってんの……?
その通り。
まぁイメージ的にはハブ酒みたいな感じかな。
まぁイメージ的にはハブ酒みたいな感じかな。
ただ、ハブ酒と違うのは猿が丸ごと漬けられているわけじゃないみたい。
ちなみに伝わっている作り方は
①3匹の猿の毛皮を剥ぎ、胆のうと背肉を取り出す。
②取り出した胆のうと背肉を30日間、水にさらす。
③日光に当てて乾かして乾いたら今度はお酒に漬ける
④十分にお酒に漬けこんだら再び日光で乾かす
⑤乾いたら今度は塩水に3年間漬けこむ
⑥完成
なんだって。
ちなみに伝わっている作り方は
①3匹の猿の毛皮を剥ぎ、胆のうと背肉を取り出す。
②取り出した胆のうと背肉を30日間、水にさらす。
③日光に当てて乾かして乾いたら今度はお酒に漬ける
④十分にお酒に漬けこんだら再び日光で乾かす
⑤乾いたら今度は塩水に3年間漬けこむ
⑥完成
なんだって。
ああ、使うのは胆のうと背肉だけなのね……。
猿が丸々一匹、酒漬けにされているのかと思ったわ……。
猿が丸々一匹、酒漬けにされているのかと思ったわ……。
いや、猿の胆のうと肉が入っているだけでも十分にアレだと思うけど……。
そしてこの手法で作られた猿酒はお腹の薬として使うことができて、お腹が原因の病気については何でも治すことができたんだって。
へー。
お腹限定の万能薬って感じか。
お腹限定の万能薬って感じか。
限定されている時点で万能薬じゃないけどね。
そういう揚げ足取りはいいから……。
でも、現時点では人が死ぬ要素はないわね。
なんで“中を見たら死ぬ”なんて言われているの?
なんで“中を見たら死ぬ”なんて言われているの?
それは最初に言った秋田県に伝わる昔話が関係しているんだけど、実はこの猿酒を持っていたのは平安時代の頃に山内村に住んでいた嶋田源助という人物なんだって。
その嶋田源助って人が作ったってこと?
いや、猿酒を造ったのは清原武則という当時の武将。
清原武則は山で大猿を3匹捕って来て、さっき紹介した方法で猿酒を造ったんだってさ。
清原武則は山で大猿を3匹捕って来て、さっき紹介した方法で猿酒を造ったんだってさ。
ほうほう。
ところが「後三年の役(ごさんねんのえき)」という戦で清原家は壊滅してしまうんだ。
その時、崩落する城から瓶(かめ)に入った猿酒を持って逃げたのが嶋田源助だったって言われているみたい。
その時、崩落する城から瓶(かめ)に入った猿酒を持って逃げたのが嶋田源助だったって言われているみたい。
え、火事場泥棒的な……?
どうだろ……。
もしかしたらそうかもしれないけれど、君主の宝が奪われるのを守ったともとれるし……。
もしかしたらそうかもしれないけれど、君主の宝が奪われるのを守ったともとれるし……。
ふーん……。
まぁどういう意図があったかは別として、源助は猿酒を手に入れたわけだけど、その猿酒には「お腹の病に効く」という効果がある一方で「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えもあったんだ。
ところがある日、近くに住むお寺の住職が秘密を探るべく、瓶の中身を見せてほしいとお願いしたそうなんだ。
ほう……。
ただ源助は「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えを教えて見せることを拒んだんだ。
ところが和尚は諦めるどころか「死んでもいいから中身を見せてほしい」と言ってきたらしい。
えらい喰いつきようね……。
で、あまりにもしつこく頼んでくるもんだから源助は住職に瓶の中を見ることを許可したそうなんだ。
その結果、なんとその住職は一年も経たない内に命を落としてしまう。
ほう……。
それは猿酒が原因で……?
それは猿酒が原因で……?
それについては分からない。
ただ、今度はその住職の息子が
「父親は猿酒が原因で死んだのか確かめたいから俺にも中身を見せてくれ」
と言ってきたんだって。
ただ、今度はその住職の息子が
「父親は猿酒が原因で死んだのか確かめたいから俺にも中身を見せてくれ」
と言ってきたんだって。
あ~……。
なんかオチが読めたわね……。
なんかオチが読めたわね……。
で、源助は仕方なく息子にも瓶の中身を見ることを許可したんだけど、その住職の息子も1年も経たないうちに命を落としてしまったらしい。
そして、その出来事を目の当たりにした源助は「瓶の中身を見たものは死ぬ」という言い伝えは本物だったとして島田家の家宝として代々秘密裏に受け継がれていくようになったんだってさ。
ということは秋田にある島田って人の家にはもしかしたら猿酒があるかもしれないってこと?
この話が本当で、しかも名前が変わっていなければ可能性はゼロじゃないって感じかな?
ちなみに平安時代って西暦何年?
平安時代は794年から1185年かな。
となると1200年近く前のお酒って事か……。
実在したらすごいわね……。
実在したらすごいわね……。
そうだねぇ。
存在すれば国宝級じゃない?
存在すれば国宝級じゃない?
材料が猿じゃなかったら飲んでみたかったわね……。
あ、そういえば、最初に言っていたもう一つのおとぎ話寄りの猿酒ってのは?
猿が果樹を集めて作ったお酒「猿酒」
それじゃ次は「猿が作った酒」として伝わる猿酒について紹介していくね。
この話が生まれたのはさっき紹介した猿酒と同じく江戸時代。
なんでも山で農作業をしていた村人が、木々の奥から酒の匂いがする事に気が付いたんだって。
なんでも山で農作業をしていた村人が、木々の奥から酒の匂いがする事に気が付いたんだって。
ふんふん。
そして気になった村人は酒の匂いがする方向にむかって歩いていくと、そこには千鳥足でフラフラになった猿が一匹いたそうなんだ。
で、その猿は村人を見るとフラフラの足取りで逃げて行ったそうなんだけど、猿がいた近くの木には大きな窪みがあって、その窪みの中には酒が溜まっていたんだってさ。
ほうほう。
そしてその窪みをよく調べてみると底の方には果物が沈んでいて、これを見た村人は
「猿が果物を窪みにため込み発酵させて酒を造っている」
と考えたらしい。
「猿が果物を窪みにため込み発酵させて酒を造っている」
と考えたらしい。
え、お酒ってそんな簡単にできるの?
温度管理とか酵母とかある一定の条件が整えば腐敗ではなく発酵になってお酒になるみたいだよ。
へー。
そしてこの話が徐々に広まって
「山でお酒の匂いがしたり、木や岩の窪みでお酒を見つけたらそれは猿が作ったお酒だ」
とか
「猿は自分たちでお酒を造り宴会をしている」
なんていう話になっていったんだってさ。
「山でお酒の匂いがしたり、木や岩の窪みでお酒を見つけたらそれは猿が作ったお酒だ」
とか
「猿は自分たちでお酒を造り宴会をしている」
なんていう話になっていったんだってさ。
なんか日本昔話にでてくるような話ね。
そういえばそうだね。
ただ、この話はあくまでおとぎ話というか俗説で専門家は
「猿は食べ物を貯め込む習慣はない」
って否定してるみたいだけどね。
ただ、この話はあくまでおとぎ話というか俗説で専門家は
「猿は食べ物を貯め込む習慣はない」
って否定してるみたいだけどね。
あ、そなの?
じゃぁあり得ないって事?
じゃぁあり得ないって事?
いや、専門家は「猿が意図的に作ったってわけじゃない」って言ってるだけで熟成した果物が発酵してお酒になるのはあり得るみたいだよ。
まとめ
以上が「中身を見たら死ぬ猿酒」と「猿が作った猿酒」についてでした。
どうだった?
どうだった?
とりあえずお酒が飲みたくなった。
猿酒にちなんで日本酒か果実酒がいい。
猿酒にちなんで日本酒か果実酒がいい。
ボクはお酒を飲めないからあんまり酒飲みの気持ちはわからないけれど、お酒ってそんなにおいしいものかなぁ……。
お酒が飲めないと人生の半分は損してるわよ……。
酒飲みはみんな似たような事言うよね……。
ボクはお酒よりコーラとかジュースのほうがおいしいと思うんだけどなぁ……。
ボクはお酒よりコーラとかジュースのほうがおいしいと思うんだけどなぁ……。
あ、ちなみに祟りのほうの猿酒は“酒”ってついているけれど実際は胆のうと肉の塩水漬けだからアルコール成分はないらしいよ。
アルコールフリー的な?
いや、そういう意味じゃなくて……。
それも“中身を見たら死ぬ”と言われている「猿酒」についてご紹介したいと思いまっす!