あ、知ってる!トレドってスペインの首都でしょ?
え、スペイン……?
え?違うの?
ちょっとまって……。
あ、本当だ。スペインの首都ってトレドって言うんだね……。
あ、本当だ。スペインの首都ってトレドって言うんだね……。
スペインの首都は「マドリード」でした。二人して勘違いしていました。
なんかの映画で見たから覚えてたんだけど、アンタの言ってるトレドとは違うの?
スペインの首都のトレドは「Toledo」でボクの言ってるトレドは「Taured」だね。
アメリカでは「タウレッド」って発音することもあるみたいだけど。
アメリカでは「タウレッド」って発音することもあるみたいだけど。
ふーん。
じゃぁアンタの言ってるトレドってのは何なの?
じゃぁアンタの言ってるトレドってのは何なの?
トレドっていうのは国の名前なんだけど、一昔前の日本でトレドが発行したパスポートを持って入国しようとしたヨーロッパ人がいたんだ。
それの何が変なのよ?
ただ問題なのはトレドという国はこの世には存在しないんだよ……。
……え、どゆこと?
気になって来たところで早速紹介していきまっす!
存在しない国「トレド」から来た男
それじゃ改めて今回紹介するのは「トレドから来た男」について。
今回の事件が起こったのは1957年の7月、一人のヨーロッパ人男性が日本の羽田空港に降り立ったところからはじまります。
今回の事件が起こったのは1957年の7月、一人のヨーロッパ人男性が日本の羽田空港に降り立ったところからはじまります。
あ、日本で起きた出来事なんだ。
うん。
ちなみに「The Japan Times」っていう英字新聞で掲載されたことで有名になった事件なんだって。
ちなみに「The Japan Times」っていう英字新聞で掲載されたことで有名になった事件なんだって。
へー。
で、話を戻すとその男性は入国手続きを済ますために入国審査官にパスポートを提出するわけだけど、入国審査官がパスポートをチェックしている時におかしな点に気が付いたんだ。
それがさっき言ってた“国が存在しない”ってやつ?
そう。
なんでもその男性が持っていたパスポートには「トレド」という国から出国したように記載されていたんだけど、そんな国は世界中のどこにも存在しなかったんだ。
なんでもその男性が持っていたパスポートには「トレド」という国から出国したように記載されていたんだけど、そんな国は世界中のどこにも存在しなかったんだ。
ふんふん。
で、入国審査官は偽装パスポートだと判断して男性の入国を拒否したんだって。
まぁ当然といえば当然なのかしらね。
ところが男性はその判断に大激怒。
自分の母国を知らないどころか入国を拒否するとは何事だって怒り始めたんだよ。
自分の母国を知らないどころか入国を拒否するとは何事だって怒り始めたんだよ。
ほう……。
さらにその男性は
「自分は国際的な会社に勤めていて日本に来るのも今回で3回目だ。今まではこんな事は一度も無かった。」
と言ったんだって。
「自分は国際的な会社に勤めていて日本に来るのも今回で3回目だ。今まではこんな事は一度も無かった。」
と言ったんだって。
そして過去の海外渡航歴を確認してみると本当に日本の出入国スタンプがあったらしい……。
え、どういうこと……。
過去の入国審査官が見落としていたって事……?
過去の入国審査官が見落としていたって事……?
さらにそこから男性の奇妙な証言が続くんだ。
辻褄が合わない男性の証言
入国を拒否された男性がすごい勢いで怒るものだから、入国を拒否した審査官は“自分がトレドという国を知らないだけかもしれない”と不安になって一応同僚や上司にも確認したんだって。でも当然、誰一人としてトレドという国を知っている人はいなかったんだ。
ふんふん。
そして入国審査官が考え付いたのが世界地図でトレドという国を指してもらう方法。
入国審査官は別室から世界地図を持ってきてトレドの位置を指で指すように指示したんだ。
入国審査官は別室から世界地図を持ってきてトレドの位置を指で指すように指示したんだ。
一方で大激怒中だった男性もその指示にはおとなしく従ってトレドを指で指し示そうとするんだけど、男性の指はスペインとフランスの国境を行ったり来たりするだけだったんだって。
その男性もトレドを見つけられなかったって事?
そう。そして男性は
「この地図には別の名前で記載されている」
と言ったらしい。
「この地図には別の名前で記載されている」
と言ったらしい。
そこで入国審査官は「名前はひとまず置いておいて、場所だけでも教えてほしい」と言ったところ、男性はアンドラ公国という場所を指し示したんだって。
アンドラ公国?
アンドラ公国はスペインとフランスの国境の中心にある国。
バルセロナから北に200㎞ほど行ったところにあるんだけど、総面積が東京都ぐらいの小さな独立国家だね。
バルセロナから北に200㎞ほど行ったところにあるんだけど、総面積が東京都ぐらいの小さな独立国家だね。
200㎞って言われてもピンとこないんだけど……。
まぁとにかくフランスとスペインの間にある国って事ね?
まぁとにかくフランスとスペインの間にある国って事ね?
そそ。
そして最初はトレドの事を知らない入国審査官に対して怒っていたヨーロッパ人も徐々に動揺し始めて証拠品としてトレドが発行した運転免許証や通貨も提示したそうだよ。
そして最初はトレドの事を知らない入国審査官に対して怒っていたヨーロッパ人も徐々に動揺し始めて証拠品としてトレドが発行した運転免許証や通貨も提示したそうだよ。
そういえば運転免許証の文字は読めたの?
文字?
ほら、異世界の物って文字が読めないって言うじゃない?
ああ、なんでもトレドの公用語はフランス語らしくて国以外はおかしなところはなかったそうだよ。
ちなみにその男性は日本語を喋る事ができたそうだけど、母国語はフランス語なんだって。
ちなみにその男性は日本語を喋る事ができたそうだけど、母国語はフランス語なんだって。
ふーん。
そして男性は自分の身元を証明する方法の手段の一つとして自分が会う予定だった取引先の会社や宿泊予定のホテルの予約票を提出。
試しに入国審査官が電話をかけてみたところ取引先の会社は本当にあったものの「そんな男性は知らない」と言い切られたそうだよ。
試しに入国審査官が電話をかけてみたところ取引先の会社は本当にあったものの「そんな男性は知らない」と言い切られたそうだよ。
ホテルのほうは?
ホテルについてはそもそも存在しなかったみたい。
予約票はあるのに……?
なんか異世界というより別の世界線から来たって感じね……。
なんか異世界というより別の世界線から来たって感じね……。
だね。
そしてさらに最後にもう一つ大きな謎が生まれることとなるんだ。
そしてさらに最後にもう一つ大きな謎が生まれることとなるんだ。
密室から跡形もなく忽然と消えた……?
入国審査を始めてから8時間以上が経過し、結局どれだけ証拠を提出されても男性が持つパスポートでは入国は認められないという事になったんだ。
ただ、送り返そうにもトレドという国が無いもんだから送り返すこともできないし、日も暮れてきたから一先ず男性を空港側が用意した宿泊施設に監視付きで泊まらせることにしたんだって。
ふんふん。
ちなみにこの時の男性はかなり混乱して落ち込んだ様子はあったものの、一応普通には過ごしていたみたいだよ。
そして新たな事件が起こったのは翌日の朝。
空港に戻る約束の時間が近づいて来たから監視員が部屋を訪れてノックしてみたところ何も返事が返ってこなかったんだ。
空港に戻る約束の時間が近づいて来たから監視員が部屋を訪れてノックしてみたところ何も返事が返ってこなかったんだ。
その部屋にはちゃんと泊ったの?
なんでもホテルのレストランで夕食を済ませ、部屋に入るまでは監視員がちゃんと確認していたみたいだよ。
その後は部屋の出入りはなかったみたい。
その後は部屋の出入りはなかったみたい。
ほう……。
そして監視員はホテルに事情を説明しマスターキーで開錠してもらい中に入って確認したところ、男性や男性が持っていた荷物全てが消え去っていたんだ……。
そして監視員は上司に報告するために空港へ連絡。
すると空港側でも異変が起きていたんだって。
すると空港側でも異変が起きていたんだって。
異変?
なんとトレドから来た男性に関する資料や調書がすべて失われていたんだって。
え、なんで……?
いや、それをボクに聞かれても……。
まとめ
以上が存在しな国「トレド」から来た男についてでした。
どうだった?
どうだった?
あれ?終わり?
うん。
残念ながら男も資料も消えて結局は未解決事件入りになったみたいだね。
残念ながら男も資料も消えて結局は未解決事件入りになったみたいだね。
でもなかなか面白かったわね。
世界線とか異世界に移っちゃう話とかは好きよ。
世界線とか異世界に移っちゃう話とかは好きよ。
まぁ冷静に考えるとただの偽装パスポート事件だったっていう可能性もあるけどね。
新聞で取り上げられた時もそう書かれていたみたいだし。
新聞で取り上げられた時もそう書かれていたみたいだし。
偽装するなら存在しない国の名前なんて使わないでしょ……。
あと気になるのは事件が起きたのは1954年なんだけど、この事件が有名になったのは27年後の1981年以降みたいだね。
どゆこと?
過去の事件を面白おかしく拡大解釈して広めた人物がいるかもって事。
ちなみに今回紹介した詳しい経緯は1981年に発行された「Directory of Possibilities」っていう本に載っていた内容みたいだしね。
ちなみに今回紹介した詳しい経緯は1981年に発行された「Directory of Possibilities」っていう本に載っていた内容みたいだしね。
まぁ面白かったからどっちでもいいわ。
ええぇ……。
まぁある意味一番正しいオカルトの楽しみ方かもしれない……。
まぁある意味一番正しいオカルトの楽しみ方かもしれない……。
それも「トレドから来た男(Man from Taured)」についてご紹介したいと思いまっす!