

日本人形って着物を着たおかっぱ頭の女の子の人形よね。

うん。昔から日本にある伝統的な人形だよ。

私、リアルな人の人形苦手なのよね……。
昔はそうでもなかったけど、今じゃリカちゃんとかでもちょっと怖いもん。
昔はそうでもなかったけど、今じゃリカちゃんとかでもちょっと怖いもん。

あ、そうなの?
どんなところが苦手なの?
どんなところが苦手なの?

なんだか生きていそうな気配がするじゃない。
そこが苦手。
そこが苦手。

あー。なるほど。
でも、今回紹介するのは「髪が勝手に伸びて、実は生きているんじゃないか」と思わせる話なんだ。
でも、今回紹介するのは「髪が勝手に伸びて、実は生きているんじゃないか」と思わせる話なんだ。

だからそれが苦手なんだって……

それじゃあ、まずは髪が伸びる人形が誕生した経緯から紹介していくね!

人の話を聞きなさいよ……。
呪いの日本人形と持ち主の「菊子」

この髪が伸びる人形が生まれたのは大正7年。
「永吉」という男が娘へのお土産として日本人形を買ってあげたのがはじまりです。
「永吉」という男が娘へのお土産として日本人形を買ってあげたのがはじまりです。

小さい子にとってはとてもうれしいお土産ね。

ちなみに永吉の娘の「菊子」は当時3歳。
その人形をとても気に入っていて、常に肌身離さず持ち歩いていて寝る時も一緒に布団に入っていたらしいよ。
その人形をとても気に入っていて、常に肌身離さず持ち歩いていて寝る時も一緒に布団に入っていたらしいよ。

それだけ気に入ってもらえるとプレゼントした甲斐があるわね。

ただ、そんな菊子は風邪をこじらせて肺炎になってしまうんだ。

あ、ヤな予感……。

そして残念ながら菊子は肺炎が原因で帰らぬ人となってしまう……。

可哀相に……。一番可愛い時よね。
お父さんも辛かっただろうな。
お父さんも辛かっただろうな。

そうだね。
永吉は悲しくて毎日娘の遺骨と一緒に祀った人形を拝んでいたらしい。
永吉は悲しくて毎日娘の遺骨と一緒に祀った人形を拝んでいたらしい。

残された人は拝むぐらいしかしてあげられることがないものね。

そんな毎日が続いたある日、永吉はあることに気がついたんだ。
菊子にこの人形を買ってあげた時は、髪はオカッパぐらいの長さだったんだけど、気づいた時には髪が肩にかかるほどまで長くなっていたんだ!!
菊子にこの人形を買ってあげた時は、髪はオカッパぐらいの長さだったんだけど、気づいた時には髪が肩にかかるほどまで長くなっていたんだ!!

んー……気のせいとかじゃなくて……?

でも、肩までだよ?
明らかに長さが違うよね。
明らかに長さが違うよね。

それもそうね……。

ちなみに家族はこの現象をみて「菊子の霊が乗り移った」って思ったらしい。

それは……、いい意味で?悪い意味で……?

そこまではちょっと……
さらに髪が伸び続けた菊子の日本人形

そして昭和13年に入ると第二次世界大戦がはじまって永吉は樺太へ移住。
その時に菊子の遺骨と人形は萬念寺っていうお寺に預けられたんだ。
その時に菊子の遺骨と人形は萬念寺っていうお寺に預けられたんだ。

樺太って北海道よりまだ北の所よね。

そそ、今じゃロシア領になっちゃてるけどね。
そして、永吉が次に菊子の人形と対面できたのは戦争が終わった後になるんだ。
そして、永吉が次に菊子の人形と対面できたのは戦争が終わった後になるんだ。

第二次世界大戦ってどれぐらい続いてたっけ

実は日本は第二次世界大戦がはじまる前に中国と戦争をしてたから、それを合わせると約7年間も戦争してたことになるね。

という事は預けてから最短でも7年が経ってるって事か。

そう。そして久しぶりの対面だったけど、その時人形の髪はさらに伸びていたんだって。

ちなみに比較的新しい菊子の人形の画像がコチラ!


写真を見ても分かる通り、オカッパ頭とは全く正反対のロングヘアになっているんだよ。
ここまで違うのに気のせいや勘違いってことはやっぱり考えにくいよね。
ここまで違うのに気のせいや勘違いってことはやっぱり考えにくいよね。

っていうか髪の長さうんうんより単純に人形が怖いわ……。
諸説ある菊子の人形の都市伝説

実はこの都市伝説には他の話も存在しているんだよ。

へぇー。どんな話?

人形の髪が伸びるってところは変わらないけど、娘の名前が「菊子」じゃなくて、「清子」や「菊」だったり、お父さんの名前が「永吉」ではなく「助七」に変わっていたりする。

まあ、そのぐらいの違いは口語りの中で、変わってしまったのかもしれないわね。

他には、預けに来た人が「私の娘です。可愛がってください」と言い残して置いていったという話もあるよ。

え?自分の娘って……なんだか意味深ね。

その人形を預けた人が住職の夢に登場して
「人形の髪を切ってあげてほしい。」と言ったっていう逸話も残ってる。
「人形の髪を切ってあげてほしい。」と言ったっていう逸話も残ってる。

住職は二日続けてこの夢を見たらしくて、それでおかしいと思って人形を箱から取り出すと髪が伸びていんだって。

ちょっと怖い話ね。

他には「住職がたまたま大掃除をしたときに、ふと人形の入った箱を開けたら人形の髪が包み紙から出てしまうぐらい伸びていた」なんて話もあるみたいだよ。

へー。
本当に色んなパターンがあるのね。
本当に色んなパターンがあるのね。

そうなんだよ。
でも、やっぱり共通している点は人形の髪が伸びていたって所だね。
でも、やっぱり共通している点は人形の髪が伸びていたって所だね。
なぜ人形の髪の毛が伸びたのか……

そしてこのお菊人形なんだけど、実は実在しまっす!

まじで!

しかも今でも人形は萬念寺に祀られていて、本当に髪が伸びていることも確認されているんだ。

え!?
怪談とか怖い話みたいな作り話じゃなかったの!?
怪談とか怖い話みたいな作り話じゃなかったの!?

しかも今も伸び続けてるってどういうこと……。

気になるでしょ?
ここからは人形の髪が伸びた謎を科学的に解明していこうと思う。
ここからは人形の髪が伸びた謎を科学的に解明していこうと思う。

え、そんな怪異現象を科学的に解明できるの……?

このお菊人形の髪が伸びた理由の一番の有力な可能性は伸びたのではなく「ズレた」んじゃないかと言われてるんだ。

ずれた?
カツラがずれたみたいな発言ね。
でも、それじゃあ誰がみてもすぐわかるじゃない。
カツラがずれたみたいな発言ね。
でも、それじゃあ誰がみてもすぐわかるじゃない。

漫画に出てきそうなカツラのズレじゃないよ。
日本人形はそんな簡単な作りじゃないんだよ。
日本人形はそんな簡単な作りじゃないんだよ。

そういえば日本人形ってどうやって髪の毛を留めてるの?

日本人形の髪の植毛方法は色々あるんだけど、その中でも特に多い植毛方法は1本の長い髪を2つ折りにして、その中央部分を紐で括って人形の頭に植えるという方法なんだ。

植えるだけ?
それじゃあ、すぐ抜けちゃいそうなんだけど。
それじゃあ、すぐ抜けちゃいそうなんだけど。

もちろんすぐ取れないように接着剤で固定するよ。
そして、この植毛方法だと例えば20センチある髪を半分に折って植え込むと、見た目は10センチぐらいの髪の毛が2本あるように見えるわけ。
そして、この植毛方法だと例えば20センチある髪を半分に折って植え込むと、見た目は10センチぐらいの髪の毛が2本あるように見えるわけ。

あ、オチがわかったかも!

そう。
接着された部分が時間が経つにつれて接着力が無くなったり無理な力が加わった時に少しずつ結んだ部分の髪がずれていって髪が伸びた風に見えることがあるんだって。
接着された部分が時間が経つにつれて接着力が無くなったり無理な力が加わった時に少しずつ結んだ部分の髪がずれていって髪が伸びた風に見えることがあるんだって。

つまり、最初は10センチの髪の毛が2本あったのがずれて、2センチと8センチになったりするとまるで伸びたように見えるって事ね?

そういう事。
果たしてお菊人形の髪の植毛方法は?

理屈が判ると意外と単純な話だったわね。
それじゃぁこのお菊人形の植毛方法もこのタイプだったって事?
それじゃぁこのお菊人形の植毛方法もこのタイプだったって事?

それは残念ながら解明されていません……。

え、なんで?

実はお寺の意向で調査がされていないんだ。
だから、さっき話した植毛の方法でお菊人形が作られているのかは分からない。
だから、さっき話した植毛の方法でお菊人形が作られているのかは分からない。

じゃあ、結局、真相は分からないってこと?

そうなんだよ。
でも、さっき言った方法だと髪の毛が伸びるには髪の毛が引っ張られたりする「外部からの力」が必要になるんだよ。でも、永吉が人形の髪を引っ張るようなことは考えにくいし、ただ祀ってるだけで髪が伸びる理由にはならない。
でも、さっき言った方法だと髪の毛が伸びるには髪の毛が引っ張られたりする「外部からの力」が必要になるんだよ。でも、永吉が人形の髪を引っ張るようなことは考えにくいし、ただ祀ってるだけで髪が伸びる理由にはならない。

んー。
じゃあ、やっぱり。本当に菊子の霊が乗り移っているの……?
じゃあ、やっぱり。本当に菊子の霊が乗り移っているの……?

調査さえ出来れば解明されるけどね。
現時点では謎は謎のままだね。
現時点では謎は謎のままだね。

なかなか不気味で怖い話だったわね……。

その点、フィギュアは髪が伸びないから安心だよね!

フィギュアを飾りまくってる男の人をみると別の意味で怖いんだけど……。
それも日本では有名な「お菊人形」についてでっす!