一瞬、甘エビって聞こえた……。
何、お腹空いてんの?
そういえば甘エビって本当の名前はホッコクアカエビって言うんですってね。
え、あ、そうなの……?
知らなかったけどそれが何か……?
知らなかったけどそれが何か……?
ほら、エビって車エビとか伊勢エビとか、ちゃんとした名前で呼ばれているじゃない?
でも何故かホッコクアカエビだけが「甘エビ」って呼ばれるの。
でも何故かホッコクアカエビだけが「甘エビ」って呼ばれるの。
不思議よね。
う……うん……。
まぁ何となく言いたいことは分かるけど、全く関係のないエビの話はその辺で……。
まぁ何となく言いたいことは分かるけど、全く関係のないエビの話はその辺で……。
で、その甘エ……、アマビエはどんな妖怪なの?
マキエは以前に紹介した「件(くだん)」って妖怪を覚えてる?
ああ、上半身が人間で下半身が牛の妖怪だっけ?
いや違う……。上半身じゃなくて顔が人間の牛ね……。
上半身が人間で下半身が牛だとケンタウロスみたいになっちゃうから……。
上半身が人間で下半身が牛だとケンタウロスみたいになっちゃうから……。
さっきから脱線してばっかりだけど、今回紹介するアマビエは件と同じように未来を予知する妖怪なんだ。
へー。
よく似た妖怪もいるものね。
よく似た妖怪もいるものね。
それじゃ早速紹介していきまっす!
熊本県生まれの妖怪「アマビエ」。能力は未来予知?
それじゃ改めて今回紹介する妖怪は「アマビエ」!
ロン毛とクチバシが魅力の半人半魚の妖怪でっす!
ロン毛とクチバシが魅力の半人半魚の妖怪でっす!
ロン毛と……クチバシ……?
しかも半魚……?
しかも半魚……?
そう。
ちなみにアマビエが初めて目撃されたのは弘化3年の、今でいう熊本県なんだけど、その姿がコチラ。
ちなみにアマビエが初めて目撃されたのは弘化3年の、今でいう熊本県なんだけど、その姿がコチラ。
……。
え、ギャグ?
え、ギャグ?
いやいや!大真面目だよ!?
これは弘化3年に書かれた瓦版で非常に貴重な資料でもあるんだよ!?
これは弘化3年に書かれた瓦版で非常に貴重な資料でもあるんだよ!?
なんかポケモンでこんなモンスター居そう……。
あー……、まぁそれは否定できないかな……。
で、このアマビエの予言ってのは?
おっと、そうだった。
アマビエが初めて目撃されたのはさっきも言った通り、弘化3年の熊本県。
当時の熊本県は肥後国って呼ばれていたんだけど、夜になると毎晩、海が光りだすという怪奇現象が起きていたらしい。
アマビエが初めて目撃されたのはさっきも言った通り、弘化3年の熊本県。
当時の熊本県は肥後国って呼ばれていたんだけど、夜になると毎晩、海が光りだすという怪奇現象が起きていたらしい。
へー。
ロマンチック。
ロマンチック。
そして肥後国の藩士が原因を探るべく、夜に海を訪れてみるとそこには髪を下ろした女性が岩に座っていたんだ。
でも、その女性の顔にはクチバシのような物があり、さらに首から下は魚のような鱗があった上、足が三本生えていたんだ。
でも、その女性の顔にはクチバシのような物があり、さらに首から下は魚のような鱗があった上、足が三本生えていたんだ。
え?つまりこの女性がさっきの小学生が描いたゆるキャラみたいな絵の奴ってことよね?
うん、まぁそうなんだけどね。
ふーん……。
何か言いたげだね……。
瓦版を描いた人はよっぽど絵心が無かったのね……。
まぁその辺はおいといて、その半人半魚の女性は調査にきていた藩士に向かってこう言ったんだ。
「我は海中に住むアマビエと申す者なり。」
「今代より6ヶ年間豊作が続くが、病多く人間の六分死す。」
「されども我の姿を描き奉れば病に合わず。」
「努々、忘るるなかれ。また諸国へ相ふれ候よう申しおく。」
「今代より6ヶ年間豊作が続くが、病多く人間の六分死す。」
「されども我の姿を描き奉れば病に合わず。」
「努々、忘るるなかれ。また諸国へ相ふれ候よう申しおく。」
で、簡単に言うと?
簡単にいうと
「私は海中に住むアマビエという者です」
「今から6年間は豊作が続くけど、病気が流行って人間の6割は死んじゃいます」
「でも、私の絵を描いて奉ったら病気になることは無いよ」
「決してわすれず、また他の人にも伝えてね」
って感じかな。
「私は海中に住むアマビエという者です」
「今から6年間は豊作が続くけど、病気が流行って人間の6割は死んじゃいます」
「でも、私の絵を描いて奉ったら病気になることは無いよ」
「決してわすれず、また他の人にも伝えてね」
って感じかな。
へー。
何となく予言内容が件(くだん)の時と似ているわね。
自分の事を絵にかいて広めたらいいって当たりなんか特に。
まるで件(くだん)の話を人魚に置き換えたみたい。
何となく予言内容が件(くだん)の時と似ているわね。
自分の事を絵にかいて広めたらいいって当たりなんか特に。
まるで件(くだん)の話を人魚に置き換えたみたい。
そうだね。確かにそう聞こえるかもしれない。
でも、似ているというのなら実は件(くだん)以上に似ている妖怪がいたりするんだ。
でも、似ているというのなら実は件(くだん)以上に似ている妖怪がいたりするんだ。
え、まじで。
むしろ似すぎていて、歴史の専門家たちの中では
「アマビエって元の妖怪を書き写すときに、ただ名前を書き間違えただけじゃね?」
なんて言われていたりもするんだ。
「アマビエって元の妖怪を書き写すときに、ただ名前を書き間違えただけじゃね?」
なんて言われていたりもするんだ。
え、どういう事……?
アマビエは誤字から生まれた妖怪?本当の姿は「アマビコ」?
アマビエと非常によく似ていると言われている妖怪の名前は「アマビコ」。
漢字で書くと「天日子」や「天彦」と書く、猿のような顔と3本の足をもつ日本各地で伝わる妖怪です。
漢字で書くと「天日子」や「天彦」と書く、猿のような顔と3本の足をもつ日本各地で伝わる妖怪です。
あー。なんか似てる。
なんとなく特徴が一致してるわね。
なんとなく特徴が一致してるわね。
でしょ。
さらに注目して欲しいのが名前なんだけど、カタカナの「コ」って縦棒を書き損ねたら「エ」になるでしょ?
さらに注目して欲しいのが名前なんだけど、カタカナの「コ」って縦棒を書き損ねたら「エ」になるでしょ?
あ、そういえばそうね。
だから“アマビエはアマビコを書き間違えたり読み間違えた結果うまれた妖怪なんじゃないか”とも言われているんだ。
へー。
さらにアマビコも件(くだん)やアマビエと同様に吉報と不幸を予言する妖怪で、自分を書き写した物を奉ったりお守りとすれば不幸事から逃れることができると言ってくるあたりも非常に良く似ているんだ。
似てるっていうか、ほぼ一緒ね。
え、じゃぁアマビエは偶然たまたま誕生した妖怪ってこと?
その可能性が高いんじゃないかな。
もしくは誰かがアマビコの話に海の要素を加えて別の話を作ろうとしたのかもしれないけどね。
もしくは誰かがアマビコの話に海の要素を加えて別の話を作ろうとしたのかもしれないけどね。
まとめ
以上が未来を予言する妖怪「アマビエ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
なかなか面白かったわね。
とくに偶然の産物で生まれたかもしれないって当たりが特に。
とくに偶然の産物で生まれたかもしれないって当たりが特に。
でも、件にしてもアマビエにしても、自分の絵を描いて広めろだなんて、なんでそんなに自分を売り込むのかしら。
んー。
仮に本当に妖怪や神様が居ると仮定したら、やっぱり妖怪や神様は人間に恐れられたり奉られる事こそ本分だと思うんだよ。
仮に本当に妖怪や神様が居ると仮定したら、やっぱり妖怪や神様は人間に恐れられたり奉られる事こそ本分だと思うんだよ。
つまり人間の知名度を上げるための地道な営業活動って感じか……。
まぁあくまで僕の持論だけどね。
じゃぁ神様や妖怪が居ないと仮定したら?
そりゃ瓦版屋が自分のところで書いた瓦版を買ってもらうために決まってんじゃん……。
どっちにしろ営業活動か……。
あと、最後になりましたがネタを提供していただいた葉月さん、ありがとうございました。
それも読者の葉月さんのリクエストにお応えして「アマビエ」について紹介したいと思いまっす!