沈没船の運命って何よ……。
マキエは20世紀の三大豪華客船って知ってる?
ん?
20世紀かどうかは分からないけれど豪華客船と言えばタイタニック号なんじゃないの?
20世紀かどうかは分からないけれど豪華客船と言えばタイタニック号なんじゃないの?
そそ。
ちなみにタイタニック号にはオリンピック号とブリタニック号っていう姉妹船があって、その3つがオリンピック級と言われる20世紀の三大豪華客船。
ちなみにタイタニック号にはオリンピック号とブリタニック号っていう姉妹船があって、その3つがオリンピック級と言われる20世紀の三大豪華客船。
ああ、オリンピック号は「タイタニックの事故は保険金詐欺?」の時に聞いたわね。
で、それが今回の話とどう関係すんの?
実はこの3隻の豪華客船は全て大規模な事故を起こしているんだけど、その全ての事故の時に乗り合わせた上に生還した女性がいるんだよ。
マジで……。
ちょっと興味でてきた……。
ちょっと興味でてきた……。
でしょ。
それじゃ早速紹介していきまっす!
それじゃ早速紹介していきまっす!
世界一、沈没船に縁がある女性「ヴァイオレット・ジェソップ」
それじゃ改めて今回紹介するのは「ヴァイオレット・ジェソップ」!
別名「ミス・不沈艦」と呼ばれた女性についてでっす。
別名「ミス・不沈艦」と呼ばれた女性についてでっす。
すごい二つ名ね……。
そう?
かっこよくない?
かっこよくない?
その感性は私には無いかな……。
まぁその辺は置いといて、ジェソップはアイルランドからアルゼンチンに移民してきた両親から生まれたアルゼンチン育ちのアイルランド人女性。
ちなみに余談だけど9人兄妹の長女だったりします。
ちなみに余談だけど9人兄妹の長女だったりします。
9人兄妹……。
すごいわね……。
すごいわね……。
今の日本だったらテレビに出れるレベルだよね。
そしてジェソップは子供のころはアルゼンチンで生活していたんだけど、16歳になった時に父親のウィリアムが手術の合併症のため死亡。
その後、一家はイギリスに移り住み母親のキャサリンは船の客室乗務員として働く事となったんだ。
その後、一家はイギリスに移り住み母親のキャサリンは船の客室乗務員として働く事となったんだ。
ああ、お母さんも客室乗務員なんだ。
ところがジェソップが21歳になったころ、母親のキャサリンは病気になり働けなくなってしまう。
そこでジェソップは母親と同じように客室乗務員として働く事を決意し、実際に客室乗務員として働く事となるんだけど、その選択によって彼女の身には想像を絶するような不幸が降りかかることになるんだ……。
1回目;オリンピック号の衝突事故
それじゃ次は実際にジェソップが体験した海上事故について紹介していくね。
まず一番最初に遭遇した事故は1911年に起きたオリンピック号の衝突事故。
オリンピック号は当時、世界最大の豪華客船で不沈艦の異名を持っていたんだけど、ちょうどこの頃にオリンピック号の製造元であるホワイトスターライン社に入社したジェソップはオリンピック号の客室乗務員として勤務する事なったんだ。
オリンピック号は当時、世界最大の豪華客船で不沈艦の異名を持っていたんだけど、ちょうどこの頃にオリンピック号の製造元であるホワイトスターライン社に入社したジェソップはオリンピック号の客室乗務員として勤務する事なったんだ。
ふんふん。
そしてオリンピック号が就航を開始したわずか3カ月後、サウサンプトンを出発したオリンピック号はソレント海峡付近でイギリス海軍のエドガー級防護巡洋艦「ホーク」と衝突。
オリンピック号の右舷側には2つの大きな穴が開き、プロペラシャフトが大きく曲がってしまうという大損害を受けてしまうんだ。
オリンピック号の右舷側には2つの大きな穴が開き、プロペラシャフトが大きく曲がってしまうという大損害を受けてしまうんだ。
うわぁ……。
ただ大事故ではあったけど、オリンピック号はなんとか自力でサウサンプトンまで帰港。
死者を出すことなく、なんとか事故を乗り越えることができたんだ。
死者を出すことなく、なんとか事故を乗り越えることができたんだ。
ああ、沈没は免れてるのね。
1回目はね……。
2回目:タイタニック号の沈没事故
オリンピック号が事故に遭い航行ができなくなったため、ジェソップが次に乗り込んだのは誰もが知る豪華客船タイタニック号。
彼女は1912年4月10日から再びタイタニック号の客室乗務員として働くこととなるんだ。
彼女は1912年4月10日から再びタイタニック号の客室乗務員として働くこととなるんだ。
沈没しなかったとはいえ、あれだけの大事故の後にもう一度船に乗ろうと思ったわね……。
その辺はやっぱりプロなのかな?
ただご存じの通りタイタニック号は北大西洋で氷山と衝突して沈没してしまう。
この沈没事故は1912年の4月14日に起きたんだけど、ジェソップが勤務を再開したわずか4日後だったりします。
この沈没事故は1912年の4月14日に起きたんだけど、ジェソップが勤務を再開したわずか4日後だったりします。
うわぁ……。
しかもこの事故は1513人の人が命を落とすという当時では史上最悪の海難事故となってしまう……。
一方でジェソップは英語が通じない人たちを救命ボートに乗せるため、救命ボートまで先導して一緒に乗り込んだ事でなんとか無傷で生還することができたんだ。
1回目の事故とは比べ物にならないぐらい悲惨な事故に遭ってるわね……。
3回目:ブリタニック号の沈没事故
それじゃ最後はブリタニック号の話。
タイタニック号の沈没事故に遭った後もジェソップは辞める事無く客室乗務員として働いていたんだ。
タイタニック号の沈没事故に遭った後もジェソップは辞める事無く客室乗務員として働いていたんだ。
すごい根性ね……。
ところが1914年に第一次世界大戦が勃発。
そして1915年の12月12日にブリタニック号はイギリス海軍省の命令により病院船として徴用される事となるんだけど、ジェソップも同時にブリタニック号の船上看護師として働く事になったんだ。
そして1915年の12月12日にブリタニック号はイギリス海軍省の命令により病院船として徴用される事となるんだけど、ジェソップも同時にブリタニック号の船上看護師として働く事になったんだ。
あっ、嫌な予感しかしない……。
そして事故が起こったのは船上看護師として働きだした約1年後の1916年11月12日。
サウサンプトンから出向したブリタニック号はナポリを経由してレムノス島に向かっていたんだけど、その途中にあるケア海峡でドイツ軍の機雷に接触してしまう。
サウサンプトンから出向したブリタニック号はナポリを経由してレムノス島に向かっていたんだけど、その途中にあるケア海峡でドイツ軍の機雷に接触してしまう。
機雷に接触したブリタニック号の艦体には大きな穴が開き、同時にボイラー室に海水が入り込み船首は浸水のために沈下。
わずか55分という短い時間でブリタニック号は海深くへと沈んでいってしまったんだ。
わずか55分という短い時間でブリタニック号は海深くへと沈んでいってしまったんだ。
ちなみにこのブリタニック号には1065人もの人が乗船していたんだけど、死者はわずか30名。
この30名は沈没中のブリタニック号のスクリューに巻き込まれた2隻の救命ボートに乗っていた人達なんだけど、なんとジェソップはスクリューに巻き込まれた救命ボートに乗っていたんだ……。
この30名は沈没中のブリタニック号のスクリューに巻き込まれた2隻の救命ボートに乗っていた人達なんだけど、なんとジェソップはスクリューに巻き込まれた救命ボートに乗っていたんだ……。
え、一人だけ生き残ったって事?
うん。
なんでもスクリューに巻き込まれそうになった時に自分から救命ボートから飛び降りて一命を取り留めたんだって。
なんでもスクリューに巻き込まれそうになった時に自分から救命ボートから飛び降りて一命を取り留めたんだって。
その的確な判断は経験から来るものなのかしら……。
ただジェソップも今回ばかりは無傷って訳にもいかなくて、頭蓋骨が骨折するほどの大けがを負ってしまったんだって……。
回数を重ねるごとに被害度が増してってるわね……。
ジェソップのその後 & まとめ
以上が沈没船の運命を背負って生まれた「ヴァイオレット・ジェソップ」についてでした。
どうだった?
どうだった?
1回目は沈没せずにセーフ。
2回目は沈没したけど無傷で生還。
3回目は沈没して頭蓋骨陥没か。
2回目は沈没したけど無傷で生還。
3回目は沈没して頭蓋骨陥没か。
1回目あたりで懲りて船から降りてれば良かったんじゃない……?
まぁそれは結果論だから何とも言えるし、事故に巻き込まれながらも客室乗務員として働き続けたのはすごい事なんじゃないかな。
まぁすごいとは思うけど……。
ちなみに3回目のブリタニック号が沈没した4年後の1920年には客室乗務員として復帰して63歳になる1950年まで客室乗務員として働き続けたそうだよ。
マジで……。
プロを通り越して職人レベルね……。
プロを通り越して職人レベルね……。
そういえばオリンピック号の後には事故は起こらなかったの?
特に大きな事故はなかったみたいだよ。
ちなみに最初にいってた「ミス・不沈艦(Miss Unsinkable)」と呼ばれ始めたのはこの頃かららしいよ。
ちなみに最初にいってた「ミス・不沈艦(Miss Unsinkable)」と呼ばれ始めたのはこの頃かららしいよ。
ふーん。でもよくよく考えるとすごい強運の持ち主よね。
あれだけ大きな事故に遭ったのに怪我を負ったものの生還するなんて。
あれだけ大きな事故に遭ったのに怪我を負ったものの生還するなんて。
大きな事故に連続で遭う時点で強運とは言えないんじゃ無いかな……。
……あれ?
それも沈没船の運命を背負って生まれた「ヴァイオレット・ジェソップ(Violet Jessop)」についてご紹介したいと思いまっす!